JAZZを聴きながら ふたたび

恥も顧みないで再々開、よろしければお付き合いを

「肴」

2005年06月30日 | m-o

皆さんは、お酒を飲む時 どんな「肴」がお好みでしょうか?

私は、「昔から飲む時には、あまり食べない」というのが定着していて、
いまだに「お摘み」程度(通常のお店で言えば「お通し」)で充分、といった飲み方をしてしまいます。
ですから、飲み屋さんで支払うお勘定の80%は、酒代です。
ウイスキー、バーボンなら「ピスタチオ・チョイ盛り」とか(「ソルト・ピーナッツがいい」なんて言いません)
日本酒なら「塩辛ちょと」とか
そんなもんで、まあ普通程度の量をいただけてしまいます。
(体には決して良くないのは、わかっていますが)

その昔、夜中、急に飲みたくなり「あて」がないので、梅たたきを梅干し3個で作り、日本酒1升をいただいた、なんて事もありました。

そんな私ですが、「酒の肴」が必要ないかといえば、そんなことはありません。
なぜなら「肴」は、けして食べるものだけでは無いからです。
雰囲気だったり、音楽だったり、仲間だったり、女性だったり(へんな意味ではなく....本当に?)

ここに日本で録音された一枚の弾き語りアルバムがあります。
東京新宿の「DUG」で録音された、カーメン・マクレーの "AS TIME GOES BY" です。
彼女は、ピアニストだった人ですから弾き語りをしてもおかしくはないのですが、完全弾き語りライブというのは、これが最初で最後だったのではないでしょうか。

バックに、グラスの音が聞こえるんです。
カーメンの弾き語りを聴きながら、酒を飲んだ馬鹿たれが、居るんですよ。しかも日本に
最高の「肴」だったでしょうね、ン~~~~~~うらやましい。

AS TIME GOES BY / CARMEN McRAE ALONE
1973年11月21日録音
CARMEN McRAE(p,vo)
1.AS TIME GOES BY
2.I COULD HAVE TOLD YOU SO
3.MORE THAN YOU KNOW
4.I CAN'T ESCAPE FROM YOU
5.TRY A LITTLE TENDERNESS
6.THE LAST TIME
7.SUPPER TIME
8.DO YOU KNOW WHY?
9.BUT NOT FOR ME
10.PLEASE BE KIND

崇拝

2005年06月28日 | a-c

今日も一杯ひっかけてしまった!
よった勢いでコルトレーンの話など、

私よりちょっと上の年代になりますが、ジョン・コルトレーンの崇拝者という方が、とても多くいらっしゃいました。
かくいう私も、年代は違えどその一人です。
コルトレーンに関して、「彼の音がどう」とか、「音楽がどう」とか、私に語ることはできません。
ただただ、時に涙し、時にふるえ、彼の音の世界に入り込むだけです。

私とコルトレーンの出会いは、中学3年生の時でした。
当時、ブラス・ロックに傾倒していた私は、特にトランペットの高い音が好きで「たまんない..」とか言っていました。
そんなある日、友達のお兄さんに
「トランペットが好きなら、ジャズ聴いてみたら」
と言われ、禁断の地「ジャズ喫茶」へと足を踏み入れたのです。
「うるせぇ~~~でけぇ音だなぁ」と思ったものの
しばらく聴いていると、何ともいい気分。「トランペットが聴きたい」てなことはすっかり忘れ、ドップリとジャズの世界に入り込んでいました。

しばらくすると、聞き覚えのあるメロディーが
「チム・チム・チェリーだ」
確かに知った曲でしたが、私の知っているそれとは、まったく違う「チム・チム・チェリー」でした。そうコルトレーンだったのです。
今、思えばそれは、"JOHN COLTRANE QUARTET PLAYS"でしたが、
私は、「何これ?え~~~~」てなぐあいで、もうたまりません。
頭の中がグラングランして、「どうにでもして」........

ブラス・ロックなど何処かに居なくなってしまったわたしは、
暇とお金があればその「ジャズ喫茶」に通い、行くたびに1枚ずつコルトレーンを聴かせてもらいました、"COLTRANE"から"INTERSTELLAR SPACE"まで
("ASCENSION"以降はお客さんがいない時に聴かせてもらいましたが)
店のママに
「あんたは、トレーン聴いてる時は、おかまみたいだよね」と言われ、
聴いている時は、何をしても気がつかない私のせなかに氷を入れて遊ばれたりしました。
(ママには、「ガキ連頭」としてかわいがってもらいましたが)

コルトレーンというと「難しい」とか、最近敬遠する人が、多いように感じます。
たしかに、代表作と称して「至上の愛」なんかから聴き出したら、そりぁちょっとね。
でも、ブルーノートの1500円シリーズで、「ブルー・トレーン」の売れ行きがとても良い、という話を耳にしました。
最近、1500円でブルーノートだけでなく他のレーベルもいろいろ発売されています。
インパルス時代とは、言いません。ぜひ、プレステッジ-アトランティック時代のコルトレーンから御拝聴頂きたい。

今日は、そんなわけで1500円盤も発売になっている、聴きやすいプレステッジ盤をご紹介。

STANDARD COLTRANE / JOHN COLTRANE
1958年7月11日録音
JOHN COLTRANE(ts) WILBUR HARDIN(tp) RED GARLAND(p) PAUL CHAMBERS(b) JIMMY COBB(ds)
1.DON'T TAKE YOUR FROM ME
2.I'LL GET BY (AS LONG AS I HAVE YOU)
3.SPRING IS HERE
4.INVITATION

どの"PAGE ONE"から

2005年06月27日 | g-i

昨日の「宣言」を受けて、とりあえず読書をしようと3冊の本を買ってきました。
「SO WHAT [マイルス・ディビスの生涯]」
「リスク」井上尚登著
「キャピタルダンス」井上尚登著

まぁ、「SO WHAT」は、ジャズ本ですからいかにもという感じですが、
"何故、井上尚登なのか"というお話しを1つ。

じつを言うと、井上尚登氏は、学生時代のサークル仲間だったのです。
何年も合わずにいましたが、今年2月、わざわざ私に会いに田舎まで訪ねてきてくれ、実に久しぶりに酒を酌み交わしました。
若い頃とかわらぬモジャモジャ頭で、
とても、横溝正史ミステリ大賞を取った作家先生には見えません。(「T.R.Y」で第19回大賞を受賞、織田裕二主演で映画化)

「取材なんかで香港とか行った?」と聞くと
「取材なんかしてないよ、金無かったもん」だって
「おいおい、そんなんで大賞が取れる作品が書けちゃうの? まして、おまえ工学部出身だろう。」というと、
彼、「けっこう多いんだよ、理数系出身の作家」
「そりょそうかも知んないけど、じゃあ俺でも書けるかな?」(私も工学部でした)
対して彼、「がんばってみれば」だって
              .....ははははははは

とまぁ、「T.R.Y」以外、まだ読んでいなかったので、今回、買ってきたのでした。(尚登、いままで読まずに、ごめん。)

それでは、さっそく読み始めましょうか
まずは、グラスにジム・ビームを一杯注いでと
B.G.Mは、1ページ目からスタートということで
ジョー・ヘンダーソンの「PAGE ONE」(無茶苦茶なこじつけだけど)
1曲目の「ブルー・ボッサ」が何ともいえずいいんだよねぇ
ともかく、読書開始!!

PAGE ONE / JOE HENDERSON
1963年6月3日録音
JOE HENDERSON(ts) KENNY DORHAM(tp) McCOY TYNER(p) BUTCH WARREN(b) PETE LAROCA(ds)
1.BLUE BOSSA
2.LA MESHA
3.HOMESTRETCH
4.RECORDA-ME
5.JINRIKISHA
6.OUT OF THE NIGHT

大人の宣言

2005年06月26日 | m-o

先日、行きつけの店のママに、こんな事を聞かれました。
「バブさんは、ジャズしか聴かないの?」
それに答えて私、
「そんなこと無いよ。ブルースだって、R&Bだって、ロックだって、フォークだって、クラシックだって何だって聞くよ。
カラオケいきゃあ、サザンもミーシャもケツメイシだって歌っちゃうんだから。
俺が目指してんのはね、"偏見無き違いのわかる大人"だから」
するとママは、
「偏見無き違いのわかる大人ねぇ~~~」と苦笑していました。

さて、私はとうにいい大人になってしまっています。はたして"ちがいのわかる大人"になっているのでしょうか?
スポンジのごとく、すべてを吸収できる季節は、遠い過去へと過ぎ去り、
今は、徐々にしかし確実にカチカチのスポンジから、蓄えたものがしずくとなって消えていっているような。
いや、だからこそ常に頭の上から固いスポンジに水を流し込まなければいけない!!

とは言ったものの、
以前に比べ、読む本の量は減り、あまつさえ、いろんな音楽を聴こうとする努力も欠けているような気がします。
ずうたいと年齢だけは、"いい大人"になっているのに、"ちがいのわかる大人"からは、どんどん離れていくような......

誰も見ていないことをいいことに
パイプたばこに火をつけて、コーヒー何ぞを飲みながら、
「これこそ大人だよなぁ~~~」なんて......
ママじゃなくても笑ってしまいます。

宣言します!!
"偏見無き違いのわかる大人"に向け
今日より努力することを!!(本当かい?)

CONCORDE / M.J.Q
1955年7月2日録音
MILT JACKSON(vib) JOHN LEWIS(p) PERCY HEATH(b) CONNIE KAY(ds)
1.RALPH'S NEW BLUES
2.ALL OF YOU
3.I'LL REMEMBER APPIL
4.GERSHWIN MEDLEY
5.SOFTLY, AS IN A MORNING SUNRISE
6.CONCORDE]

*おまけ*
某インスタント・コーヒーのCMで使われていたのは、5曲目です。
右の写真は、パイプ用ジッポ(ちょっとめずらしいでしょ)
本当は、ライターでましてやオイル・ライターでパイプに火を付けるなんてのは、邪道の邪道です。ごめんなさい。

盲目のピアニスト

2005年06月25日 | s-u

しかし、暑い....梅雨はどこに行ってしまったのでしょうか?
私の住んでいる田舎は、海の近くということもあり、30度を超すいわゆる真夏日は、年に両手の指があれば間に合う程度の日数しかありません。ですから贅沢は言えませんが・・・・それでも暑いものは暑い。

今日は、
以前からどうしても観たいと思っていた映画「Ray」を、遅ればせながら、やっと観ることができました。
若かりし頃のクニシー・ジョーンズが出てきたり、ニューポート・ジャズ・フェスティバルがちらっと出てきたり、もともとジャズ出身と言っていい、レイ・チャールズの話ですから当然かも知れませんが、ともかく楽しませて頂きました。

盲目のピアニストというと、もちろんレイ・チャールズもですが、
私が頭に浮かぶのは、レニー・トリスターノです。

彼は、盲目のヴォードヴィリアンとして活動を始めたのち、アート・テイタム、バド・パウエルなど次々にピアノの技法を身につけ、アームストロング、レスター・ヤング、ビリー・ホリデイたちの表現の研究を進め、リズムが持つ役割よりも、メロディーラインに重きをおいた演奏を続けていきました。(時には、メトロノームだけを伴奏に演奏したそうです。)
整いすぎている彼の音楽は、それ故にジャズとしての評価を落とし、アメリカのジャズ歴史家などからは、ひどい扱いを受けたりもしています。しかし、ほかのミュージシャンへの影響は、多大なものであったようです。
結局、最後には、演奏をすることはやめて、教祖がかった教師の座に着いたトリスターノは、リー・コニッツやウォーン・マーシュなどの門下生を育て、クール・ジャズの一角を築ことに。

プロフィールは、ざっとこんなところですが、
実際、彼のアルバムは、非常に数が少なく、私もアトランティク盤「LENNIE TRISTANO」とリー・コニッツの「SUBCONSCIOUS-LEE」ぐらいでしか、彼ののピアノを聴くことができません。
評価は人それぞれでしょうが、私は盲目というハンデを背負いながら、音楽を追究する彼に、感銘を受けてしまいます。

多少視力は落ちるものの(老眼も若干....トホホ)
すべて不自由のない私が、楽器をすぐにあきらめてしまったことは、
「Ray」を観ても、トリスターノをおもっても、本当になさけない・・・・・

LENNIE TRISTANO
1955年録音
LENNIE TRISTANO(p) LEE KONITZ(as) PETER IND(b) GENE RAMEY(b) ART TAYLOR(ds) JEFF MORTON(ds)
1.LINE UP
2.REQUIEM
3.TURKISH MAMBO
4.EAST THIRTY-SECOND
5.THESE FOOLISH THINGS
6.YOU GO TO MY HEAD
7.IF I HAD YOU
8.GHOST OF A CHANCE
9.ALL THE THINGS YOU ARE

誘惑

2005年06月24日 | d-f

今日は、友人の事務所より投稿します。
写真のような建物を手掛ける、建築家の友人は、
私に、エクセルで見積書の原本作成を依頼してきました。
(「そのくらい自分でせい」と言いたいところですが、ちょっとした弱みもあって...)
難しい作業でもないので、とりあえず完成品を持参したわけです。

ところが、
「今日は、暑くてまいったね」と彼、「ビール美味いだろうね」
(んっ!それは、ひょっとして、私が「女性の誘い」以上に弱いお誘いではないか!?
いや、しかし、今週はちと午前様が多すぎはしないか?、ここで誘惑に負ければまたしても午前様はひっし...ん~~~~)

「ぽんしゅもいいね、真澄でも飲みに行っちゃう?」と、私
(あ~~~~悩むより先に口が.....)

「よし、じゃあMさんに電話しよ。きっとヒマしてるから」
「KくんもOKじゃない」
(犠牲者は、多いほうが良い、引きづり込め、引きづり込め)

「みんなOKだってさ、すし屋で待合わせね」って
なんと、誘惑に弱い軟弱者なのか(私が一番そうなんだけど)

「さーて、家になんて電話するかな」と彼、
私も電話をしなければ。

今日のアルバム紹介は、帰ってから書き込むことになりそうだ。
二日酔いに優しい曲を選ぼう。

ただいま帰りました。25日午前2時30分です。
二日酔いと言うより、今よっているので、ピアノ・トリオを聴いて寝ましょう。

MOON BEAMS / BILL EVANS
1962年5月17日,29日,6月5日録音
BILL EVANS (p) CHUCK ISRAELS(b) PAUL MOTIAN(ds)
1.RE:PERSON I KNEW
2.POLKA DOTS AND MOONBEAMS
3.I FALL IN LOVE TOO EASILY
4.STAIRWAY TO THE STARS
5.IF YOU COULD SEE ME NOW
6.IT MIGHT AS WELL BE SPRING
7.IN LOVE IN VAIN
8.VERY EARLY


私の価値観

2005年06月23日 | a-c

今日は、仕事の合間に行った本屋さんとCD屋さんでのお話しです。

いつもは買わないのですが、表紙にコルトレーンの写真をみつけ、「ジョン・コルトレーン再検証」の文字、思わず"スイング・ジャーナル"に手を伸ばしてしまいました。
値段も確認せずにレジで千円札と"スイング・ジャーナル"を差し出すと、店員さんが私を見つめるではないですか。
(えっ!こんな若い子が私に何のようだろうか?)
すると、
「千と五十円になります。」
(えっっ!私に興味があったのではなく、金が足りなかったの。)
"スイング・ジャーナル”っていつからそんな高くなったのだろう?
今さら立ち読みに切り替えるわけにも行かず、「すいませんでした」と50円を出しました。トホホ

つぎに、CD屋さんに行き、プレステッジの1500円限定盤をながめていると、
「KENNY BURRELL & JOHN COLTRANE」を見つけました。(実は、これもってなかったんです)
1500円ならいいやとばかりに、レジへCDと2000円を差し出すと、
「1200円いただきます」
(えっ!1500円じゃないの?)
よくよく、差し出したCDをのぞき込むと、20%オフのシールが貼ってあるではないですか。
おもわず「1500円から20%引いてくれんの」って言ったら、店員さんに笑われてしまいました。
さらに7月1日から使える200円のクーポンまでいただいて。(ということは、7月以降に同じシリーズを買えば1000円でCD一枚買えちゃうって事!!)

"スイング・ジャーナル"が、1050円
CDが一枚1200円(次は、1000円)
どうも納得いかない、だって昔で言えば、LPと月刊誌が、ほぼ同じ値段ですよ。
私の価値観が、もろくも崩れていく......

よーし、"スイング・ジャーナル"隅から隅まで一字残らず読むぞ。

KENNY BURRELL & JOHN COLTRANE
1958年3月7日
KENNY BURRELL(g) JOHN COLTRANE(ts) TOMMY FLANAGAN(p) PAUL CHAMBERS(b) JIMMY COBB(ds)
1.FREIGHT TRANE
2.I NEVER KNEW
3.LYRESTO
4.WHY WAS I BORN?
5.BIG PAUL

戦力外通知

2005年06月21日 | y-その他

私は、以前から焼き物が好きで
「茶器や壺」をできれば集めたかったのですが、
それには、2つの大きな問題がありました。
1.高価である。
2.買ったとしても使ってあげられない。(器は、使ってこそ器)
そこで
「私が最も使用頻度が高く、なおかつ比較的リーズナブルである」事を条件に集め始めたのが、酒器だったのです。

さて、せっかく集めた酒器ですが、ここにきて置き場所が無くなるというピンチ!?
友達から譲り受けた、昭和初期の茶箪笥だけでは、収納が難しくなり、物置への撤去を命じられてしまいました。

「器は使ってこそ器」.......
厳選なる選考のもと、写真の彼らに戦力外を申しつける事となったのです。
みんな、ほんとうに申し訳ない。いままで良く楽しませてくれたね。
(何とかしなかったらレコードを片づけると脅され、「CDがあるからいいでしょ」とほざきやがる)

今日は、彼らに感謝しながら、それぞれをおくってあげよう。
一杯づつだと、1,2,3,4,5......「一升はいるかな」って、
それは、飲みたいだけだろが

と、まぁ冗談はさておき、本当にそれぞれに思い出がある器達です。(値段は安いけど)

日本酒なんで、曲も日本人にしましょうか
秋吉敏子では、いかがでしょうか?

THE TOSHIKO TRIO / TOSHIKO AKIYOSHI
1956年4月録音
TOSHIKO AKIYOSHI(p) EDMUND THIGPEN(ds) PAUL CHAMBERS(b)
1.BETWEEN ME AND MYSELF
2.IT COULD HAPPEN TO YOU
3.KYO-SHU
4.HOMEWORK
5.MANHATTAN ADDRESS
6.SUNDAY AFTERNOON
7.BLUES FOR TOSHIKO
8.SOSHU NO TORU
9.SOFTLY AS IN A MORNING SUNRISE


らしい音

2005年06月20日 | s-u

楽器というものは、不思議なもので
同じ楽器で、同じ譜面を、同じ大きさで演奏すれば、すべて、同じ演奏になっても良いようなものだけど、けっしてそうはなりません。
もちろん、同じ人が演奏をしても、演奏のたびに微妙に違ってもきますし、
「いかにも、○○っぽいよね」とか、「○○らしいなあ」とか
ポッと音が出るだけで、演奏者がだれかわかってしまうほど、個性的なプレーヤーも多くいます。

そんななかで、私にとってとても不思議なプレーヤーが一人います。
それは、スタンリー・タレンタインです。
なぜ不思議かって?
私は、彼の演奏をそれほど多く聴いていないのに(特にCTIでのフュージョン系のアルバムは、ほとんど聴いていない)
それこそ、ポッと音を聞くだけで、「タレンタイン?」と感じてしまうのです。
聞き込んでもいないのに、どうしてこうもあっさり彼だとわかってしまうのでしょうか。

図太くて、ブローがかって、ソウルフルで、それでいて重く感じない。
ホーキンスとも違うし、ロリンズでも、ゴードンでもない
ましてやコルトレーンなんかとは、まったく違う。(敬愛するコルトレーンをなんか呼ばわりはひどいけど)
ものの本によれば、テキサス・テナー派などと書いてあるものもあるけれど(テキサス・テナー派ってどんな派?他に誰がいるのだろう?)なんのこったかちっともわかりません。

ブルーノート時代の彼の音に、ひょっとして私は、一番テナー・サックスらしい音を感じているのかも知れません。

レス・マッキャンとの共演盤「ザッツ・ホエア・イッツ・アット」なんか聴くと、
「ア~、タレンタインだ」と、何ともいえない心地よさを感じるのです。

シャーリー・スコットとの結婚をへて、彼は、フュージョンのスターとなっていきました。

THAT'S WHERE IT'S AT / STANLEY TURRENTINE
1962年1月2日録音
STANLEY TURRENTINE(ts) LES McCANN(p) HERBIE LEWIS(b) OTIS FINCH(ds)
1.SMILE, STACEY
2.SOFT PEDAL BLUES
3.PIA
4.WE'LL SEE YAW'LL AFTER WHILE, YA HEAH
5.DORENE DON'T CRY, I
6.LIGHT BLUE

男のいいわけ

2005年06月19日 | m-o

昔から「男のいいわけ」なんて、みっともない。
そう思っていたし、そう教わってきました。
この思いが強すぎるせいか、まったく私も含め、私のまわりの男どもは、いいわけベタです。

友人Sは、妻子持ちのいたって真面目な男ですが、私同様つきあいが良すぎ
週によっては、ほぼ毎日飲んで帰る日が続きます。
別に彼がすべて進んでで飲みに行くわけではありません。
仕事関係の付き合いだったり、友人との付き合いだったり、もちろん憂さ晴らしの酒もありますが。(この時点で、かなり「男のいいわけ」が入っています。)

そんな彼が、先日、とある歓楽街でいつものように飲んでいました。(私も一緒に)
11時頃でしょうか、奥様からメールが入り、「今日も遅くなるの?」とのこと、
そこで、飲んでいる面子も奥様には、ばればれだし、今日はお開きにしようと言うことになりました。タクシーを呼び、それぞれに帰宅。
ところが、彼は酔っぱらった勢いで「おねいちゃん」逢いたさに、別の歓楽街へ行ってしまったらしいのです。(彼の名誉のために、もう一ついいわけ。その「おねいちゃん」と彼が何かあるわけではありません)

素直に、帰宅後「あいつらに飲まされちゃってさ」とかなんとか、それで良かったものを
彼は、メールを打ちました。しかも、すべてひらがなで、
「○×くんと□□くんと**でのんでてかえれましぇーん!!」

翌朝、朝食を食べていると 彼の携帯が鳴り、(奥様の目の前で)
「はやく出れば、仕事の件かもよ」と奥様、
携帯の画面を見ると「ジェシー」の文字、
「ンッ、これは、夕べの.....」
携帯をのぞき込む奥様!
「今日はどうもありがとう....ジェシー」
彼のいいわけはこうでした、「まったく、夕べB(私)が、メルアド教えたな、しょうがねえ」
すると、奥様が「あら?ゆうべは、○×さんと□□さんと飲んでたんじゃないの?」
彼、「えっ?」
酔っぱらった彼は、メールを打ったことなどすべて忘れていました。
(私も、今度、奥様にお会いしたら、話を合わせなければ行けません。Sの野郎!!)

結局、今日の私は何を言いたいのか?
「男のいいわけ」は、みっともないから言うなではなく、
「男のいいわけ」は、へただから言うな。 これが正しいということ。

ジャズの世界では、リー・モーガンが「いいわけベタ」だったのでしょうか?
女性にもてた彼は、(髪型を見る限り、そうとも思えないけど) おおいに浮き名を流していました。
14才年上の愛人がいたその時、またしても違う女性にちょっかいを出し、ついに1972年2月18日、NY「スラッグス」に出演中、その愛人に射殺されてしまいました。(ウーン33才若い) きっとうまいいいわけが、無かったのでしょうね。

47才の愛人には、あまい「キャンディー」では、許してもらえなかったのかも

CANDY / LEE MORGAN
1957年11月18日,1958年2月2日録音
LEE MORGAN(tp) SONNY CLARK(p) DOUG WATKINS(b) ART TAYLOR(ds)
1.CANDY
2.SINCE I FELL FOR YOU
3.C.T.A.
4.ALL THE WAY
5.WHO DO YOU LOVE I HOPE
6.PERSONALITY