JAZZを聴きながら ふたたび

恥も顧みないで再々開、よろしければお付き合いを

最後の1軒

2006年02月28日 | d-f

昨夕、友人S君から「ファイルが取り込めない」とのSOSが入り、彼の事務所に直行、原因はいたって簡単なことだったので、そうそうに問題解決
「今日はちょっと寒いから、一軒限定で軽くいこうか」
まあ、飲む口実なんて何でもいいわけで、「寒いから」というわけのわからない理由をつけて飲みに行ってまいりました。

「最近、酒弱くなったのかなぁ、この前行った最後の店のことを、思い出せないんだよなぁ、本当に俺が次ぎ行こうって言ったの?」と彼
前回彼と飲みに行ったとき、3軒ほどはしごをしたのですが、彼の記憶の中では2軒めでタクシーを呼んで帰ったと思いこんでいたらしく、3軒目の記憶が完全にとんでしまったそうで、
「昔はこんなこと無かったのになぁ」と落ち込み気味
「たまたま、この前は体調が悪かったんだろ、まあ飲め飲め」

奥さんに「今日は1軒で済ませて、早く帰るから」と電話をしていた彼、
「よし、次行こうか!」
はたして、昨日の最後の店を憶えているでありましょうか?

さて、今日は一昨日のウエイン・ショーターがらみで、久しぶりにマイルスにしてみました。
コルトレーン脱退後、なかなか固定できなかったテナーのメンバー、ウエイン・ショーターの加入で「新黄金のクインテット」が、ここにスタートします。
こころなしかマイルスもリズム・セッションも嬉しそうに聞こえるのは、私の考えすぎでしょうか?
ともかくマイルスの新たな挑戦が、ここから始まったのは事実です。

MILES IN BERLIN
1964年9月25日録音
MILES DAVIS(tp) WAYNE SHORTER(ts) HERBIE HANCOCK(p) RON CARTER(b) TONY WILLIAMS(ds)
1.MILESTONES
2.AUTUMN LEAVES
3.SO WHAT
4.WALKIN'
5.THEME

追伸、
友人S君へ、
私は、あなたと飲みに行って、1軒で帰った経験があれません。奥様はご承知のこととは思いますが、「1軒で済ませ、早く帰る」などという、あり得ない戯言を奥様に言われないことを提言いたします。

喫煙に正当性無し

2006年02月26日 | s-u


雨降りの日曜日は、お金もないので午後から引きこもり状態、コーヒーを飲みながら本を読んだり、ビデオを観たり、のんびりと過ごしました。

なんとか喫煙の正当化へと「煙草の蘊蓄」なる本を読んでおりましたが、やはり喫煙者への希望は遠のくばかりであります。

        七銭でバットを買って、
        一銭でマッチを買って、
                -ウレシイネ、
        僕は峠を越えるまでに、
        バットは一つ箱で足りると思った。

中原中也の一遍であります。バットとはゴールデン・バットのこと

太宰治は
「いまの人間は、どん底に落ちても、丸裸になっても、煙草を吸わなければならぬように出来ているのだろうね。ひとごとじゃない。どうも、僕にもそんな気持ちが思い当たらぬこともない」と言っています。

いずれも、喫煙の正当性は説いていませんね。ただただ止められぬ想いを、綴るばかりであります。

「いまの私は、どん底に落ちているけど、丸裸になっているけど、煙草を吸わなければならぬように出来ているのだろうね。どうも、私はそんな気持ちしか思い当たらない」
はい、これは私の言葉でございました。


さて、今日の一枚は「INTRODUCING WAYNE SHORTER」であります。
何故か?じつは、今日観たビデオがボビー・マクファーリンのライブだったのですが、ゲストでウエイン・ショーターが出ていて、一曲だけソプラノ・サックスでボビーと掛け合いをやっておりました、これがなかなか良い。
それで、ウエイン・ショーターになったというわけ、
「INTRODUCING WAYNE SHORTER」は、彼の初リーダー盤であります。ジャズ・メッセンジャーズにいたときの録音、同僚のリー・モーガンにつきあわせ、当時のマイルス・バンドのリズム・セッションを従えております。全曲ショーターのオリジナルというあたりが魅力でしょうか。

INTRODUCING WAYNE SHORTER
1959年11月10日録音
WAYNE SHORTER(ts) LEE MORGAN(tp) WYNTON KELLY(p) PAUL CHAMBERS(b) JIMMY COBB(ds)
1.BLUES A LA CARTE(Take 1)
2.BLUES A LA CARTE(Take 2)
3.HARRY'S LAST STAND(Take 1)
4.DOWN IN THE DEPTHS
5.PUG NOSE
6.BLACK DIAMOND
7.MACK THE KNIFE
8.HARRY'S LAST STAND(Take 2)

追伸、
ボビー・マクファーリンは、レコード(CD)よりライブを映像と共に観る方が、楽しいですね。




春の病

2006年02月25日 | a-c

今日は、春めいた一日でした。梅の知らせもちらほら、確実に春は近づいているようです。
芽吹きの春はじつに楽しみなのですが、あのいまわしい花粉の季節も一緒にやってくるのが、ちと困りものです。私の場合「アレルギー性鼻炎」と呼ばれていた頃からのお付き合いですから、それはもう親しい間柄であります。

私がコーヒー豆をいつも買い求めるお店の奥さんは、発病は私より遅いものの症状がひどいらしく
「もう今年きてますよ、コーヒーの香りもわからなくなって困るんですよね」
そういえば、ヤンキースの松井選手も、花粉症による寝不足が、春先の不調の原因だそうですね。

4,5年前ですが、息子のアトピーを和らげられればと思い「プロポリス」を買ったことがありました。ところが、息子は飲みやしない、値段もそこそこしたのでもったいないと思い、私が買った分だけ飲んでしまいました。これが体に合っていたみたいで、それ以降、花粉症の症状が和らいきがします。(もちろん直ったわけではありませんが)

「コーヒー屋の奥さんにも、プロポリス勧めてやればいいのに」

いやいや、所詮は民間療法、たまたま私は結果が良かっただけで、誰しもがそうなるとは限りません。まして「プロポリス」って安いものじゃないですもん。

「1つだけ言えるのは、薬は飲まないにかぎるということ。辛いからつい飲んでしまうのは私もヨ~クわかるのですが、飲まないで過ごした翌年は、前の年より、調子が良いですよ」
これは、コーヒー屋の奥さんにも言ってきました。

さて、いかに花粉症が辛くても、仕事をしないわけにもいかず、今日の一枚はファンキー・ジャズの王道「WARK SONG」にしてみました。キャノンボールではなく、作曲者でもある弟のナットで聴いてみましょう。このアルバム、チェロを入れているところがなかなか面白いですよね、ウエスの共演もいい。
「花粉症になんか負けずに、タタタタッタータタ.タータといきましょうよ」

WORK SONG / NAT ADDERLEY
1960年1月25,27日録音
NAT ADDERLEY(cor) WES MONTGOMERY(g) BOBBY TIMMONS(p) SAM JONES(cello,b) KETER BETTS(cello,b) PERCY HEATH(b) LOUIS HAYES(ds)
1.WORK SONG
2.PRETTY MEMORY
3.I'VE GOT A CRUSH ON YOU
4.MEAN TO ME
5.FALLOUT
6.SACK OF WOE
7.MY HEART STOOD STILL
8.VIOLETS FOR YOUR FURS
9.SCRAMBLED EGGS

石ころと箸と白い花

2006年02月24日 | d-f


まずは、荒川静香選手、金メダルおめでとうございます。まあ、このブログを見るわけもないのですが、気持ちだけ...気持ちだけ。
世界の舞台で究極の力を出し切る、素晴らしい人間もいれば、2晩連続で午前様というバカ者もいる、世の中いろいろですね。(って、バカ者は私でした。)

昨晩は、このブログにもときおり遊びに来てくれる「BER オーク」のママに、いつものようにくだらない話にお付き合い頂いていると、私より数段素敵なジェントルマンが入ってこられました。
その方もお一人だったので、「一期一会」酒を飲み交わすうちに話もはずみます。
彼は、街の景観作りを計画されており、他の街のまねごとではなく、地に根付く古からの伝統を生かし、路地をも取り込んだ街作りを目指しておられるとか、ぜひとも実現して頂きたいと共感いたしました。


「そうだ、ママにおみやげがあったんだ」と取り出されたのが、写真の代物。
携帯のカメラで、しかも酔っぱらって撮ったので非常に写りが悪いのですが
「なるだけ、石ころっぼさを出したかったんだけど」
(ふむふむ、なるほど石ころにも見える、あら?石ころからなんかの葉っぱが出てるけど?)
それは、まぎれもなく人参の葉っぱであります。
「これはね、石ころに見えて石ころにあらず」
よく見ると、石ころが小さな花瓶になっています。そう、花瓶の箸置きだそうで、なんだかみょうにオシャレ。陶芸をなさる彼の自信作の1つだそうです。
「でかい花は挿せないけどね」
「でかい花じゃ不細工だけど、ちっちゃな花だとなんとも風情がありますね」
ママが挿した白い小さな花が、可愛く笑っておりました。

話に夢中で、お名前もお訊きしませんでしたが、また、お会いできる日を楽しみにしております。

さて、今日の一枚は、久しぶりにケニー・ドリューにしてみました。
以前紹介した「DARK BEAUTY」と対をなすアルバムです。じつをいうと私はこのアルバム、レコードでは持っておりません。以前に45回転盤を手に入れる機会があったのですが、その時は購入せず、けっきょくCDで買ったアルバムです。
私は、ヨーロッパへ移ってからのドリューの作品としては、この2枚が秀逸だと思っています。気心しれた3人のプレーは格別です。この頃の「カフェ・モンマルトル」、行ってみたかったなぁ......。

IF YOU COULD SEE ME NOW / KENNY DREW
1974年5月21,22日録音
KENNY DREW(p) NIELS-HENNING φRSTED PEDERSEN(b) ALBERT "TOOTIE" HEATH(ds)
1.IN YOUR OWN SWEET WAY
2.IF YOU COULD SEE ME NOW
3.ALL SOULS HERE
4.I'M OLDFASHIONED
5.FREE FLOGHT
6.RUN AWAY (Take 3)
7.SUMMER NIGHT (Take 1)
8.A STRANGER IN PARADISE
9.PRELUD TO A KISS
10.THIS IS THE MOMENT
11.OLEO 


忘れていた味

2006年02月23日 | g-i

昨日は、珍しく仕事が10時過ぎまでかかり、「飯喰って帰るか」ってことで酔っぱらいになってしまいました。
酔っぱらいはいつものことなので驚かないのですが、昨晩は最近ご無沙汰していたテキーラをいただき、イイ気分
「久ぶりに飲んだけど、テキーラいけるね」
「バブさん、もっぱらバーボンかと思いましたけど、テキーラも飲むんですね」と同僚、
「昔は飲んだよ、それも安テキーラ、レモン一個分を薄いスライスにして、それを半分にして、塩をべちゃっと付けて、カプッといって、グイッと飲む。そうするとね、他につまみもなしで1本いけちゃうんだよね、これが」
同僚はあきれ顔であります。

昨晩は、当然1本飲んだわけもなく、レモンもカッコつけてライムにかわり、ペナペナの輪切りでもありません。テキーラだって以前飲んでいたものよりかなり高級品でありましたから、旨いのはあたりまえですね。
ただ、いっきにカパッと飲んでしまう癖は直せず、当然のごとく早々と酔っぱらいに化してしまいました。(悪い子)

さて、今日の1枚は紹介するのを忘れていたアルバムであります。
昔、友人に「ローランド・ハナけっこう好きなんだよね」と言ったら、「お前っぽくないね」と言われたことがありました。
今、飲む酒がウイスキー系じゃないと「バブらしくないね」と言われるのと、ちょっと似て無くもありません。
このアルバムを、どうして今まで紹介していなかったのか、ちょっと不思議なんです。じつは大好きなアルバムだからです。

サー・ローランド・ハナが、リーダーを務めた最初のアルバムは、「DESTRY RIDES AGAIN」だったでしょうか?今日のアルバムは2作目?
私は、ずっとこの「EASY TO LOVE」が初リーダーアルバムと思っていました。
以前にもお話ししたことがありますが、サド・メル・オーケストラの一員として来日したさい、彼のピアノを生で聴く機会がありました。私はその時以来のファンですから、じつはそれ以前にこのアルバムを聴いていたことになります。ケニー・バレルの「AT THE FIVE SPOT CAFE」でも彼のピアノは耳にしていたはずですが、気にも留めずにいたのだと思います。

ともかく、それ以来、このアルバムは私のお気に入りになったのでありました。
特にB面が好きですね、表題曲からラストまで徐々に盛り上がっていく雰囲気はたまりません。

EASY TO LOVE / ROLAND HANNA
1959年9月25日録音
ROLAND HANNA(p) BEN TUCKER(b) ROY BUMES(ds)
1.BEST THINGS IN LIFE ARE FREE
2.NEXT TIME YOU SEE ME
3.FORM THIS DAY ON
4.LIKE SOMEONE IN LOVE
5.YESRERDAYS
6.FAROUK THELONIOUS
7.IT NEVER ENTERED MY MIND
8.EASY TO LOVE
9.NIGHT IN TUNISIA

おまけ、
BABU HOUSE」更新しました。(四方山話他)よろしければご覧下さい。
なお、私は本日も帰宅が遅くなりそうであります。(仕事ですよぉ~~?)

アート好き

2006年02月21日 | d-f

今日は、暖かくなるような天気予報だったので、また公園で昼食がいただけるかなと楽しみにしておりましたが、期待するほど気温が上がらず、しかたがないのでいつもの喫茶店へ

すると、まだランチも出ないうちにマスターが
「バブさん、モダン・アートっていうと、誰のアルバム思い浮かべる?」と訊くのです。
マスターはアート・ペッパー好きですから
「アート・ペッパー..?」と答えると
「そうだよね、普通そうだよ」と納得顔

何故にマスターがこんなことを急に訊いてきたのか? 話は土曜日に来たという、お客さんとの会話が原因でした。
その時、店内にはチェット・ベイカーがながれていたそうで
「マスター、この曲、僕好きなんですよ」とお客さん
「そうですか、ジャズはお好きなんですか?」
「ええ、好きだというほどジャズのことは知らないんですが」
てな話から、好きなアルバムの話になったそうで
「モダン・アートってアルバムありますよね、僕あれが好きなんです。」
するとすかさずマスターが
「そうですか、私も大好きなんですよ」

彼は、曲名もアーティスト名も憶えていなかったそうですが、マスターが気を利かせてアート・ペッパーの「MODERN ART」をかけると、何の反応も示さない、
「あれ?これがモダン・アートなんだけど」
「エッ?僕が好きなのはトランペットなんかも入っているヤツですよ」
つまりは、彼が好きだったのは、アート・ファーマーの「MODERN ART」であったというわけ、

「バブさん、モダン・アートといえば、ペッパーでしょ? ねえ」

マスターごめん、マスターがアート・ペッパー好きだと知っているから、アート・ペッパーと答えただけで、アート・ファーマーの「MODERN ART」も、頭に浮かんでおりました。そんなことより「窓際のきみ」のお話しをしてくれません?

ということで、今日の一枚は、アート・ファーマーの「MODERN ART」にしてみました。ファーマー、ゴルゾンといえば、ジャズテットということになりますが、このアルバムはメンバーも内容も、ちょっと違います。私は3曲目「DARN THAT DREAM」がとても好きですね。
「「ゴルゾン・ハーモニー」がたまんない」と言った友人に、「2管はハーモニーとは言わない、ハーモニーは3管から」というヘリクツを言ったヤツがいましたが、「ゴルゾン・ハーモニー」でもなんでもいいけど、メロディアスなゴルゾンの曲をソフトに仕上げるファーマーは、とても良いと思います。

MODERN ART / ART FARMER
ART FARMER(tp) BENNY GOLSON(ts) BILL EVANS(p) ADDISON FARMER(b)DAVE BAILEY(ds)
1958年9月10,11,14日録音
1.MOX NIX
2.FAIR WEATHER
3.DARN THAT DREAM
4.THE TOUCH OF YOUR LIPS
5.JUBILATION
6.LIKE SOMEONE IN LOVE
7.I LOVE YOU
8.COLD BREEZE

追伸、
ちなみに、ピアノはビル・エバンスが入っていますが、エバンス・ファンの方が聴くと、ちょっと肩すかしということになるかも知れませんので、ご参考までに。

旨い原稿料

2006年02月20日 | m-o


土曜日に頼まれた校内誌の原稿ですが、薄っぺらで内容のな無いその文章に、自己嫌悪に陥りながらも、今夕、届けに行ってきました。
「Mさんが読んでダメそうだったら、載せるの止めてよ」
「大丈夫、このまま投稿するから」
「だめだめ、ちゃんと読んでからにしてよ」

しばらく、無駄話をした後、帰ろうとすると
「本当は、これから飲みに行きたかったんだけど、野暮用ができちゃって、こんなんでわるいけど、これ家で飲んで」
と、4合瓶3本がセットになった「会津三泉」なる日本酒のセットを持たせてくれました。


(あんな無茶苦茶な文章で、昼食をごちそう頂いた上に、こんな旨いものまで頂いては.....申し訳なくて....頂くわけには...でも酒ですし..)
「すいませんね、遠慮なく頂いていきます。」(あれ?)


というわけで、家にあった明太をあてに、茶碗酒とあいなりました。
私、酒器ではなくて、こんな茶碗で飲む酒も、なかなか好きなんですねぇ。って、なにで飲んでも、酒は好きなんですけど

会津の酒は、どうも甘口のイメージが強いのですが、
「うん、辛口とも書いてあるし、なかなかいける」

あんな文章で、こんな美味しい原稿料を頂けるなら、いつでもおっしゃって下さい。(ウソです。) Mさん本当にごちそうさまでした。

さて、今日の一枚は、ジャッキー・マクリーンの初リーダー・アルバムであります。
マイルスの「DIG」で、レコーディング・デビューをしたマクリーン、それから4年後、このアルバムのレコーディングが行われました。
このアルバムは「猫のマクリーン」として、親しまれているのですが、私はどうして「猫」なのか、どう見ても「フクロウ」だろ、と納得いきませんでした。
いつだったか忘れましたが、とあるジャズ喫茶で、このアルバムがながれていたときです、ジャケット・デザインが私の知っているものと違っていました。
それが写真のデザインです。


後でわかったことですが、このジャケットが最初のオリジナルだそうで、ならば「猫のマクリーン」は納得ですよね。
私の持っているものは、当然、「猫」だか「フクロウ」だかわからないジャケットのアルバムです。ちなみにこちらのアルバムの絵も「フクロウ」では無く、「猫」だそうで、
でも、どうみても「フクロウ」ですよねえ。(下の方にしっぽの生えた足が見えますけどね)

THE JACKIE McLEAN QUINTET
1955年10月21日録音
JACKIE McLEAN (as) DONALD BYRD (tp) MAL WALDRON (p) DOUG WATKIN (b) RONALD TUCKER (ds)
1 IT'S YOU OR NO ONE
2 BLUE DOLL
3 LITTLE MELONAE
4 THE WAY YOU LOOK TONIGHT
5 MOOD MALODY
6 LOVER MAN


井の中の亀

2006年02月19日 | v-x


我が家の物言わぬ居候カメ太君、半年ぶりのご挨拶であります。
冬場のカメは飼っているかいがないというか、半冬眠状態のため、もう2ヶ月以上餌も食べません。
毎年この期間は、水槽の掃除もきょくりょく避け、静かにしておくのですが、汚れ取りのヒルターも詰まってしまうほど汚れてしまったので、今日はカメ太君にちょっとだけお時間をいただき、水槽掃除をいたしました。


気温もそれほど低くないし、水も太陽の日をじゅうぶん吸わせた冷たくないものを入れてあげたので、「少しは食べるかな?」と思い、2粒ほど餌をやってみると、顔をスーッと餌に近づけるもののやはり食べません。
なんとも、経済的な体であります。私の体にもほんの少しでもカメ太の経済性があれば、なんとも安上がりでありましょうに

おもえば、すでに何年もの間、彼はそのほとんどの時間を、この小さな水槽のなかで1人で過ごしています。
毎日、窓際の水槽の中から、ガラス越しの空をどんな思いで見つめているのでしょうか?
もはや自然に帰すことは不可能ですから、これからもずっと彼はこんなちっぽけな世界の中で生きていくのです。
「カメ太、お父さん(私)も、お前よりは行動範囲も、話し相手も多いけど、同じように自由のない世界に生きているのだよ」

「ちゃんと、きれいに掃除した?!」
「はい!終わりました」

さて、今日の一枚は、ベイビー・フェイス・ウィレットを選びました。
ルーズヴェルト・ウィレットは、童顔であることから、いつしかベイビー・フェイスと呼ばれることとなります。叔父がプロのピアニストだったことから、4歳からピアノを始め、R&Bやゴスペルを演奏していました。シカゴの教会で耳にしたオルガン奏者の演奏に感銘したウィレットは、ピアノからオルガンに転向、さらにジミー・スミスを聴いて、ジャズの道へと進んで行くことになります。

ジミー・スミスの大成功に気をよくしたアルフレッド・ライオンは、次のオルガン奏者を捜していました。そんな時にウィレットは、ルー・ドナルドソンの紹介でブルーノートの門をくぐります。
ドナルドソンの「HERE 'TIS」、グラント・グリーンの「GRANT'S FIRST」に起用され、2日後、この「FACE TO FACE」をレコーディングしました。「GRANT'S FIRST」とまったく同じメンバーに、ロイド・プライス楽団などで活躍したフレッド・ジャクソンを加えることで、ウィレットの強いR&B色をさらに際だたせています。

FACE TO FACE / 'BABY FACE' WILLETTE
1961年1月30日録音
'BABY FACE' WILLETTE(org) FRED JACKSON(ts) GRANT GREEN(g) BEN DIXON(ds)
1.SWINGIN' AT SUGAR RAY'S
2.GOIN' DOWN
3.WHATEVER LOLA WANTS
4.FACE TO FACE
5.SOMETHIN' STRANGE
6.HIGH 'N LOW


昼食で釣られ

2006年02月18日 | a-c

今日は、日帰り温泉でも行こうかと思っておりましたら、昨晩飲みに行ってしまったことでお許しをいただけず、朝から庭のゴミ片付けを仰せつかりました。

一段落して、コーヒーを飲んでいると、友人M氏より電話
「バブさん、ちょっと昼出てこられる?」
何か私ごときに頼みがあるので、昼食をいっしょにどうかというのです。
これは、逃亡には良いきっかけだとばかり
「なんだかわかんないけど、Mさんが手伝ってほしいって言ってるから、ちょっと行ってくるわ」

「わるいわるい、忙しくなかった?」とM氏
「いや、抜け出す口実になってかえって良かったんですけど、Mさんが、俺なんかに何の頼みですか?」
すると、「これなのよ」と、E中学校の校内誌を差し出しました。

話は昨年のことになりますが、中学校のPTA会長だったS君が、校内誌に投稿してほしいと言ってきたことがあり
「おいおい、俺の文章じゃしょうがないだろ」
「いいの、ともかく誌面を埋められれば良いんだから」
ということで、『プラチナの卵諸君へ』という下手な文章を投稿したことがありました。

その恥ずかしい文章が載った校内誌が、目の前に
「バブさん、今年も頼むよ」
そうだ、M氏は今年のPTA会長でありました。
「え~~、またですか? もっと文才のある人に頼んだほうがいいですよ」
「いいのいいの、この記事読んで感心したもん」
(「またあ~~、自慢じゃないけど、昔っから作文でほめられたこと無いんだから、まったく身近で済まそうとおもって」)と思いながらも、ちょくちょくお酒をごちそうになっているM氏の頼みを、無下に断ることもできず。
「本当に、俺で良いんですね」と念をおしたうえで
「わかりました、何とか書いてみますけど、締め切りはいつですか?」
「20日」
「えっ?」
「20日の月曜日、悪いね学校側が言ってくるのが遅くってさ、今日の昼はバブさんが食べたいもの、なんでもおごっちゃうから」

ということで、私は昼食でまんまと釣られてしまったのでありました。それにしても月曜日までに、私は中学生向けの文章を書くことができるのでしょうか?
心配だよ~~~~。

今日の一枚でも聴いて、まずはテーマだけでも無い頭からひねり出さなくては...
ウエスのリバーサイドでの、最初のリーダー・アルバムです。

THE WES MONTGOMERY TRIO
1959年10月5,6日録音
WES MONTGOMERY(g) MELVIN RHYNE(org) PAUL PARKER(ds)
1.'ROUND MIDNIGHT
2.YESTERDAYS
3.THE END OF A LOVE AFFAIR
4.WHISPER NOT
5.ECAROH
6.SATIN DOLL
7.MISSILE BLUES
8.TOO LATE NOW
9.JINGLES





愛しきピアニスト

2006年02月17日 | m-o


今日、2月17日は、我が愛するピアニスト、セロニアス・モンクの命日であります。
このブログでも、モンクのアルバムをずいぶんと紹介してきました。
モンクに対する評価というか、好みは、私のまわりを見渡すかぎり特に極端であるようなきがします。かくゆう私は「とことん好き」という部類でしょうか。
ソロで奏でる、風変わりでありながら、何とも柔らかい音、
個性をとやかく言われがちなモンクですが、サイドメンに対する細部までの気遣い、
かくも優しさに満ちたジャズメンはいないと、私は思っています。

ニューポート・ジャズ・フェス、ストリービルなどで知られる、ジョージ・ウィーンは、1971年に、自己のグループの維持が難しくなりつつあったジャズの大御所、ディジー・ガレスピー、ソニー・スティット、カイ・ウィンディング、セロニアス・モンク、アル・マッキボン、アート・ブレーキーを集め、「ジャイアンツ・オブ・ジャズ」というグループに仕立あげ、ヨーロッパや日本へツアーに出掛けました。(日本には、ソニー・スティットが入国できず、松本英彦が代役を務めました)
このグループが、ロンドンへやってきたときです。ブラック・ライオンのプロデューサーだったアラン・ベイツが
「モンクさん、モンクさん、ガレスピーのとっさぁんはほっといて、あなたのリーダー作をレコーディングしてみませんか?」みたいな話を持ちかけました。
こうしてレコーディングされたのが、今日の一枚であります。

1972年の「ジャイアンツ・オブ・ジャズ」2度目のツアーのあと、鬱病と診断されたモンクの精神の病がますます悪化、人前にはほとんど姿を現さなくなります。
1973年以降、生涯最大の理解者ニカ夫人が所有していた、ウィーホーケンの館の最上階で愛妻ネリーと共に日々を過ごしたモンク。
以降、レコーディングはもちろんしていませんし、ステージも75年7月のフィルハーモニック・ホールへの出演、76年7月のカーネギー・ホールへの出演、だけてはないかと思います。
ほとんど、家に閉じこもるようになり、友人達が電話で何を言っても、こたえは「No」というだけだったそうです。
そして、1982年2月17日、脳出血で64年の生涯に幕を閉じました。
ブログ仲間の swing a-go-goさんは、葬儀が行われた教会に、実際に行かれたそうであります。

さて、前記のように、今日の一枚は、第1回「ジャイアンツ・オブ・ジャズ」ツアーの最中、ロンドンでレコーディングされたものです。
スタジオに早々とやってきたモンク、ピアノの前に座ると、1人で黙々と弾き始めました。
「CHORDIALLY」から始まったソロ演奏は3時間近く続き、そこへウォッカを手にしたブレーキーと水を持ったマッキボンがやってきます。
その後、3時間はモンクを前面に押し出した、トリオでのレコーディングが行われました。これが、モンクの最後のレコーディングです。


私が所有するのは、CD3枚組のボックスですが、Vol.1からVol.3までの一枚単位のもの、それにCD2枚組のものも出ていますので、参考までに。

THE LONDON COLLECTION / THELONIOUS MONK
1971年11月15日録音 *ソロ **トリオ
THELONIOUS MONK(p) AL McKIBBON(b) ART BLAKEY(ds)
DISC1
*1  TRINKLE TRINKLE (Take 3)
*2  CREPUSCULE WITH NELIE (Take 2) 
*3  DAM THAT DREAM
*4  LITTLE ROUTIE TOOTIE
*5  MEET ME TONIGHT IN DREAMLAND
*6  NICE WORK IF YOU CAN GET IT
*7  MY MELANCHOLY BABY
*8  JACKIEING
*9  LOVERMAN
*10  BLUE SPHERE
DISC 2
**1  EVIDENCE(Take 2)
**2  MISTERIOSO
**3  CREPUSCULE WITH NELLIE(Take 4)
**4  I MEAN YOU
**5  CRISS CROSS
**6  RUDY MY DEAR
**7  NUTTY (Take 2)
**8  HACKENSACK (Take 2)
DISC 3
*1  TRINKLE TRINKLE (Take 2)
*2  THE MAN I LOVE
*3  SOMETHING IN BLUE
*4  INTROSPECTION (Take 1)
*5  TRINKLE TRINKLE (Take 1)
**6  CREPUSCULE WITH NELLIE (Take 3)
**7  NUTTY (Take 1)
**8  INTROSPECTION (Take 3)
**9  HACKENSACK (Take 1)
**10  EVIDENCE (Take 1)
*11  CHORDIALLY

おまけ、
じつに個人的なことですが、私が同棲を始めたのが、ちょうどモンクの亡くなった頃でありました。別にモンクの死に挑発されての行動ではありませんでしたが、半年後に両親に発覚、その年の暮れに結婚しております。
それはともかく、今晩はモンクを偲んで、飲みに行ってまいります。(?)