JAZZを聴きながら ふたたび

恥も顧みないで再々開、よろしければお付き合いを

第三の煙草タ・バァーコー?

2010年04月29日 | d-f

昨晩までの強い雨が嘘のように今日『昭和の日』は青空が拡がり・・・・薄曇りかな、え!さっきはまた雨も降ってきたけど(笑)ともかく暖かくなりました。
はて?たしか今日は『みどりの日』ではなかっただろうか?
ん?同じような疑問を何年か前にも・・・・あはは、ブログというのは便利というか嘘をつけないというか、2008年に「『二日目も酔い』の朝、『昭和の日』を思う」なる話題を書いておりました。

そんな『昭和の日』に新聞を開けば「たばこ1箱400円時代 10月1日、JT値上げへ」の記事、タバコ税増税が決まってから覚悟はしていたものの、喫煙者にとってはやはりショッキングなニュースでありまして・・・・・

私が生きていたなかで、これほどまでに値上がった商品が他にあったでしょうか?
不法ながら煙草を吸い出したとき、ハイライトが80円でした。それが120円になり150円になり200円になり、220円、290円・・・・え~~~!!今回の改訂じゃ410円?!今私が吸っているピースライトなんざぁ440円ですってよ
5倍以上ってア~タ、当時田舎のジャズ喫茶の珈琲が一杯250円ですから5倍すると・・・・・・1250円?いかにジャズ喫茶でも、ビールより高いブレンドコーヒーは出さんでしょ(笑)

それにしてもこの値上げは、喫煙者にとってはもちろん、煙草生産者、JTにも大きな影響を及ぼすでしょうねぇ、まっそれを見越して増税分よりさらなる上乗せ値上げなんでありましょうけど
そっかぁ煙草も庶民の嗜好品では無くなってしまうんですねぇ・・・・
ビールも発泡酒、第三のビールと、メーカーの努力で庶民の嗜好を確保してきたんですから煙草も何とかそのせんで活路を見出すって手は・・・そりゃないわな(笑)

言ってもさもない事ではありますが、「ビール一杯とワンカップ一つ、それに一服」仕事を終えた後にそのくらいの嗜好はけして贅沢じゃないと思うんですがねぇ

お父さんのお小遣いも、バブル期はともかくここ十数年は低価横這、一日一箱の喫煙で月の支出は4200円増しですから・・・・・
こりゃ無理だな、いよいよ禁煙を考えなきゃいけませんかねぇ?
え?本数を減らせば良いだろうって?
なにをおっしゃいますかってんだい、目の前にタバコがあって本数を減らす我慢がきくほど意志がしっかりした人なら、1箱300円になった時点でタバコを止てますって(笑)

やっぱ、第三の煙草を誰か考案してくれないかなぁ・・・・そのためには煙草じゃないタ・バァーコーの開発?でも煙草じゃなけりゃ煙草じゃないんだから、いやいや、第三のビールもビールじゃないけどそこそこ飲める物もあるんだし・・・・・・・
そんな馬鹿なことを、プカプカしながら考えてる私は、はたして10月までに禁煙が出来るのでありましょうか?

さて、今日の一枚は、久々のマイルスです。
といっても、これは曰く付きの一枚ですねぇ

エバンスとマイルスは、ご存じのごとくマイルスがチャリー・パーカーのもとにいた頃から続く、互いを認め合った仲だったわけですが、本格的共演となると「MILES AHEAD」つまり、コロンビアに移ってからということになります。
その後も「PORGY AND BESS」「SKETCHES OF SPAIN」と、ほぼ年に一度の共演作を出しました。そしてこれがけっこう売れたんでありまして、
コロンビアにしてみる「こりゃエエわいな」てなもんで、二人に新たなアルバム作りをするようプレッシャーをかけていたようであります。
そんでもってなかば無理矢理招集されたメンバーに「大人数のダンスバンドによるラテン風アルバムを作りなさいよ」みたいな(笑)これも「スタン・ゲッツのヴォサノバ・ヒットに便乗せよ」という、いかにも大手らしい商業的発想によるものでした。

こういった場合のマイルスは、あまりよろしくないのは彼の性格上からもわかりそうってなものですが、まして1962年といえば彼の父親が亡くなった年でもあって気分的にノル状況ではなかったかもしれませんしね。
エバンスにしても録音時にアレンジが未完成だったという話もあって、結果、計4回のスタジオ招集で録音できた素材は20分足らず、とうていアルバムになど出来る素材にはならなかったわけです。

それでもプロデューサー、テオ・マセロは曲をひっ付けたり、五ヶ月後の録音を突っ込んだりしてアルバムに仕上げてしまいました。
これにはマイルスも怒っちゃって、しばらくマセロとは口もきかなかったそうでありますが、コロンビアにせかされていたマセロの気持ちもわからなくもないんですよねぇアタシには。(笑)

ともかく、コロンビアで出されたマイルスとエバンスの共演盤第4弾は、こうして発売とあいなったわけです。しかし、「前3作の夢をもう一度」とのコロンビアの作戦は失敗に終わりました。

そんなこのアルバムを、ましてマイルス、エバンスの共演をあまり好みとしない私が、どうして今日聴いているのか?
ご存じのごとくマイルスとまではいかなくとも私もそこそこのへそ曲がりでありまして、「駄作ときくとかえってムキになる」みたいな観点からこのアルバムをけっこう聴いたんです。
するとね、たしかに極端に短かったり、いらぬおしゃべりが入ったりしてますけど、「AOS PES DA CRUS」なんて、なかなか良いヴォサノバでありますし、「ONCE UPON A SUMMERTIME」もマイルスらしいっちゃいかにもらしい、
なんとなく今日みたいな日に、BGMとして流しておくにはそこそこよろしいんでありますよ。
とりたてて手にすべきアルバムだとは思いませんが、気が向いたら聴いてみて下さい。

QUIET NIGHTS / MILES DAVIS
1962年7月27日, 8月13日11月6日, 1963年4月17日録音
MILES DAVIS(tp)
GIL EVANS(arr,cond) and Orchestra[1~6]
VICTOR FELDMAN(p) RON CARTER(b) FRANK BUTLER(ds)[7]

1.SONG No.2
2.ONCE UPON A SUMMERTIME
3.AOS PES DA CRUS
4.SONG No.1
5.WAIT TILL YOU SEE HER
6.CORCOVADO
7.SUMMER NIGHT


口説き文句も出やしない

2010年04月27日 | g-i

同年代以上の「オレもけっこうジャズは聴いてたよ」てな方とお話しすると、「好きなプレヤーは?好きなアルバムは?」という話題より「ジャズ喫茶話で盛り上がる」なんてことが間々あるものでして
「へぇ~~バブちゃんは高校生でジャズ喫茶のバイトなんかやってたんだぁ・・・・地元で? なんだ○○かぁ、そんじゃ俺と会ってたかもしんないじゃん、行ったことあるもん。」
みたいな話から、「学生時代は、○△って店によく出入りしてたけど、バブちゃんは向こうに出てからは通わなかったの?」なんてふうにね。でもそんな話になるのは、おおむね男性が多いんですが

「わたしは、ジャズがとんでもなく好きでジャズ喫茶に通ったことは無いけど、神保町の『響』っていう喫茶店には、古本探しの合間によく行ってたわよ。」
昨日久しぶりに昼食を食べに行った喫茶店で、始めてお逢いした女性の方です。年齢は????????そりゃまぁ女性に歳を訊ねるわけにはいきませんが、神保町で古本探し、しかも『響』によく立ち寄ったと聞けば20代の女性でないことは確かです。(笑)
『響』ですかぁ、俺は大学も神奈川だったし、神保町までちょくちょく足を伸ばす事もなかったからなぁ・・・でも、行ったことはありますよ。」

『響』といえば、ジャズ評論もなさっていた大木俊之助氏がやっておられた老舗有名ジャズ喫茶であります。
デカイ弁当箱を横にしたようなJBLの4350、あのお化けスピーカーが未だに目に焼き付いておりますが、私には日本公演の合間にコルトレーンが立ち寄ったジャズ喫茶というイメージが強くて、「どの席に座ったんだろ?」てなミーハー気分で行った記憶があります。
まっ実際はコルトレーンが来日してから私が『響』に行くまでの間、お店の改装をなさっていましたし、たんに思っただけでしたけどね。(笑)

私的には、じつにオーソドックスな選曲で、レコードコレクションも「さすが老舗」といった感じだったように覚えています。ただ、じゃっかん「JBLの4350ってどうだろう?」てな、いわゆるやっかみ目線の文句を言ってたかもしれませんねぇ、ともかく、落ち着きのある良いジャズ喫茶でありました。
そういえば、今話題の村上春樹氏の奥様がアルバイトをしていたお店、たしか『響』だったような??????

話を戻しましょう。
彼女お名前をM.Tさんとおっしゃいまして(ちなみに高橋真梨子ではありません。笑)、天海祐希にどことなく似たなかなかお美しい方で、知的な美人系? ともかく、お若い頃はかなり男を泣かせたんじゃないかっていう・・・・いやいや、今でも泣かせていらっしゃるかもしれません。(笑)
この方がジャズ喫茶の片隅で一人古本を読みながらジャズに聴き入っている姿を想像すると、なんだかドキドキしてきちゃったりしてね。

だけど、私がジャズ喫茶通いをしていた頃、あまりそういった美人系にお目にかかったことが無かったような・・・・・・そうじゃありませんね。いかに純粋に音楽を聴きに行っていたかという証のようなもので・・・・・・
「ほんとかぁ?!」
・・・・・いや、ジャズ喫茶に来る女性を口説き落とせるほどの器量もテクニックも無かったからどぇ~~す。(笑)

「その当時あなたにお逢いしてたら、俺はジャズを聴かなくなってたかもなぁ・・・だってM.Tさんに夢中になっちゃうもん・・・・なんちゃって」
今も昔も女性の口説き方を知らないダメバブでありました。

さて、今日の一枚は、ロイ・ヘインズです。

ジャズ好きといっても、よく聴く年代、スタイル等々でかなりの幅があります。これが「好きなプレヤーは?好きなアルバムは?てな話題よりジャズ喫茶話で盛り上がる」事につながる一つの要因のようにも思えます。
そう考えるとこのヘインズというドラマーは凄いんでありまして、まさにマルチ、なにしろレスター・ヤングからチャリー・パーカー、もちろんモンク、マイルス、ロリンズ、コルトレーン、エリック・ドルフィー、チック・コリア・・・・・・・このログ内検索でさえROY HAYNESとぶち込んでやればズラズラと何枚ものアルバムが出てくるはずです。
ただし、リダー盤となるとじつに少ない。
ロイ・ヘインズとは、みごとに主役を盛り立てる名バイプレヤーとも言えるわけです。

このアルバムでもブッカー・アーヴィンとの双頭とはいえリーダーですが、みごとにロニー・マシューズ、ブッカー・アーヴィンの魅力を引き出していると思います。
イヤミが無く、かといって特長がないわけでもなく、ある意味ヘインズのような人が最もリーダーらしい人なのかもしれませんよね。

今晩は「DORIAN」なんぞつまみに一杯いただきましょうかね。
ちなみに「DORIAN」とは、ゼウスとレダの子ヘレネの息子ドロスず移住したとされる地ドリスに発端をなすギリシャの三大集団の種族人でありますから、そんなんをつまみにしたら怒られるかな?

CRACKLIN' / ROY HAYNES
1963年4月10日録音
BOOKER ERVIN(ts) RONNIE MATHEWS(p) LARRY RIDLEY(b) ROY HAYNES(ds)

1.SCOOCHIE
2.DORIAN
3.SKETCH OF MELBA
4.HONEY DEW
5.UNDER PARIS SKIES
6.BAD NEWS BLUES


泣かせんじゃねぇよ

2010年04月25日 | a-c

今週も疲れてます。(笑)
「昨日あんまり汚いから、掃除しようと思ったけど、怒られるから止めた」
つまりこれは「掃除しろ!」との命令なわけで、疲れた身体に鞭打ち趣味部屋の大掃除です。
適当で終わらそうと思ったのに、やり始めると「ここもあそこも」となるもので、9時前に始まった掃除が終わったのは、なんと11時、一部屋の掃除に2時間もかかってしまいました。
「え~~~ん、益々疲れたよぉ~~~~・・・・」

それでも、綺麗になった部屋でお香なんぞを焚いてレコードをかければ
「う~~~ん、自己満足」
「CRESCENT」が心に染みて来るじゃありませんか、
「やっぱ、女と部屋は綺麗がいいやね」(笑)

話はコロッコロと変わりまして、
昨晩の谷佳知選手が放った代打逆転満塁ホームランをご覧になりました?
カッコエエですなぁ柔チャンのダンナ、男ですなぁあの涙・・・・・
私はMさんのお店にいましたのでナマでは見られなかったのですが、スポーツニュース、読売巨人軍オフィシャルホームページで何度見直してもらい泣きしたかってア~タ

「・・・・・拓也とはずっと同級生で・・いつもいつも励まし合って・・・このプロでずっとやって来たんですけど・・・もう先に逝かれて・・ほんとにもう悲しくて・・もう・・いつも泣かないでおこうと思ったんですけど、涙がぜんぜん止まらなくて・・・なんとか今日の試合は勝ちたいと思ってのぞみました。 頂点を目指して、拓也と一緒に導きたいと思います。」

「バカヤロウ!泣かせんじゃねぇよ!」てなもんですよ。
おもわず、何年も前に若死にしやがった我が大親友Iのことを思い出したりして・・・・
ホームランを打ってバットを放した瞬間、友に届けと祈ったのでしょうねぇ
まだペナントレースが始まったばかりですが、「今年のベストシーンはこれに決まりだ」みたいに私は思っちゃってます。みなさんはいかがでしょうか?

ともかく、感動の試合で、ここに書かずにはいられませんでした。木村拓哉コーチの残されたご家族が悲しみを乗り越え、さらに大きな幸せをつかみ取られることを心から祈っております。

ということで、感動にふけった後は恒例『料理当番、本日の一品』です。

今日はじつにシンプルにブリかまの塩焼きです。こういうあまり手をかけないものがやっぱ美味いですねぇ。

こちらは、いちおう季節感を出して若竹煮です。生わかめをいただいたのですが、やっぱり旬のものは美味しいです。
これに、水菜とモヤシのお浸しという「ザ・家庭的日本食」で今日は攻めてみました。

さて、今日の一枚は、お久しぶりのソニー・クラークです。
ブルーノートとの再契約後に残した唯一のリーダー・アルバムです。つまりリーダー盤としては遺作ということになるんでしょうか。

アメリカじゃまったく無名のまま終わったといってもいい日本じゃ超メジャーの人気ピアニスト、ソニー・クラーク。逆にアメリカでの知名度ほど日本では人気が出なかったアイク・ケベック。二人の重なり合うような濃密なバラード「DEEP IN A DREAM」・・・・
それは共に味わってきたドラック地獄からの復帰という共通点なのか、それとも、復帰を待ちわびてくれたアルフレッド・ライオンへの同じ思いなのか、少なくとも二人の関係は、「アメリカで人気、日本で人気」てな外野の戯言などどうでもよい、信頼し合う仲であったと推測できるような、そんな演奏です。

この一年ちょっと後、しかも同じ週に、共に逝ってしまった二人。
仲良く逝く者もあれば、残されてバットへ想いを託す者もあり、ただ涙を流すだけでなにも出来ない私もいたりして・・・男同士というのはいろいろですね。
若者よ、友を選ぶなら、私のようなんじゃなくて、谷選手のような人を選びなさいよ。

LEAPIN' AND LOPIN' / SONNY CLARK
1961年11月13日録音
SONNY CLARK(p) TOMMY TURRENTINE(tp) CHARLIE ROUSE, IKE QUEBEC(ts) BUTCH WARREN(b) BILLY HIGGINS(ds)

1.SOMETHING SPECIAL
2.DEEP IN A DREAM
3.MELODY FOR C
4..ERIC WALKS
5.VOODOO
6.MIDNIGHT MAMBO


なっ涙がぁ~~~

2010年04月21日 | g-i

今日は暑いくらいの一日でした。明日はまた気温が下がるんだそうで、でもまぁ凍えるほどにはならんでしょう・・・・ね?

今日、他人様の車に同乗させていただくと、加藤登紀子の歌が流れていました。

 ♪ 君が生まれたあの日 ぼくは君に手紙を書いた
   窓の外は吹雪 寒い朝だった
   白い空を見上げて ぼくは言葉を探した
   あふれる想い それは うれしさとなぜか涙
   強くなくてもいい 熱い心を持て
   幸せばかり追いかけるな 思いきり今日を生きてゆけ ♪

「君が生まれたあの日」という曲でありまして
・・・・・・ええ曲ですなぁ
思わず再リクエストして、歌詞を追ってしまいました。(笑)

「こんなん、子供の結婚式ででも歌われた日にゃ、オヤジは泣いちまうなぁ」
まさにそんな歌詞なんであります。
そのオヤジの心を加藤登紀子が歌うところが憎たらしかったりもしますが(笑)

そんでもって
「ジャズじゃなくてもこの曲は手に入れたい」
まっそれでもCDは買わないところが、ジャズに対する思い入れとは若干温度差がありますかねぇ、PCでダウンロード購入しました。

その際に知ったのですけど、加藤登紀子さん自身がツイッターにこんな書き込みをなさっています。
「浅川マキの死、ショック!君が生まれたあの日、レコーディングの日。メンバーの1人に赤ちゃんが生まれる日。突然のタイムラグ。マキとずっと合っていなかったけど、どうしてるかな、といつもおもってた!冥福を祈ります!」
なんとこの曲は浅川マキが亡くなった日にレコーディングされたのですねぇ
じつに勝手な思い込みですが、
「こりゃオレが手に入れるべくして手に入れた曲なんだなぁ」
なんてね。(笑)

ともかく、今またちょい酔い加減で聴き直しています。
「ク~~~なっ涙がぁ~~~」(大笑)

 ♪ 初めて歩いたあの日 ぼくはおもわず祈った
     小さな手を離して 君を見守りながら
     運のいい奴になれ 太陽を味方にして
     誰も君を守れない 君だけの人生だから
     時の流れがいつの間にか 君を大人にしていくだろう
     急がずにおそれずに つまづきながら歩いてゆけ ♪

さて、今日の一枚は、アル・グレイです。
こちらは他人様の車ではなく、自分の車で今日聴いていた一枚であります。
前半部はスタジオ録音、後半部はライブ録音と2つのセッションを楽しめるアルバムになっていますが、タイトルどおり「指パッチンを思わずしてしまう」春らしくウキウキする感じでよろしいんじゃないでしょうか。

こういうアルバムは、あえて、「ライブ録音には、ドナルド・バードとハービー・ハンコックが入ってるんだぁ」てなこと考えずに、指パッチンするなり、足でリズムを取るなりしながら楽しむのが肝心で、「アルのミュートは・・・」「ベイシー楽団の盟友ビリー・ミッチェルと・・・・」てな話も今日は止めにしましょう。
ジャズはけして難しいもんじゃないってぇのがわかろうてな一枚であります。

SNAP YOUR FINGERS / AL GREY
1962年1月31日, 2月19日録音
AL GREY(tp) BILLY MITCHELL(ts) BOBBY HUTCHERSON(vib) EDDIE WILLIAMS(b) HERMAN WRIGHT(ds)
DAVE BURNS[1~5], DONALD BYRD[6~8](tp) FLOYD MARRIS[1~5], HERBIE HANCOCK[6~8](p)

1.NOTHING BUT THE TRUTH
2.THREE-FOURTH BLUES
3.JUST WAITING
4.R.B.Q
5.GREEN DOLPHIN STREET
6.MINOR ON TOP
7.AFRICAN LADY
8.HI FLY

追伸、

バブ御用達「ヤナイ珈琲」さんで、地元をアピールしようと5種類の『地域ブレンド』を発売されました。
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パイオニアも今は昔

2010年04月20日 | a-c

ここ三日ほどなんとか春らしい気温を維持しておりますが、それでも信用がおけないのが今年の気候。まだまだ気が抜けません。

叔父と母の昔話じゃありませんけど、歳を取ってくると「昔懐かし話」で盛り上がる事が増えてきます。かくゆうこのログとて、そういった年寄り臭い話で終始しておるわけでして・・・・(笑)

今日の昼休みにも先日お亡くなりになった井上ひさし氏の話から、『ひょっこりひょうたん島』、夕方のNHKの子供向け番組の話へと話題が進み
「あれ?『宇宙人ピピ』っていつ頃やってたっけ?」
とか
『NHK少年ドラマシリーズ』は見たねぇ」
とか、まぁ話が尽きません。
「そういえば、『こどもニュース』『みんなのうた』も、たしか夕方の放送だったよねぇ・・・・ケペル先生って覚えてる?」

ケペル先生・・・いやいや懐かしいですねぇ、私は番組名を『ケペル先生のなんとか』だと思っておりましたが
「あれは、『ものしり博士』って番組名だよ」
「ケペル先生今晩は・・・ハ~イ今晩は」
と私が右手を振ってみせると
「それも違うな、ケペル先生はハ~イなんて言わないよ、『やっ今晩は、元気かねぇ、何でも考え何でも知って、なんでもかんでもやってみよう』だな。」
「そうだぁ~~~しかしよく覚えてんねぇ」

物覚えのよろしい方はいらっしゃるものです。
・・・・・・と思ったら
「YouTubeに動画が配信されてんだよ」
だそうで、それでもそれを見つけるアンタは凄い(笑)
先ほどさっそく見てみました。
声は『ひょっこりひょうたん島』のトラヒゲとおなじ熊倉一雄さん、口笛のテーマで始まるその最初のやり取りが・・・・涙がチョチョギレルほど懐かしいです。

話を戻しましょ、
そんな話をしていると
「あの頃見ていたテレビで流れていたちょっとした歌とか音楽って、ほら、有名なアニメソングなんていうんじゃなくてさ、もっとさもねぇっていうか、どうでもいいのを何気に覚えていて、たまぁ~~にポロッと鼻歌で出てきたりしない?」
と、Oさんが言い出しました。
「この前さぁ、たまたま時計を見たら5時5分ちょうどだったわけよ、そうしたら♪5時5分、5時5分、楽しいテレビを見るために・・・♪って、あははは」
すると、ケペル先生のウンチクを語ったWさんが
「違う違う、あれは4時5分! なぁバブ、そうだよなぁ」

まっどうでもいい話なんですが、4時か5時かで二人はしばらくもめておりました。(笑)
もちろん私もこの曲は覚えてますよ。

 ♪ 4時5分、4時5分、
   楽しくテレビを見るために
   楽しくラジオを聞くために
   覚えておけば便利です
   テレビとラジオはいつでもOK
   受信相談 ♪

その時は言いませんでしたが、私は4時5分で記憶しています。(笑)

いずれ、酒も飲まずにこんな話をしている我々は、テレビっ子のパイオニア世代であり、すでにロートルのオヤジに成り果てたという証を互いに示し合っているに過ぎないという・・・・・哀し~~~~!!

さて、今日の一枚は、チック・コリアです。
「あら珍しい」そう言われてもしかたがありませんかねぇ・・・たしかに私はコリアを嫌っている感があります。(笑)
でもね、ほんの一時のグループではありましたけどサークル時代のコリアを否定したことは一度もないんですよ。(笑)

今日のこのアルバムは、そのサークルの母体?となったアルバムと言えるでしょうか、コリアが最もエネルギッシュであった頃だと思います。
「フリーと称しながらさにあらず」
彼が突き進もうとした世界観は、おそらくはそういった既存の表現を打つ崩すところにあったのかもしれません。これはジャズの先駆者達が時代時代に挑戦してきた事であって、私がコリアを否定する根拠になり得るわけがありません。全ては「RETURN TO FOREVER」で我が心は彼のもとを離れたというだけなのですから。

さりとて、マイルス・グループでのコリアが好きかと訊かれれば、即座に「NO」と答えてしまう私。
「だからこそ、コリアはマイルス・グループでは表現しきれなかった自分を、このアルバムやサークルにぶつけているんだわさ。「NEFFERTTI」をお聴きなさいってば、マイルス・グループでの燻りを、発散してるじゃろうが」

意欲あるコリアは、口が裂けてもコリアを好きと言わない私にも、魅力的なんであります。

THE SONG OF SINGING / CHICK COREA
1970年4月7,8日録音
CHICK COREA(p) DAVID HOLLAND(b) BARRY ALTSCHUL(ds)

1.TOY ROOM
2.BALLAD Ⅰ
3.RHYMES
4.FLESH
5.BALLAD Ⅲ
6.NEFFERTTI

追伸、
『料理当番、本日の一品』のフォトチャンネルを公開しました。過去の『一品』全てというわけにはいきませんが、まとめて見ることが出来ます。
もしよければ見てやって下さい。(下の写真をクリック)



姉弟っていいなぁ・・・

2010年04月19日 | g-i

昨日は川崎に住む母方の叔父がじつに久しぶりに泊まりがけでやって来ました。
会津東山温泉での喜寿祝いを兼ねた同級会に出席するため、わざわざ遠回りをして立ち寄ってくれたのです。

我が叔父伯母は、父方6人、母方7人という大人数で、父方には亡くなった方も数人いるのですが母方は全員が健在。
この母方の叔父伯母、つまり母の姉弟はとても仲が良くて、未だにしょっちゅう電話をしあっています。ただ、実家を継いだ叔父以外は、住まいがほとんど東京近辺であるために実家の近くでもない田舎住まいの母だけがなかなか直接会う事が少ないという状況にあります。
そんなこともあって、叔父の訪問に母は大喜びで、朝から布団を干したり、父が昔使っていた浴衣を洗ったりとソワソワしておりました。

午後我が家に到着した叔父は
「なにはともあれ、○○あんにゃ(父のこと、あんにゃはお兄さんの意)の墓参りに行きたい。」

やっと満開間近なった桜を見ながらの墓参り
「ご無沙汰してたから、これでやっとホッとした。目的達成、達成。」
と叔父。
「せっかく良い天気だから、墓だけってのもなんでしょ、海にでもまわろうか?」
「ああそうだな、行ってけっか?(行ってくれるか?)」
海なんか大嫌いなはずの母が乗り気です。これも叔父の訪問が嬉しいからでしょうね。

母と叔父のツーショットを収めてきました。

そして、もちろん夜は酒好きの叔父と一献傾け合いました。
初鰹でもと思ったのですが、叔父も母同様生ものをあまり好まないということで・・・・
『料理当番、本日の一品』です。

肉じゃがにメヒカリの唐揚げ、焼き鳥、お新香、冷や奴という、まるで居酒屋のようなメニューになってしまいましたが、叔父も喜んで食べてくれました。

酔うほどに昔のことを懐かしそうに話す叔父に、酔ってもいないのに相づちを打つ母。親戚付き合いがさほど得意でない私ですが、なんだとても楽しい夜でした。
「○△おじちゃん、これに懲りずにまた母に会いに来てやって下さい。」

さて、今日の一枚は、ハンプトン・ホーズです。
ホーズのアルバムでハズレ盤にぶち当たるということはまず無いんでありまして、今日の一枚もそれを裏切りません。

地味なイメージのハロルド・ランドとホーズのピアノは「フム、なかなかお似合いで」てな感じですよね。「THE FOX」でのエルモ・ホープとの地味地味共演も悪くはありませんが、こうして聴いてみるとホーズの方がランドには合っているようにも思えます。
それにしてもどうしてランドは西海岸を離れようとしなかったんでしょうねぇ????

え~~もう一つの注目は、やはりスコット・ラファロでしょうか。
やっぱり彼のベースは、一味も二味も違います。彼の死からしばらく立ち直れなかったビル・エバンスの気持ちは、このホーズとの共演を聴いても納得のいくところです。

押さえ込むような「これでもか!」というジャズもそれはそれで良いのですけど、無理矢理の押しつけになっては意味がありません。その点、このホーズのアルバムはイキガリが無くてよろしいんじゃないでしょうか。

FOR REAL ! / HAMPTON HAWES
1958年3月17日録音
HAMPTON HAWES(p) HAROLD LAND(ts) SCOTT LaFARO(b) FRANK BUTLER(ds)

1.HIP
2.WRAP YOUR TROUBLES IN DREAMS
3.CRAZEOLOGY (LITTLE BENNIE)
4.NUMBERS GAME
5.FOR REAL
6.I LOVE YOU


春無し年?

2010年04月17日 | a-c

天気の文句はもう言うまいと心に決めておりましたが、言わずにはいられません。
なんなんですかこの寒さ!今朝なんかみぞれ混じりの雨は降ってるわ、母は朝から灯油灯油と騒いでいるわ、「エエカゲンにせぇ!」てなもんですよ、まったく。(笑)
今年は春が無くなって、この後すぐに夏になっちゃったりして、「春無し年?」・・・・まさかねぇ?
でも今日は春土用の入りということは、後18日で立夏ですからあながち無い話でも・・・・・・

そうそう土用といえば、
スーパーでももちろんMさんのコンビニでもそうですけど「春土用の丑の日に鰻を食べよう!」みたいなキャンペーンを展開しているお店がありますよね。ありぁどんなもんでしょうか?
「柳の下にドジョウならぬ鰻が・・・・」みたいな感じなんでしょうが、私なんかにゃどうも年に四回も「うなぎ、うなぎ」言われたら、ウンザリ来るような気もしてならないのですけど。
ちなみに今年の「春土用の丑の日」は二回、4月23日と5月3日ですので、ぜひとも鰻をご所望の祭はMさんのお店でよろしくお願いします。(なんじゃい、宣伝かい!)

鰻といえば、
先日横浜の『水産総合研究センター』が、世界初の完全養殖に成功したとの発表がありましたよね。
「あれ?鰻って養殖でしょ?」
という家人に説明するのに30分を要しましたけど(笑)
生態が謎に包まれたまま完全養殖に成功するというのは、並大抵の努力ではなかったと思いますし、ぜひともさらなる進歩で年四回の「鰻を食べようキャンペーン」を盛り上げていただければと思います。
まっかく言う私はさほど鰻好きでもありませんので、どうでもいいっちゃどうでもいいんですけどね。(笑)

養殖といえば、
鰻の蒲焼きと鮪の刺身を並べられれば間違いなく鮪の刺身を取る私にとっては、クロマグロの完全養殖のほうが気になるんでありまして、こちらも先日、初の輸出が始まったとのニュースが流れていました。
近畿大学水産学部で2002年初の完全養殖に成功してから早8年、今や「近大鮪」は一部市場へ、さらには輸出ということになっているわけで、いずれスーパーに並ぶ鮪のほとんどが養殖鮪という日が来るのかもしれませんし、価格も手頃で安定するといった事になれば・・・・期待しちゃいますよね。


近大鮪の卒業証書

でも一つ心配なのは「春無し年?」じゃないけど、技術の進歩は『旬』を無くすという事へもつながる可能性もあるわけで、益々季節感が無くなってしまうかもしれません。
「いや、それでもいい、旨い鮪が喰いてぇよう・・・・」(笑)

さて、今日の一枚は、ナット・アダレーです。
彼のワンホーンものをあまり良く言わない私ですが、嫌いじゃないんですよ。
このアルバムもじつにシックリ来る良いアルバムなんでありますが、どうにもナットという人は、アワセに行くタイプのトランペッターに思えてしまうのは、やっぱり私の偏見でしょうか?「ナットでなければ」という感覚が私には生まれないんです。

そんな私の個人的意見は別にして、今日のアルバムです。
「HALF-TIME」以外は全てナットのオリジナルです。私はこの作編曲者としての彼を高く評価します。
ジム・ホールにしてもケニー・バレルにしてもギターがじつに効果的だし、ジュニア・マンスのピアノも活きています。
つまり、こういった隙の無さがナットらしさなのかもしれませんね。

とんでもなくお勧めといった一枚ではないかもしれませんが、聴いて損のない一枚だと私は思います。

LITTLE BIG HORN ! / NAT ADDERLEY
1963年9月23日, 10月4日録音
NAT ADDERLEY(cor) KENNY BURRELL, JIM HALL(g) JUNIOR MANCE(p) BOB CRANSHAW(b) MICKEY ROKER(ds)

1.EL CHICO
2.FOO FOO
3.LONELINESS
4.LITTLE BIG HORN
5.HALF-TIME
6.BROADWAY LADY
7.ROSES FOR YOUR PILLOW
8.HUSTLE WITH RUSSELL


バブ流離乳食?

2010年04月15日 | g-i

天候不順が原因か、はたまた高騰による野菜の摂取不足が原因かは不明ですが、昨晩はこの私が一滴のアルコールも体内に入れずに、しかも、11時には寝てしまったという・・・・・・これはさらなる天変地異の前ぶれか(笑)

とまぁ冗談はともかく『気象病』ではないでしょうが、昨晩はどうにも体調が優れず、アルコールどころか食欲も湧かず、ただ睡魔だけが襲ってくるといった常態で、それでも「何も食べずに早く寝て、夜中にインスタントラーメンを作って食べてる」ってんじゃ益々体調を崩すと思ったので、こんな物を食べて寝ました。

なんだと思います?
じつはおろし林檎なんでありますが、ただのおろし林檎じゃありませんで、スプーン一杯の蜂蜜とたっぷりの牛乳が入っています。(あっと、塩も少々ね)
蜂蜜は入れても入れなくても良いんですけど、あたしゃこのおろし林檎に牛乳ってぇのが大好物でして、昔っからちょっと体調が悪いときなんかによく食べるんです。

ところが、この食べ方を他人様に言うと「なにそれ!」と馬鹿にされるので、ここでも紹介を控えていたわけで・・・・・

私が子供の頃、ひきつけ、つまり熱性痙攣をしょっちゅう起こしていて、そのたびに身体を温めるためにと梅酒を飲まされ、これが原因で酒好きになったんじゃないかというお話しは以前もしましたが、おろし林檎もまたその時に母が食べさせてくれたことが好きになった原因だと思います。
ところが、母によれば「おろし林檎は食わせたけど、牛乳を入れた覚えはないんだけどなぁ」と言うのです。
ではいつからこんな物が好きになったのか?

私もいつからだったかはよく覚えていないんですが、「牛乳は林檎の何とかという物質を甘く変える効果がある」てな事を何かで耳にしたのを覚えていて、それ以来これを好きになったのだと思うんです。(他人事のようですけど曖昧な記憶なんで)

そんでもって、こんなのが好きだというとあまりにも馬鹿にされるので、ネットで調べてみましたよ。
するとどうでしょう、Googleの検索でも13万を超えるヒット数じゃありませんか、ダイエット食としてだって紹介されてますよぉ。
「ほれみろ、やっぱ林檎と牛乳の組み合わせはおかしくねぇんだよ」
「でもほら、どれ見てもジュース感覚のばかっで、アンタみたいにして食べてるのは無いジャン」

ほんと、うるさいですよねぇ「ああ言えばこう言う」
良いんです、形は違えど中身は一緒、これからもバブ流離乳食?違う違うバブ流林檎乳食を美味しいと言い続けるぞう!

さて、今日の一枚は、アンドリュー・ヒルです。
「SMOKE STACK」とともに入手しました。
この人は、アルバムごとにオリジナル・チューンを書き下ろし、楽器編成もそれぞれに異なるんですけど、ここではパーカッションを加えてリズムに重きを置いています。

簡単に「アフリカンとフリーの融合を目指した」なんて言う方もいますが、カリビアンにも聞こえたりして?ともかく、ヒルの発想は常にユニークです。
そのユニークさを「なんだヒッチャカメッチャカじゃん!」とおっしゃる方がいれば、それは「純な心で何度も聴いてみる」ということを怠っているからだと、思っちゃったりしたりして(笑)

ともかく、ただ音にまかせておもむくままに体感する、そんな一枚だと私は思っています。
バブ流林檎乳食と同じく、先入観を持って味わったのでは本当の味がわからんのですよ、はい。(笑)

COMPULSION !!!! / ANDREW HILL
1965年10月3日録音
ANDREW HILL(p) FREDDIE HUBBARD(tp,flh) JOHN GILMORE(ts,bcl) CECIL McBEE, RICHARD DAVIS(b) JOE CHAMBERS(ds) NEDI QAMAR(perc) RENAUD SIMMONS(conga)

1.COMPULSION
2.LEGACY
3.PREMONITION
4.LIMBO


『MY FAVORITE THINGS』考?

2010年04月13日 | a-c

まったくもう暖かかったり寒かったり、そりゃこの季節多少はやむを得ないにしても、こう温度差があっちゃねぇ、着る物もそうですけどもっと問題なのは何をかけて寝りゃいいかってぇ事で、そうじゃなくとも酒を飲んだ後の私の寝相はそうとうなもんらしいですから、せめて最低気温だけでも安定してくれると助かるんですけどね。

♪ ムム・・・・with the sound of music ♪
最近Mさんのお店のBGMに頻繁に流れるのが「THE SOUND OF MUSIC」でありまして、これが耳に付いて、歌詞も知らないくせについつい腕まで拡げて鼻歌を・・・・
「何ですかそれ?」
「何それって、サウンド・オブ・ミュージックを知らん?」
二十二、三の女の子にはわからんですかねぇ

「そりゃ無理もねぇんじゃねぇ、だって映画の『サウンド・オブ・ミュージック』の公開って、60年代前半か中ごろじゃねぇかぁ、そりゃわかんねぇって」(正確には1965年公開のようです。)
とは、同年代のOさんです。
「いやだからね、ほんじゃ『MY FAVORITE THINGS』なんかもっと知らないと思って、また鼻歌を唄ったわけよ。そしたら「あっ!JR!」って、あの宣伝だってずいぶん昔だろ?」
とまぁそんなことから、話題は『MY FAVORITE THINGS』の事になりまして、Oさんもまたジャズをお聴きになるもんですから
「ところでさぁ、何でコルトレーンは『MY FAVORITE THINGS』を演奏するようになったんだぁ?その前に誰かが演奏しているのを聴いたとか、ブロードウェイでミュージカルを見て感激したとか?????なんで?」
トレーン教信者(笑)としてはスパッとお答えせねばイカンのでしょうが、
「・・・・・・?」

マッコイ・タイナーによれば『ジャズ・ギャラー』に出演中、楽屋へ売り込み屋が楽譜を持ち込んだのが『MY FAVORITE THINGS』だったと回想しています。
また一説によれば、じつはその前からコルトレーンが同曲の楽譜を探していて、そのきっかけは「ある男にこの曲をやってみたらと言われた。」だった?
だけどね、とある男がiPodの片方のイヤフォンをコルトレーンにわたして「聴いてみな」なんて事は出来なかったわけで、目の前で誰かが演奏していた、あるいは歌っていた状況下でしか「この曲」という進め方は不可能だとも思うんですよね。だとすればブロードウェイ?
ブロードウェイでの初演は1959年ですから、ここで聴いていればたしかに1960年のアルバム「MY FAVORITE THINGS」の録音まではちょうど良い時間経過であるようにも思うし・・・・・・

いずれにしても、1060年9月29日号のダウンビート誌でコルトレーンが
「そのレパートリーの中で可能な限り多くの種類の音楽を網羅したいんだ、そしてそれをジャズのフォーマットにはめ込んで、自分の楽器でプレイしたいんだよ。」
と語っていることを思うに、
一度耳にした『MY FAVORITE THINGS』の楽譜が、売り込み屋からでも何でもいいけどとりあえず手に入り、やっと理想に近づいたカルテットの初レコーディングで、さらに満を持して披露出来るまでになったソプラノサックスで、ワルツをジャズのフォーマットにはめ込んで演奏するのが良かろうと判断したのではないかと・・・・
ただ、別テイクでテナーでも同曲の録音を行っていますから、最終判断はレコーディング当日であったとは思いますが

あはは、Oさんの疑問に対する我が回答は、単なる考察になってしまいました。
結局どんな出会いであれ、『MY FAVORITE THINGS』はミュージカル本体よりもコルトレーンの音楽として大ヒットし、さらにジミー・ギャリソンを迎えたカルテットは伝説のカルテットとなり、ソプラノサックスはジャズの表舞台に飛び出したのでありました。

おっ珍しくも今日は、いくぶんジャズブログらしい話題だったかな?

さて、今日の一枚は、もちろんコルトレーンですけど
彼の「MY FAVORITE THINGS」は、ほぼ全て紹介済みだと・・・・
「あっ「AT NEWPORT JULY 2,1966」があんじゃん」
なんても思ったのですが、マッコイを引き合いに出して彼抜きっていうのもねぇ、そんでこんな飛び道具みたいなCDを持ってきました。(笑)

このCDは、アルバム「SELFLESSNESS」のニューポート部分に「IMPRESSIONS」を加え、アルバム「NEW THING AT NEWPORT」のコルトレーン・カルテット演奏分に一度お蔵入りした「MY FAVORITE THINGS」を引っ付けたという代物でありまして、「SELFLESSNESS」も「NEW THING AT NEWPORT」も持っていない、さらにロイ・ヘインズのオムニバス、コルトレーンのオムニバスも持っていない、という方はぜひお買い求め下さい。(笑)

ちなみに、「SELFLESSNESS」を紹介したときに語ってしまいましたので、ここでは深く触れませんが、「MY FAVORITE THINGS」後半部のコルトレーンのソロ、これだけで私は涙を流せます。(笑)

MY FAVORITE THINGS COLTRANE AT NEWPORT
1963年7月7日, 1965年7月2日録音
JOHN COLTRANE(ts,ss) McCOY TYNER(p) ROY HAYNES[1~3], ELVIN JONES[4~5](ds) JIMMY GARRISON(b)

1.I WANT TO TALK ABOUT TOU
2.MY FAVORITE THINGS
3.IMPRESSIONS
4.INTRODUCTION - Father Noman O'Cornor
5.ONE DOWN, ONE UP
6.MY FAVOTITE THINGS


また才能が逝く

2010年04月11日 | m-o

今日は雲は多かったもののじつに暖かい一日でした。

午後からいつもの我がサイクリングコースである公園をぐるっと回ってきましたけど、まだお花見するほどの桜でもなく、それでも春の暖かさに子供から大人まで楽しそうに遊んでおりました。桜の見頃は今週末かな。

♪ 波を ちゃぷちゃぷ ちゃぷちゃぷ かきわけて
 (ちゃぷ ちゃぷ ちゃぷ)
雲を すいすい すいすい 追い抜いて
 (すい すい すい)
ひょうたん島は どこへ行く 
ぼくらを乗せて どこへ行くウーー ウーー・・・・♪

作家、井上ひさし氏が去る9日にお亡くなりになりましたねぇ、享年75才ですかぁ・・・・・それにしてもこのログでも訃報に関する記事がなんだかとても多いような気がして、少しめいってしまいますが、でも触れないわけにはいかんでしょ。

完全な『ひょっこりひょうたん島世代』である私が、はじめて井上ひさしの名を見たのは、とうぜん主題歌と共に冒頭にバーーーンと出てくる「作 井上ひさし 山元 護久、音楽 宇野 誠一郎」というあのテレビ画面であったはずです。
だけどねぇ、当時は「井上ひさしという人がどういう人なのか」なんてぇことには興味はなくて、たんに毎日人形劇を楽しみに見ていただけでしたから、意識してこの人名を見たことはありませんでした。

私が井上ひさしという名を完全に認識したのは、たぶん『モッキンポット師の後始末』を読んでからだったと思います。
「へぇ、赤ワインはこうやって飲むんだぁ・・・・・ふぅ~~ん、寒いときには新聞紙が一番役にたつねぇ・・・・」
たしか私がまだ中学生の時で、まだまだ読書に勤しむ時間(笑)が少なかったこの私が、フランス人の牧師モッキンポットと貧乏学生が繰り広げるハチャメチャな騒動が可笑しくて面白くて、この本だけはあっという間に読んでしまった覚えがあります。

その後、『ブンとフン』『青葉繁れる』『ドン松五郎の生活』『新東海道五十三次』『吉里吉里人』『キネマの天地』・・・・・・いろいろ読みましたけど、私には後にも先にも『モッキンポット師の後始末』の印象が一番強いように思います。

平和主義者、護憲派・・・『無防備都市宣言』なるものは何なのか?私は井上氏の文章で学んだように思ったのですが・・・・違うかな?(笑)
前妻の書いた『修羅の棲む家』には、ちとビックリしましたが、これもまた持て余す才能と若さとの格闘の経緯に過ぎないと、勝手な解釈をしています。

いずれにしても、また一つの才能が逝った事をとても残念に思います。合掌。

♪ 丸い地球の 水平線に 何かがきっと 待っている
苦しいことも あるだろさ 悲しいことも あるだろさ
だけど ぼくらは くじけない 泣くのはいやだ 笑っちゃおう
進め
ひょっこりひょうたん島 ひょっこりひょうたん島
ひょっこりひょうたん島 ♪

ということで、今日は日曜日、『料理当番、本日の一品』です。

カッコ良く言うと「ポテトと挽肉のミルフィーユ風」?
いやいや、そんなカッコイイもんじゃありませんね、「挽肉と玉葱の炒めた物・チーズ・マッシュポテトを重ねて焼いた、わけ分からんもの」です。(笑)
付け合わせは、いただいた生ハムを使ったサラダと、挽肉と炒めるのに余った玉葱入りナポリタンです。
それでも見た目以上に美味しくて、ビールがすすみました。母は
「ご飯のおかずじゃねぇ!」
って怒ってましたけどね。(笑)

さて、今日の一枚は、カル・マッセイです。
えっ?あまり聞いたことがない?
う~~んそうですよねぇ、コルトレーンの初リーダー盤プレスティッジ「COLTRANE」の一曲目「BAKAI」や「THE BELLEVER」の二曲目「NAKATINI SERENADE」、アーチー・シェップの「THINGS HAVE GOT TO CHANGE」の作曲者で、マッコイ・タイナーやフレディ・ハバードが彼の作品を多く取り上げた70年代になってやっと脚光を浴びたのですけど、すぐに他界してしまったんで不遇の作曲家とも言われていますよね。
ほら、ひょっこりひょうたん島の井上ひさしのように「名前は出てたけどその時は気にしない」ってパターンのように、彼の作品がかなり多くのアルバムに入っていますから、「作 カル・マッセイ」を探してみるなんてぇのも面白いかもしれません。

トランペッターとしても注目を集めたということはそうそう無くて、最初ニューヨークに出てきたときには、アート・ブレーキーに出会って共演なんかもしたようですが、メッセンジャーズに誘われることもなく、フィラデルフィアでマッコイ、ジミー・ギャリソンなんかと演奏をしていた関係でコルトレーンとも共演したりして、この時にコルトレーンは彼の作曲力に注目したのだと思います。コルトレーンが「AFRICA / BRASS」のアレンジャーに彼を起用したのも彼の作曲力を高く評価していたからでしょうね。

そのカルのトランペット演奏を聴けるこのキャンディド盤は貴重な一枚ともいえるかもしれません。

そうですねぇ、それほど張ったトランペットじゃありません。どちらかといえば内向きな音とでも言いましょうか・・・・
こう言うとなんだか悪いように聞こえるかもしれませんが、私は個人的にこのアルバム、嫌いじゃありません。いや、むしろ好きかも・・・ジミー・ギャリソンが参加してますしね。(笑)

BLUES TO COLTRANE / CAL MASSEY
1961年1月13日録音
CAL MASSEY(tp) JULIUS WATKINS(frh) HUGH BRODIE(ts) PATTI BOWN(p) JIMMY GARRISON(b) G.T.HOGAN(ds)

1.BLUES TO COLTRANE
2.WHAT'S WRONG?
3.BAKAI
4.THESE ARE SOULFUL DAYS
5.FATHER AND SON