JAZZを聴きながら ふたたび

恥も顧みないで再々開、よろしければお付き合いを

邯鄲の夢

2007年08月31日 | g-i

ふと気づけば暑かった8月も今日で終わり、虫の声と澄んだ空の季節へと移り進んでいくのですね。あの暑かった日々をもう少し楽しみたかった・・(嘘ですよ、うそ)
一週間前は、夜鳴く虫は蝉だったのが、今晩あたりはきちんと秋の虫が鳴いているのですから、季節の移ろいというものは不思議にも思えてきます。

「便所コオロギだって、ゴキブリだって、ゲジゲジだって、綺麗な声で鳴けば嫌われ者にはならなかったのかなぁ?」
さて?虫籠で鳴くゴキブリやゲジゲジを、私は見たくはありませんが(笑)

虫売りのむなしく帰るにぎやかさ

昔、お江戸じゃ夏場に虫売りが歩いていたそうですけど、帰る頃には売り残りの虫の声で、うるさいくらいだったとか、虫の声も数いりゃいいというものでもないのでしょうね。

これから夜長になれば、早く寝りゃいいものを、ついつい遅くまで本を読んだり、レコードを聴いたりして遅寝になってしまうのは何故なんでしょう。えっ「おまえの場合は酒を飲んで遅くなんだろう」ってですか?「そうそう酒も肴も美味しい季節になりますから」って、そうじゃなくて。
夜遅くなると、人は少しずつ寝静まっていくのに、虫たちはどんどん盛んに鳴き続けます。全員(全虫?)一定のリズムを刻んでいたかと思えば、突然一斉に静かになったり、そしてまた鳴き始めたり・・・・・・
鈴虫やコオロギの声を肴に、澄んだ風を受けながら飲む酒は、これまたたまらないのですよね。(ほら、やっぱりそれじゃん)
だから、そうじゃなくて、

虫の声は、一人でじっと聴き入っていると、いつの間にか夢の世界に誘ってくれます。これぞまさしく『邯鄲(かんたん)の夢』なのでありまして、

『邯鄲の夢』とは、「貧乏で立身出世を望んでいた盧生という青年が、趙の都、邯鄲で呂翁という仙人から、栄華が意のままになるという枕を借り、うたた寝をしたところ、富貴を窮(きわ)めた50余年の夢を見たが、覚めてみると炊き掛けていた粟がまだ煮えないほどの短い間であった。」という中国の故事に基づく言葉で「人の世の栄枯盛衰は儚いものだ」という意味です。

それが、何故秋の虫音なのか?
コオロギの仲間で、ル・ル・ル・ルと聞こえる「鳴く虫の女王(鳴くのは雄なんですけど)」カンタンという虫がいることをご存じでしょうか?


これがカンタン

このカンタンの美しい鳴き声を聞いていると夢見る思いがして、幽玄のおもむきさえ漂わせるということで、この名が付いたのだそうで、秋の虫の声を愛でるいかにも日本人らしいネーミングではござんせんか。

だからね、秋の夜長はうまい酒飲んで、虫の声を聴きながら『邯鄲の夢』に浸ろうという・・・・・・・いやぁいい季節だぁ。(笑)

さて、今日の一枚は、チコ・ハミルトンです。
映画『真夏の夜のジャズ』でハミルトン・クインテットがやっていたのが、このタイトル曲でしたよね。
真夏の夜を終えて、エリック・ドルフィーがハディ・コレットに代わってはいるものの
同曲をじっくりと聴くというのもよろしいんじゃござんせんかねぇ。
ウエスト・コーストで、室内楽的サウンドで、なのに黒人ぽい、この味はハミルトンにしか無いものだと思います。

ピアノレス、チェロ有りというこの編成が、私はけっこう好きで、しょっちゅう聴きたくなる一枚ではないのですが、「IN HI HI」「THE ORIGINAL ELLINGTON SUITE」とこのアルバムあたりは、たま~~に引っ張り出して聴いています。
秋の夜長にはちょっといいアルバムではないでしょうか。

CHICO HAMILTON QUINTET FEATURING BUDDY COLLETTE
1955年8月4, 5, 23日録音
CHICO HAMILTON(ds) BUDDY COLLETE(fl,cl,ts,as) JIM HALL(g) FRED KATZ(cell) CARSON SMITH(b)

1 A NICE DAY
2 MY FUNNY VALLENTINE
3 BLUE SUNS
4 THE SAGE
5 THE MORNING AFTER
6 I WANT TO BE HAPPY
7 SPECTACULAR
8 FREE FORM
9 WALKING CARSON BLUES
10 BUDDY BOO


誰でもいいから頼みますよ

2007年08月30日 | a-c

奈良の妊婦たらい回し事件、他人事ではありませんね。
以前、我が友人が帰省中に幼い息子が熱を出し、小児科医が見つからずあたふたした話はしましたが、地方医療は崩壊へと確実に突き進んでいるように思えます。

友人の娘さんは、実家での出産をあきらめ、結局は現在お住まいの都市部で出産されることになったそうで、彼も出産を楽しみにしていたそうでありますが、一ヶ月前から奥様があちらに行かれてご出産に備えるそうです。
「おいおい、こっちだってまだ産婦人科が無いわけじゃないだろうに・・・」
「緊急対応には希薄なんだってさ、おかげで俺は正月早々独り身よ。まぁめでたい話だから文句も言えないけどね」
何だか寂しく思うのは私だけではないと思います。
そのうち、このへんでは子供を産めない、なんて日が来てしまうのでしょうか?

いや、ひょっとして、いずれは日本中の妊婦を一ヶ所に集めて、10ヵ月完全看護のもとそこで出産をするなんて、夫の面会も決められたスケジュールに組み込まれて・・・・・それじゃ工場かなんかみたですよね。
でも、いずれ地方の状況はそうなるやも知れません・・・・・・・・これじぁ、少子化、過疎化など解決するわけもありませんよね。

我が愚妻は、長女出産後しばらくたってから出産の影響で出血して、出産産婦人科から救急車で搬送された経験を持っています。その頃はまだこのあたりも、総合病院に受け入れの体制が出来ていましたので大事にはいたりませんでしたが、今の体制ではどうなのか?我が愚妻は「今は亡き人」なんて事も・・・・・・(ある意味それも、なんてね・・・冗談です。)
友人ではありませんけど、将来、我が娘にこちらでの出産は勧められないかも知れません。

地方は、子供がどんどん減ってきて、高齢化が進み、やっと育てた子供たちも帰ってくる環境がない、医療も集中化して・・・・・・・・・・崩壊ダァ~~~~!!!!
桝添さんでも、安倍さんでも、小沢さんでも、誰でもいいですから、早くなんとかしてくださいよ。

環境が整えば私だってまだ、少子化には協力できますよ。・・・・・・相手を代えれば、一人や二人・・・・・・
「早く飲んで寝ろ!!!!」
「は~~~~い」


さて、今日の一枚は、テキサス・テナーの代表格アーネット・コブです。
「このブローブローするサックスが鼻につく」という方もいらっしゃると思います。(他人のせいにしてますけど、私も得意とは言えないわけで・・・・)
私的には、どうしても彼のサックスには飽きが来てしまうところがあるんです。

でもね、B面一曲目「GEORGIA ON MY MIND」を聴いてみて下さい。この味は彼だからこそのものであると思います。

「バブさん、レイ・チャールズとどっちがいい?」
その質問には、答えません。
コブは、はまるとのめり込みますよ。

SIZZLIN' / ARNETT COBB
1960年10月31日録音
ARNETT COBB(ts) RED GARLAND(p) GEORGE TUCKER(b) J.C.HEARD(ds)

1.SWEET GEORGIA BROWN
2.BLACK VELVET
3.BLUE SERMON
4.GEORGIA ON MY MIND
5.SIZZLIN'
6.THE WAY YOU LOOK TONIGHT


こんな近くに

2007年08月29日 | v-x

いやまったく、この涼しさを待っていたんですよ。あ~~~このまま、あの私を苦しめた灼熱の日々は、過去のものへとなってくれるのか・・・・今度こそデブのお願いが届きますように。

「ん?バカ者・・失礼、若者はどんなんを聴いているのかなぁ?」
「止めてくださいよぉ、いろんなとこいじるの」
「けけけけけけけ」

今日はたまたま、若者(29歳ですって)の車で移動することになり、助手席で適当にカーオーディオを、車を買ってまだ三ヶ月ぐらいしかたっていない彼をからかおうと、ごちゃごちゃ触ってたわけです。(もちろん操作方法は分かってたんですけどね)

♪・・・・・・・・
「ん?出囃子?それも何処かで聴いたような出囃子・・・・」

え~~人というものは、いろんな性分が、あぁございまして・・

まぎれもなく古今亭志ん生の声じゃありませんか。
「おいおい、若いのに志ん生かい、珍しいねぇ」

・・・・・江戸時代に下谷の山崎町に西念という坊さんがおりまして・・・・

「おう、『黄金餅』だぁ」
『黄金餅』といえば、三遊亭円朝の作といわれ、不気味な内容にもかかわらず、志ん生が磨きに磨きをかけて珠玉の名編に仕上げ、志ん生が生きている間は誰も手を出せなかったという、専売噺であります。

「あれ?バブさんも落語聴くんですか?」

まったく「あれ?」はこっちの台詞ですよねぇ、二十代の若者が車の中で落語を聴いているって、そんなことあんまり無いでしょ?
彼は父親の影響で小さいときから落語を聴いていたのだそうで
「志ん生はいいですよねぇ、何回聴いても飽きませんもん。バブさん、知ってました?2,3年前から、確実に落語ブームが来てるんですよ。」
「おいおい、ほんとかよ」

彼曰く、ちょっと前にテレビドラマや映画で落語が取り上げられ、若い女の子のファンも増えてきてるんだそうで、
「最近の寄席は、年寄りの社交場や閑散とした客席なんていうイメージは全くないんですから」
「ほんと??????」
しばらく寄席にも行っていない私には確かめようもありません。

「この志ん生の『黄金餅』は・・・・・・・」
いやはや、またもビックリ、録音場所まで覚えてるんですよ。私も度々落語の話を持ち出すくらい落語好きではありますが、録音を集めるマニアではありませんから、録音場所までは分かりゃしません。
「バブさんだって、ジャズの演奏聴けば、どのアルバムで、何年ぐらいで、何処での録音かって分かるじゃないですか。それと一緒ですよ。」
「まぁ、全てってわけじゃないけどね・・・・・まさか、落語を聴くオーディオにもこってるとか?」
「あははははは、それは無いですよ。」

私としては、二十代の若者で落語に詳しい男がこんな身近に居たことに、本当に驚きました。
彼が言うように、彼以外にも若い連中で落語好きって奴がけっこう居るのかも知れません。
「よし、今度は落語の話で若い女の子とお友達になっちゃおうかなぁ~~~」
「それは、違う意味でも絶対に無理です!」
「・・・・・・」

「良かったら、これ持って帰ります?」
と、車に積んでいたCDを貸してくれました。
「てめえに比べりゃ、俺なんざぁ古典落語入門で上等かも知れねぇなぁ。」

さて、今日の一枚は、ジョン・ライトです。
プレスティッジに残る彼のアルバム5枚の内、以前、最後の録音「JOHN WRIGHT」を紹介しましたが、今日のこのアルバムも、その5枚の中で、彼らしい「黒っぽいけど臭くない」といった雰囲気が良く出た一枚だと思います。
特に今日の一枚は、取り上げられている曲がいかにも黒っぽいといった曲にもかかわらず、爽快さすら感じるライトが楽しめます。

私は、ゴスペル調の「AMEN CORNER」が好きかなぁ、このアルバムも一杯飲みたくなる一枚なんですよねぇ・・・・
ともかく、あまり知名度を上げることが出来なかったライトですが、とても良いピアニストだと思います。「もっと売れて欲しかったし、もっとアルバムも残して欲しかった。」そう思えるピアニストです。

SOUTH SIDE SOUL / JOHN WRIGHT
1950年8月30日録音
JOHN WRIGHT(p) WENDELL ROBERTS(b) WALTER McCANTS(ds)

1.SOUTH SIDE SOUL
2.47th AND CALUMET
3.LA SALLE St.AFTER HOURS
4.63rd AND COTTAGE GROVE
5.35th ST. BLUES
6.ODD NOTES SUITE
7.AMEN CORNER

おまけ、
『ホタルノヒカリ』はビデオに撮って、桂文楽の『小言幸兵衛』を聴こうと思います。
「おーーーい、日本酒!」
「飲みたいんなら、かってに飲みな!」
「は~~~~~い」


真っ昼間に何してんの?!

2007年08月28日 | g-i

今日ほど秋雨前線を感じた日は珍しいように思います。午前中、気温は高くはなかったのでしょうが、モヤッとした生暖かさというか、不快指数はかなり高い状態でした。それがあ~た、お昼近くなって風向きが変わると、突然風が冷たくなりまして、
「う~ん、今まさに秋雨前線が上空を通過したんだぁ」

先ほど川崎に住む姉から電話があり、凄い雷雨だそうですから、昼前に上空にあった秋雨前線は今、多摩川あたりをうろちょろしているのでしょう。
「おっ!ってことは、ひょっとして月食が見られたりして・・・・」
はははは、雲の切れ間はあるものの、北の空に気持ち程度、残念ながら月の陰も見えませんでした。皆さんの所では月食は確認できましたか?

「バブ君、久しぶり、今電話大丈夫?」
と先日連絡が入ったのはK君、約1年ぶりの電話でした。

「あのさぁ、ネットを適当に遊んでたら、変なとこつながっちゃったみたいで、『会員に登録されました。』って出ちゃったんだけど、どうしたらいいと思う?」
「あっははははははは、真っ昼間から何やってんのよ」

幸いにも、メールアドレスや名前も入力しておらず、解約のメールも電話もしていない状態だというので、そのまま終了をするように伝え、スタート画面にも変化がないことを確認させましたので
「もういいよ、後は完全無視、へたに解約メールを送ったり、電話したらダメだよ。こっちのアドレスと電話番号が向こうに分かっちゃうから」

その後、連絡が来ないところをみると問題はなかったようですが、ネットの落とし穴は何処に開いているか分かりませんね。

「毎日寂しく過ごしている真面目な出会いを求める方々・・・・」とか、「今度の月曜日どうですか?これでも主婦なんです。」とか、「○○に当選されました。今すぐ下記までご連絡を」とか、「今日撮った恥ずかしい写真をみてくれます。」とか、
迷惑メール・ボックスに移しても移しても「良くもまぁ来るもんだ」ってくらい新たな迷惑メールが届くのですが、皆さんの所はいかがですか?
もちろん、そこからアクセスするようなバカはしていませんけど、迷惑メール・ボックスに直接入るものも入れると、一日に40件くらい来るんですよ。(プンプン)
「40件ならいいじゃん、俺んとこなんか100件近くあんで」
っていうS君もいますけど(笑)

そう言えば、愛知の拉致殺害事件もネットがらみでしたし、子供たちの間でもネット被害が大幅に増えているとか・・・・・・
携帯の料金が定額になってなおさら被害が拡がっているって事もあるそうで、歯止めといっても難しいのが現状のようであります。

「便利になればなるほど、自己責任が必要になってくるんだよ。」

確かに、そうかもしれませんが、自己責任能力のない子供にまで被害が及ぶことは何とか避けなければいけないのでしょう。
そこで、提案ですが。
「18歳までは、ネットを使える携帯は持っちゃいけない!」
てのはいかがでしょうかね?
えっ?今の子からメールや携帯を取り上げたら、袋だたきに遭うって?
う~~~ん、幸い選挙権も持ってないし・・・・・・
そう言う問題じゃありませんね。(笑)
一度手にした便利グッズを手放させるのは無理な話でしょう。

ネットを便利に使っている(私は使いこなしてはいませんが)我々は、その便利さを規制されないためにも注意していかなければいけないということなのでしょう。

K君、分かったかい、あなたはいい大人なんだから、真っ昼間っからヘンテコなサイトなんて見ていると、何処かでそんな大人を見つめる子供たちが居るんだよ。気をつけなさい!

さて、今日の一枚は、ジョニー・グリフィンのリヴァーサイドでの初リーダー盤です。

リヴァーサイドは、新人グリフィンを多いに売り出そうとはしていたのでしょう。このアルバムにも、新人としては破格のお金を掛けたそうです。
ところが、あまりに面子を集めすぎてグリフィンが少々目立たなくなっている面があるからでしょうか、最初から売り出しに失敗した感があります。

リヴァーサイドのグリフィンというと「THE LITTLE GIANT」がすぐに頭に浮かぶ方も多いでしょう。こちらも怖いジャケットと音質の問題から(?)、セールスにはつながりませんでした。

でもね、「THE LITTLE GIANT」はもちろん好きなアルバムですし、今日の一枚も、グリフィンの特徴である力強さには欠ける部分が多いようにも思いますけど、「WHAT'S NEW ?」のドロ~っとしたというか、何となくイヤらしい感じのグリフィンが、私はとても好きだったりするんですよねぇ。

変なお色気サイトや闇サイトを見ているよりは、何となくイヤらしいグリフィンを聴きながらバーボンでもあおっているか、もしくは健全ブログでも(えっ?おまえんとこは、けして健全じゃないって?)覗いている方が、楽しいですよね。

JOHNNY GRIFFIN SEXTET
1959年2月25日録音
JOHNNY GRIFFIN(ts) DONALD BYRD(tp) PEPPER ADSMS(bs) KENNY DREW(p) WILBUR WARE(b) PHILLY JOE JONES(ds)
1.STIX' TRIX
2.WHAT'S NEW ?
3.WOODY'N YOU
4.JOHNNY G.G.
5.CATHARSIS


マイコン?パソコン?

2007年08月27日 | s-u

新内閣の閣僚も決まり何かが変わるのかどうか、政治のことに関して何か言うつもりもありませんが、何だかここ何日かのように「涼しくなると言いながら、夏はぜんぜん終わらないじゃん」みたいに、こっちもそうかな?なんて思ってしまうのはひねくれた考えでしょうかね。まぁ、日本のために皆さん頑張っていただきたいものです。

入社時は棚に鍵かけ仕舞いたるタイガー計算機古物屋に見つ

今日の朝日新聞の『歌壇・俳句』に選歌されていた一句です。
さすがに私もハンドルグルグルのタイガー計算機は使用した世代ではあのませんが、大学時代に学科の都合で多機能電卓(いわゆる関数電卓です)を買うように支持され、その値段の高さに目玉が飛び出しそうになって、バイト代が間に合わないと親に電話をしたことを思いだしてしまいました。たしか万(へたすりゃ数万?)はしたと思うんですよねぇ・・・当時の万は今の万とわけが違いますから。


これは大学時代に買ったものではありませんが、
このボタンがあるだけでえらい値段がしたんですよ。
しかも、大学の時に買ったのは、こんなゴムのボタ
ンみたいのじゃなくて・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

「パソコン」がまだ「マイコン」と呼ばれていた時期、というより見たこともない時代でした。始めて目にしたのは数学研究会でNECの「TK-80E」かなんかを買ったから見に来てみろといわれた時だったと思います。見に行ったものの何がこれで出来るのか良く理解できなかったじゃなかったかなぁ。その値段も確か7万円近くした高級品だったはずです。

それがあなた、10年もしないうちに、電卓はもちろん「マイコン」が「パソコン」になって、高価ではあったもののスペックもあれよあれよと高性能になり、それからまた10年だったら、昔のあれは何だったんだって・・・・・・・・

今やこうして自宅で気軽にパソコンのキーボードを打っているんですから、ある意味恐ろしい話です。
ちなみに私が始めて手にした「マイコン」?「パソコン」?は、NECのPC-8801(たしかRAMが64KBだったと思います。)が買えずに、PC-6001(こっちは16KB)でした。(おもちゃです。おもちゃ)
マシン語なるものを一字も間違えないように入れて「テニスゲームが出来た!」みたいな。いやいや、「足し算の答えが出た!」って喜んでたんでしたっけ。(笑)記録媒体だってフロッピーさえもなくて、カセット・テープに記録してたんですから「それっていつの時代?」って感じですよね。

でも考えてみると、あのまま続けていれば(もちろん機械は変えながらですよ。)今「パソコン」でこんなに苦労していなかったでしょうねぇ、ははははは途中で止めちゃっから

ともかく、そんなことを思いだした一句でした。
皆さんは、始めて手にしたのは「マイコン」でした?「パソコン」でした?

さて、今日の一枚は、マッコイ・タイナーの「INCEPTION」に続く二枚目のリーダー・アルバムです。


INCEPTION

タイトル曲はいかにも当時のマッコイらしい、コルトレーンのモード手法に沿ったもので、これが良いと言いたいところなんですが、私は二曲目「GOODBYE」の方が好きかも知れません。(マッコイらしいのはタイトル曲の方ですよ)
優しさ溢れる美しいフレーズ、好きですねぇ・・・こういったマッコイも間違いなく彼の魅力だと思います。

前日のコルトレーン・カルテットでの「BALLADS」の録音が影響していると言う方もいますが、やっぱりそうなんですかね?

ロイ・ヘインズのドラムもエルビンとはまた違った味を出しています。面白いかも。
ともかく「優しいマッコイ」いいでしょ。

REACHING FOURTH / McCOY TYNER
1962年11月14日録音
McCOY TYNER(p) HENRY GRIMES(b) ROY HAYNES(ds)
Rec. Nov, 14, 1962.
1.REACHING FOURTH
2.GOODBYE
3.THEME FOR ERNIE
4.BLUE BACK
5.OLD DEVIL MOON
6.HAVE YOU MET MISS JONES


お仕事ご苦労様です

2007年08月26日 | a-c

「あっそうだ、今日午後から停電だから」
「えっ????????」
送電線張り替えのために午後1時から2時間ほど停電になるのだそうで
「え~~~~~一番暑いときじゃぁぁぁぁん、何も日曜日にやんなくても・・・・」

昨晩飲み過ぎたせいで、一日ゴロゴロしていよう思っていた私にとって、午後1時からの停電はちと痛い
「茶店にでも行って本でも読んでこようかなぁ」

予定通り1時に電気は止まり、工事が始まりました。何て言うんですか?あのゴンドラがグーンって伸びる車、ともかくあれが何台もやってきて、そこら中の電柱で一斉に作業を始めたのです。

「あれ?茶店行くんじゃなかったの?」
「えっ?いや・・・・あの人達暑いだろうねぇ・・・・」

作業着、ヘルメットに身を包み、炎天下の中電柱の上での作業は楽なものではないでしょう。しかも日曜日、他の人は自宅でのんびりしている時間帯に大汗流して働いているのですから、たいしたものです。
「あんなん見ちゃうと、何で日曜日にやるんだとか、暑い時間帯にとか、言えねぇなぁ。」
しばらく作業を見守りながら、甘えてないで暑くても部屋で我慢しようと茶店に行くことは止めてしまいました。

ダラダラ流れる汗を拭きながら読んでいたのがこの本。
若き日に新右翼に身を投じた中山治氏、好き嫌いはあえて申しませんが、毛嫌いして読まないというのもおかしな話ですから読みましたよ。(笑)
すると、予定より30分程早く工事が終わり、停電も終了です。
「どれ、クーラーでも・・・・・・・・いや、止めた! 暑いおもいをして作業してくれた彼らのことを思えば、動かないでいる私がクーラーに頼っちゃいけない!」

バカですよねぇ、素直にスイッチ入れりゃあいいのに
「済まないけど、レコードだけはかけさせていただくよ。」
って、誰に言ってんだか分かりませんが。
しかも、
「よし、レコードも禁断のあの一枚をかけよう」

さて、ということで今日の一枚です。
アルバート・アイラーのリーダー・アルバムを紹介するのは初めてではないでしょうか。というより、私はアルバート・アイラーをほとんど聴かないのでありまして・・・
ですから、このアルバムも数年ぶりに引っ張り出したというわけ、フリーを毛嫌いしない私が何故にアイラーは耳にしないのか?
それは、一にも二にもこのアルバムを始めて聴いたときの印象にあるかもしれません。
耳鳴りがしたんです、ガンガンガンガン(笑)。叫びなのか何なのか分かりませんが、途中でピー音まで入るし、最後まで耐えることが出来ませんでした。

それが、昨日ちょっと話に出てきた自由ヶ丘「アルフィー」でのことです。「アルフィー」ではリクエストすると、どんなに強烈なアルバムでもA・B面しっかりとかけてくれるお店だったので、ある日これをリクエストした人がいたんですよ。
私としては「げげげ!」てなものですよね。
・・・・・・・・だけど、その時はけっこう聴けたんですよねぇ・・・店の雰囲気だったのかなぁ?
以後、耳鳴りはしなくなりました。

ともかく、自宅で聴くときには細心の注意をはらってターンテーブルに乗せるようにしています。ボリュームを上げすぎれば、間違いなく家人が怒鳴り込んでくるでしょうし、かといって小さな音で聴くアルバムじゃないでしょ。ヘッドホンじゃ耳鳴りが戻ってきそうだし・・・・・
「なにも、そんなおもいして聴かなくても」
そう思います?それがねぇ、一種の麻薬みたいなものなのでしょうか、そこまでしてでも何年かに一度、聴いてみたくなっちゃったりするわけですよ。(笑)

「1970年11月25日に起きた、三島由紀夫と「楯の会」の全員四名による東京市ヶ谷の自衛隊乱入事件によって日本学生同盟は再び大きく揺らぐことになる。・・・・・・・」

今日読んだ『誇りれ持って戦争から逃げろ!』の冒頭、中山氏の新右翼時代の回顧部分の一節です。

そう、アルバート・アイラーは、三島由紀夫が自決したその日に亡くなったのでしたよね。

SPIRITUAL UNITY / ALBERT AYLER
1964年7月録音
ALBERT AYLER(ts) GARY PEACOCK(b) SUNNY MURRAY(ds)

1.GHOSTS : FIRST VERSION
2.THE WIZARD
3.SPIRITS
2.GHOSTS : SECOND VERSION

おまけ、
『料理当番、今日の一品』

昨晩飲み過ぎたので、今日は完全休肝日です。いつもは食べない私も、ネギトロ丼をかっ込みました。

生ものダメ人間には、厚揚げ入りハンバーグです。ビールを飲むんだったらこっちが正解でしょうけどね。


頑張れ、ジャズ喫茶!

2007年08月25日 | s-u

予報通り暑い夏が戻ってきましたが、何とかエアコン無しで過ごすことが出来ました。いまさら猛暑日も無いだろうと高をくくっておりますけど、いかがなものでしょうか?

本日、(株)松坂さんより『ジャズ批評』No.139、9月号が届き、恒例ロング散歩(暑くてロングとはいきませんでしたが)の後、じっくりと拝見させていただきました。
あいかわらず、クリスさんSuzuckさん67camperさん等々、諸氏の文章や内容は「立て板に水」というか、感心しながら読んでおりましたが、そんな中、福島市のジャズ喫茶「NEGA」の現店主、安斉徳子さんの投稿を見つけました。

「ネガかぁ、いやぁ~~~懐かしい」

以前にもお話ししましたが、わが父は転勤族でありまして、私は「もう転校はイヤだ!」とわがままを言って、高校時代はずっと下宿生活をおくったのです。

高校2年生の時、両親は福島市に住んでおりました。
夏休みも地元のジャズ喫茶でのアルバイトが忙しく(厳密には地元の方が楽しかっただけでしたが)そうそう長い間両親の所へは行かずにおりましたが、短期間だけは渋々両親の所へ帰っていました。
でも、当時、福島に友達が居るわけでもなく、まして、あの盆地特有の暑さの中、私に出来ることと言えば「ジャズ喫茶入り浸り」しかなかったわけです。
ちょっと電車に乗って仙台の「COUNT」へ行ってみたり、福島市内のジャズ喫茶に入り浸ったりと、地元でバイトしているのとあまり代わりない毎日をおくっていたように覚えています。
その時「NEGA」も、ほぼ毎日おじゃましていたのでありました。まだ御店主は会田氏であったかと思いますけど、新参者にもかかわらず良くしていただきましたっけ。

思うに、当時、我がど田舎の地元にも小さな地域に4件もの『ジャズ喫茶』があったくらいですから、どんな街に行っても『ジャズ喫茶』を探し当てることは容易な時代でした。
部活の全国大会で博多に出かけたときも、臭いだけで『ジャズ喫茶』を探し当てましたし(店名は覚えていないのですが)、修学旅行でも京都の「しあんくれーる」に一人出かけました。
大学に行ってからも、『ジャズ喫茶』に行くのにナビ(当然無い時代でしたが)など必要もなく、新宿「DIG」「DUG」「びざーる」「木馬」「ポニー」、渋谷百軒店あたりの「BLAKEY」「音楽館」「スウィング」「ジニアス」「デュエット」、下北「マサコ」に高田馬場の「INTORO」、吉祥寺の「アウトバック」「サムタイム」「西洋乞食」「ファンキー」「メグ」、明大前の「マイルス」に、そうそう大好きだった自由ヶ丘の「アルフィー」、名前は忘れちゃったけど、向ヶ丘遊園にも経堂にも本厚木の駅の近くにもあったなぁ(小田急沿線に住んでいたもので、笑)、あれ?藤沢のあの店はなんてったっけ?鎌倉の「IZA」でしょ、横浜「ちぐさ」に「ダウンビート」・・・・・・・・・ほらきりがない。

思えば良い時代でした。500円もあれば、一日入り浸りでジャズを楽しめたのですから、あっ!そんな奴ばかりだったから、無くなっていっちゃったのかな???????

ともかく、そんな中で未だに元気にやっておられる仙台「COUNT」や福島「NEGA」の名前を聞くと、なんだか嬉しくなってしまうのです。
安斉さんは自己紹介文で「ここ10年はいつも危機感を感じてやってきましたが、本当にいつまでやれるかわかりませんが、ガンバりたいと思っています。」とおっしゃってました。
是非とも頑張っていただきたいですね。

「フレーフレー、ネーガ!フレーフレー、アンザイ!フレーフレー、ジャズ喫茶!」

さて、今日の一枚は、ズート・シムズです。
ズートのアルバムの中でもこのアルバムは目立たない一枚と言っていいでしょうか?
リラックスした感じのパリでのライブ録音、私としてはもうちょっと目立っても良いようにも思うのですが(笑)
「ON DUCRETET THOMSON」で共演したアンリ・ルノーがここでも参加、なかなか良い感じです。

「レスター系の歌心ある演奏」てなことをいう方もいらっしゃいますが、気持ちよさそうに歌い上げるズートのテナーには、彼独特のものがあるように私は思います。

ともかく、地味ではあるもののズートらしい一枚としてお勧めします。

ZOOT SIMS IN PARIS
1961年12月録音
ZOOT SIMS(ts) HENRI RENAUD(p) BOB WHITLOCK(b) JEAN-LOUIS VIALE(ds)

1.ZOOT'S BLUES
2.SPRING CAN REALLY HANG YOU UP THE MOST
3.ONCE IN A WHILE
4.THESE FOOLISH THINGS
5.ON THE ALAMO
6.TOO CLOSE FOR COMFORT
7.A FLAT BLUES
8.YOU GO TO MY HEAD
9.STOMPING AT THB SAVOY


パッと見れば分かる

2007年08月24日 | p-r

今日のこのあたりは、同じ晴れでもおおわれる高気圧の違いで、こうも爽やかになるものなのかと、つくづく感じるお天気でした。これなら許せますねぇ・・・・だけど、明日はまたしても太平洋高気圧が出張ってくるようですから、不快指数が上がりそうです。

この駄ブログも、ウダクダ言いつつ3年以上続けてまいりました。日々のくだらない話題には事欠かないものの、紹介アルバムが700枚近くになり、若干選択が苦しくなってきました。(笑)こうなれば所有アルバム全紹介を目指して頑張っていきたいと思います。

そんなこんなでレコードの棚をじっと見ていると、最も目立つのはインパルスのアルバムです。
まぁ、単純に考えてコルトレーン好きとなればしかたのないことですし、そもそもインパルスの厚い見開きジャケットは、それだけで他のレコードより目立つんですよね。

今日はそのインパルスの話でもしましょうか。
このレーベルに関しては、
インパルス→コルトレーン→60年代ジャズ喫茶→団塊の世代
という連想がすぐに頭に浮かんでくる人も多いでしょうし、ちょっと前衛的なイメージがあるのかなぁ?げんに「50年代がブルーノート、プレスティッジなら、60年代はインパルスだ」のイメージは間違いではないですし、後期のコルトレーンを思えば分からなくもありません。
でも、ベン・ウェブスーやコールマン・ホーキンス、アール・ハインズといった面々の秀作もありますし、ロレンツ・アレキサンドリア、ランバート=ヘンドリックス&ロスといったボーカルものも良かったりするわけで・・・・日陰者扱いでは無いんですけどねぇ。

残念ながら団塊の世代からは幾分外れている私ですが、インパルス・レーベルにはとてもお世話になりました。

私のレコードの中から、なにげにコルトレーンの「KULU SE MAMA」を取り出してみましょう。そして見開きのジャケットを開いてみると・・・・・
そうでした、インパルスの楽しみはここにもあるんですよね、裏ジャケより一枚分多いジャケットスペース。英語を読めもしないくせに端から端まで読むフリをしたり、写真やイラストを楽しんだり、わけもわからず1ページ得したみたいな(笑)
インパルスは後発であったが故に、インパクトを持たせるためにこんなジャケットにしたんでしょうけど、私は重圧感のあるインパルスの形態がとても好きです。

ジャズ喫茶でアルバイトをしていた頃、ちょっと忙しかったりすると背表紙ですぐ何か分かるインパルスのレコードは選びやすかったということもありました。次(実際はターンテーブルが2台ありましたので、次の次ですが)何を乗せるか決めていたのに、忙しさにずるをしてインパルスを選んじゃうみたいな・・・・
あれ?だから「CRESCENT」や「THE JOHN COLTRANE QUARTET PLAY'S」や「AT THE VILLAGE VANGUARD」なんてばっか聴いてたのか?(違う違う)
とっても選びやすかったんですよねぇ、
当時聴きにいらしていたお客様、本当に申し訳ありませんでした。高校の若造がやったこととお許し下さい。

さて、そんなわけで今日の一枚も、インパルス、ただしコルトレーンではなくソニー・ロリンズです。
お得意の雲隠れの後、ヴィクターへ、そしてインパルスへ移ったロリンズ、このアルバムがインパルス最初の一枚ということになります。

このアルバムも見開きの写真が面白いですよ。
今、車から降りてきたロリンズ、車種はフォルクスワーゲンのカールマン・ギアーかな?。この写真には「ソニー到着」との文字。「待ってたよ」とばかりに入口のドアを開けて迎えに出るRVG。こちらには「RVGに迎えられる」の文字。
ボブ・シールはロリンズがやってきたことが、そんなに嬉しかったんでしょうかねぇ。タイトルにもそんなイメージがありますもんね。
こんな二枚の写真が載っちゃう大きさが、ほら、このジャケットの魅力でしょ。

先日の「EAST BROADWAY RUN DOWN 」を紹介したときにも書きましたが、インパルスに残るロリンズは様々な顔を見せてくれます。「EAST BROADWAY RUN DOWN 」が『挑戦』だとすれば、今日のアルバムは『癒し』といったイメージでしょうか。
スタンダードをレイ・ブライアント・トリオをバックにゆったりと聴かせてくれます。

このアルバム、私の場合、「さて、今晩は飲んじゃおうかなぁ」みたいな時にきっかけとして聴くと、酒が進む一枚なんです。
ということで、今日も飲んじゃおうかなぁ(笑)

ON IMPULSE / SONNY ROLLINS
1965年7月8日録音
SONNY ROLLINS(ts) RAY BRYANT(p) WALTER BOOKER(b) MICKEY ROKER(ds)

1.ON GREEN DOLPHIN STREET
2.EVERY THING HAPPENS TO ME
3.HOLD' 'EM JOE
4.BLUE ROOM
5.THREE LITTLE WORDS


卑怯者、多いにけっこう

2007年08月23日 | g-i

陽気とどまりて、初めて退きやまんとすれば也

今日は二十四節気のひとつ『処暑 (しょしょ)』、暑さが止むという日であります。このあたりもまさに『処暑』にふさわしく、涼しい風が心地よい一日でした。
「このまんま涼しくなるといいんだけどねぇ」
そう願わずには居られませんが、明日以降はまた暑さが戻ってくるとか。寒いニューヨークと「足して二で割る」ってわけにはいかないものですかね。

先日も少々ふれましたが、我が両親の出身地は会津、かくゆう私も小学校入学前までは会津若松に住んでいました。
もちろん、当時の記憶はほとんどありませんが、幼稚園のお遊戯会で背の高さが足りなかったばかりに『白虎隊』の剣舞に参加できず、悔しかった事だけは良く覚えています。


これは昔、最愛の彼女(娘ですよ)と
遊びに行ったときのスナップです。

えっ?何で『白虎隊』かってですか?
今日は『処暑』であると同時に『白虎隊の日』なのでありまして、1868(明治元)年、飯盛山から城下に燃え広がる火を見て、鶴ヶ城落城と勘違いした若き白虎隊士が自刃した日なのです。
玉砕覚悟で戦場へと出て行った16,7歳の少年達の悲劇は、ドラマ等々で皆さんもよくご存じでしょう。

『白虎隊士』は6歳~9歳まで「お話の什(じゅう)」または「あそびの什」とよばれる集まりに参加し、「会津武士のこどもはこのようにしなければならなぬ」といった心構えを学び、10歳からは『日新館』という、当時、最も進んだ教育機関でみっちりと「会津武士道」をたたき込まれた精鋭達です。
頑固者と言われる会津武士、その信念を貫き通した彼らの生き様、死に様を、美談として語られることも当然でありますし、尊き精神は讃えられてしかるべきであると私も思っています。

ただ、
前途ある若者を、ある意味犬死にさせなくてはいけなかった時代や背景は、誇れるものであったのか?
彼らに将来という活躍の場を、何故大人達は与えることが出来なかったのか?
彼らは何を守り、何に命を捧げたのか?
そんな疑問も持たずにはいられません。

♪命はひとつ、人生は一回、だから命を捨てないようにネ
慌てると、ついふらふらと、お国のためなのと言われるとね
青くなって尻込みなさい、逃げなさい、隠れなさい

お国は俺たち死んだとて、ずっと後まで残りますよね
失礼しましたで終わるだけ、命のスペアはありませんよね
青くなって尻込みなさい、逃げなさい、隠れなさい

命を捨てて男になれと、言われた時にはふるえましょうよね
そうよ、わたしゃ女で結構、女の腐ったので構いませんよ
青くなって尻込みなさい、逃げなさい、隠れなさい♪

加川良の『教訓1』です。

命は、誇りより、思想より、宗教よりも重いものでしょ?
簡単に「○○としての覚悟」だの「自分の国は自分で守れ」だの「神の名において」だの言ってるヤカラにかぎって、自分は安全地帯でのうのうと生き延びる事を考えているではないですか。
そんなヤカラのために、尊い命を捨てる必要なんてありません。
自身の命の尊さを真に考えれば、他人の命の重さもおのずと見えてくる、私は若者にはそうであって欲しいと思うのです。

あらら、また熱が入ってしまいましたが
『白虎隊』の精神の尊さに学ぶべき物はあっても、私の子供や孫達が、国や思想や宗教や、まして正義に名を借りた経済戦略の一兵として、「現代の『白虎隊』となれ」などとそそのかされたら、女々しかろうが何だろうがすぐに何処かへ逃げさせます。
そんな時は、
「卑怯者でけっこう、卑劣者よりぜんぜんいいもんね。」
でありますよ。

さて、今日の一枚は、ベニー・ゴルゾンです。
よくよく考えてみると、ゴルゾンはけっこう紹介してますよね。そのわりにメッセンジャズの紹介が少ない????ひねくれ者のバブたらんところですね。(笑)

面子から考えて、バリバリのハード・バップを想像させますが、このアルバムは幾分スマートというか、あっさり系というか、そんな印象があります。(どういう印象じゃい!)
これはUNITED ARTISTSというレーベルに起因するものなのかも知れません。ブルーノートなんかのイメージとはちょっと違うんでしょう。(現在、CDがブルーノート・レーベルで売られているというのも、あれ?って感じですけど)

リー・モーガンとレイ・ブライアントはあいかわらず良いのですが、これらをまとめる編曲者ゴルゾンの手腕を褒めるべきなのでしょうかね。単純なのに二管を二管以上に聴かせる、好みの相違はあってもゴルゾン・ハーモニーの神髄はここにも強く表れています。個人的には「THURSDAY'S THEME」が好きかな。
ただし、ゴルゾンのテナーが良いかという事になると、私は疑問を感じてしまいますけど。(笑)

ちなみに、この二枚も同じアルバムです。(右はパリでの録音も含まれています。)

BENNY GOLSON AND THE PHILADELPHIANS
1958年11月17日録音
LEE MORGAN(tp) BENNY GOLSON(ts) RAY BRIANT(p) PERCY HEATH(b) RHILLY JOE JONES(ds)

1.STABLEMATES
2.THURSDAY'S THEME
3.YOU'RE NOT THE KIND
4.BLUES ON MY MIND
5.AFTERNOON IN PARIS
6.CALGARY

追伸、
そういえば、マックス・ローチも亡くなって、レイ・ブライアントあたりは大丈夫なのでしょうかねぇ、先日、ラジオ番組に電話で生出演などもされていましたが、体調を崩し気味との噂も聞きますし、まだしばらく元気で頑張っていただきたいものです。


バブ、気遣いを説く?

2007年08月22日 | p-r

「バブさん、何?歯抜けた?折れた?前歯無いじゃん!」とY君。
こんちきしょう、こいつはいったいどんな教育を受けてきたんだぁ。江戸の時代から「見てわかることは言わない」これは、他人とお付き合いする上で最低限のルールなのでありますよ。
「うん、抜けちゃったよ。おまえの髪の毛とおんなじ、あっ、ごめん、俺の歯はもう少しで再生するんだった。」
と答える方も答える方だけど(笑)
まぁ、これは気心知れた仲ゆえのこと、親しみを込めた言い方として許し合いましょう。

そんなこんなで昼食後、二人でいっぷくやりながら話をしていると
「バブさん、最近つくづく思うんですけど、我々喫煙族はやっぱり滅びる運命にあるんすかねぇ」
喫煙者の肩身が狭くなったのは、別に今始まったことではありませんが、
「お盆に、新盆やら何やらで他人の家に行くことが多いじゃないですか・・・・・」
彼が言うには、そんな時、灰皿が出てくる家が極端に減ったというのです。
「う~~~ん、確かに無い家があるかもしんない」

昔は、どんな家に行っても、お茶と灰皿は必ず出てくるものでありましたが、会社の応接室でさえ灰皿がないのが今やあたりまえですものね。

  煙草盆きらいな奴も前に置き

江戸川柳にこんなんがありましたけど、煙草が良いか悪いかは別として、昔は煙草を吸わない人でも、お客が来れば煙草盆を出す気遣いがあった、という事なのでしょう。
この気遣いの心だけは忘れたくないですよね。

仮に、タバコが吸いたくて灰皿が用意してあっても
「いっぷくよろしいでしょうかね?」と気遣えば、
「どうぞどうぞ、ご随意に」と相手が返す
なんだかとてもいい気分になるじゃありませんか。

おっと、喫煙を肯定しているわけじゃありませんよ。喫煙習慣が無くなっても、気遣いだけは忘れたくないなぁ~~という・・・・・・・
「・・・・・・でも灰皿を用意してくれるともっと嬉しいなぁ~~~なんてね。」
なんじゃい!それが本心かい!
いえいえ、私は煙草を止められそうもありませんが、喫煙などしないにこしたことはないことは、じゅうぶん分かっております。
そこで、喫煙者にはこんな川柳を

  灰吹きを持って見たてる捨てどころ

喫煙があたりまえだった江戸の時代ですら、灰で道を汚すのははばかれる、灰を捨てるところを探すのが当然だったということです。路上でプカプカやったり、ましてポイ捨てなどする奴は、喫煙者の風上にも置けないヤカラ、喫煙権を守るためにも気遣いを忘れずにしましょうや。

「Y君、今の世の中はね。喫煙習慣のないお宅で、煙草を吸う方がマナー違反なわけだ。あとから、「あの人煙草吸うから、家に連れてこないで」なんて陰で言われるより、灰皿が出てこないところではタバコを吸わない、そういう心構えが喫煙者には必要なんだな、分かったかい、ハゲ青年!
「あっ!ひでぇ~~~~、バブさんに気遣いを語る権利はないね!」

さて、今日の一枚は、先日無くなったマックス・ローチのコンボに参加したことで、一躍脚光を浴びたジュリアン・プリスターの初リーダー盤です。

じつはこのアルバム、最初手にしたとき「いつの時代の録音だ?」って、私は思ったわけで・・・・ジャケットの雰囲気がそんな感じしません?(プリスターの顔を知らなかったということもありますが)
メンバーと録音日を確認して「あっ、新しいじゃん」みたいな(笑)

絶妙なリズム・セッション(フラナガンもエルビンもいい)を得たプリスターは、いい意味で土臭く、のびのびとしたソロがとても魅力的です。
私としてはプリスターにこのままのスタイルを通して欲しかったのですが・・・・・・

ともかく、彼のアルバムでは最高の一枚だと思います。

KEEP SWINGIN' / JULIAN PRIESTER
1960年1月11日録音
JULIAN PRIESTER(tb) JIMMY HEATH(ts) TOMMY FLANAGAN(p) SAM JONES(b) ELVIN JONES(ds)

1.24-HOUR LEAVE
2.END
3.1239A
4.JUST FRIENDS
5.BOB T'S BLUES
6.UNDER THE SURFACE
7.ONE IN A WHILE
8.JULIAN'S TUNE

おまけ、

今年も我が家の『月下美人』が咲きました。一晩でとじてしまう、桜以上に潔い『月下美人』、次にお目にかかれるのはまた来年ですね。
異常気象でも何でも、草花は季節を刻んでくれます。