ある土曜日。澄んだ青空に数本の飛行機雲が描かれていました。まるで傑作邦画『君の名は。』で彗星が地球に降り注ぐワンシーンのようです。距離感すらつかめなくなる、どこまでも透き通った青空でした。
10郎と今年初のピッチング練習をした宜野湾海浜公園グラウンドからの光景でした。
さて、少年野球道まっしぐらの愛息。先日の練習試合で、久しぶりの先発登板機会があったのですが、コントロールが定まらず、1回で降板(涙)。自信をなくしかけていました。そんな愛息を応援しようと、こんなものを買いました。 巻き尺(左、1759円)と簡易版ベースセット(2259円)です(もちろん、8郎とそっくりさんのジェフ・ベゾス氏率いるAMAZON経由)。
巻き尺はバッテリー間や、捕手と2塁間の距離を測るためです。ピッチングはもちろん、キャッチャーとして二盗阻止の練習をするためです。これまでの父子の練習では、て~げ~の距離でやっていたのですが、コントロールを磨くには、やはり、正しい距離感を意識した練習が大事だと痛感したからです。
10郎は守備もうまくなり、バッティングに関してはほぼ三振はしません。流し打ちでもタイムリーヒットを放つなど好調です。しかし、ピッチングの方は結果を残せていません。父の真似をして階段2段上りをはじめ、毎日の素振りなど、自分なりの練習もこつこつ続けていますが、まだまだ気迫が足りないようです。「野球はプラス志向で」と考えている父8郎は常に「いずれお前がエースで4番になる。いや、お前しかいないんだ」とのんびり屋の息子に暗示をかけ続けています(星8徹登場!)。
少しでも効果的な練習を教えてあげたいと、8郎も、数年前から野球界を席けんしている(?)投球フォーム理論のインバートW(悪い例)とスタンダードW(よい例)の違い、を学んでいます。説明はややこしいのですが、スタンダードWとは簡単にいうと、かつて否定されていた“手投げ”をよしとし(語弊があるかもですが)、腰と肩の回転を使って投げる、というフォームです。ひじと肩に力がかかりすぎていた従来の投げ方から、全体に分散するようにしたのです。ボールを持つ手と頭の距離が近いのもだめなんだそうです(8郎はまさにこの投げ方。笑)。歴代投手を見ても、スタンダードW型の投手はけががないのだとか。とにかく、ダウンスイングを強制してきたバッティング理論同様、「ひじから出せ。ひじを肩より上にあげろ」などという、喝オヤジ的な昭和世代のピッチングフォームも、時代に合わなくなってきているのです。
うさんくさい伝統にこだわるよりは、魅力的な新しい考えにトライしてみたい8郎。ということで、畳み間で10郎と一緒に新しいフォームに取り組んできました。そこで驚いたのは、父8郎が昭和の教えにのっとって矯正しようとしていた愛息10郎のナチュラルな投げ方は、実はスタンダードWに近かったのです。ピュアな子供の動体力学を簡単に否定してはいけないと、46歳、恥ずかしながら学ばせていただきました。理論は教えつつも、息子がこの投げ方が投げやすい、と言えば、それを優先させてあげようと思っています。
2020年1月現在の愛息10郎のピッチングフォームを記録しておきます。もちろん購入した巻き尺で学童用バッテリー間の距離16㍍を測ってマウンドを設置。動画撮影を連続写真に変換しました。興味のない方には申し訳ございません。メジャーリーグのレジェンド速球王ノーラン・ライアンや、ロッテに入団した163㌔高校生、佐々木朗希投手のように、ひざを高く上げます。
YOU TUBEに数ある投球フォーム解説番組(うさんくさいやつも多々あり)で、父子ともに一番納得がいった方法で練習します。
90度以内にひじをまげないように。
もっと腕をまっすぐ~。ひじをあまり曲げないで~。ひじが胸より先に出ないように! 腕で投げるのでなく、腰の回転で投げるのだ! うっせ~な~、この親父(10郎の気持ちを想像代弁)
両肩と腰の回転、グラブを持った左手の使い方はまだまだ修正余地がありますが、まあまあの形ではないでしょうか。
このフォームが固まれば、どんどん投げ込みができる。投げ込みを重ねれば、必ずコントロールもよくなり、威力のあるボールで勝負できるぞ!
このあとは、巻き尺でホームベースの後端部から32.52㍍を測り、2塁ベースを設置。キャッチャーとしての盗塁阻止の練習も行いました。ワンバウンドながらいい球投げていました。撮影はすべて妻です。
・ ・ ・ ・ ・
話は変わって、イタリアンの経験が全くないもこはちシェフのコーナー「HACHI's キッチン」です(て、誰か~)。先日、会社の同僚からいただいたガーリックオリーブオイルで簡単ペペロンチーノを作ってみることに。
小瓶の中をマクロ撮影でのぞいてみると、美しい黄金色のオイルの中に、砕いたニンニクがたっぷり入っています。ガーリックの香りが鼻孔を直撃! 食欲そそる~。
完成。賞味期限がとっくに切れていたバジルを振りかけてしまったのはご愛敬(衛生的に問題あり)。鷹の爪は切れていました。
別の日にはトーストにも使いました。その日の新聞がお皿代わりです。
おいしかったですね。同僚に感謝です。ガーリックをたっぷり摂ったので、人と話すときは距離感に留意したのは言うまでもありません(笑)。
・ ・ ・ ・ ・
最後は、愛息10郎の面白ショットで締めさせていただきます。
2月の春季大会に向けて、気合の丸刈りをした10郎。風呂上りにスウェットを着て、何気にポケットに手を入れた姿があまりに面白くて、撮影。本人もちょっと気取りながらポージング。おい、何やさぐれ感出してるばぁ~。短い足でかっこつけちゃって~(爆)。
そんな愛息は、無断で撮影しまくる“パパ”ラッチに、短い足で、距離感無視のかかと落とし!(笑) 届いてね~ぞ。早く布団敷いて寝ろ~。
46歳8郎の人生において、息子ほどシャッターを切りたくなる被写体はいません。これからも出会うことはないでしょう。
10郎が小学校を卒業するまでの3年間、家族3人とも少年野球に時間と体力を注ぐことになりそうです。8郎的にも、例え資格試験勉強にマイナスの影響が出るとしても、永遠の野球少年を自認する人生において、息子とのキャッチボールに時間を費やしたことを後悔することはないでしょう。逆に、やっておかなければ絶対に後悔するでしょうね。自分の肩とひじを壊してでも、息子のためにいいフォームを見つけてあげたいものです。
10郎が思春期を迎えるまでのあと数年は、父子間の距離をぐっと縮めておきたい、と考えている親ばか46歳です。
今日はこれにて。