沖縄 8 Scene

沖縄で生まれ沖縄に生きる
      8郎家の日記

祝15年 アルプスの旅(4日目)

2019年10月21日 | 県外 8 Scene

 結婚15周年記念旅行の4日目です。朝、起きてニュースを見ると、台風19号による水害が大変なことになっていました。長野県内を流れる千曲川が決壊し、多くの水、土砂が住宅街を襲っていたのです。8郎らがいる浅間温泉はほとんど被害がありませんでしたが、長野市などは多くの被害を受けていました。被災された方々の無事を祈るばかりです。

 さらに、8郎家にも大きな影響が。この日の午前中で乗って東京まで戻るはずだった特急「あずさ」が終日運休となったのです。午後に帰京するという手段も消えました。ほかの手段を探したのですが、長野県内の陸路がほぼ壊滅状態ということで難しそうです。

 そう二人悩んでいるときに、部屋の電話が鳴ったのでびっくりしました。フロントから朝食の案内でした。飯を食うのも忘れるくらい、8郎夫妻、テンパっていたのですよ。スタッフの皆さんのプロ意識に感謝します。

 昨夜、暗さのあまり怖くて近づけなかった階段が、3階の食堂へ通じる道でした。金田一ワールド、意識しすぎ(笑)。

 お姉さん二人が準備してくれていました。山菜中心の健康メニューです。

 食堂はもちろん貸し切り。おいしゅうございました。

  さあ、今日はどう動くか、決めなければなりません。スマホで情報収集する妻。どうやら上高地へのアクセス規制は解除されたようです。ひまな10郎は寝ころんでコロコロタイム。

 ニュースでは悲惨な水害の状況が報道され、見ているだけで心が塞ぎ込み、動く気になれません。しかし、今は、15周年記念旅行の最中であることも間違いありません。畳間でごろごろしている時間がもったいないのです。天気も台風一過の快晴。今、できることは何か。。。窓越しの青空を見て8郎夫妻は決めました。

 

 「そうだ。もう一度、上高地に行こう!」です(笑)。

 

 上高地のシンボル、名山の奥穂高岳が一度も拝めなかったことは、いつまでも後悔しそうだからです。今日の天気なら拝めるはず。行くしかない! そう決めると、動くしかありません。チェックアウトをすませ、旅館を出ました。

 入口には大きな松明がありました。実は昨日とこの日、浅間温泉名物「たいまつ祭り」が予定されていたのですが、台風の影響で中止となっていたのです。これは奉納されるはずだった巨大たいまつなのです。台風さえなければ、祭りも見られたのに~。残念無念。

 ご参考までに ⇒ 浅間温泉『たいまつ祭り』

 さようなら「梅の湯」さん。歴史的な台風直撃の日に、大変お世話になりました。

 レンタカーで松本駅に向かいます。1泊延長したレンタカーですが、台風という特殊な事情ということで、延滞料はありませんでした。とてもありがたかったので、店名を紹介します。松本駅近くのタイムズレンタカーさんです! みなさん、機会あれば使ってあげてください(笑)

 リベンジの思いを込め、バスターミナルで上高地行きのチケットを購入します。ん? 昨日もバスでよかったあらに!? なんで8郎は難儀して運転したのかな?

 とは言え、バス停までは電車で移動です。車窓から見るアルプスの山々。台風とは無縁の美しい光景です。乗客は外国人観光客が4分の1くらいですかね。 

 川は土砂の色になっていました。

 やっとYOUTUBEを見ることができた10郎。昨日は8郎がネット情報収集で使いっぱなしだったからね。ネット料が心配です(汗)。

 新島々(しんしまじま)というターミナルでバスに乗り換え。いざ、2日連続の上高地へバスで出陣! 自分が運転していないと景色も楽しめます。

 10郎が父のスマホで何やらしていたので、後ほど確認すると、自撮りの顔をLINEで妻に送っていたのです。出た! ネズミ!

 アンデッド!

 一人後ろに座るお母さんを楽しませようとした息子の思いやりかな。

 途中で見る川はやはり土砂の色。本来は清流なのでしょうが。 

 途中でこのような山小屋バス停で一人待つ外国人がいました。ていうか、どうやってこのバス停まで来たのでしょうか。何十㌔も林道続きでしたが。結局このバスにも乗りませんでした。ん? 誰です? 8郎と間違えたのは?

  ひまつぶしに愛息の表情を写そうと思っても、隠してしまいます。もう疲れたのかな。

  ついには、このようにダースベーダーのようになってしまいました。でも、つぶらな瞳は隠せません!(笑)

 しまいには完全武装。

  さて、前回も書きましたが、山間部のトンネルは狭くて怖い! 地下鉄なみに壁とスレスレに走るさまを動画に収めているので、体感していただければと思います。

 1時間半近くかけて上高地に着きました! 1日ぶりです(笑)。昨日と違い観光客もたくさんいました。しかし、期待していた天気はそれほど快晴でなく、奥穂高岳など全く見えません。移り変わりの激しい山の天気に期待するしかありません。

 まずはランチ。河童橋近くのカフェです。

 8郎はトマトカレー(¥930)。旅行太りを押さえようと勇気をもってカツカレーを断念したのです。でも、ちょっと足りないな~。

 それを見越した妻が飛騨牛コロッケを半分くれました。

  さあ、出発です。昨日、雨でびしょぬれになった二人。おニューの靴で足取りも軽く。

 沖縄では体験できない高原散策のスタートです。昨日と違い心地よく歩けそうです。

 途中にNIKON製の望遠鏡がありました。今回の旅にもNIKON製のマイ双眼鏡を持参したのですが、結局使わなかったかなぁ。文字通りお荷物になってしまった。

 晴れていたらこれだけの山並みが見えるんですよ、というプレート。雲をかぶって全く分かりません。まぁ、昨日のように雨に打たれないだけいいか。

 途中、昨日宿泊した「上高地ルミエスタホテル」を通過。1日越しに記念写真を撮ることができましたた。やったね。ところでアルプスにもネズミはいるのですね。

 上高地を世界に紹介した英国人宣教師で登山家のウォルター・ウェストンの功績を讚えて日本山岳会が立てた碑、だそうです。

 10郎撮影。

 アルプスの中心で愛を叫ぶ。「やっほー」。

 さぁ、上高地の美しい風景を、父8郎と愛息10郎の写真対決🔥でご紹介します! まずは46歳の父撮影。今回の旅には、台風を想定してスーパーエースのD300は帯同させませんでした。水に濡れても、1㍍の高さから落としても大丈夫の、タフネス2番手のSTYLUS TG-2が5日間フル回転しました!

 湿原を這うように作られたウッドデッキ。

 ススキ?

 川面に半身を沈める倒木に何とも風情がありました。

 いたるところに流れ出るアルプスの清流。

 白樺好きね~。「高原の白い貴公子」と呼ばれているそうです。木材としての評価は低いらしいっす。

 STYLUS TG-2でこそ撮れた半水面の景色。

 まさに高原~。沖縄にこんなところない。

 そして愛息10郎、9歳の渾身の一枚がこちらです! 奥穂高岳とは真逆の焼岳(やけだけ、2,455㍍)方向に焦点当て、逆光でとらえていました。子供ながらの逆転の発想です。親バカながら、美すぃ~。カップルをうまく(無許可で?)モデルに使っています。

 10郎撮影のおまけ。ナナメ感がいい味出していませんか。

 最後に妻撮影も。

 歩いていると、奥穂高岳方面から雲が移動しつつあるのが見えました。もしかしたら! 歩く足もスピードアップ。

 雲がいなくなるの期待して、妻セレクトのカフェでコーヒータイムで時間をつぶします。アップルパイが有名だとか。

 せっかくだからと外でいただきます。ちょっと寒かったけど。

 10郎はリンゴ味のソフトクリーム。長野県はリンゴ🍎の名産地でもあるそうです。 

 8郎はくるみケーキでした。とてもおいしゅうございました。高原という環境が風味を倍増したようです。

  カフェを出て、妻子がお土産品店でお土産を探しているとき、8郎は気づきました。奥穂高岳方面の雲がかなり薄まり、青空が出てきているのです! 慌てて妻に電話しました。走ってきた妻が父子の写真を撮ってくれました。

 母子のも一枚!

 2枚とも10郎の変顔に目が行ってしまったという方、申し訳ございません(笑)

 最後は通行人にお願いしてスリーショット。

 帰り際には青空MAXになりました。上高地の神様から最後で最高のプレゼントです。妻も喜んでいました。もう一度来てよかった! 山の神が15周年を祝ってくれたに違いありません。

 バスターミナルからも美しき連山の姿が。

 ありがとう、上高地。ありがとう、アルプスの神々。

 ついに今回の旅の最大目的を果たすことができました。妻にご希望の景色を見せてあげることができました。満足して帰路に就きます。

 バスの中でぐったりする10郎。そりゃあ、つかれたことでしょう。寝たふりではありませんでした。

(おまけ) 上高地を出る前に、大正池に写る「逆さ穂高」を撮ることができました。窓越しなので画像が粗いですが、ご容赦下さい。

 バスターミナルに着くころにはもう真っ暗。これでも17時半くらいです。

 ここからまた電車。

 やっと松本駅に到着。怪しげな満月が光っていました。松本市内はほとんど被害がなかったようです。

 しかし、これから正念場です。最終日である明日の行動計画を立てなければならないのです。駅校内のチケット売り場で情報を収集していた妻が青ざめた表情で走ってきました。

 「特急あずさが明日も全面運休だって」

 大変なことになりました。つまり当初の計画がとん挫したのです! 最終日に東京に戻れなくなってしまったのです。

 あわてた8郎一家は、急ぎ構内の食堂「花のれん」に入り、緊急鼎談を開くことにしました。

 下写真は8郎が注文した、松本市の名物だという「松本丼」です。なんでも卵とじに山芋(とろろ)を使っているのだとか。しかし、意外にもとろろの存在感は薄く、普通のカツ丼でしたね(笑)。ただ、明日のことが心配で心配で、ほとんど味を感じないまま完食。食事中ずっと片手にスマホだった妻もカツカレーの味をほとんど覚えてないそうです。【閑話休題】

 8郎夫妻は箸、スプーンを片手に、もう片方にスマホ。東京へ戻る代替案として、臨時バス、レンタカー、タクシーを検索。ネット、電話で調べまくります。しかし、ほとんどの道路が水害にあっているということで、陸路🚅は全滅。血の気が引く思いでした。こうなったら別途費用に10数万円かけても仕方ないと、空路🛫まで検討しました。しか~し、長野県から陸路で行けそうなセントラル空港、石川空港発の沖縄便がすべて満席なのです。「最後の最後」の手段として、松本空港から北海道の千歳に生き、千歳から沖縄に帰るという壮大なプラン(笑)も検討しましたが、千歳行きが満席でした。なんといっても3連休の最終日ですから。

 ダメのダメ元で航路🚢まで検索しましたが、なんと、2017年に本土と沖縄を結ぶ旅客フェリーは全廃されていたようです(もちろんLCCの影響です)。そもそもあったとしても一日でたどり着きませんが。

 8郎の心に、これまで歴史小説などでしか字面を見たことがないセリフがよぎりました。 

 「万策尽きたか・・・」

 レンタカー会社には断られ、タクシー会社との連絡もうまくいかず、まさにもうすることがなくなりました。時間なのでホテルに移動することにしました。帰り際、10郎が珍しく「自由帳を買いたい」とだだをこねるので、仕方なく本屋で購入。歩いて3分のスーパーホテルにチェックイン。地ビール「信州浪漫を自販機で購入。350円と高価な割に、あまりおいしくなかったですね(謝)。緊張のせいかもしれません。

 狭い部屋でスマホ片手にピリピリする8郎夫婦。8郎も、この状況で決して妻に言ってはいけない言葉「だからワイハがよかったあらに!」(笑)という言葉を何とか唾と一緒に飲み込みました。顔に出ていたかもしれませんが、なんとか飲み込んだのです。今回の旅は妻への感謝の思いを込めた中身にしたかったはず、と心に言い聞かせました。そして何より、このほど正社員になったばかりの妻だけに、妻の方が「旅行で延泊しました」とは口が裂けても言えない状況なのです(笑)。妻のほうが焦っていたことは間違いありません。

 そんな両親の不穏な空気を読んだのか、愛息10郎が突然「俺、漫画描くね」と言い出したのです。そして、先ほど買った自由帳をめくると、ホテルのボールペンを使って、コロコロコミックを参考に写実を始めたのです! 

 緊張度を高める両親を前に、自分の心を落ち着かせるためか、または、逆に両親を落ち着かせるためだったのでしょうか。8郎にはどちらにも見えました。1時間後立派に描き上げた息子をたくさん褒めてあげました。

 さらに10郎は、シャワーを浴びた後も、すっぽんぽんのまま、コロコロコミックを仁王立ちで読み始めます(おそらく10回目)。 その姿に父と母も爆笑。あまりの面白さにパチリ!

 「おい!勝手に撮んなよ~」by10郎。

 お尻を撮られて恥ずかしかったのか、それとも眠たかったのか、10郎はベッドの2階に逃げ込んでしまいました。

 と思ったら、久々に妖怪「のぞキッズ」の登場です! 早く寝巻着ろ~。

 こういう写真を撮れるのも今年が最後かなぁ(しかもネットに流出してるし)。10郎、和ませてくれてありがとう! 

 とは言え、社会人である父と母の不安とストレスはもちろん簡単には消えません。わずかな望みとしては、①仮予約していた翌日の「あずさ」の奇跡的な復旧(結局、壊滅的被害で数日運休でした)、②連絡つかずの相乗りタクシーに空席発生、③臨時バスの運行、に期待するしかない状況です。つまり運任せの状況なのです。

 それ以上、どうすればいいのか手段を探せないまま、力尽きた8郎夫妻も深夜1時過ぎに眠りに着きました。本当につかれましたね。まさに苦楽両方の面で、この旅の山場となった4日日でした。

 明日、東京に戻れなかったら、延泊するしかありません。会社・学校を休むことになり、最悪の結果となります。費用もどれだけ追加されることやら。一体、どうなる8郎家の旅!

 長々と書いてきた結婚15周年旅行記も次回で大団円を迎えますので、最後までお付き合いください。