JAZZを聴きながら ふたたび

恥も顧みないで再々開、よろしければお付き合いを

悪癖を絶つ

2005年09月29日 | v-x

海上自衛官の大麻汚染が公になり、警察官と車の中で立ち回りをした双子の犯人も覚醒剤反応があったとか。
人間、大なり小なり悪癖は持っているものかも知れません、例えば私の「酒・タバコ」これはまさに悪癖でしょう。ですから、説得力にややかけてしまいますが、それでも、薬物がらみの悪癖は、いただけたものではありません。

昔からのことではありますが、どんなに当局が努力をなさっても、あんがい安易に手に入る現状は、私の耳にすら入ってくることがあります。最悪の悪癖を防ぐためには自己のしっかりした考えで、個人個人が防衛していくことが肝心なのかも知れません。

今日はへんに真面目な出だしになってしまいましたが、今日のアルバム前後のコルトレーンを知るとき、考えざるえないことでした。

1956年10月のプレステッジ最後の録音(マラソン・セッションです)後、コルトレーンは一度マイルス・グループをクビになります。失意の内にフィラディルフィアに戻った彼はレジー・ワークマンの忠告もあり、悪癖に別れを告げるべく自宅にこもりました。
一時は絶ったと思われた悪癖でしたが、ヨーロッパから戻ったマイルスが再編したクインテットに加わり、全米ツアーを行っている間にまたしても悪癖に染まってしまいます。
結局、フリー・ジョー・ジョーンズとともにマイルス・グループをまたもクビになってしまったのでした。
「カフェ・ボヘミア」の楽屋で、たまたま来ていたモンクを前に、マイルスがコルトレーンを殴りつけ、クビを言いわたしたとか?

1957年4月9日プレステッジとの契約を行ったコルトレーンは、再度悪癖断ちに挑戦、ついに悪癖を追い払うことに成功します。
16日にはモンクとリバーサイドへ(「THELONIOUS HIMSELF」)
18日にはトミーフラナガンと(「THE CATS」)
19日にはマル・ウォルドロンと(今日紹介アルバム、「THE DEALERS」)
20日にはプレステッジ・オールスターズで(「DAKAR」)
3日連続でスタジオに通い詰めました。

そして、5月31日初のリーダーアルバム「COLTRANE」を録音、ライブではモンクとの半年間にわたる「ファブスポット」での演奏へと続いていきます。
(「ライブ・アット・カーネギー・ホール1957-セロニアス・モンク・カルテット・ウィズ・ジョンコルトレーン」注文しちゃいました、楽しみ)

まったく、薬物の誘惑とはなんとも恐ろしいものです。マイルスですら何度断ち切ろうとし、失敗したことか

大なり小なりある悪癖でも、自己処理のできるものでとどめ置くことを心がけましょう。

と言うわけで、今日のアルバムは悪癖断ちを強く決心したコルトレーンが、録音に没頭した3日中日の記録です。

MAL-2 / MAL WALDRON
1957年4月17日録音
MAL WALDRON(p) JOHN COLTRANE(ts) JULIAN EUELL(b)
BILL HARDMAN(tp) JACKIE McLEAN(as) ART TAYLOR(ds) 2,5,6
IDREES SULIEMAN(tp) SAHIB SHIHAB(at,bs) ED THIGPEN(ds) 1.3.4
1.FROM THIS MOMENT ON
2.J.M.'S DEREAM DOLL
3.THE WAY YOU LOOK TONIGHT
4.ONE BY ONE
5.DON'T EXPLAIN
6.POTPOURRI

お愛想が美徳

2005年09月28日 | d-f

いやぁ~なんだか寒いぐらいの気温になってしまいました。いまだに夏掛けにタオルケットという状況で寝ていた私は今朝方など寒くて目がさめたほどです。今晩は寝具を考えて就寝しなくては、

今日の昼食は若干広めの喫茶店でランチをいただきました。キャパと客数からいって、フロアー1人だけの人員というのもどうかとは思いましたが、お嬢さんが1人で頑張っておられました。

「すいませーん!....すいませーん!」
隣のボックスの若い男性が声を掛けても、なかなか気づきません。
「すいませーん!!すいませーん!!」
「申し訳ございません。(遅くなりまして)」
けげんそうな若者は、ぶっきらぼうに
「お水下さい」

良くある光景かも知れませんが、この光景を見て思い出したことがあります。

まだ、就職して間もない頃でしたが、当時の係長と昼食をとっていると(名古屋出身の、箸の持ち方がとても変な、面白い係長でした)、係長が
「すいませーん!.....聞こえねーのかな? すいませーん!」
と言った後に、なにやらブツブツ独り言を言っておりました。よく聞くと
「俺は客なのに、なんであやまんなくちゃいけないんだ」
「プーッ!」おもわず吹き出した私に
「何がおかしいんだよ!!」と係長
とまぁこんなことなのですが、

いわれてみれば、「すいませーん」という声のかけ方も、おかしいといえばおかしいのかもしれません。
そうそう、飲み屋さんなんかで「お勘定」のことを「お愛想」って言いませんか?
これもよくよく考えれば変な表現ですよね。
「にこにこして申しあげますことは」と「お勘定」訊ねるのですから、何とも謙虚ではありませんか。
それもこれも、「おくゆかしきが日本人の美徳」なのでしょうね。
係長、元気かなぁ?

今日のアルバムですが、同じ作家のイラスト・デザインのジャケットで何枚か出たうちの一枚です。
我が愚息が生まれたとき、ジャズ喫茶時代からの女友達が贈ってくれた思い出のアルバムです。そうそう、先ほどの係長といっしょに仕事をしていた頃でした。
贈ってくれた彼女は、高校時代にちょっと(ほんのちょっと)恋心をいだいた人でもありましたが、想いは告げられず友人としてながくお付き合いいただいた方です。演劇の好きな方でしたが今はどうされているでしょうか.....(んっんんん)
せっかくの「子守唄」でしたが、我が愚息はこのアルバムで眠ることはできませんでした。(残念!)

THE LULLABY / KENNY DREW
1982年3月6,7日録音
KENNY DREW(p) NIELS-HENNING φRSTED PEDERSEN(b) ED THIGPEN(ds)
1.LULLABY OF BIRDLAND
2.SWEET LULLABY
3.WIEGENLIED
4.SUMMERTIME
5.HUSH-A-BYE
6.RUSSIAN LULLABY
7.LULLABY IN RAGTIME
8.YOUR SOFT EYES

おまけ、
その彼女とのお話ですが、
お互い結婚後、私のアルバイトしていたジャズ喫茶の仲間連中が集まる機会があり、その時に「俺、あの頃、おまえのこと好きだったんだよ」と言ったら、「なんだ、私も好きだったのに」と言われ、「惜しいことをしたなぁ」と笑いあったことがありました。恋の思い出はいつまでも楽しい思い出ですね。


べらぼう

2005年09月27日 | j-l

                      

       ちょっと間抜けな男が
       「むかいの修行場の坊主の名が変わったのを知っているか」と訊ねた。
       「いや知らん」と答えると、
       「今朝、坊主が通ったときに、次郎や三郎が「ほら、べらぼうが通る」
       と言ったのを聞いたぞ」と言った。
       「それは名が変わったのではない。あほうということを言ったのだ」
       と言うと、この男、
       「もしや、おれのことをせんみつ、せんみつと呼ばわるのも、
       ほめられているわけではないのだろうな」と言った。

これは、江戸時代の軽口というやつですが
昨晩は、一度帰宅後、仕事がらみの食事会があり、いそいそと出かけてまいりました。一次会、二次会と過ぎ、みんなと別れた私は行きつけのバーへ、先客は一人でしたが、この一人が私の同級でもある坊さん、
「あら、○○ジーさん、めずらしいね、こんなところで合うなんて」
彼はその時間だといつもはいわゆる「フィリピン・パプ」にご出勤の時間のはずです。
「俺は、フィリピンは卒業した!」
ひいきだった子が先週帰国したそうで、ママが
「あの子、いい子だったもんね」
(おいおい、彼女が休みの日はここへ連れて来てたのかい)

それにしても、朝のお勤めもあるだろうに、あんたはまったく「べらぼう」だよ
えっ?人のこと言えるのかって?
うーーーん..........家族に対しては「せんみつ」かな 

               

お恥ずかしい写真です。
まさに自己満足な手作りのジャケット置きです、左がLP用、右がCD用なんですが、CD用のほうは2枚組が置けないという欠陥品であります。
今日は左のLP用にジャケットをかかげ、サド・ジョーンズを聴きましょう。
一昨日の「フォース」と同じく、マックス・ローチのドラムから始まるこのアルバムですが内容はまったく違います。
ジョーンズ3兄弟の真ん中、サド・ジョーンズですが、ブルーノートに残るコンボ演奏のなかで、私が最も好きな一枚です。
彼のバラードはなんとも味があるように思うのですが、いかがでしょうか?

THE MAGNIFICENT / THAD JONES
1956年7月14日録音
THAD JONES(tp) BILLY MITCHELL(ts) BARRY HARRIS(p) PERCY HEATH(b) MAX ROACH(ds) KENNY BURRELL(g)
1.APRIL IN PARIS
2.BILLIE DO
3.IF I LOVE AGAIN
4.IF SOMEONE HAD TOLD ME
5.THEDIA
6.I'VE GOT A CRUSH ON YOU
7.SOMETHING TO REMEMBER YOU BY

追伸、
「せんみつ」とは、けして「せんだみつお」のことではなく、千に三つしか本当がないという意味ですので、お間違いなきよう。
それともう一つ「家族に対してせんみつ」というのは、飲む口実で嘘をつくという意味で、私は嘘つきではありませーーーーーん!!! (いい訳、いい訳)    


固定観念

2005年09月26日 | g-i

                    

今日は、朝食から贅沢にも、昨日仕込んだ自家製いくら醤油漬けの「いくら丼」をいただきました。
自画自賛ですが「う~ん、うまい!」
朝から栄養をつけると体の動きも快調で、一日いい気分で仕事ができました。

                    

絵画鑑賞好きのS君と打ち合わせの後に、絵画鑑賞の話、
「バブさん、芸術は爆発だ!の岡本太郎知ってます?」
「岡本太郎知らないって人もめずらしいんじゃない」
「じゃあ、岡本氏が審査を行うときの方法がかわっていたって話は知ってますか?」
岡本太郎は知っていても、彼が他の審査をするときのことまでは知るよしもなく、
「なに?なんか変だったの? あの人そもそも常人じゃ無いもんね」

彼の話によると、岡本氏は他の審査を行うとき、一定のスピードで作品の前を歩くのだそうです。そして、何故か一定のスピードが遅くなる時があり、その瞬間、前にあった作品に目を向けるのだそうなのですが、これは全てインスピレーションだけに頼った審査だったそうです。
「何の固定観念もなく、空っぽの心でいれば、良い作品の前で必ずスピードが遅くなるんだそうですよ」
「なるほど、いかにも岡本太郎らしいといえばらしい」

さて、私が音楽を聴くとき、何の固定観念もなく、空っぽの心で聴いているでしょうか?
素直に聴こうとは思っていますが、ついつい知識武装に身を固め、本来感じ取れる純粋な感動を捨てていることは無いでしょうか?

あらためて、そんなことを考えさせられる雑談でした。

よし、今日ご紹介のアルバムも、空っぽな気持ちで聞き直してみましょう。以前とは違った感動が生まれるかも知れません。

AT THE PRELUDE / RED GARLAND
1959年10月2日録音
RED GARLAND(p) JIMMY ROWSER(b) SPECS WRIGHT(ds)
1.SATIN DOLL
2.PERDIDO
3.THERE'LL NEVER BE ANOTHER YOU
4.BYE BYE BLACKBIRD
5.LET ME SEE
6.PRELUDE BLUES
7.JUST SQUEEZE ME
8.ONE O'CLOCK JUMP

おまけ
いくら丼の写真、携帯でとったせいもありますが、醤油漬けなので色が黒いこともあって、とても見難くなってしまいました。実物はもっと美味しそうなんですよ、ほんと。


フォースを感じよ!

2005年09月25日 | p-r

                  

昨晩は、酒がないことを理由に飲みに出かけてしまいましたが、さすがに二日連続というわけにもいかず、新鮮な秋刀魚と烏賊、それに鮭の生はらこを買い求め、酒も仕入れてまいりました。
はらこは、さっそく醤油漬けにし、秋刀魚と烏賊は刺身でいただく予定です。(もちろん私が調理させていただきます。)

台風の影響か朝からいくぶん風が強くなっていますが、こんな日はゆっくり普段あまり聴くことのないレコードを聴いてみようと、「FORCH」というアルバムを聴き始めました。

以前、記事にさせていただいた記憶があるのですが、学生時代よく行った東京自由ヶ丘の「アルフィー」というジャズ喫茶で、初めて聴いたアルバムです。
2枚組のこのアルバムは、「毛沢東の栄光を讃え、彼の思い出となるようなレコードを」という、フランス社会党の依頼で制作されたものらしいのですが、A~C面までは毛沢東と文化大革命をテーマにした組曲、D面は南アフリカのアパルトヘイトをテーマにした曲になっています。
このことを知って初めてフランス盤のジャケットが理解できたのを憶えています。

当時、マックス・ローチはマサチューセッツ大音楽部の教授職に就いていましたが、同地にいたアーチー・シェップらと「アンダーグラウンド」なるサークル活動も行っていました。ここに依頼が舞い込み、マックス・ローチとアーチー・シェップのディオという、一種考えられないアルバムが完成したのでした。

                  

さて、何故このアルバムが「普段あまり聴かないアルバム」なのか
正直、他人に「お勧め盤」として紹介するのは、きついアルバムといった内容だからです。特にメロディアスなジャズをお聴きの方に勧めるなどもってのほかであります。
もし、それでも聴いてみたいとおっしゃる方がいれば
  1.一人でお聞きになることをお勧めします。
  2.A面を聴き始めて、まずローチのソロから始まりますが、シェップが加わって、おもわずA面を聴き終えてしまったという方は、D面までいっきにお聴き下さい。
  3.2の段階で5分でいやになった方は、他の面はお聞きにならないほうが無難です。
以上の心構えでお聞き下さい。(笑)
映画「スターウォーズ」ではありませんが
「ただ、無心にフォースを感じよ!!」
といった聴き方がベストではないでしょうか。

私の場合はいっきにD面まで突き進みました。
私はどうも金属っぽい感じのする音(まったくの個人的主観ですが)のアーチー・シェップが苦手で、聴くことも少なかったのですが、このアルバムを聴いた瞬間、
「おや?シェップ変わったんじゃないの」と思い、以降のシェップのアルバムをけっこう聴いた覚えがあります。
「アルフィー」で初めて聴いたとき、何ともいえない感動というか、ブルブルっと来たというか、そんな感じを受け、毛沢東の泳ぐジャケットにびっくりした私でありました。

FORCE
1976年録音
MAX ROACH(ds) ARCHIE SHEPP(ts)
A面 SWEET MAO 1.Preparation
B面 SWEET MAO 2.March
C面 SWEET MAO 3.Commencement
D面 SUID AFRIKA 76

上のジャケットが日本発売盤、下のジャケットがフランス盤、私は上のものしか持っておりません。
なお、全曲マックス・ローチのオリジナル曲です。


お墨付き

2005年09月24日 | p-r

なんと、あってはならぬ事が起きてしまいました。
昨晩、我が家の「酒類」の在庫が0となり、今日の午後、買い物に行くという言葉を信じて待っておりましたが「酒類」の搬入はなく......

「だめだ!休前日に酒のない状況などあってはならない!!!」
「休肝日にすれば」
「うーーーーん、そうはいかない、だって夕べもそんな飲んでないよ..」...スリスリ
「自分で何とかすれば」
自分で何とかしろということは、「そんなに飲みたきゃ、買いに行くなり、飲みに行くなりかってにすれば!」ということ
これは、良くとれば「飲みにいっていいよ」というお墨付きをいただいたということではないだろうか?
「いや確かにそうとれる、そう言っている」(誰ですか?「勝手な解釈すぎる」なんておっしゃるのは)

この雨の中、傘をさしながら酒瓶をぶら下げて、とぼとぼ歩くのはあまりに情けないではないですか、つまり選択は一つということです。

まずは、「飲みにいくぞ!!!」という勢いをつけなければ
私に勢いをつけてくれるのは......
なぜかバド・パウエルなんですね
特にソロを聴いていると、ほらほら、高揚してきました、
「酒が呼んでるぞ!酒が呼んでるぞ!」パウエルの唸りまでもがそうささやいています、ピアノの響きが五感を刺激します。
ジャズを聴きながら飲む酒の味を、パウエルのピアノが「ほれ、ほれ、ほれ」って......!
うーーーん、行ってきまーーーーす!!!!

THE GENIUS OF BUD POWELL
1950年7月,1951年2月録音
BUD POWELL(p)
RAY BROWN(b) BUDDY RICH(ds) (1,2のみトリオ演奏)
1.TEA FOR TWO
2.HALLELUJAH
3.PARISIAN THOROUGHFARE
4.OBLIVION
5.DUSK IN SANDI
6.HALLUCINATIONS
7.THE FRUIT
8.A NIGHTINGALE SANG IN BERKELEY SQUARE
9.JUST ONE OF THINGS
10.THE LAST TIME I SAW PARIS

共犯幻想

2005年09月23日 | s-u

                    

今日は、父の墓参りをすませ、ちょっと暇になってしまったので、いっぱいになってしまった本の整理を行うことにしました。
いつかやったビデオの整理と同じように、一冊一冊見ていると遅々として進みません。
「いやあー、単行本をしまってしまうのも、しのびないなぁ」

そんなこんなで本棚の奥から漫画の単行本が出てきました。
「あららら、永島慎二と真崎守じゃないの、なつかしいなぁ」
出てきた単行本は、真崎守作「共犯幻想」と永島慎二の「馬鹿狩り」という全集

「共犯幻想」という漫画は、昔、週間平凡パンチに連載されていた漫画で、高校での学生紛争の中、解放区に最後に残った4人の若者の話、
「30人いたこの解放区も、とうとう四人になってしまった。数がへったことがなどたいしたことじゃない。僕が気になるのは、どうして”最後の一人”じゃなくて、”最後の四人”なのかだ!」という竜彦の一言から始まる、上中下三冊の単行本です。内容は、またの機会にご紹介しましょう。

永島慎二は、ご存じの方もいらっしゃるのではないでしょうか。
そう「柔道一直線」を描いた漫画家です。
この「馬鹿狩り」は、漫画「ガロ」に連載していた、「旅人くん」など、いくつかの短編が載った全集であります。

いやぁ、「ガロ」も懐かしい、中学高校と私の愛読漫画雑誌でした。

                   

「共犯幻想」の中で歌われていた歌の一節を
 ♪風が荒野をぬけていく
  忘れ去られた 墓いしひとつ 吹き抜けざまに転がった
  あばよ あばよ 石ころお別れさ
  いちりん添えの 花びらが 首をもがれて 吹きとんだ
  あばよ あばよ 花びら
  風が荒野をぬけていく♪

カビくさい漫画の単行本を開きながら、ちょっとだけもの思いにふけた一日でした。

父の墓を参ったら、聴くのはやっぱりこれでしょうか 

SONG FOR MY FATHER
1963年10月26日,1964年10月31日録音
HORACE SILVER(p)
CARMELL JONES(tp) JOE HENDERSON(ts) TEDDY SMITH(b) ROGER HUMPHRIES(ds) 1,2,4,5
BLUE MITCHELL(tp) JUNIOR COOK(ts) GENE TAYLOR(b) ROY BROOKS(ds) 3,6
1.SONG FOR MY FATHER
2.THE NATIVES ARE RESTLESS TONIGHT
3.CALCUTTA CUTIE
4.QUE PASA
5.THE KICKER
6.LONELY WOMAN

おまけ、
クリスさんのところへ書かれていた、あずきさんのコメントをたよりにHTMLでの投稿に挑戦してみましたがうまくいったのでしょうか?
しんぱいしながら、投稿ボタンを押してみます。  


やにさがって

2005年09月22日 | d-f

今日は、久しぶりにパイプ・タバコを仕入、楽しんでおります。

私が初めてパイプを手にしたのは、二十歳そこそこだったと思いますが、新宿のアドフォックで購入、マニュアルを読みつつの初体験でした。
ところが、パイプというのはそんなに簡単に楽しめるものではなく、火種が保たない、口の中があれる、等々、はじめは苦労するものであります。
何故、そこまでしてパイプを始めたのか、これはまさにカッコつけに他なりません。
映画やドラマでくゆらすパイプ、なんともカッコ良く見えたのですね、やっとのおもいで、人並みにパイプを扱えるようになりました。ところが、私が見た映画やドラマのなかでは、何ともパイプが似合う男がカッコ良かったわけですけど、私の場合、当時は「童顔」ということもあり、どうにもこうにもカッコがつかない、まさに「こんなはずでは」状態でありました。

まぁ、きっかけはともかくとして、パイプ・タバコの香りは、なんともいい香り、以降、人前はさけつつ、ときおり楽しんでおります。

さて、この話にぴったりの「やにがさがる」という言葉をご存じでしょうか?
昔、キセルを使ってタバコを楽しんでいた時代、キセルの雁首を上にあげ、体を反り返した姿勢でタバコをくゆらす、これがカッコ良いとされていたそうで、当然雁首をあげればタバコのヤニがさがり、口の中がヤニだらけになってしまいます。
カッコ良さの前には、それすらも我慢してしまう。そこから「気取って構える、高慢な態度を取る、いいきぶんになってにやにやする」ことを、「やにがさがる」と言うようになったという話。

まさに、その時、私は「やにがさがって」いたのでありました。

パイプ・タバコを楽しみながら、何を聴きましょうか?
エバンスでも聴きましょうか?
トリオでもいいんですけど、久しぶりのパイプですから、エバンスも定番のトリオはやめて、久しぶりにこのアルバムにしましょう。
「あなたと夜と音楽と」いい曲名ですよね、フレディー・ハーバードとジム・ホールもこれまたよろしいんじゃないでしょうか。

INTERPLAY / BILL EVANS
1962年7月16,17日録音
BILL EVANS(p) FREDDIE HUBBARD(tp) JIM HALL(g) PERCY HEATH(b) PHILLY JOE JONES(ds)
1.YOU AND THE NIGHT AND THE MUSIC
2.WHEN YOU WISH UPON A STAR
3.I'LL NEVER SMILE AGAIN
4.INTERPLAY
5.YOU GO TO MY HEAD
6.WRAP YOUR TROUBLES IN DREAMS

速い、うまい、安くない

2005年09月21日 | d-f

いやあ、すごいもんですね、便利な世の中になったもんだ。
18日に注文した「ラウンド・アバウト・ミッドナイト」のスペシャル・エディション(ジャケットを見ると、レガシー・エディションが正しいみたいですけど)が、今日私の手元に届いてしまいました。(在庫があるとこんなに速いものなのですね、ちょっとびっくり)

ディスク1は、おなじみのオリジナルですので、さっそくディテスク2を1度聴き終え、今、再度聞き直しをしているところです。

1曲目は、かのマイルスのそれ以降を決定づけたとされる、1955年7月17日のニューポート・ジャズ・フェスティバルでの「ラウンド・アバウト・ミッドナイト」の演奏です。
以前、発売された「ミスセラネアス・マイルス・ディビス 1955-1957」ではすでにこの時の演奏、3曲が収録されていたそうですが、私は今回聴くのが初めて、マイルスのバックをしっかりモンクが弾いているではありませんか。
これを聴くと、クリスマス・セッションでの大げんかというのは、かなり眉唾かななんて思ったりして、それでも、このニューポートの帰り道、車のなかでの大口論は事実だったようですけど
出来としては、「ディスク1でのマイルスのほうがやっぱりマイルスらしいかな」と私は感じました。

さて、2曲目からは、「ジーン・ノーマン・プレゼンツ ザ・マイルス・ディビス・クインテット ライブ・アット・ザ・バサディナ・シヴィック・オーディトリアム」という、1956年2月18日のライブ演奏。
これを聴くと、「コルトレーンはやっぱすごいわ」と思ってしまいました。
18日に紹介した「小川のマイルス」「THE NEW MILES DAVIS QUINTET」のコルトレーンときたら、「あーらら」って感じがありますけど、だった3ヶ月後には別人のよう、しかもライブですよ。いやぁ、まいったまいった
それでも、ジーン・ノーマンがメンバー紹介で
「テナー・サックスはジョニー・コルトレーンです。皆さん、ジョニーに拍手を」
とやっちゃってます。だれも何も言わないあたり、いかに無名だったかってことですよね。

さて、すでに「ラウンド・アバウト・ミッドナイト」を所有している私が、この「スペシャル・エディション」に、3,780円という金額を使ったことは、無駄遣いか?有意義な金の使い方か?
本人としては、納得しております。

よし、こんなに速く着くのなら
明日発売のカーネギーでのモンクとコルトレーンのライブ盤と、来月発売のハーフ・ノートでのコルトレーンのライブ盤、発注しちゃおーかなぁー......

'ROUND ABOUT MIDNIGHT LEGACY EDITION / MILES DAVIS
DISC 1
1955年10月26日,1956年6月5日,1956年10月26日録音
MILES DAVIS(tp) JOHN COLTRANE(ts) RED GARLAND(p) PAUL CHAMBERS(b) PHILLY JOE JONES(ds)
1.'ROUND MIDNIGHT
2.AH-LEU-CHA
3.ALL OF YOU
4.BYE BYE BLACKBIRD
5.TADD'S DELIGHT
6.DEAR OLD STOCKHOLM
7.TWO BASS HIT
8.LITTLE MELONAE
9.BUDO
10.SWEET SUE, JUST YOU

DISC 2
1955年7月17日ニューポート・ジャズ・フェス録音
MILES DAVIS(tp) ZOOT SIMS(ts) GERRY MULLIGAN(bs) THELONIOUS MONK(p) PERCY HEATH(b) CONNIE KAY(ds)
1.'ROUND MIDNIGHT
1956年2月18日録音
MILES DAVIS(tp) JOHN COLTRANE(ts) RED GARLAND(p) PAUL CHAMBERS(b) PHILLY JOE JONES(ds)
(2.INTRODUCTION BY GENE NORMAN)
3.CHANCE IT
4.WALKIN'
(5.GENE NIRMAN & MILES DAVIS)
6.IT NEVER ENTERED MY MIND
7.WOODY 'N YOU
8.SALT PEANUTS
9.THE THEME

おまけ、
ジャケットは、左がこのアルバム、右がオリジナルです。
今からこのアルバムで一杯飲ましてくれるというお店に、いそいそと出かけてまいります。

わからぬは女子高生

2005年09月20日 | p-r

引っ越し手伝いの疲れもあったのか、みょうに体が重く、今日は仕事帰りにマッサージを受けてきました。(いかがわしいマッサージではありませんよ)
知り合いのマッサージ師だということもあって、そのまま1時間ほど寝させていただきました。おかげでとても楽になりました。

昨日、引っ越しをしたのは某高校の先生で音楽を担当しています。
現在、県立高校に勤務されているのですが女生徒が非常に多い高校、独身の彼はいろいろとちょっかいを出されるそうで、
「最初の頃は、いろいろ気にしたり、顔を赤らめたりしたんですけどね。今はうまいもんですよ、扱いが」
顔を赤らめたりしているとわざと下着を見せてきたり、必要以上に体を押しつけてきたりするそうで、最近はそんなことがあっても
「下着は、毎日替えろよ」とか、「暑苦しい!」とか、恥ずかしがらずに切り返しができるようになったとのこと
「それって、セクハラぎりぎり?」
「違いますよ、彼女たちが僕にセクハラをしているんですから」
するとS君が
「それは、ある意味うらやましい」
おいおい、19歳の娘がいるんだから、あんたがそんなことを言ったらいかんよ。

以前、女子高生アルバイトを何人か使った経験のある私ですが、アルバイトとして使っていてもかなり大変なところがありました。それが何十人も扱う高校の先生の苦労は、推して知るべしといったところでしょうか。

女性の事を理解することは、男性にとって一生の課題ですが、特に女子高生ぐらいの女の子を理解するのは、並大抵の事ではないでしょう、自分の娘の心すら理解できないのが現状なのですから。
ともかく、大変でしょうが、先生、頑張って下さいね。

今日のアルバムは、アート・ペッパーにしてみました、このジャケットの顔を見ると「もてただろうなぁ」なんて思ってしまうのですが、そう思うのは私だけでしょうか?
それにしても、何故アート・ペッパーにしても、チェット・ベイカーにしても、白人でこれだけいい男なのに麻薬で身を滅ぼしてしまったのでしょうかね?
麻薬の力というのは本当に恐ろしい、けして足を踏み入れてはいけない世界です。

THE RETURN OF ART PEPPER
1956年8月6日録音
ART PEPPER(as) JACK SHELDON(tp) RUSS FREEMAN(p) LEROY VINNEGAR(b) SHELLY MANNE(ds)
1.PEPPER RETURNS
2.BROADWAY
3.YOU GO TO MY HEAD
4.ANGEL WINGS
5.FUNNY BLUES
6.FIVE MORE
7.MINORITY
8.PATRICIA
9.MAMBO DE LA PINTA
10.WALKIN' OUT BLUES