JAZZを聴きながら ふたたび

恥も顧みないで再々開、よろしければお付き合いを

もっと観たい

2007年10月31日 | y-その他

今日は久しぶりにモンク話であります。
というのも昨晩、WOWOWの「JAZZ FILE」で、1966年4月のヨーロッパツアーでのモンク・カルテットの演奏を放映していたものですからね。
内容は「ジャズ・アイコンズ・シリーズ」のVol.3としてDVD化もされている、ノルウェー、オスロとデンマーク、コペンハーゲンでの演奏です。(オスロの映像はLDでも見たことがあります。)

この映像、演奏云々よりもモンクの表情がとてもよく見えて嬉しくなります。これはコンサートを録画したのではなく、このTV用に録画を行ったおかげでしょうが、その分モンクであろうとも意識したのか、れいの「歩き回るモンク」はピアノの脇で足踏み程度にとどまっています。(笑)
演奏そのものは、空輸が間に合わなかったドラムを、トップ・シンバル、ハイハット、スネア、バスドラというシンプルな(?)最低限のものをかき集めて代用したり、チャリー・ライズがみょうに張り切っているわりには、モンク自身のソロが短すぎるようにも思えて・・・つまりモンクはテーマとソロ以外はほとんどピアノを弾かないわけですから、ラウズのトリオといった時間帯が多すぎる感が出てしまうというか・・・いやいや、ラウズが悪いと言っているんじゃないですよ。もっとモンクのピアノの量を増やしてくれれば嬉しかったということです。

そうそう、モンクの映像と言えば、以前もお話ししたかと思いますが、1963年の来日時にTBSで収録された「THELONIOUS MONK '63 IN JAPAN」のLDを未だに探しています。
以前に一度だけ観たとき、なんだかとても感動したんですよねぇ「JUST A GIGOLO」のソロもあったりして・・・・・・
「DVD化して発売にならないかなぁ、TVで放映されないかなぁ」
なんて、他の映像にふれるたびに思うのであります。


こういったデザインのLDなんですが
どなたかお持ちですか?
もちろん実物は色が付いてますよ。

いずれにせよ、こういった映像をテレビで見られることはじつにありがたいはなしです。悲しいかな、モンクもコルトレーンも、生で観たことのない私が、彼らに会う手だては映像でしかないわけで、できればもっと数と量を増やしてもらえればとも思います。

さて、今日の一枚は、セロニアス・モンクかと思いきや、デニー・ザイトリン医師です。
今日の話に無関係に選んだわけじゃないんですよ。

ジャズ評論家レナード・フェザーが考えたとされる『ブラインドフィールド・テスト』なるものをご存じでしょうか?
何の情報も提供せずに他者の演奏を聴かせ、聴き手のミュージシャンに、偏見のない意見をインタビューするという、毎月その内容が掲載されるダウンビート誌では、人気のコーナーであったそうです。モンクも一度だけこのテストを受けたことがあります。時期は今日紹介した映像の直前、1966年の始めでした。
ダウンビート誌への掲載は同年の4月号だったそうですが、私は現物を見たわけではありませんので、聞き伝えの話です。

モンクは他のミュージシャンがモンクのオリジナル曲を演奏したもの以外には、さほど感心を示さず、それらに対して原作に反する箇所を全て指摘していったそうです。
オスカー・ピーターソンの演奏に対する感想など、聴き終わった後トイレに行って「わたしがどこへいったかわかるだろう。」と答えたそうで、つまりトイレに行きたいくらい気分が悪くなったという、なんとも強烈な態度をとったわけです。

そんな中、モンクが最も上機嫌になったのが、デニー・ザイトリンのピアノを聴いたときだというのです。
前置きが長いですよね(笑)、それで、私が唯一保有するザイトリンのアルバムを紹介しようというわけです。

このアルバムも昔ジャズ喫茶でけっこう人気があったんですよねぇ
ザイトリンを、ビル・エバンス系と言う方もいらっしゃいますが(復帰後はどうか分かりませんけど)、私にはまるで違うピアノにきこえてきます。このジャケ写真がエバンスにどことなく似てるとは思いますけどね。
「QUIET NOW」をビル・エバンスのそれと聴き比べるという方法もありますけど、そうしなくても、ビル・エバンス系とはどうにも私には思えません。
精神科医らしいと言えばそれまでですが、とてもメカニカルで、音にも固さがあって、それでいて優雅さを持っている・・・ある意味とても不思議なピアニストのように思います。(「ST. THOMAS」なんて、ロリンズのサキコロと聴き比べてみてくださいよ...笑)

私は、二曲目の「CAROLE'S WALTZ」が好きかなぁ、「ST. THOMAS」とは明らかに雰囲気が変わります。ロマンチックでまさに奥様に語りかけるがごとく・・・・・
う~~ん、やっぱりザイトリンという人は不思議な人なんです。何処がとか、何がとか訊かれると上手く答えられないのですが、
 ♪ 荒いようで荒くない 暗いようで暗くない
   それが何かと訊ねれば
   ザイトリン ザイトリン ♪
みたいな(笑)

ともかく、モンクを上機嫌にしたザイトリンを、このアルバムでお試しください。

LIVE AT THE TRIDENT / DENNY ZEITLIN
1965年3月22~24日録音
DENNY ZEITLIN(p) CHARLIE HADEN(b) JERRY GRANELLI(ds)

1.INTRODUCTION/ST. THOMAS
2.CAROLE'S WALTZ
3.SPUR OF THE MOMENT
4.WHERE DOES IT LEAD
5.LONELY WOMAN
6.MY SMINING HOUR
7.QUIET NOW
8.AT SIXES AND SEVENS
9.WHAT IS THIS THING CALLED LOVE


香とジャズがたなびけり?

2007年10月30日 | a-c

いやぁ、昨日の証人喚問、もちろんリアルタイムでは見られませんでしたが、シャーシャと多くの接待を認める守屋さんという方は、たいしたものだと変に感心もしたりして、頭の良い方は証人喚問の場に立っても何処かに大きな保証を持っておられるのだろうと、そんなことを思ってしまいました。
それにしても利害関係無しにあれだけいろいろおごってくれる友人、私にも紹介していただけないでしょうかねぇ、200回のゴルフはいらないんで、一回一万円程度の飲み代を週に3回ほど出していただければいいんですが、なんならノータックスで月10万円くらいのお小遣いでもいいですよ・・・もちろん、そちら様に私は何もしてあげられませんけど。
それにしても、日本の防衛というのはこんな方がトップで運営されているわけですから、追求しきれない政治家も含め、「日本という国はた・い・へ・ん立派なお国」であることを「国民としてほ・こ・り」に思いました。(笑)いやいや笑ってる場合ではないですよね。

まぁそんな話はそこそこにして、
一昨日、minakaさんお勧めの「STEPPIN' OUT」を聴いているとき、久しぶりにお香を焚いてみました。もちろん高いものではありませんけど。
以前お話ししたことがあったでしょうか、私はあの仏壇臭さも含めお香の匂いがとても好きで、そのせいでしょうね、未だ夏の蚊対策には蚊取り線香一本で対応しております。(笑)

パミール高原に端を発するお香が日本に渡来したのは6世紀、最初は主にお寺で使用されていたものが、ゲームに使用されたりしているうちに、香道といういかにも日本らしい芸道として確立したのが16世紀といいますから、そこから数えてもはや5世紀を経ているわけで、長く日本の香りを牽引してきた立役者なわけですよ。

和歌に合わせてお香を組み合わせたり、そのお香を言い当てたり、香道も流派によって様々だそうで、もちろん私は香道を嗜むような風流人ではありませんので詳しくは知りませんけどね。
それでも、お香の匂いは精神を落ち着かせる薬としては最適であると思いますし、礼儀作法や倫理観を追求する場にお香が用いられるのは理にかなっていると思います。
いかに安いお香であっても、立ち上る匂いを香れば、私みたいな粗忽者でも「ホッ、ン~~~」みたいな雰囲気を感じ取れるじゃありませんか。

煙草の煙が充満した狭い店内でロックグラス片手にジャズを聴くのも良し、一人趣味部屋でお香を焚きながらジャズを楽しむのも一興でありましょう?

秋の香 ジャズのリズムに たなびけり  バブ

やっぱ、私は風流人にはなれませんね。お粗末!

さて、今日の一枚は、ジーン・アモンズです。
一曲目の「OL' MAN RIVER」が始まると、じゃっかんネットリ目のサックスが、レイ・バレットののんびりしたコンガにまたがって、いかにもアモンズ。
「無理するヤツはバカだ」と言わんばかりのアモンズのサックスも、秋の夜長には良いかもしれません。
私などは少々しつこさを感じるところもありますけど、ちょっと強めのお酒ででも味わえば、それはそれ、いい感じに中和されて力が抜けていきます。

「お口の中に拡がる、そのまったり感が、中枢神経にほどよいだるさを与え・・・・」

はははははははは、そんな感じの一枚です。

JUG / GENE AMMONS
1961年1月26, 27日録音
GENE AMMONS(ts) RICHARD WYANDS(p) CLARENCE SLEEPY ANDERSON(p,org) DOUGH WATKINS(b) RAY BARRETTO(ds,conga)

1.OL' MAN RIVER
2.EASY TO LOVE
3.SEED SHACK
4.LET IT BE YOU
5.EXACTLY LIKE YOU
6.MISS LUCY
7.NAMELY YOU
8.TANGERINE


俺もがんばるどぉぉぉ!!

2007年10月29日 | a-c

晴天とは行きませんでしたが、今日も暖かい(?)一日でした。予報では今年の冬は寒くなるかもしれないとか、なんだか信じられませんが、冬から春を飛び越して夏になったり、夏から秋を飛び越えて冬になったりという昨今の傾向を思えばあり得る話でもあります。

「またか」とも言われそうですね、今日もまた古い話です。
というのも、一昨日、酔っぱらいながら「THE BLUES」なんて雑誌を引っ張り出したとき、いっしょにこんなガリ版の冊子が出てきました。(こんなのが残っていたとは自分でもビックリです。)

これは、私が学生の頃、大学の近くにあった唯一のジャズ喫茶『すとれんじふるうつ』の開店一周年を記念して発行された冊子だと思われます。

私が始めて『すとれんじふるうつ』へ行ったのは・・・・授業が休講になって時間が出来てしまい、ジャズ研の誰かに連れて行かれたんだっけかなぁ(私はジャズ研ではありませんでしたよ)、たしかコルトレーンの「THE AFRICA BRASS SESSION Vol.2」が流れていたと思います。(良く覚えてるでしょ)
普段の選曲はかなりアバンギャルドなものが多かったかな?当時の私としてはまさにストライク・ゾーンであったはずですが、大学の近くということで逆に回数は行かなかったジャズ喫茶でもありました。

そんでね、今回この冊子を見つけてなんとなくネット検索をかけてみたわけです。
すると、なっなんと、同店のホームページを発見しました。1995年に大磯(神奈川県)に移転はされたようですが、小黒さん河井さん二人のオーナーの名前も載っています。
現在もやっていらっしゃるのかどうかはここからは読み取れませんけど、その他の検索にひっかかった内容を読むかぎり、現在も営業されているのだと思います。
ブログ仲間のあずきさんに探ってもらおうかな(うそですよ、うそ、友人チャリンコに調べてもらいますから大丈夫です。)

ともかく、鎌倉の『IZA』が健在と聞いたときもそうでしたが、昔行ったことのあるジャズ喫茶が「今も元気だよ」と聞くと、なんだかとても嬉しいんです。
多くのジャズ喫茶が閉店を余儀なくされている今、あの頃あったジャズ喫茶が頑張っている「俺も頑張るどぉぉぉ!!!」みたいな、単純ですね。(笑)

都内や有名どころの営業状況は比較的情報があるものの、それ以外のジャズ喫茶が今はどうなっているのか?いつか時間と金が出来たら見に行ってみたい気もします。(時間は大丈夫でしょうけど、金がねぇ....笑)

さて、ということで今日の一枚は、一昨日に引き続きコルトレーン、しかも始めて『すとれんじふるうつ』へ行ったときのアルバムにしました。

エリック・ドルフィーとコルトレーンは1954年ジョニー・ホッジス時代からの知り合いでした。ドルフィーがニューヨークに出てきても仕事探しもろもろでコルトレーンは協力を惜しみませんでした。これは、コルトレーンがドルフィーの才能に惚れ込んでいた証でしょう。そして、コルトレーンが始めてその才能あるドルフィーの力を借りたのが、インパルスでの最初の録音「AFRICA / BRASS」とこのアルバム、そしてアトランティックでの最後の録音「OLE」でした。以降、翌年4月までクインテットの一員として共演を続けたのです。

この三日にわたる録音(「OLE」も含め)は、コルトレーンにとって一種実験的意味合いがあったのでしょうか? それとも、新レーベルへの意気込みだったのか。
ダブル・ベースはニュー・ポートへも持ち込んだ編成でありましたし、スパニッシュやアフリカ、インドといったリズムの導入も、後に発展する方向性を示唆する感じがします。
いずれにしても、この3枚のアルバムには、ドルフィーのアレンジが不可欠であったのでしょう。

私的には「GREENCLEEVES」でのコルトレーンのソロをけっこう気持ちよく聴いていたりします。

THE AFRICA BRASS SESSION Vol.2 / JOHN COLTRANE
1961年5月23日[1,2], 6月7日録音[3]
JOHN COLTRANE(ss,ts) ERIC DOLPHY(as,bcl,fl,arr,cond) FREDDIE HUBBARD, BOOKER LITTLE(tp) JIM BUFFINGTON, DONALD CARRADO, BOB NOTHERN, ROBERT SWISSHELM, JULIUS WATKINS(frh) CHARLES GREENLEE, JULIAN PRIESTER(euph) BILL BARBER(tu) PAT PATRICK(bars) GARVIN BUSHELL(reeds) McCOY TYNER(p, arr) REGGIE WORKMAN(b) ELVIN JONES(ds) CAL MASSEY(arr) ROMULUS FRANCESCHINI(cond)[1,2]
JOHN COLTRANE(ss,ts) ERIC DOLPHY(as,bcl,fl,arr,cond) BOOKER LITTLE(tp) BRITT WOODMAN(tb) DONALD CARRADO, BOB NOTHERN, ROBERT SWISSHELM, JULIUS WATKINS(frh) CARL BOWMAN(euph) BILL BARBER(tu) PAT PATRICK(bars) McCOY TYNER(p) ART DAVIS, REGGIE WORKMAN(b) ELVIN JONES(ds)[3]

1.SONG OF THE UNDERGROUND RAILROAD
2.GREENCLEEVES (alt. take) 
3.AFRICA (alt. take) 

おまけ、
大学の近くとか言って、完全に出身大学をばらしている感があります。まぁ、作家、井上尚登が同大学の同学年ですから、すでに年までばれているということではありますけどね。(笑)


ドングリも紅葉も柿だって!

2007年10月28日 | y-その他

台風の風雨も去りまさに日本晴れ、昨日の早酒もすっかり抜け気持ちの良い朝でした。昨日サボった趣味部屋掃除を済ませ、命じられるままに庭仕事です。遅い遅いと思っていた秋も晩秋へ向かう準備を始めたようで、狭い庭にも気配が漂いだしました。来週あたりは『紅葉狩り』にでも出かけてみましょうかね。

昼食を済ませ用事を頼まれる前にエスケープ、ちらっと散歩に行って来ました。
♪ ドングリころころドングリこ・・・・・ ♪
住宅街でも見つかるものです。ドングリを3,4個拾ってきました。

小さい頃「ドングリってドングリの木の実だろう」と思ってませんでした?
私はしばらくそう信じていました。それがあの類の木全ての実をドングリということを聞かされ「うっそう!ドングリの木って無いの?」てな大ボケをかましたことを覚えています。(笑)
帽子をかぶったドングリを見つけるとなんだか嬉しかったり、爪楊枝を刺して独楽にしたり、無邪気な良い子ちゃんだったんですねぇボクちゃんは・・・・

そうそう、モミジだって、あの真っ赤なカエデの葉っぱだけの事だと思ってましたっけ、ブナやイチョウの葉っぱが色づいていても「あれはモミジじゃない」なんてね。

でも、漢字で書けば『紅葉』でしょ、これは紅く染めた無地の絹の布『紅絹(もみ)』から生まれたそうですから「紅くなくちゃモミジじゃない」ってぇのも一理あろうというもの。
「これこれ、それはたんに字をあてただけで、万葉の昔は『黄葉』と書いてモミジと読ませていたのだよ。」
年寄りの話はよく聞くものです。
えっ?それでもイチョウの黄色い葉っぱをモミジと言うのもいかがなものかってですか?
そうですよね、我々は万葉の民でもないし「紅くもみ出した絹地、つまりは紅く染まった葉っぱがモミジ」それでいいですよね。

食えぬ紅葉やドングリ(えらい手間をかければ食べられるそうですが)よりは、やっぱり美味しい秋の味覚ですかね。
江戸時代、果物は『水菓子』と呼ばれ、甘みの少なかった時代には柿なども大切にされたそうで、

柿の木の下へ気付けを持って駆け

今か今かと熟すのを待って「明日あたりが取り頃かな」なんて思うと、翌朝見たらごっそり柿泥棒にやられてたなんてね。でも昔の柿泥棒は可愛いもので、全部の実を持っていくなんて「さるかに合戦」の猿みたいな事はしなかったですよね。
新米やらなにやらを盗んで金にしようなんて、了見の狭いヤカラは許せませんが
ともかく、柿泥棒も柿の木が折れやすいことをついつい忘れてしまい「バキ、ドテン」と落ちてしまう、そのはずみで頭を打っていわゆる『脳しんとう』ですね。
柿の木の持ち主は、泥棒を捕まえるどころか、気付け薬を急いで取りに行ったという川柳でありまして、なんだかのどかで良いでしょう?

さぁお腹が空いてきたところで『料理当番、今日の一品』
えっ??????デジカメのバッテリーが・・・・・・・あ~~ん、どうしよう???
しかたない、今日は携帯のカメラで・・・いやぁ、ひでぇ画像だなぁ。
でも味は最高だったので、いちおう紹介させて下さい。

メインは「秋鮭のちゃんちゃん焼き風ホイル焼き、ホタテも入ってるでよ」(笑)です。
生の鮭に塩をして10分程置き、水気を拭き取ります。
ホイルで鮭、貝柱、シメジを包み、酒をふって蒸し焼きに、8割程蒸し上がったら、ネギを乗せ、その上から酒粕、味噌、卵の黄身、砂糖、醤油(少々)を混ぜ合わせたミソを塗り、再度、今度はホイルで包まずに焼きました。最後に戻しワカメを添えて出来上がり。グシャグシャに混ぜ合わせて食べるとグーでありましたよ。

こちらは貝柱、卵の白身が余りましたので、餡を作って湯がいた青菜にかけてみました。具は、ほぐした貝柱、椎茸、卵の白身のみ、鶏ガラスープに戻し椎茸のだし少々、塩、オイスターソースで味付けしました。

さて、それでは今日の一枚、やっとこのアルバムを紹介できます。
monakaさんからのお勧めで、今日始めて聞きました。そもそも、イタリアン・ジャズなるものにさほど接点を持っていなかった私でしたので、少々不安もありながらの初体験でした。

まずは一曲目、いきなりボーカルものでしたが、なかなか癖のない聞きやすいボーカルであったと思いますし、とてもスマートな感じです。
二曲目はじつに軽快な曲ですねぇ、自分の名前にミスターを付けちゃったのでしょうか?なかなか乗りの良い演奏でした。
三曲目は・・・・・バップ調ですよね。う~~~ん、でもバップの古臭さは無いかなぁ・・・・
四曲目はボーカル入りのワルツ、おう、ピアノソロがなかなか光ります。
五曲目はラテン調のハード・バップって感じ?
六曲目はこれもハード・バップ調?なかなかいい感じ
七曲目で再びワルツ、八曲目はラテン調、九曲目は・・・マンボ?
十曲目にピアノ・トリオ+ボーカルのバラード、締めとしては落ち着きがありますよね。

このジャンニ・バッソという方は、じつに器用な方ですよねぇ、どことなくホレス・シルバーみたいになったり、ネトっとした嫌らしさ(良い意味でですよ)があったり、バド・パウエル的要素も見えたり、かと思うとサラッとしたピアノも聴かせたりして

悪くありません。いや、良いです。良いですが、まだこれ一枚ではこの方は掴みきれない気がします。もっと他のアルバムを聴いたほうが、さらに彼の魅力を発見できるかもしれないということ

それにしても、私がこのアルバムを手にしたということに意味があるかもしれません。だって、monakaさんに進めていただけなければ、間違いなく手元には無いアルバムだったからです。
ダメですねぇ、もっと幅広く聴かないと・・・・・
そう反省させられたアルバムでもありました。monakaさん、本当にありがとうございました。

STEPPIN' OUT / IDEA6
2007年2月13,14日録音
GIANNI BASSO(ts) GUIDO PISTOCCHI(tp) DINO PIANA(tb) RICCARDO FIORAVANTI(b) ANDREA POZZA(p) STEFANO BAGNOLI(ds) FRANCESCA SORTINO(vo) ANNIBALE MODONI(vib)

1.TUNE UP
2.Mr. G.B.
3.STEPPIN OUT
4.BELL'S (I'll be waiting)
5.O.M. BLUES
6.TEMPURA 4/4
7.DANCE OF THE CRICKETS
8.JUNIOR IS BACK !
9.TABU Tabu
10.IT AIN'T NECESSARLY SO
プラス、DVDが付いておりました。


BLUES DAYに酔いしれて

2007年10月27日 | a-c

今日は予報どおり朝から雨模様でした。しかも間もなく台風が最も近づくそうで、今日明日学祭だという近くの大学の実行委員は、さぞ苦労をされていることでしょう。私が学生の頃のように5日間もやっている学祭ならまだしも、2日間しかない彼らには「恨みの雨」でありましょうね。

こんな日は、はやい時間に用事を済ませ、あとはゆっくり部屋にこもるにかぎります。さっさと母を眼科に連れて行き、
「さぁ、昼飯喰ったら、楽しみにしていたあのCDでもゆっくり聴こう」
あのCDとは、minakaさんお勧めの「STEPPIN' OUT / IDEA6」であります。先日やっと手元に届きじっくりと聴こうと思っていたわけで・・・

「○○(私です)、電話だよ!」
固定電話に私宛の電話が入る、これはじつに珍しいことでして、借金取りか?税務署か?あまり良い電話とも思えません。
「もしもし」
「あっ!いたいた」

なんと、約10年ぶりでしょうか、以前同じ会社で働いていたK君です。次男坊の彼はたしか秋田の奥様の実家に越したはずでした。
「はははははは、戻って来ちゃった」
簡単に言ってしまえば、奥様とは離婚され『出戻り息子』になったのだとか。
「バブ、暇か?ちょっと付き合わねぇ」

けっきょく彼が迎えに来るというので、何故か酒を仕入れ彼の家へ。真っ昼間から飲み会になってしまいました。

言い忘れましたが彼はだいのブルース好き、彼の実家には昔のコレクションとステレオがしっかり残っていまして・・・・・・
ハウンド・ドッグ・テーラー、ブローグ・アンド・ハングリー、アルバート・キングにココモ・アーノルド、フランク・ストークス、マディ・ウォーターズ、クロード・ブラウンにエルモア・ジェイムス・・・・
私にしてみれば酒といっしょに一年分のブルースを聴いてしまったような(笑)

さらに
「バブ、こんな雑誌知ってる?」
とK君が持ち出してきたのは『THE BLUES』という昔の雑誌。それこそ大昔今の『ジャズ批評』同様、隔月刊で発行されていたバリバリ ブルースの専門誌です。
「しかし、よくこんな雑誌とっといたねぇ」
私も物持ちは悪い方ではありませんが、K君もけして負けていません。(じつは私も一冊だけまだ持ってるんですけどね....笑)


これは私がもっている一冊

ジャズを聴きながら飲んでももちろん酔いますが、ブルースを聴きながら、しかも彼の離婚の経緯まで、
「バブ、ひでぇだろ!嫁の実家なんぞ入るもんじゃねぇよ!」
そんな話を聞かされ、さらに昼の酒でしょ、そりゃ酔いますよ。
帰ってきた今も「ズッカ、ズッカ、ズッカ、ズッカ、ジャジャジー」って、頭の中でブルースが唸っています。

何の話だか全くわからなくなってしまいましたが、まさに酔っぱらいの戯言とお許し下さい。ただ今日は自宅でゆっくり『JAZZ DAY』のはずが、他人の家で『BLUES DAY』になってしまったと、そういうお話でありました。

「う~~~~ん、ブルースもいい」

さて、今日の一枚は、「STEPPIN' OUT / IDEA6」にしようと思っていたのですが、というわけでまだじっくり聴いておりません。
「それが何でコルトレーンだ!しかも、こんなわけのわからない」
と、怒られそうでもありますけど、未だブルースが鳴り響く心をチェンジするには、こういったコルトレーンが私にはピッタリなのでありまして。
今からB面をヘッドホンで(笑)聴こうと思っています。最後の「ASCENT」でのコルトレーンのソロの後、ジミー・ギャリソンのベースがながれる頃には、必ずブルースと酒に酔った我が頭は、一度真っ白になっていることでしょう。

もちろん、全ての方に進められるアルバムではありませんし、むりに聴く必要もないでしょう。ここ何日間か紹介してきたアルバムとは別ジャンルとも言えるアルバムですものね。
でも、たま~に体調が良いとき、目を閉じて体をくねらせながら聴いてみて下さい。「SUN SHIP」でのマッコイ・タナーのソロ、「AMEN」のエルビン、「ASCENT」のギャリソン、そして、頭の先から足の先まで響き渡るコルトレーン・・・・・・
やっぱり私にとって彼らは最高の四人なのです。

SUN SHIP / JOHN COLTRANE
1965年8月26日録音
JOHN COLTRANE(ts) McCOY TYNER(p) JIMMY GARRISON(b) ELVIN JONES(ds)

1.SUN SHIP
2.DEARLY BELOVED
3.AMEN
4.ATTAINING
5.ASCENT


交付金、い・た・だ・き・ました!

2007年10月26日 | a-c

さっきまで凄い雨が降ってました。明日は台風が近づくようですし、自宅でおとなしくしていろということでしょうか。いやぁ、じつはね、先日いつものバーに少々借金を残しておりまして、今日支払いに出かけようと思ったら「こんな雨の日にいまさら何処に出かけるの?」と釘を刺され、足止めを食らっています。ママ、悪いけどもう少し待ってて。

静岡浜岡原発の運転差し止め訴訟は、原告側の請求棄却で終わったようですが、柏崎刈羽原発の件もあり、不安を感じる住民の気持ちも良く分かります。今や電力の30%以上を原発に頼っているわけですから、そう簡単に停止とも行かないといった事情も考慮されたのでしょうか?司法にそんな力ははたらかなかったと信じたいのですが。
ともかく何事絶対は無いわけで、安全には最大限の体制で取り組んで欲しいものですし、何とかミートの誰かさんや、何とか省や、何とか大臣や・・・・・・、ああいった隠蔽や嘘の発表だけは、今後けして無いようにしていただきたいものです。
いみじくも今日は『原子力の日』、茨城県東海村の日本原子力研究所の動力試験炉が日本で初の原子力発電を行ったのが、1963年(昭和38年)の今日だったわけで、便利さと恐ろしさを併せ持つ原子力を、我々ももっと理解、勉強しなくちゃいけないのかもしれません。

えっ?みょうに原子力にひっかかるって?
じつは本日我が家にこんな物が届きました。

これはね『原子力立地給付金振り込みのお知らせ』というものでありまして、我が家には毎年送られてきます。
この『原子力立地給付金』というのは、『電源立地地域対策交付金制度』という長ったらしい名前の国が定めた制度に基づいて、原子力発電等の周辺地域において電力会社から電気の供給を受けている家庭、企業に交付される給付金です。
目的は「原発周辺地域の振興及び地域福祉の向上を図る」なのだそうですが、ようは「原発が近くにあることで迷惑をかけますが、これで勘弁しろよ」みたいな(笑)
ちなみに、我が家は原発からはかなり離れた地域にあるんで、金額は最も低い部類に入ると思われます。(我が家で年額4,056円です。)
国の交付金ですから、財源は皆さんの税金?
詳しくは文部科学省のホームページで公開になっていますので、興味のある方は見てください。(正直、何十回も読み直さないと内容は把握できないと思いますけど...笑)

え~と、少ないとはいえ交付金をいただいている身としては、こんなこと言っていいのかどうか分かりませんけど、原発に危険が全くないのであればこんな交付金とんでもない無駄遣いなわけで・・・・・・・・・・
「それは言うまい話すまい」ですかね。
ともかく、全国で『原子力立地給付金』を受けている方々が、未来永劫それを国の無駄遣いと言い続けられるよう、映画『チャイナシンドローム』のような、あるいは『チェリノブイリ』のようなことがけして起きないようやっていただきたいと思います。


ジェーン・フォンダ好きでした。

さて、今日の一枚は、エバンス・ブラッドショウのファースト・アルバムです。とはいうものの、たぶんブラッドショウは、この後セカンド・アルバム「PIECES OF EIGHTY-EIGHT」を出してそれでおしまい、だったと思います。(笑)


「PIECES OF EIGHTY-EIGHT」

正直、ブラッドショウに関しては、ほとんど何も知りません。ただ、ここではサイドメンのおかげもあって、悪くありません。
「何故もっと表に出てこなかったんだろ、この人」みたいな(笑)

早弾きはフィニアス・ニューボーンをちょっとだけ思わせ、それでもやっぱりパウエル系かななんて思ったり、ハンプトン・ホーズの曲を聴けば、ホーズっぽい?なんても思ったり。
これぞという特徴を上げるには、なにぶん全体曲数が少なすぎるそう思ってしまうピアニストです。もう少し多くの録音を残していてくれればねぇ。

ともかく、このアルバムは、だまされたと思って買ってしまっても大きな落ち込みは無いと保証いたします。

LOOK OUT FOR EVANS BRADSHAW !
1958年6月9日録音
EVANS BRADSHAW(p) GEORGE JOYNER(b) PHILLY JOE JONES(ds)

1.GEORGIA ON MY MIND
2.HALLELUJAH !
3.THE PROPHET
4.LOVE FOR SALE
5.COOLIN' THE BLUES
6.BLUEINET
7.ANGEL EYES
8.OLD DEVIL MOON


今どきの子は?

2007年10月25日 | s-u

秋晴れの好天も今日までだそうで、明日からはどうも雨模様。だけど、インフルエンザで学校閉鎖になっているようなところもあるそうですから、このあたりでお湿りも必要でしょう。

巷では小中学生の学力調査の結果に一喜一憂しているようでありますが、よく考えれば我々が小さかったときも同様の学力テストはあったわけで、それでもたしかこれほど騒ぎはしなかったように覚えているのですけどどうだったんでしょうか?
いずれにしても県ごとの学力云々という結果だけに色目を立てず、全国のどんな状況にある子供たちも望む教育を受けられる体制が平等であって欲しいと願うオヤジでした。
まぁ普通に考えて、公立校出とは思えないお役人や政治家が、金に物言わせ受ける教育と、教育に金をかけることの出来ない庶民との、教育格差を埋める良案を考えられるとも思えないのですが・・・・・これはあまりに悲観的?それとも卑屈すぎる考えでしょうか?

「いやぁ、まいったねぇ、最近の子には昔話も出来ゃしない。」
先日、甥っ子の面倒をみていたというOさんが
「可愛い顔して、「おじちゃんお話しして」なんて言うもんだから、ほら昔話ったて俺なんかもう忘れちゃってんじゃん。しかたないから『桃太郎』の話をしてやったわけよ。」
すると、桃を割る段になって甥っ子が、
「おじちゃん、それは間違いだよ。本当はねぇ、おじいさんとおばあさんがその桃を食べたら、若返っちゃって子供ができたんだよ。」
と言ったそうで
「まったく、今の子はみんなあんなふうに耳年増なのかねぇ」

おそらくはテレビか何かで見たのでしょうけど、おちおち『桃太郎』も語れないとは恐れ入りました。(笑)

「Oさん、そりぁ落語の『桃太郎』の上行ってるかもしんない」


これは息子の置き忘れ

またまた、落語の話で恐縮ですが、その名も『桃太郎』という噺がありまして、
とある親父が宵っ張りの息子に
「いつまで起きてんだい、お父っさぁんが話をしてやるから、寝ちまいな」
てんで、『桃太郎』の話をしだします。
「お父っさぁん、そりゃ矛盾ってもんだよ。寝れば話は聞けないし、話を聞いていたら寝られない。」
てな屁理屈をこねる息子、おもわず殴りたくなる右手を押さえ、
「まぁ、いいから聞きねぇ」
やっとこさ話の本題に入ったものの、やれ「昔々とはいつだ」とか、「あるところはどこだ」とか、なかなか話が前に進みません。
それでもなんとか話を最後まで終え
「どうだ桃太郎は強いだろ、面白いだろ、だから、寝ろ」
「お父っさぁん、寝ようとは思ったけど、あんまりにも話がバカバカしくて目が冴えちまった。自分の子供の前だから良いけど、他のヤツに話すとバカにされるよ。」
なんともまぁ、さらに続けるには
「あ父っさぁん、いいかい、時代や場所を決めるのは簡単だけど、そんなことをすれば範囲が狭くなって普遍性がなくなるからわざとそうしてるんで、おじいさんとおばあさんは父母のたとえ、「父の恩は山よりも高く、母の恩は海よりも深し」のたとえから、山に柴刈り、海に釣りでは母らしくないので川に洗濯なんだよ。猿は知恵、犬は仁義、キジは勇気、人は智仁勇の三つを備えていれば出世が出来る・・・・・・」
語る語る。ふと親父の顔を覗けば
「あれ?お父っさぁん、寝ちまったのかい・・・まったく親なんてものは罪がない」
これが落ちであります。

この落語『桃太郎』も、そんな子供はいやしないから笑える噺なのでして、今どきの子にはいないとは言いきれないのかも・・・・・
う~~ん、学力調査の前に考えるべき事があるのかもしれない。

さて、今日の一枚は、シャーリー・スコットです。スタンリー・タレンタインとの結婚前のリーダー・アルバムです。

シャリーがデビューしたのはピアニストとしてでありましたが、出身地フィラデルフィアのクラブに出演していたとき、オーナーからオルガンを弾いてくれないかと頼まれ「ハモンドB-3」を弾くことに、これがきっかけでオルガン奏者へと転向したのでした。
(そうそう、フィラディルフィア時代にはコルトレーンとも共演してるんですよ)
そんな時、サックス奏者エディ・ロックジョウ・デイビスの目に止まり、ニューヨークへ、タレンタインと出会ったのでありました。

ははははは、べつに二人の恋物語を語る必要をないわけで、シャリーのオルガンはリズミカルで私の耳にはじつに心地よく感じます。
テーマ曲「MUCHO MUCHO」の ♪チャララ チャッチャチャー なんてとこ大好きです。
エディ・ロックジョウとの共演盤や、タレンタインとの共演盤ももちろん良いんですが、彼女を楽しむなら、このアルバムがお勧めです。

MUCHO MUCHO / SHIRLEY SCOTT
1960年7月8日録音
SHIRLEY SCOTT(org) GENE CASEY(p) BILL ELLINGTON(b) MANNY RAMOS(ds, timbales) PHIL DIAZ(vib) JUAN AMALBERT(cga).

1.WALKIN'
2.TELL ME
3.I GET A KICK OUT OF YOU
4.MUY AZUL
5.THE LADY IS A TRAMP
6.MUCHO MUCHO


もしもピアノが弾けたなら

2007年10月24日 | y-その他

ここ二、三日秋らしい良い天気が続いています。この時期が年間で最も良い季節かもしれません。特に春は花粉症に悩まされる方も、秋は比較的その率が下がり、気持ちの良い空気を思いっきり味わえるそんな季節ですよね。
昨晩はS君達とまたも飲み過ぎ午前様、一昨日の晩は仕事で遅くなったのもあるのですが、軽く夕飯がてらN君と飲んでおりました。よくも毎晩毎晩・・・・自分でも呆れてしまいます。

話は一昨日の晩のこと
「バブちゃん、俺ねぇ今度楽器でも始めようかと思ってんのよ。」
話を聞くと、N君はなんと中学までピアノを習っていたそうで、その後、エレキ・ベースをやったりバンドを組んだりと、けっこういろいろやっていたらしいのですが、結婚後はほとんど楽器などさわりもしない状態だったそうです。
「おっ、いいじゃん、何始めんの?」
「いやぁ、指が動かないかもしれないけど、もう一度ピアノなんぞをね・・」
「あっ、いいなぁ、うらやましいなぁ、ピアノ弾けるって憧れだよなぁ、ピアノのあるバーかなんかで、「ちょっとだけ」なんちゃって、ポロロンと弾いて、女の子に「キャー」なんて・・・・・・」
「ちょっとちょっと、バブちゃん、それは妄想だから」

いずれにしても、中年になってから再度楽器に挑戦することは悪くありませんし、ピアノと来れば万能楽器、いろんなところで発表の場も考えられるじゃありませんか。
「えっえっ?そのうちにIさん(いちおうライブ・ハウスです)のところで、N君のピアノ・トリオの演奏でも聴けんのかな。」
「またぁ・・・・・・・」

ピアノ・トリオといえば、先日T君が「オスカー・ピーターソンのトリオ演奏を軽く見る人がいるけどどうしてなの?」なんていう、とんでもなく難しい問題を尋ねてきたことがありました。
けして私はピーターソンを軽く見ている気はありませんが、たしかに所有アルバム数は少なく、特に以前はほとんど聴かないピアニストでした。
それは、変わらぬ音楽スタイルを貫き通した彼のピアノが、少々ポピュラー過ぎると感じたからか、もしくは上手すぎるために単調に思えてしまったのか、いずれにしても『人の良さそうなオッサンのピアノ』くらいに思っていたのかもしれません。

ピアノ・トリオの草分け、パイオニアといえば、ナット・キング・コールということになりますよね。コールが始めてトリオを組んだのは1939年、当然バップ以前の出来事であり、むろんピアノ・トリオでもバップ以降のものとはスタイルが違っていたわけです。

ピーターソンが始めてピアノ・トリオとして活動したのは1949年9月ノーマン・グランツひきいるJATPのメンバーとなってそれ以降ですから、当然バップ以降ということになります。

えっ?何で突然ナット・キング・コールかって?
じつはこの二人の間に密約があったという話をご存じでしょうか?
「お互いの芸を尊重して、どちらかが死ぬまで、コールはピアニストとして、ピーターソンは歌手として、一切レコーディングは行わない。」という約束です。

これは、私だけの考えかもしれませんが、ナット・キング・コールのそれとオスカー・ピーターソンのそれには共通点が多かったという事の証のように思えるのです。
つまり、コールやピーターソンのスタイルは、エンターテイメントというものをとても意識したトリオであって、バド・パウエル、セロニアス・モンクらとは一線を画すものであったということ。
私は、ナット・キング・コールのピアノスタイルを熟知していません。ですから、自信を持って言えることでもないのですが、パウエル、モンクらとの違いは聴き比べても明らかです。あえて言えば、カクテル・ミュージック的要素の強いピアノ・トリオ、ここに私がピーターソンを敬遠した原因があるようにも思えるのです。

へたをすればリズム・セッションの域を出なかったピアノが、トリオという形態をナット・キング・コールが作り、バド・パウエルが発展させ、それでも市民権を得ずにいたところへ、1950年代客が呼べるピアニストはピーターソン、エロール・ガーナーの二人しかいないと言われ、それでも前座であろうとブーイングがこようとスタイルを貫き通したビル・エバンスらによって、しだいに地位を築き上げていった、そんな過程の中で、あまりに優等生で、万人受けしている、ちょっとだけ古いピーターソンをなんとなく敬遠してしまった。そういうことなのではないでしょうか。

「これは、あくまで俺の私感だからね。」と、こんな話をT君にはしておきました。
異論も様々ございましょうが、私感を強調したところでお許しいただけますでしょうか。

さて、今日の一枚は、ピアノ・トリオ、スリー・サウンズです。
今もちょっと触れましたが、ピアノ・トリオという編成はかなりの間、疎外されたコンボ編成でした。
それが、いわばハード・バップの世界の外側、先ほどから触れているオスカー・ピーターソンやエロール・ガーナーの率いるトリオが、ジャズをめったな聴かないリスナーを引きつけると同時に、若いピアニスト達がトリオ編成で新たな試みを始めたことで、それなりの成功を収める状況になり始めたといった時期、各ジャズ・レーベルは、最低でも一つはピアノ・トリオを抱えることになります。
プレスティッジのレッド・ガーランド、アーゴのアーマッド・ジャマル、リヴァーサイドのビル・エバンス、といったぐあいです。

ところが、ブルーノートのアルフレッド・ライオンだけはこの方向への深入りを避けていた感があります。
それがワシントンDCでスリー・サウンズに出会い、ライオンはついにこの分野にブルーノートも進出することを決めたのでした。彼らがニューヨークに出てきてすぐに契約、以後10年以上にわたってブルーノート専属のピアノ・トリオとして録音を続けたのでした。

今日の一枚はもちろんその記念すべき第一弾アルバムです。ソウルフルでちょっと小粋なスリー・サウンズの演奏は多様化するピアノ・トリオにあって、後にソウル・ジャズと呼ばれるスタイルを位置づける名グループです。
アメリカではコンスタントな人気を保ったスリー・サウンズも、日本ではあまりウケが良くなかったそうで、どうしてなんでしょ?
ピーターソンもそうですが「ジャズ喫茶のでかいスピーカーの前で、難しい顔して聴く」そんな音楽じゃなかったからかなぁ????????

THE 3 SOUNDS
1958年9月16, 18日録音
GENE HARRIS(p) ANDREW SIMPKINS(b), Bill Dowdy(ds)
1.TENDERLY
2.WILLOW WEEP FOR ME
3.BOTH SIDE
4.BLUE BELLS
5.IT'S NICE
6.GOIN' HOME
7.WOULD'N YOU
8.O SOLE MIO


陰の伝承技?

2007年10月21日 | p-r

今日はまさに秋晴れ、少々冷たい風が吹いたものの気持ちの良い一日でした。
とか言いながら、午前中は昨夜の酒がしっかりと残っていて、ゴロゴロしながら過ごしてしまいましたけど。まぁ3時までやっつければそれもしかたがないでしょうね。
えっ?一人で飲んでたのかって?
いえいえ、昨晩はいつものバーへ顔を出し(9時半近くだったでしょうか)、お昼を過ぎた頃に「バブちゃん、カラオケ行っちゃおうか」とのママからのお誘い、おネエ系のマスターが営むお店で飲み直しです。
そんでもって、姉妹と見まごう美人母子のお客さんも巻き込んでの大騒ぎとなり、ついつい3時になってしまったわけで・・・・・ママもけっこう酔っぱらってたけど大丈夫だったでしょうか?

そうそう、昨夜何故かママと『花電車』の話題に、もちろん電車の話ではなく「乗ることも触ることも出来ない」というアレの話です。
ご存じじゃない方もいらっしゃいますかねぇ、でもあまりに下の話ですから、詳しい説明はこちらででも確認してください。


これは都電の花電車、
もちろんこの花電車じゃありませんよ。

おっと、昨晩ママと話たのは、いやらしい話としてしたわけじゃありませんよ。『花電車』が一つの芸と言えるかどうかという・・・・まぁ真剣に語り合う話でもありませんけど(笑)

『花電車』を実際にご覧になったことのある方はいらっしゃいますかねぇ?
私もこの芸(?)はそこそこ長いこと生きている間に2回しか拝見したことがございません。一度は座敷芸として、もう一度は新潟のとある温泉街に視察旅行へ行ったときに、むりやり当時の課長に連れて行かれたストリップ小屋で「大根が宙を飛ぶ」という大技を拝見した、その2回です。

実際に見ると、もちろんいやらしい芸ではあるのですが、その技に感心しながら終わったという覚えがあります。
「私はもちろん見たこと無いけど、それって何か仕掛けがあるんじゃないの?」とママ
「いやいや、絶対それは無いと思うよ、だって仕掛けるところ・・・んんんんん、まさか仕掛けらんないでしょ」
「じゃあ、鍛えてんのかなぁ?」
「だと思うよ、きっと特別な鍛錬方法があるんじゃないの、ひょっとしたら伝承芸なんじゃないかなんて思ったりして。たぶんねぇ、日本には昔からそういう陰の伝承芸みたいなものが、数多くあるんじゃないかなぁ、なんてね。」

『花電車』は別としても、私が知らない『陰の伝承芸、伝承技』っていうのはきっとあるんでしょうね、いやらしい意味ではなく、なんだかちょっと興味が湧きませんか?どなたかそういったものをまとめたような本をご存じの方いらっしゃいましたら教えて下さい。我が雑学文庫にぜひとも欲しいなぁ、なんて思ってしまいます。

まっ、『花電車』の話はそのくらいにして、飲み過ぎの昨晩を反省し、今日は休刊日にしました。
そこで『料理当番、今日の一品』、だいぶ気温が下がってきましたので「すいとん」です。
だしは鰹だしに鶏肉と油揚げでとりました。あとは人参、ゴボウ、大根、ネギ、白菜、しかたないからシメジもぶち込んで(キノコはどうも苦手なんです)酒、塩、醤油で味付け、あとは小麦粉を塩少々入れて水でこね、薄めの団子状にしてぶっ込んで煮ます。(笑)
昨晩、いじめた我が内臓にも優しい一品でしょ。

さて、今日の一枚は、アイク・ケベックです。
この時期のケベックはブルーノートにあって、いわゆるソウル・ジャズの旗振り役的存在でした。
そんなケベックは「リズムセッションにピアノより、オルガンを入れるほうが自分は活きる」と感じたのはいつだったのか?ともかく元来中間派に属していた彼が、ソウルフルなスタイルに活路を見出したのは、間違いなくオルガンの起用が係わっていたと私は思っています。

ケベックとブルーノートとの関係は他のミュージシャンとは全く違うものでした。それはブルーノートがモダン・ジャズ・レーベルへの移行を行えた陰にケベックの縁の下の力持ちとしての活躍があったからです。
そして、すでに末期癌であることをアルフレッド・ライオンに告げていたこの時期、ライオンはケベックへの感謝も込め、治療代捻出のために録音回数を増やし、ケベックはそれに答えるようにソウル・ジャズの旗振り役となったということでしょう。ケベックが亡くなったのは翌々年1月16日、死因は肺癌、44歳でした。

HEAVY SOUL / IKE QUEBEC
1961年11月26日録音
IKE QUEBEC(ts) FREDDIE ROACH(org) MILT HINTON(b) AL HAREWOOD(ds)

1.ACQUITTED
2.JUST ONE MORE CHANCE
3.QUE'S DILEMMA
4.BROTHER CAN YOU SPARE A DIME
5.THE MAN I LOVE
6.HEAVY SOUL
7.I WANT A LITTLE GIRL
8.NATURE BOY

おまけ、
先日、ブログ仲間monakaさんよりお勧めいただいた「STEPPIN' OUT / IDEA6」がやっと発送になった旨、メールが入りました。今週内には手元に届きそうです。
いやぁ時間がかかりました。CD屋に行ってサッと買える、そんなところに住んでいらっしゃる方がうらやましい。(笑)
近く、感想をアップできると思います。


ライブ行きてぇ~~!

2007年10月20日 | g-i

今日はある意味充実した一日を過ごすことが出来ました。
午前中、最も天気の良い時間帯には、予定どおり遠くを眺めてお目々を癒そうと、近くの山までドライブです。中腹から下界を見下ろすとほんの少しの優越感が生まれてくるのは何故なのでしょうか?

「なんだか気分いい!・・・・ようし、こうなりゃあの海まで行っちゃって、ランニングでもしてきちゃおうかなぁ」
てんで今度は浜辺に

♪ 今はもう秋 だれもいない海 ♪
であります。

若い気ぶっこいて浜辺をランニング・・・・・・・・
若いのは気だけにすべきですね、車を運転し始めたら、太ももあたりの毛が虫でもいるかのようにザワザワします。降りてみると膝がガクガク「ダメだこりゃ」でありました。(笑)

帰宅後、昼食を済ませ、珈琲をタップリ二杯分入れたら今度は引きこもり、先日録画しておいた『東京JAZZ』を6時間ぶっ続けで鑑賞しました。
それにしても、主催にNHKの名があるわりには、年々放送規模が落ちているように思えて、会場に出かけられない私としては少々不満です。
「NHK!来年はもっと放送枠広げてよ!」てなこと言いながらも楽しんでましたけどね。

正直言うと、私的に今年の出演者にはこれぞという魅力を感じていませんでした。
リー・リトナーにビル・エバンス、ランディ・ブレッカーにマイク・スターンでしょ、とうてい私好みとは言い難い面子ですし、ベニー・ゴルゾンにしたってロートルのイメージが先に出てしまって・・・・・

いやぁ、それでも良いもんですよねぇ、気が付けば、エリントン・オーケストラにリズムを取ったり、悔しいけどSOIL&"PIMP"SESSIONSの演奏に乗ってたり、キャンディ・ダルファーのグループの女性ベーシスト、ロンダ・スミスのなんだか凄い体に見とれたり(笑)

ランディー・クロフォードのチャーミングな声はなんともいえませんねぇ、ちょっと惚れちゃいそう。

腹が立つほどその場で聴いてみたかったのは、安藤まさひろとみくりや裕二のギター・ディオ、あんみつでした。この手のアコースティックに弱いんですよ。
「まったく、スクウェアーでフュージョンかなんかやってりゃいいに、アコースティック・ディオなんて・・・」(笑)

小曽根真のpresents No Name Horsesにマイク・スターンなんかが乱入したセッションもちょっとやられましたし、ビル・エバンスもリー・リトナーも悪くなかったし・・・・・・・・・

「やっぱり、その場に行って聴くべきだよなぁ・・・・・」
あははははは、結局、愚痴をこぼしてしまいました。

でもね、面白いのはベニー・ゴルゾンが吹き始めると、上手い下手は別としてなんか変にホッとする自分がいるんです。
大きな会場で、客席全体を盛り上げる迫力満点の演奏も良いし、夜風が運んでくるギター・ディオもそりゃ良いですよ・・・・・だけど、やっぱり私は靄のように煙草の煙が漂う「狭いよ!」っていうようなジャズ・スポットで、酒とジャズに酔う世界が一番好みなのだと改めて思ったりもしてね。

何でもいいけど、ライブ聴きに行きてぇなぁ(笑)

さて、ということで今日の一枚は、ベニー・ゴルゾンです。
名コンビ、カーティス・フラーとのツーフロント・セッション、とりたててここがムチャクチャ良いといったアルバムではないのですが、私なんかはなんとなく今日のゴルゾンのように安心して聴ける一枚だと思っています。
ほら、「JUBILATION」や「SYMPTOMS」なんか聴くとちょっとホッとしません?

それにしても、ゴルゾンは眼鏡をかけていませんでしたが、歳を取って目が治っちゃったってことはありませんよねぇ?

THE OTHER SIDE OF BENNY GOLSON
1958年11月12日録音
BENNY GOLSON(ts) CURTIS FULLER(tb) BARRY HARRIS(p) JYMIE MERRITT(b) PHILLY JOE JONES(ds)

1.STRUT TIME
2.JUBILATION
3.SYMPTOMS
4.ARE YOU REAL ?
5.CRY A BLUE TEAR
6.THIS IS NIGHT