沖縄 8 Scene

沖縄で生まれ沖縄に生きる
      8郎家の日記

「暴風」の中で

2007年09月15日 | 読書

 現在(14日)、沖縄本島は台風11号暴風域の真っ只中。11号は小型なので接近するまではその勢力を感じない、とはニュースで聞いていましたが、まさにそのとおり。ハチローが住んでいる浦添市は午後11時ごろから急に、風雨が強くなりました。ベランダのハンガーも揺れています。

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 さて本日OFFだったハチロー。台風による曇り空に加え、二日酔いだっため、終日家でアザラシ状態。でも、ただ眠るだけでは世間様に取り残される(汗)、と一応を取りました。以前からパラパラ読んでいたアメリカ文学の古典「老人と海」(ヘミングウェイ:著)は残りわずかだったので、さらっと完読。海の上で孤独と闘いながら漁をする老人の勇気ある姿に触れましたが、まぁまぁ面白かったかな、という感じ。特に、どーんとくるものはなかったです。ハチローがもっと歳をとれば、違った感想を持つのでしょうが・・・。そして以前もご紹介した「東大教授が学生に勧めるすごい小説第1位」(笑)であるロシア文学「カラマーゾフの兄弟」(ドストエフスキー:著)は50Pあたりで現在小休止・・・。長いカタカナの名前のオンパレードで登場人物を覚えるのが大変なんです!まぁ、想像していたよりは読みやすいので、こればっかりは気長に完読を目指そうかと・・・。「頭がグラグラした」「これ以上すごい小説はでてこないだろうと思った」などとという感触を味わってみたいのです(笑)

 ということで、今日選んだのは本棚で眠っていた「鉄の暴風」(沖縄タイムス社:編)。1950年に出版されPhoto_354 た、沖縄戦を物語る上で欠かせない県内出版界最大のロングセラーです。慶良間諸島の「集団自決」や、本島の十・十空襲、そしてあの有名な「ひめゆり学徒隊」についても書かれています。当時の県民の悲惨な状況と、追い詰められていく日本軍の動きがリアルに描写されています。風雨とどろく中、ハチローもまるで戦場をさ迷い歩いているかのように、読ませていただきました。※でも60年前の文体であるため、句点がかなり多く、読みにくいっす!

 しかし、現実のハチローに降り注いでいるのは、ただの風と雨。自然現象です。対して、当時の人々に降り注いでいたのは文字通り「鉄の暴風」、爆弾、銃弾だったのです。「人間が人間を殺す」という意志をもった「暴風」が吹き荒れていたのです。戦争とは、まさに狂気の世界ですね。

 平和のありがたさを、忘れてはいけませんね。 

※ところでこの本、登場する日本軍の少佐の子孫から「名誉毀損」で訴えられているようですね。どちらが正しいのかは、その場にいなかったハチローには分かりませんが、「弱い立場」の言い分に重きを置くのが、あったりまえの原則ではないでしょうか。権力ある者は必ずウソをつくんですから・・・。

 さて、そろそろ寝まーす。zzz・・・。