JAZZを聴きながら ふたたび

恥も顧みないで再々開、よろしければお付き合いを

我が下落は底知らず

2009年10月29日 | y-その他

昨晩はまたしても深酒の夜。日々下落の一途をたどっているようで深く反省しています。

と言いつつ今日は美味しい肴のお話でして
昨夜の飲み始めは久しぶりに『ひろし』に顔を出したのですが、またまた美味しいものをいただいてまいりましたので、そのご報告です。

まずは「とれたて白鮭のイクラ」
「新鮮なイクラは、漬けすぎると皮が固くなるんだよ。」
との教えを得ながら口に運ぶと
「あらま、なんざんしょ、このなんとも言えない甘みは・・・・日本酒、常温でちょうだい」
やはりプロは違いますねぇ、私の漬けたイクラなどとうてい同じ物とは思えません。
「いやいや、新鮮なだけ」
とひろしさんはおっしゃいますが、やはり料理は料理人の腕だと痛感させられました。
まるで鶏卵の黄身でも混ぜてんじゃねぇかってくらい濃厚な味わいを、流し込んだ日本酒がさらに際立たせ
「まいっちゃうなぁ、何杯でもいけちゃうよ」

すると隣にいらしたお客さんが、
「イクラも旨いけどねぇ、この寿司、今日はこれを喰わずには帰れないよ」

これなんですがね、なんの寿司だと思います?
じつはこれ、以前唐揚げなんかも紹介した「メヒカリ」の寿司なんです。
「塩味がついてるから、そのまんまん食べて」
「では」
と、一緒に行ったS君と一貫ずつほおばりました。
「んん」
おもわず互いに見つめ合うほどのお味なんでありまして
「酢飯がきついとメヒカリの味が消えちゃうから、若干おさえてあるんだけど」
メヒカリはもともと身がしっかりした魚じゃありませんが、表面を炙ったそれは、味深く香ばしい香りが、口に入れた瞬間に溶けるように拡がるのであります。
「うん、絶品!」

旨い肴に旨い酒、我が下落は底知らずのようです。

さて、今日の一枚は、ザ・ダイヤモンド・ファイブです。

このログをザックリ読まれた方はお気づきでしょうが、私はヨーロピアンジャズを聴き込んだ経歴は一切持ち合わせておりません。(笑)
いわゆるシネ・ジャズに登場するフランス・ジャズメンや、フィル・ウッズのヨーロピアンリズムマシーン、バド・パウエルやデクスター・ゴードン、ケニー・ドリュー、もちろんエリック・ドルフィー、そんな大物と共演した面々、それからテテ・モンテリューに・・・・・・あれ?けっこう聴いてんか?(笑)

ともかく、ことこのオランダのジャズ・グループ、ザ・ダイヤモンド・ファイブに関しては何の知識もありません。もともとはジャズ・クラブのオーナーがシーズ・スリンガーに依頼して作ったグループらしいのですが、クラブが閉鎖してもときおり集まって演奏を行っていた、そんなグループのようです。

と、かなりいいかげんですが、中身は侮る事なかれ、白人でありながらアメリカ白人には出せない黒さを持ったグループなんであります。
それでもいかにもヨーロッパらしい気品というかなぁ・・・そんな面も持ち合わせた彼らのこのアルバムは、なかなかよろしいんじゃありませんかねぇ(偉そうな)
だからといってそれぞれのメンバーを追うわけじゃないんですけどね。
いずれにせよ、オランダのハードバップをけしてバカにしてはいけません。このアルバムはそれを教えてくれる一枚だと思います。

BRILLIANT ! / THE DIAMOND FIVE
1964年5月12,30日録音
CEES SMAL(tp,flh,v-tb) HARRY VERBEKE(ts) CEES SLINGER(p) JACQUES SCHOLS(b) JOHN ENGELS(ds)

1.JOHNNY'S BIRTHDAY
2.RUINED GIRL
3.LUTULI
4.LINING UP
5.NEW BORN
6.MONOSYL

追伸、
ちなみに、シーズ・スモールのv-tbとはバルブ・トロンボーンのことでして、普通のトロンボーンのように管を伸ばしたり縮めたりして音階を出すのではなく、トランペットのようなバルブで変えるという代物です。
えっ?そんなこたぁ知ってるって、こりゃまた失礼しました。


ピカピカの中年男子?

2009年10月27日 | d-f

今日は台風一過、朝方残っていた雲も去り午前中には青空に、じつに爽やかな一日でした。

今朝、朝日新聞の一面に『「小学五年生」「六年生」休刊へ』との記事を見つけました。
小学館の『小学○○生』、もちろん私が小学生の頃もありましたよ。
漫画雑誌は買うのに親のゴキゲンを取らなくちゃいけないのが、『小学○○生』なら胸を張って買ってもらえる、みたいなことありませんでした? 「学習雑誌だから」みたいな。(笑)
お祭りの帰りに書店によって「これなら買ってやる」と、ソノシート付きの何かの本をねだった私に『小学○○生』を父が買ってくれた・・・何年生の時だったかは忘れましたがそんなことを覚えています。

中学になると旺文社の『時代』、学研の『コース』ってぇのがありましたねぇ(ちなみに小学館の『友』はよく覚えていません。)あはは、私は映画雑誌『スクリーン』、それに加え3年生の頃には、『FMファン』『スイング・ジャーナル』・・・と他に買わなければいけない雑誌が増えちゃって、ほとんど買ったことはありませんでしたけどね。

そうそう、もう一つ忘れちゃいけないのは、学研の『科学』と『学習』。
私らの頃は、学校で販売・配布をしてたんですよねぇ(これが中止になったのは消費者基本法の制定がきっかけだったそうですよ)
特に私は『科学』が好きで(我が家はお金持ちじゃありませんので、「どちらかにしろ」と言われていたこともあったのですけど)、毎月の付録が楽しみでした。

学校の理科室整理を志願して手伝って、捨てるというわけの分からない器具をもらってきたり(今じゃこんな事はダメなんでしょうけど)、それと『科学』の付録の器具を、大事そうに部屋の片隅に飾ってたりしてましたっけ。いったい私はどういう趣味をしてたんでしょうね、自分でも不思議です。いやいや、そんなこたぁない、私にはきっと明確な目的があったんです、だってあ~た、当時の私の将来の夢は「いずれノーベル賞も狙える科学者」でしたから(笑)

おっと、話を戻しましょ
1973年には『小学五年生』が約63万部、『六年生』が約46万部発刊されていたのが、最近は6~7万部まで落ち込んでいたのだそうで、少子化、不況に加え、高学年の趣味の多様化、男女の性差、人気キャラクター不在が不調の原因だそうですが、「趣味の多様化、男女の性差」って、なんだか大人大人していていやですねぇ
子供らしさ、小学生らしさが何かはよく分かりませんけど、「趣味の多様化、男女の性差」では無いように私は思っちゃうんです。これぞまさしく老婆心でしょうか?

親が、「これなら良いよ」と勘違いする子供専用の雑誌、そんなんが一つ二つある子供社会の方が、そしてせめて小学生ぐらいまでは「いずれノーベル賞も狙える科学者」みたいな、いかにも子供らしい夢を誰もが抱ける、そんなんであって欲しいんですよねぇ
『小学五年生』『六年生』休刊で、ふとそんなことを思った「ピカピカの中年男子」バブ君でありました。とさ。

さて、今日の一枚は、ジミー・フォレストです。
フォレストを紹介するのは、ハリー・エディソンの「PATENTED BY EDISON」を紹介して以来二回目でしょうか?よく言えば「じつに渋い」悪く言うと「地味な」テナーマンですよね。

セントルイスで生まれたフォレストは、子供の頃から家族のバンドで演奏をし、エリントン楽団に所属したのは1949年~50年までの約9ヶ月間、70年代にはベーシー楽団にも所属していましたよね。そうそう、マイルスと共演した「LIVE AT THE BARREL」なんてぇのもありました。ただ、自己バンド等で経歴を積んだ期間も多いわりには、私の所にはあまりアルバムが残っていません。(笑)

フォレストといえば、なんといってもエディソンらと共演していた頃にヒットした ♪テッテ テッテ テッテ テッテ チャーチャ♪(何じゃそりゃ)の「NIGHT TRAIN」やっぱりこの曲ですかね。この曲は知っていてもフォレストを知らないっていう人も多いかもしれませんが。

そんなフォレストが、ワンホーンでプレスティッジに吹き込んだのが今日のアルバムです。
とても印象的でビビっと来るといったアルバムではないものの、スラッと聴き終えて悪い感じはしない、私にとってはそんなアルバムでしょうか。
聴き方でしょうが、私は「YESTERDAYS」や「THAT'S ALL」といったバーラードが好きですねぇ、これがあるから捨てがたいと言っても良いかもしれません。

ともかく、絶対に聴くべきとは言いませんが、「フォレストは♪テッテ テッテ テッテ テッテ チャーチャ♪だけじゃない」そう思うには充分な一枚ではないでしょうか。

OUT OF THE FORREST / JIMMY FORREST
1961年4月18日録音
JIMMY FORREST(ts) JOE ZAWINUL(p) TOMMY POTTER(b) CLARENCE JOHNSTON(ds)

1.BOLD BLUES
2.I CRIED FOR YOU ( NOW IT'S YOUR TURN TO CRY OVER ME )
3.I'VE GOT A RIGHT TO CRY
4.THIS CAN'T BE LOVE
5.BY THE RIVER SAINTE MARIE
6.YESTERDAYS
7.CRASH PROGRAM
8.THAT'S ALL


素直な耳は何処へ?

2009年10月25日 | a-c

今日は雲が多いあまりパッとしない天気でしたが、私の体調も朝からパッとしません。べつに熱があるでもなく、頭痛がするわけでもないのですよ、ただ、身体全体がドヨ~~ンと怠いというか・・・
「むむ、これは風邪のひきはじめ?まさか新型・・・・」
こんな時はとりあえずの睡眠です。午前中は着替えもせずに布団へもぐり込んでいました。
おかげで、午後からは少し体調も取り戻したのですが、まだまだ油断は禁物ですよね。今晩は酔いが覚めないうちに寝ようっと(酒?それがイカンのだよ!)

そんな日曜日の午後は、布団からは出たものの外出は控えようと、本を片手にレコード鑑賞です。
別にテーマを決めたわけではないのですが、最初にジョージ・ムラーツとサー・ローランド・ハナの「PORGY & BESS」を聴いたら、
「よし、今日はデュオにこだわって聴いてみようか」
なんて、ビル・エバンス、スタン・ゲッツ、アーチー・シェップ、ジム・ホール、パット・メセニー・・・・・音楽の方向性などは全く無視してデュオ演奏ばかり約3時間、ピアノ・トリオだけを聴き続けるなんていうより変化に富んでいて、それはそれで楽しい時間だったように思います。

ちょうどアーチー・シェップとダラー・ブランドの「LEFT ALONE」を聴き終えた頃に、珈琲を飲もうとキッチンに降りていくと、ポケットから「クレオパトラの夢」のメロディーが、(携帯の着信音です。笑)
「あのさぁ、ブログ始める時って何処からどう始めればいいんだっけ?」
S君であります。
どうも、ヤナイ珈琲さんのHP & ブログ開設や、同業者のインターネット活用に刺激を受けたらしく、「今回は本気で開設しよう」とのことらしいのですが・・・・
「ちょっと風邪気味なんだけど・・・わかった、これから行くから」
小一時間ほどかけブログ開設をレクチャーしてまいりました。

でもねぇ、S君の性格を考えるとブログを開設したとて継続するかどうか、まっ、あとは本人の意思しだいですから、しばらく見守っていくことにしましょう。その上で、ここでも紹介することにしますね。

おっと、そんなことより、そのおかげで、お客さんからいただいたというお土産を、S君からもらってきました。

『秋刀魚鮨』です。『鮨』といってもいわゆる『寿司』とは違って、おからと漬けた『おから鮨』です。
そこで、『料理当番、本日の一品』です。

今日は最初から、いただき物のワインを飲むつもりでいたので、『秋刀魚鮨』は味見ていどにさせていただきました。
メインは、餃子の皮でマッシュポテト、ハム、チーズを包み焼きにしたもの、それに鶏ささみとキュウリ、モヤシのエゴマ・ドレッシング和えです。
・・・・へへへへ、じつはこれは私用のメインでありまして、本当のメインはこちら

シメジ、エリンギ、鶏肉、大根、里芋、牛蒡、人参、白菜・・・・ともかく、いろんな物を突っ込んだすいとんです。
私も飲み終わった後に、ちょっとだけ食べましたが、いろんな味が出ていて、なかなか美味しかったですよ。身体が温まって、風邪も何処かへ行ってしまいそうです。

さて、今日の一枚は、チック・コリア、上原ひろみ、まさかバブがこのアルバム?という一枚ですねぇ(笑)
これも今日聴いた「ディオのアルバム」に入っていたわけで、もちろん私が積極的に入手したアルバムではありません。じつはプレゼントしていただいたCDなんでありまして・・・えっ誰からかって?まぁまぁ、それはそれとして(笑)

コリアと上原ひろみのデュオは、2006年の「東京Jazz」で聴くことが出来ましたよね。それから約一年後、ブルーノート東京でのライブを収録したのがこのCDです。

それにしても、二人とも私は聴き込んでいるミュージシャンじゃないので、(コリアはさておき(笑)、上原ひろみを否定するつもりは全くありませんし、だから聴いていないのではなく、まだ、最近の作品に手が届くまで私が進歩していないということ)じつに似ているというか、上原ひろみがしっかりついて行っているというか、彼女がテクニシャンであることを証明していると思います。

ただ、私が素直じゃないのは、たとえば「SUMMERTIME」を聴いたとき、「じつに良い」と思うくせに、「オレはやっぱりムラーツ&ハナのほうがいい」なんて、無理矢理思い込もうとすることですね。
イカンです。もっともっと素直に新しいジャズも聴かなくちゃいけません。

どうしても好きになれなかったアーチー・シェップを、マックス・ローチとのデュオ「FORCE」を聴いた瞬間に「好きになれるかも」と思った、あの素直な耳は何処に行ってしまったんでしょうか。
「50年代、60年代ばかりがジャズじゃない」(ムラーツ&ハナの「SUMMERTIME」は70年代ですが)
・・・・・・・・分かっちゃいるんですが

ともかく、いろんなデュオを聴いていてそんなことを思ったのでありました。
このアルバム、良いと思いますよ。

DUET / CHICK COREA
2007年9月25日録音
CHICK COREA(p) 上原ひろみ(p)

DISC 1 
1.VERY EARLY
2.HOW INSENSITIVE
3.DEJA VU
4.FOOL ON THE HILL
5.HUMPTY DOMPTY
6.BOLIVAR BLUES
DISC 2 
1.WINDOWS
2.OLD CASTLE
3.SUMMERTIME
4.PLACE TO BE
5.DO MO, CHILDREN'S SONG #12 
6.CONCIERTO DE ARANJUEZ / SPAIN


ペン先は父の愛

2009年10月23日 | y-その他

今日はみょうに喉が渇きます。・・・・昨夜飲み過ぎたかな?
かなって、S君と四軒のハシゴ酒ですから、どう考えても飲み過ぎですよね。(笑)

飲んでバカをやった話はいつものこと、それはひとまず置いておいて、
昨日の出だし二軒はS君の仕事仲間であるOさんも一緒だったんでありますが、そのOさんが持ってきたボールペンが、じつに面白い形をしていたので紹介したいと思います。

これなんですがね。名を『YOROPEN』と申しまして、2002年にスイスのジュネーブで開催された発明展において金賞を獲得したボールペンなんだそうで、このなんともユニークなペン先が、通常のペンに比べ、死角を減らす効果があるのだとか
「いやね、もらったんだけどとっても書きやすいんよ」
なるほど、ちょっとお借りして書いてみればじつに使い心地が良いんであります。

「ところで、これ、ヨロペンかな?ヨーロペンかな?」
どうでもいいことを言い出すのは、たいがいS君。
「名前はともかく、わからんのはインクが無くなったとき何処をどう交換したらいいかってことなんだけどね。」
「バブ、ちょっとネットで調べなよ。」
「はいはい」

まず呼び名ですが『ヨーロペン』が正しいようですな。
台湾出身の Mr.Liu氏が、未熟児として誕生した双子の愛娘“YOYO”と“RORO”がストレスや痛みを感じることなく、書くこと、学ぶことを楽しんで欲しいとの想いを込めてデザインしたんだそうで、『YORO』はこの愛娘の名から取ったようです。
次に替え芯ですが、
「げげ、芯そのものが曲がってるよ」

スケルトンタイプの物であればすぐに分かったのでしょうが、中が見えないOさんのペンだと、やれ「先だけが分離するんじゃないか」とか、「いや使い捨てなんじゃない」とか、「この細い管にインクを直接注入するんじゃないか」(これはどう考えても無理ですが)とか、まぁケンケンガクガクやっておったんですわ。
それがあ~た、あまりにあたりまえすぎるその姿に
「そうだよな、曲がってなくちゃおかしいもん。」
ちょっと唖然としながらも納得したのでした。

「ところで、この曲がった芯をどうやって入れるんだ?」
「??????」
「それよりほら、見て見ろよ、Oさんのボールペン、6300円もしてるよ。ボールペンで6300円ってたかくねぇ」(おまえは10代の小娘か)
「こりゃ文具店で交換してもらった方が利口だね。」
けっきょく、曲がった替え芯をどう突っ込むのかの議論は棚上げにして、飲みに出かけた三人組でしたとさ、チャンチャン。


これは、S君の手です。

いやぁ、それにしても書きやすいボールペンでしたよ。別に宣伝するつもりはありませんが、「娘を想う父の愛」それだけでもジ~~ンとくるじゃござんせんか。
安い物は400円切るくらいで売っているようですから、今度何かの機会に私も買い求めたいと思います。(他のボールペンよりはやっぱりちょっと高価ですけどね)

さて、今日の一枚は、L.J.Q. ザ・ラテン・ジャズ・クインテットです。
どうにも、ラテン・ジャズだのクラブ・ジャズだのジャンル分けをしたがるのが私ゃ鼻につくんでありますが、L.J.Q.というといわゆるクラブ・ジャズの先駆け的グループという立ち位置なんでしょうかねぇ?
いやいや、どんな立ち位置であろうと素直に聴きゃぁいいわけでして、このアルバムなんざぁまさに四の五の言わずに楽しむ一枚ではないかと思います。

それにしても、コンガをマタに挟んでるこのオネェちゃんは何者なんでしょ?
昔のカラオケ・スナックで、演歌だろうが何だろうがすぐにマラカスやタンバリンを持ち出すオネェちゃんがいましたが、なんとなく思い出してしまいました。(笑)

おっと話がそれましたね。
レイ・チャールズのワルツ「BLUES WALTZ」にはじまり、デューク・エリントンのご親戚、ビル・エリントンのオリジナル「DILLY DALI」まで、「MILESTONES」なんていう「ちょっとラテンにはねぇ」的曲にも挑戦していますし、それほどにラテンラテンしているわけでもなく、ボビー・ケイパーズのアルトなんてじつにハード・バップなんであります。
なかなかよろしいんじゃないですかねぇ、楽天が勝ち、ジャイアンツが勝った今宵、昨晩の深酒をすっかり忘れ、またまた飲み始めた私には、じつにマッチングした選曲でありました。

LATIN SOUL / THE LATIN JAZZ QUINTET
1960年12月6日, 1961年5月23日録音
WILLIE COLEMAN(vib,melodica) BILL ELLINGTON(b) JUAN AMALBERT(conga) PHIL NEWSOM(ds,timb) BOBBY CAPERS (as)[1,2,4-6] ARTIE JENKINS[1-6], JOSE RICCI[7,8](p)

1.BLUES WALTZ
2.MILESTONES
3.SUNDAY GO MEETIN'
4.MAMBO BOBBIE
5.RIP A DIP
6.MONKS BREAD
7.RED TOP
8.DILLY DALI


鬼と知りつつ紅葉狩り

2009年10月21日 | g-i

どうにもお疲れ気味で、身体がみょうに怠いんです。いつもなら水曜の夜は予定がないMさんのお店のヘルプが今日は入っているから、「ありぁ、また疲れるなぁ」との思いが先にたっているんでありましょうか?(笑)

今日は昼食時にたまたま自宅の近くにいたもので、
「給料前だし、昼飯は家で喰うか」
てんで、自宅に向かいました。・・・しかぁし、突然「昼飯」といっても「あんたの分なんて無いよ」と言われるのが目に見えています。
「今日は昼飯家で食べんから・・・ああ、何でもいいよ・・・あっそうだ、あと10分ぐらいで着くからスパゲッチョ茹でといて・・・・いい、いい、茹でといてくれれば、あとは勝手に作って喰うから」
と、電話を入れておきました。

てなことで、本日の昼食は『バブ特製納豆スパゲッチョ』であります。
お腹もいっぱいになり
「なんか疲れたから一眠りしてから行こうかなぁ・・・・」
と、
「こんなとこでサボってんじゃねぇぞ!」
母の一括。
(う~~ん、おもてでコンビニ弁当でも食べてれば公園で一眠りできてたのに、何故に自宅じゃそれが叶わんの?)

しかたなしなし、家は出たものの、次の予定まで時間があります。されとて、公園の駐車場で寝てしまえば起きる自信もない(笑)
ならばと、訪問先の近くで眠気覚ましにひと歩きしてきました。

秋ですねぇ、本格的な紅葉はまだまだとはいえ、そこかしこに色づいた木々。

「う~~ん、こりゃそろそろ紅葉狩りの季節だねぇ、紅葉肴に一杯・・・悪くないねぇ」

紅葉狩りに行って鬼を狩ったのは、平維茂(たいらのこれもち)でしたか、
たしか戸隠山に紅葉狩りに行くと、ビューティフルな侍女を連れたさらなるアジアンビューティーに出会うんでしたなぁ、いっしょに酒盛りをするうちに、それらが鬼とわかってチャンチャンバラバラ、けっきょく退治してしまうというお話でありました。

「美女をはべらしての紅葉狩りなら、鬼だろうが蛇だろうが、あたしゃいっこうにかまわんけどね。」
いやまてよ、美しい衣を纏った鬼は、なにも信州の戸隠山に限ったもんじゃありませんよ。
現代じゃ、そこかしこに男の財布を丸裸にする鬼の化身がゴロゴロと
「それにしても男はバカだねぇ、鬼とわかっていても、またついつい行っちゃうんだなぁこれが、ねぇS君。」

公園の池の畔で、んなこと考えていると、子犬に
「あんたもね。」
と、にらまれてしまいました。(笑)

まっいいや、疲れちゃいるけど、近いうちに、鬼の所へ紅葉狩りに行こうよ、ね、S君。
「俺を誘うなぁ!!!」(S君)

さて、今日の一枚は、エルモ・ホープです。
今日はNピー・ダンナの裁判があったようですが、薬に汚染されていたのは、現代の日本か、はたまた一時期のジャズ界か
薬にさえ手を出さなければ・・・と悔やまれるジャズメンは数えきれないほどいますよね。ホープもまたその一人かもしれません。

このとき若干22才の若者は、すでに確立されたピアノ演奏を聴かせてくれます。もっとも、15才でソロ・リサイタルに出演し賞を取り、R&Bバンドをかわきりに、クリフォード・ブラウン、ソニー・ロリンズらとお付き合いをしていたホープに、年齢など関係のない事なのかもしれませんが。

それにしても、何故にこれほどのジャズメンが、地味に埋もれていってしまったのか?
「玄人にウケたってしかたないんだよぉ・・・」
って、嘆いてたんでしょうかねぇ?

それはともかく、スタンダードとオリジナルが、絶妙な割合でブレンドされたこのアルバムは、じつに魅力的です。
ホープのピアノはスルメのようで、噛めば噛むほど味が出てくる・・・・あれ?そこが埋もれた原因か?いや、原因はおそらく彼が私と同じ小心者だったからでしょう。テクニックがあってもそれを活かす度量がない。
小心者のテクニシャンは、いずれ「MEDITATIONS (瞑想)」でもしながら妄想の世界に突っ走り、「FALLING IN LOVE WITH LOVE (恋に恋する)」だけに終わる・・・・・
「だから、それはあんただって!」
あはは、また、子犬に諭されそうです。

これといった派手さは無いものの、味のあるピアノ、ホープの魅力をもう一度見直してみてください。

MEDITATIONS / ELMO HOPE
1955年7月28日録音
ELMO HOPE(p) JOHN ORE(b) WILLIE JOES(ds)

1.IT'S A LOVERY DAY TODAY
2.ALL THE THINGS YOU ARE
3.QUIT IT / LUCKY STRIKE
4.I DON'T STAND A GHOST OF A CHANCE WITH YOU
5.HUH
6.FALLING IN LOVE WITH LOVE
7.MY HEART STOOD STILL
8.ELMO'S FIRE
9.I'M IN THE MOOD FOR LOVE
10.BLUE MO


ハックション!用心さっしゃりませ

2009年10月19日 | g-i

最近はめっきりテレビを見なくなった私ですが、唯一見続けているのはNHKの大河ドラマです。まっこれも前々からの習慣というか、朝のテレビ小説を内容にかかわらず毎シリーズ見てしまう母と同じで、ある種義務感のようなものがあって見続けているとも言えなくはありませんが。
それでも、「ワンクールに一つぐらいは見たい番組があるといいなぁ」なんて番組改編時には思うんですよ。だけどねぇ、ほら、特に今のドラマ系はワンクールで終わってしまうじゃないですか、ちょっと面白いかなぁなんて思うとすぐに終わってしまって、せめて半年ぐらいは続けてくれるとねぇ・・・・

そんな中、今回の番組改編で先週から見始めたドラマがあります。TBS系日曜夜9時からの日曜劇場『JIN-仁-』でありまして、現代から幕末の日本にタイムスリップした脳外科医・南方仁が、過去の人間の運命を変えていることを自覚しつつも、20世紀末の医療技術を用いて江戸の人々を救おうと努力するという、コミック原作のドラマです。(もちろん、私ゃコミックは読んでおりませんが)
昨晩からは、いよいよコロリ(コレラ)との闘いが始まったわけですが、そりゃもう綾瀬はるかちゃんの可愛いこと可愛いこと

・・・・・・ンンンン、ともかく、これで日曜日の午後8時から10時まで、しばしの間は私もテレビ小僧に戻れるというわけです。

幕末の江戸で流行したのがコロリ(コレラ)、今、巷で大騒ぎになっているのは新型インフルエンザでありますねぇ。今日からはいよいよ医療従事者へのワクチン投与が始まったようですが、私にまわってくるまでにはとうぶん時間がかかりそうです。

「ハクション(ズルズルズル)」
先週、Mさんのお店の女の子が
「ハナ(水)がとまんないんですよねぇ」
涙目でそう訴えるもので、早々に帰らせましたが
「おい、まさかインフルエンザじゃねぇだろうなぁ」
幸いにも、熱もたいしたこともなく、翌日にはバイトに出られたそうですから安心しました。
それにしても、ワクチン投与の優先順位というのは、じつに難しいところがありますよね。

1.医療従事者 2.妊婦、ぜんそく、糖尿病、肝硬変等持病のある人 3.1歳~小学校3年生 4.1歳未満の小児の保護者と優先接種対象者で身体上の理由から接種できない人の保護者等 5.小学校4~6年生及び中高校生、65歳以上の高齢者

計画で行くと、ここまでいくにも、少なくとも来年1月いっぱいまでかかってしまうようですが、それまでにいったい何処まで感染拡大するのやら・・・・
正直、会社勤め人が1週間から10日休んでも代わりはいくらでもいそうなものですけど、個人経営者や重要ポストにある人は死活問題にも発展しかねないわけですし、サービス業の現場従業員や受験生の問題もありますしねぇ・・・・・ともかくは予防あるのみなのでしょうか。

「ハクション!コンチクショウ!誰か噂してやがる」
 一ほめられ、二そしられ、三ほれられ、四風邪をひく

アクビや咳とは違い、どうにも調整がきかないのがクシャミでありまして、故に、そこには「人間を越えた霊的存在からの兆候がある」との俗信は昔からあったんだそうですな。古くは万葉集や枕草子にも出てくるそうでありますよ。
 うち鼻ひ鼻をぞひつる剣太刀身にそふ妹し思いけらしむ
ハナヒとはクシャミのことでありますから、
「今出たクシャミは、いつも床をともにするあの女(まっ通い婚の妻でしょうが)が、私を想ってのことだろうよ。」てな意味ですかね。
万葉人も、今の我々とクシャミをして言うことが同じだったってぇのは、ちと笑っちゃいますが、「クシャミは誰かにさせられている」との意識は強かったのでしょう。

それと同時に「クシャミとともに魂が吐き出されてしまう」といった考えもあったようで、クシャミの後に呪文を唱える
「ハクション!くさめくさめ」
故に、鼻ひる(ハナヒ)がクサメとなってクシャミとなった、これも一説だそうですが。

だったらクサメとは何か?
本来、ハナヒをした後に「休息万命(くそくまんみょう)急々如律令(きゅうきゅうにょりつりょう)」と唱えなければいけないところを、クシャミがとまるまでいちいち唱えるのは至難の業、そのために「休息万命」だけが残り、これが「クソクミョウ」になり「クソミ」になって「クサメ」になった、これも一説。
じつは「休息万命 急々如律令」は後から付けたこじつけで、「糞はめ」つまり「クソ食らえ」から来たという、これもまた一説です。

 クシャミすりゃ 糞をくらへも道具也

江戸っ子は、
「ハクション!くそくらえ!」
これ常識。(笑)
私ゃ江戸っ子じゃありませんから
「ハクション!過ぎたかな?」
えっ?何のまじないかって?
私の場合はね、酒が過ぎるとクシャミが出るんですよ。(笑)

あれ?なんの話でしたっけ?
そうそう、ともかく今は、クシャミ一つも用心して毎日を過ごさにゃイカン!と、そういうことですよ。

さて、今日の一枚は、ジョー・ヘンダーソンです。
ピアノとドラムが異なる2つのカルテットの合体盤ですが、私にとってのヘンダーソンは電化前のここまで、同じマイルストーン時代でも「POWER TO THE PEOPLE」には行って欲しくなかったぁ、
時代的にコルトレーン、ロリンズに埋もれるテナー奏者がゴロゴロの時代に、私にとってヘンダーソンに対する印象は違うものがあったのですが「何故に電化へ・・・・」ってね。(笑)

それにしても、ヘンダーソンという人は、ピアノによって若干イメージが違ってきこえるのは私だけでしょうか?
ホレス・シルバー、デューク・ピアソン、アンドリュー・ヒル、マッコイ・タイナー、ピアノじゃないけどフレディ・ローチ、ボビー・ハッチャーソン。
ここでもドン・フリードマンとジャック・デジョネットとのセッションでは、いくぶん印象が違うように感じます。もちろん一本筋は通っているんですけどね。

ともかく、「ヘンダーソンの脂がのった旬はここからだ!」と思われる方々を尻目に、私的には最後のヘンダーソン、これは聴かずにはおられまい。(笑)

TETRAGON / JOE HENDERSON
1967年9月27日, 1968年5月16日録音
JOE HENDERSON(ts) DON FRIEDMAN, KENNY BARRON(p) RON CARTER(b) JACK DE JOHNETTE, LOUIS HAYES(ds)

1.INVITATION
2.R.J.
3.THE BEAD GAME
4.TETRAGON
5.WALTZ FOR ZWEETIE
6.FIRST TRIP
7.I'VE GOT YOU UNDER MY SKIN


偏屈で理屈っぽい青春?

2009年10月18日 | m-o

今日はなんだかみょうに暑い感じがしましたが、風が無かったせいですかねぇ?

昨夜帰宅するとショッキングなニュースが入ってきました。
「加藤和彦さん自殺」
というものでありましたが、何があったんですかねぇ?いや、何があろうと自殺はいけません。

 ♪ 胸にしみる 空のかがやき
   今日も遠くながめ 涙をながす
    悲しくて 悲しくて
    とてもやりきれない
    このやるせない モヤモヤを
    だれか 告げようか ...♪

もし、心にモヤモヤがあったら、死を選ぶ前に、誰かに告げてほしかったなぁ

 つばさのない鳥がとぶには
 愛の空が
 必要だった
 二人は
 しあわせすぎて
 こわかった
 ときどきおたがいに
 しっかりつかまっていないと
 不安になった
         (寺山修司『かもめ』より)

あらら、なんでいきなり寺山修司?
いえね、加藤氏の自殺の話はとりあえずおいといて、同じ歌がらみというわけではないのですが、先週に引き続き、今週の朝日新聞土曜版be『song うたの旅人』のお話をしようかと・・・

今週のsongは、あがた森魚の「赤色エレジー」でした。

そもそも、一郎と幸子の物語「赤色エレジー」は、以前も話題に上った漫画雑誌『ガロ』に連載されていた林静一の漫画でした。
あがた森魚は1971年3月20日に発行されたこの漫画の単行本を読んで、すぐに主題歌を作ろうと思ったんだそうで、
「林さん、ぜひとも一度会っていただけませんか」
二人は新宿の喫茶店で会うことになります。思いつめたような表情でギターを抱きかかえ現れたあがたは、挨拶もそろそろにギターをかき鳴らし
♪ 愛は愛とて何にいなる 男一郎 まこととて・・・♪
と、1番を歌い始めました。林さんは恥ずかしくてうつむいてしまったそうであります。
こうして「赤色エレジー」は、翌年の1972年4月25日、キングレコードの傍系レーベル、ベルウッドレコードから、あがた森魚デビューシングルとして発売されたのでした。

年代的には、私よりいくぶん歳が上の方が「ストライク!」といった感じでしょうが、まだまだ私の青春時代にも、四畳半、トイレ共同、そして同棲・・・このなんともアングラチックな世界は身近なものでありました。
「赤色エレジー」と「同棲時代」は、ある意味憧れで、「恋愛はいつも破局と隣り合わせでありながら、貧しくとも美しく、時に残酷なものだ。」みたいな、なんだか分からないものに恋いこがれていように思います。
じっさい私も・・・・・
おっと、また話がそれてしまそう、イカンイカン。

じつはこの記事を読んでいて、あがた森魚もさることながら、私が思わず懐かしく思ったのは、林静一氏のほうでありまして。
ほら、ロッテの「小梅」、あのイメージキャラクターを描かれた方です。

どことなく、夢二を思わせる作風でありますが、「赤色エレジー」も他のそれも、漫画はかなりドロ~~っとした(いやこれも時代背景かな)、重い作品だったように記憶しています。
私がひどく印象に残っているのは、おそらくこれもガロに掲載されたものだと思うのですが『巨大な魚』という短い漫画です。
何度読んでも意味がよくつかめず「なんじゃこりゃ」、そのくせ「いやいや、そこがこの手の漫画の良さなんだ」なんてね。(笑)

ともかく、「なんでもかんでも難しく難しく考えて悩みぬく、それが青春だ!」てな感覚があったんでしょうかねぇ、
とりあえず全てを否定して、創りだしてまた否定する、それの繰り返しこそが本来の想像を生み出すんだし、それがカッコイイ・・・・・
今思えば、ち~~っともカッコよくないんでありますが(笑)
「あれ?ひょっとして、この偏屈で理屈っぽい性格は・・・・そうだよ、みんなジャズ喫茶が悪い!」
って、まぁまぁ我ながらよく言いますよね。

あれ?また脱線した?
そうそう、「何故にそれで寺山修司か」でしたよね。

まっ、そんなこんなで、林静一林静一とたどっていったら、寺山修司の『邪宗門』にたどり着き、「そうだぁ、寺山修司の本には、林静一の絵が使われてたジャン」
ただ、それだけのことでした。チャンチャン。

さて、今日の一枚は、ディック・モーガンです。
といっても、この人は超マイナーなお人ですよねぇ、アルバム数も少ないし・・・・・
系統的にはバド・パウエル直系とも言われるんですが、どうでしょう?
でも、面白味はバツグンにあるピアニストだと思います。なんて言ったらいいかなぁ、実際に見たことはありませんが、なんとなく弾いている姿が見えてくるっていうか。
とか言いつつ、例のリヴァーサイド、キャノンボール・アダレイ新人発掘プロジェクト(笑)で、同レーベルから出した「AT THE SHOWBOAT」「SETTLIN' IN」・・・・そのくらいしか私も聴いてないんですけどね。

そんな私が言うのもなんですが、今日のアルバムは、聴く価値が充分にある一枚だと思います。唸りながらノリノリのライブ盤「AT THE SHOWBOAT」より、こちらの方が数段、いやそれ以上に私は好きです。

SEE WHAT I MEAN ? / DICK MORGAN
1960年10月31日録音
DICK MORGAN(p) KETER BETTS(b) BERTELL KNOX(ds)

1.ROCKS IN MY BED
2.LOVE FOR SALE
3.I'VE GROWN ACCUSTOMED TO YOUR FACE
4.WHEN LIGHTS ARE LOW
5.SEE WHAT I MEAN ?
6.LIL' DARLING
7.HOME
8.MEDITATION

おまけ、
日曜日ですので、恒例の『料理当番、本日の一品』です。

メインは、茄子、エリンギ、インゲンの豚ロース巻き(生姜ソース)と、ホタテの生ハム巻きゴマ焼き(トマトソース)、それに付け合わせは柿サラダです。(ほとんど、いただき物で賄いました。笑)
ビールにとても合いましたよ。


元気を出して

2009年10月15日 | m-o

昨日は休みを取って、母を伴い郡山市まで行ってきました。
というのも、亡くなった父の同僚であり、息子さんが私の中学の同級でもあるというお宅の、母と同い歳の奥様が亡くなられたからです。

高校時代、私が下宿生活であることを心配してお宅に招いていただいたり、息子さんとギターかき鳴らしステージに立つという暴挙まで行なわせていただいたという、ご恩あるお宅ですので、私も焼香にうかがったのでした。

直接の死因はそれではなかったものの、奥様は8年前に難病である『パーキンソン病』を発病され、以降、病気と闘いながら生活をされてきました。
お亡くなりになったときの体重は30キロまで激ヤセされたそうで、夕ご飯を作って食べさせていただいた頃のちょっとポッチャリとした面影は全く無く、その闘病生活の辛さをかいま見た思いでした。
「いちばんかわいそうだったのは、大好きだったフラダンスができなくなった時だったかな」
と、お話下さった御主人も、そもそも大きな方ではありませんが、さらに一回り小さくなられたような、そうとう気落ちされているんですね。でも、頼もしい息子さんご夫婦も、お孫さんもいらっしゃますから、早く元気を取り戻して奥様の分も長生きしていただきたいと思います。

あらためて、ご冥福をお祈りするとともに、世界中で難病と闘われている多くの方々にエールをおくりたいと思います。

てなことで、焼香を済ませた後、不謹慎かとも思ったのですけど、母も同い歳の死に、いくぶんかふさいでいるようにも思えたので、
「かあちゃん、せっかく郡山まで来たから、どっかまわってく?」



 

開成山公園を一回り歩いてきました。

 



 

小さなバラ園には大小様々なバラが咲いていて、母も少しは和んだようです。

 

最後は、開成山大神宮に母の長寿を祈ってまいりました。
もう少し長生きしてもらわないと困りますからね。

さて、今日の一枚は、ハンク・モブレーです。
どうにもこうにも、たま~~に「アルフレッド・ライオンがお蔵入りを決断した理由がよく分からない」といった録音があるわけでして、このアルバムなんかもその一つであります。だって、三管フロントに私なんぞニコニコしそうなリズム隊、「いったい何処が悪いってんだい!」てな演奏なんですよこれがまた(笑)
1560「HANK」、1568「HANK MOBLEY」、それにこちらもお蔵入りしたケニー・ドーハムとのセッション「HANK MOBLEY QUINTET」、そしてこのセッションと「年に4回は多いだろう」てな理由だったかでしょうか?

まっ、そんなことはさておき、ソニー・クラーク好きのジャズ・ファンは、日本には掃いて捨てるほど、とは言い過ぎかもしれませんが、ともかく多いわけでして、そんな方はこのお蔵入り録音を「聴き逃しちゃイカン!」と、私は思うんです。一曲目「POPPIN'」の最初のソロ、これを聴くだけでもそういった方は身を乗り出すのではないでしょうか。(私もですが...笑)

考えてみれば、モブレーほどハード・バップに固執したプレーヤーはいないかもしれませんよね。そしてそれがあっという間に第一線から彼を引きずり下ろした原因でもあるわけですが、変化できない不器用さはときに不幸であり、ときに魅力でもあります。
そんな不器用モブレーが、じつにリラックスして奏でるハード・バップが魅力的であるのは当然なのです。(断言!笑)

ともかく「お蔵入りのまま終わらずに良かったね。」と思える、そんな一枚です。

POPPIN' / HANK MOBLEY
1957年10月20日
HANK MOBLEY(ts) ART FARMER(tp) PEPPER ADAMS(bs) SONNY CLARK(p) PAUL CHAMBERS(b) PHILLY JOE JONES(ds)

1.POPPIN'
2.DARN THAT DREAM
3.GETTIN' INTO SOMETHING
4.TUNE UP
5.EAST OF BROOKLYN


私は大ボケこれは木瓜

2009年10月13日 | d-f

今日は、朝方曇っていた空も、いつの間にか青空に変わり、秋晴れ秋晴れ、陽射しが暑いほどの一日でした。

昨晩帰宅したのは夜中の12時過ぎ、そ~~っと玄関のドアを開けると
ものも言わぬ鬼が仁王立ち・・・・
てなことはありません。だって遊んでいたわけじゃなく、Mさんのお店の帰りですから、まっ、飲んで帰っても最近は怒られることもとんと無くなってはしまいましたけどね。(笑)

おっと、話が飛びました。
ドアを開けると、プ~~ンとなにやら良い香りが漂ってきました。

原因はこれ、そう木瓜の実です。
いやぁ季節ですねぇ
今朝「あれ、うちの木瓜?」と母に訊くと
「ちがうちがう、昨日、××さんからもらったんだ。いい匂いだったべ。うちのなんかはぜんぜんダメ、でっかくなんねぇうちに全部落ちちゃうんだよなぁ・・・なんでだろな?家主がボケてっからか。」
まぁ、それが母のボケのせいかどうかは知りませんが、
木瓜の名の由来は、この瓜に似た実にあるわけで、木になる瓜だから「木瓜」、呼び名も「もっけ」(「ぼっくわ」)、「もけ」、「ぼけ」になったんだそうでありますから、そのボケとはまったく関係は無いわけでして、(あたりまえだろ)

瓜売りが瓜売りに来て瓜売り残し、売り売り帰る瓜売りの声

って、これはもちろん木瓜のことじゃありませんよ。ただ、瓜の字を見て、ついつい口に出てしまった早口言葉であります。
同じようなんで、秋らしいっていえば

菊 栗 菊 栗 三菊栗 あわせて 菊 栗 六菊栗

なんてぇのもありましたね。
それから

のら如来のら如来 三のら如来に六のら如来
上方僧書写山、社僧の僧命代、今日の奏者は、書写じゃぞ、書写じゃぞ
笑わば笑え わらわは笑われる謂れはないわい
お綾や親にお謝りなさい
赤巻紙、黄巻紙、青巻紙に長巻紙
カエルぴょこぴょこ三ひょこぴょこ、あわせてぴょこぴょこ六ぴょこぴょこ
わしが山に鷲がいて、わしの鉄砲で鷲を撃ったら、鷲がビックリして、わしもビックリした
 ・・・・・あはは、なにしろ高校時代、放送部だったもんで(笑)

あれ?なんの話でしたっけ?
まっいいや、玄関に置かれた木瓜の香りから、何故か早口言葉を連呼した大ボケのバブ君でありましたとさ。

さて、今日の一枚は、ビル・エバンスです。
といっても、すでに紹介済みといえば、紹介済みのアルバムを、CDで再度紹介するてな感じですかね。
「エバンスを聴くならこれ!」と、必ず口にするのが「WALTZ FOR DEBBY」ですよね。それと同日録音の「SUNDAY AT THE VILLAGE VANGUARD」この二枚があれば、今日のこのCDなど必要ない物かもしれないんです。というのは、「WALTZ FOR DEBBY」「SUNDAY AT THE VILLAGE VANGUARD」に収録された1961年6月25日のライブを、あらためて3枚のCDボックスとして発売したのが今日のこれだからです。

そもそも、アルバムたる物は、その録音時間や演奏内容、そして、効果的な曲順を考慮しながら編集されるものです。つまり、この時のアルバム化においては、プロデューサー、オリン・キープニュースの腕もアルバムの味の一つということなのです。
今日のこれはそんなことを全く無視しして、「当日のセッションを、時系列に従ってハバーっと3枚のCDに収めちゃった」という代物です。

このてのCDボックスはどうなんですかねぇ?
「そうそう売れるもんじゃない」と私は思うんです。つまり、初めてくらいにエバンスを聴くという人にはとうぜん前者の二枚のアルバムをお薦めしますし、されとて、その二枚を聴き込んでいる人が、このCDボックスということになると・・・よほど好きじゃないとねぇ
じゃあ、おまえはなんなんだって言われると・・・よほど好きなんですけどね。(笑)

長い前置きでした。
この日、エバンス・トリオは、ヴィレッジ・ヴァンガードにおいて、Afternoonに2セット、Evening 3セット、計5セットのステージをこなしました。
途中、ブレーカーは落ちるは、酔っぱらいが「もう一回やれ!」って叫ぶは、いかにもライブらしい雰囲気は、このCDならではの楽しみです。
それと、従来のアルバムをCD化するときに、オマケみたいな形で別テイクが収められているものと違い、前後の曲目、やり取り、客の数や雰囲気等を知る(音が良くなっているからでしょうか、客の会話やグラス等の音で察しが付くんですよね。)ことで、テイクの違いの意味がなんとなく分かるような気がして、それもこのCDの良さかな。

その5セット23テイク(内2セット一曲目「MY MAN'S GONE NOW」は未収録)の中から、キープニュースはどのテイクを選んだのか?どうしてそのテイクだったのか、そして、自分がプロデュースするとすれば・・・・・
あはは、こうなるとマニアック過ぎますよね。
つまり、このCDボックスはマニアック向けアイテムということなんでしょう。

ともかく、そんなマニアックな方で、まだ未聴の方がいらっしゃいましたら、秋の夜長に通しで楽しんでみてはいかがでしょうか。

THE COMPLETE LIVE AT THE VILLAGE VANGUARD 1961 / BILL EVANS
1961年6月25日録音
BILL EVANS(p) SCOTT LAFARO(b) PAUL MOTIAN(ds)

DISC 1
Afternoon Set 1
1.spoken introduction
2.GLORIA'S STEP
3.ALICE IN WONDERLAND
4.MY FOOLISH HEART
5.ALL OF YOU
6.announcement and intermission
Afternoon Set 2
7.MY ROMANCE
8.SOME OTHER TIME
9.SOLAR

DISC 2
Evening Set 1
1.GLORIA'S STEP
2.MY MAN'S GONE NOW
3.ALL OF YOU
4.DETOUR AHEAD
Evening Set 2
5.discussing repertoire
6.WALTZ FOR DEBBY
7.ALICE IN WONDERLAND
8.PORGY (I LOVES YOU, PORGY)
9.MY ROMANCE
10.MILESTONES

DISC 3
※Evening Set 3
1.DETOUR AHEAD
2.GLORIA'S STEP
3.WALTZ FOR DEBBY
4.ALL OF YOU
5.JADE VISIONS
6.JADE VISIONS
7. ...a few final bars


波もまた秋の姿

2009年10月11日 | a-c

三連休中日(私は違いますが)の今日は、秋空に恵まれて暑くもなく寒くもなく、まさに行楽日和。
とはいっても、いろんな意味で何処かに出掛ける余裕はないので(笑)、愛車『カオウ号』にまたがり海までサイクリングに行ってきました。

歌のごとく秋の海には誰もいないかと思いきや、さすが連休中日、親子連れやカップルがいくぶん高めの波と海風を楽しんでおりました。

いやぁ、私ゃけして海の男じゃありませんけど、潮風を感じながら波音をBGMに本なんぞを読んでいると、
「海はエエなぁ・・・・」
誰でもきっとそう思うでしょうねぇ。

ここにあるのは荒れはてた細ながい磯だ
うねりは遙かな沖なかにわいて
よりあいながら寄せて来る
そして渚に
さびしい声をあげ
秋の姿でたおれかかる
そのひびきは奥ぶかく
せまつた山の根にかなしく反響する
がんじょうな汽車さえもためらいがちに
しぶきは窓がらすに霧のようにもまつわつて来る
ああ 越後のくに 親しらず市振の海岸
ひるがえる白波のひまに
旅の心はひえびえとしめりをおびてくるのだ
    (中野重治「しらなみ」)

って、オイオイ、
ここは越後の日本海じゃなくて太平洋だよ、しかも磯じゃなくて浜だし・・・・・

でもほら、白黒写真になんかすると、日本海に・・・見えないかぁ(笑)
まっ、エエじゃないの。
けっこう多くの人たちが遊びに来ていたとはいえ、秋の海にはやっぱり夏の海とは違う、淋しさともの悲しさがあるもんでござんすよ。
げんに波が秋の姿でたおれかかってましたからね。(笑)

ともかく、しばしセンチな心に酔いしれ帰宅の徒へ
「ヒ~ヒ~・・・・」
あはは、帰りはこうなることが目に見えておりましたが、夕方、我が家に到着した頃には、日が傾いて気温も下がってきたはずなのに汗だくのクタクタでした。

てなことで、それでも料理当番の日にそれをサボることもできず、今日は手間いらずの一品にしました。
『料理当番、本日の一品』です。

この秋、初の鍋物です。
具は、鶏肉、白菜、ネギ、牛蒡、大根、人参、シメジ、春菊、油揚げ、これをちょっとニンニクをきかせた酒粕入り味噌仕立ての鍋にしてみました。

最後は卵雑炊でしたが、私はアルコールで腹を満たしておりましたので一口だけ。
即席鍋にしては美味しゅうございましたよ。

さて、今日の一枚は、テット・カーソンです。

カーソンというと、私はあまりアルバムを所有していないトランペッターなんでありますが、以前紹介した「PLENTYP OF HORN」と、あとはミンガス・ワークショップもの・・・・・考えてみれば、私はあまり聴かないトランペッターなのかもしれません。
あれ?嫌いだったけ?
いや、「MINGUS PRESENTS CHARLES MINGUS」の印象が強すぎて、今日のこのアルバムのようなカーソンに違和感を感じるのかもしれません。

まっそんなことはほっといて
最後の曲「ONLY FOREVER」・・・美しいですねぇ
ビング・クロスビー主演の映画『Rhythm on the River』の中の一曲ですが、良い曲だと思います。
秋の夜長にはシックリと来る一曲ではないでしょうか。

FIRE DOWN BELOW / TED CURSON
1962年12月10日録音
TED CURSON(tp) GILDO MAHONES(p) GEORGE TUCKER(b) ROY HAYNES(ds) MONTEGO JOE(conga)

1.FIRE DOWN BELOW
2.THE VERY YOUNG
3.BABY HAS GONE BYE BYE
4.SHOW ME
5.FALLING IN LOVE WITH LOVE
6.ONLY FOREVER