JAZZを聴きながら ふたたび

恥も顧みないで再々開、よろしければお付き合いを

ウワバミは休みを知らず

2009年09月30日 | d-f

今週に入り、ハッキリしない空模様が続いています。この天気が過ぎるとまたさらに秋が深まる、これもまた季節の移ろいですからしかたがありませんね。

大型連休も実質二日しか休めなかった私は、「辛い」の一言で本日年休を取ることといたしました。(笑)
撮り溜めした「東京JAZZ 2009」二日分をゆっくりと鑑賞しています。

「東京JAZZ 2009」が映し出されるテレビの前に並び立つ物は、昨晩貪欲な我が胃袋の餌食となった面々です。
帰宅時間が午前1時近かったにもかかわらず、「明日は休みダァ!」となればそこそこの酒量が進むのも我が因果(?)
一昨日Mさんのお店に入荷したばかりの、日本で初の缶ビールを復刻した「アサヒゴール」と、いつもの「キリンラガー」との飲み比べに始まり、泡盛、バーボンと就寝は3時頃になってしまいました。

「あれ?」とお気づきの方はいらっしゃいますでしょうか?「バブが、自宅で泡盛?」ってです。
そう、焼酎系をあまり得意としない私が、昨晩は自宅で泡盛を飲んだのであります。えっ?私の酒の好みなんてどうでもいいし、気にも止めなかった?
まぁまぁ、じつはこの泡盛『古酒くら』は、ミャンマーに学校を建てようと奮闘しているアウン・カイン・ソー君が、沖縄研修のお土産にとわざわざ買ってきてくれた一品なのであります。

「なになに
発売以来、泡盛史上で例のないロングセラーを続ける琥珀色の泡盛、古酒「くら」。樫樽で熟成させることによって、泡盛は透明であるというこれまでの常識を覆した「くら」は、いまでも地元はもちろん、世界の舞台でも大きな評価を受け続けています。そのまろやかな味わいとさわやかな酔い心地を、ぜひ一度ご賞味ください。
ほう、樽熟成ですか。」

たしかに、焼酎をそれほど好まない私でも飲みやすい・・というかそこそこ美味しいじゃござんせんか。
でもねぇ、こりゃいけません。ロックグラスに三杯飲むのに20分とかかりゃしない、スイスイと水のごとく『ウワバミ・バブ』の餌食となってしまうのです。あわててバーボンに切り替えました。(笑)

いずれにしても「バブさんは『ちんすこう』より、こっちのほうが良かったでしょ」と、気を遣ってくれたアウン君に感謝です。
でもね、これからはお土産なんて買ってこなくていいからね。

ん?ジャズ・ブログ(自称)なんだから「東京JAZZ 2009」に触れるべきだったかぁ?
それは今日、明日の放送も見てからにしましょう。

さて、今日の一枚は、ケニー・ドリューです。
私好みのドリューというと、リヴァーサイドの「KENNY DREW TRIO」や、ブルーノートの「UNDERCURRENT」、あるいは、コルトレーンやジョニー・グリフィン、テッド・カーソンのリズム・セッションとして、といったあたりがメインなんでありますが、そのまっただ中の時代に、以前に紹介したリヴァーサイドの「PAL JOEY」、そしてJudsonに残る「HARRY WARREN SHOWCASE」「HAROLD ARLEN SHOWCASE」の二枚(これは、私持っておりません。)、そして今日のこのアルバムと、「何故にこんなアルバム?」と思わせられる作品をドリューは残しています。

いったい何処がどう違うのか、これはお聴きになれば一目瞭然、いや一耳瞭然(笑)なんでありますけど、
それは、ディオという編成に原因があるわけでもなく(だって相手はウイルバー・ウエアですからね、バリバリのブイブイのハード・バップだっておかしくないですよ)、Judsonレーベルの二枚はそのレーベル特性とも言えるのですが、これはリヴァーサイドですしねぇ。
お聴きになるとよく分かりますが、ディオといっても二人が絡み合いもつれ合い競い合うといった場面は全くなく、ドリューのピアノの遙か彼方でウエアのベースが聞こえてくる、てな感じなんです。
ひょっとしたら、ドリュー自身が「私の美しい音色は、ハード・バップのものだけじゃない」なんて思ってたんでしょうかねぇ?

2,30年前の私なら「こういったドリューはどうしても許せない」といった感じでいたかもしれません。(事実あまり聴きたいと思うアルバムではありませんでした。)
し・か・し・・・・・
疲れきった夜遅くに酒を一人飲んでいる(昨夜のようにね)、そんな時にまったく邪魔にならない音楽は必要なんでありますよ。しかも好きなドリューで聴けるんですから、今となっては「Judsonの二枚も欲しい」って思ったりして(笑)

ところで、このジャケットですが、みなさんはどう思います?
(ちなみに持っていないので写真紹介できませんが、Judsonの二枚も、鹿に傘をさした裸の白人女性、折り鶴と地球型のバルーンみたいな物を持った裸の白人女性、というジャケ)
・・・・・・・う~~ん、適当かどうかは、見る者それぞれでしょうね。

I LOVE JEROME KERN / KENNY DREW
1957年録音
KENNY DREW(p) WILBUR WARE(b)

1.THE WAY YOU LOOK TONIGHT
2.I'VE TOLD EVERY LITTLE STAR
3.CAN'T HELP LOVIN' THAT MAN OF MINE
4.MAKE BELIEVE
5.I'M OLD FASHIONED
6.ALL THE THINGS YOU ARE
7.LONG AGO AND FAR AWAY
8.ALL THROUGH THE DAY
9.THE SONG IS YOU
10.SMOKE GETS IN YOUR EYES
11.WHY DO I LOVE YOU ?
12.YESTERDAYS

おまけ、
先日「CDを探しに行ってみる」と言っていた、夏川りみの「ココロノウタ」、ツタヤさんで借りてまいりました。

昨日からずっと車中で聴いていますが、なかなかよろしいんじゃないですかねぇ。
今日の午前中、母を皮膚科に送迎したのですが、母も
「あらまぁ、○○にしては、いい音楽かけてんなぁ・・・」(ジャズなどもちろん聴く耳持っておりませんので。笑)
と、何故か喜んでおりました。
母を車に乗せたときには、しばらくこのCD-Rをかけさせられそうです。


JAZZ聴くんだば新潟?

2009年09月27日 | p-r

今日は日曜日、昨日までの秋晴れが嘘のように雲が立ちこめていますが、ボケ~~っとするには最適でした。(笑)

「新潟に花村さんなんて知り合いいたっけ?」
「新潟?????」
昨日届いた封書に家人がそう訊いてきました。
「花村圭さん・・・花村・・・・・あ~~」
花村圭氏とは、雑誌『ジャズ批評』に自らレビューを執筆なさりながら、編集にも係わっていらした方で、私が同誌に投稿のさい、お世話になった方です。
「あれ?でも何故に新潟?????」

開封すると、中には『新潟ジャズストリート』のパンフ、『JAZZ CITY 新潟MAP』という冊子とともに
「新潟に移住して3ヵ月、JAZZ漬けの毎日です。・・・」
とのお手紙が

花村氏は3ヵ月前から新潟市の古町通に『Cats house』というJAZZY SPACE(ジャズを聴かせるジャズバー?ジャズ喫茶?だけでなく、中古レコードの販売も兼ねたお店のようです。)をオープンされ、ここを中心にジャジーな毎日を過ごされているようです。

新潟といえば、横浜、神戸ほどメジャーでは無いものの、ジャズ喫茶『SWAN』を始め老舗うごめく(笑)知る人ぞ知るJAZZの街です。
さらに今回冊子をいただいたことで、『新潟ジャズストリート』等、多くのイベントや、ジャズに係わる各店舗の連携する姿に、「JAZZ CITY」として盛り上げていこうという意気込みを感じました。
なるほどこの街なら、花村氏がお店を開こうとなさった主旨がくみ取れます。

かく言う私と新潟という街の係わりですが、
我が田舎から新潟までは、高速道路の開通で日帰りも可能になったにもかかわらず、過去仕事がらみで数回行ったことがある程度で、老舗『SWAN』にすらおじゃましたことがありません。
大きなイベントがない日でも、この冊子を片手に新潟の街を放浪してみるのも悪くありませんね。今度ぜひおじゃましたいと思っています・・・・・
とか言いながら、「冬は雪がぁ」てな調子で来春以降になりそうですけど。(笑)

ともかく、新潟にお出掛けの際は、花村氏のお店を訊ねてみてはいかがでしょうか。そして、「新潟のシャズ事情をリサーチして、夜の街に繰り出す。」これって、有りですよね。
「JAZZ聴くんだば新潟」ですかね。(笑)

今日は日曜日、ここでいつものように『料理当番、本日の一品』です。

まずは、鶏にジャガイモの細切りを混ぜた衣を付けて揚げてみました。見た目はイマイチですが、まぁまぁのお味でした。

こちらは、タコのワサビマリネ。
オリーブ油、レモン酢、塩、醤油、ワサビで作ったマリネソースに、薄切りにしたタコを30分ほど漬け、湯がいて冷やしたキャベツといただきました。
なかなかの酒のアテでしたよ。

さて、今日の一枚は、サム・リバースです。
ブルーノートにおける彼の第二弾アルバムは、サイドをいわゆる新主流派の若手で固めた一枚となりました。

リバースというと、どうしても「マイルス・バンドをすぐにクビになった人」的印象が強いのですが、マルチリード奏者リバースを侮る無かれ、ブルーノートに残る彼のアルバムは、以前「FUCHSIA SWING SONG」を紹介したときにも言ったように、軽視すべきではないと私は思っています。
正直、ハービー・ハンコック、ロン・カーターという組み合わせは、「絶対好きって言わないぞ!」といった個人的感情はありますけどね。(笑)

ジョー・チェンバースの鋭いリズム、へたすりゃリバースより張り切っているフレディ・ハーバード(やっぱりハンコックはほめない。笑)、なかなか聴きごたえのある一枚だと思いますよ。

CONTOURS / SAM RIVERS
1965年5月21日録音
SAM RIVERS(ts,ss,fl) FREDDIE HUBBARD(tp) HERBIE HANCOCK(p) RON CARTER(b) JOE CHAMBERS(ds)

1.POINT OF MANY RETURNS
2.DANCE OF THE TRIPEDAL
3.EUTERPE
4.MELLIFLUOUS CACOPHONY

追伸、
花村氏のお店『Cats house』の所在地をあらためて紹介します。



住所:新潟市中央区古町通6番町965-1 古町ビル裏口2階
TEL / FAX:025-224-1667
営業時間:カフェ11:00~18:00(ランチタイム11:00~14:00)
バータイム18:00~25:00


私やっぱりテレビっ子

2009年09月25日 | a-c

今日はまさに秋晴れ、気持ちが良いもんです。秋にしては少々暑いようにも思いますが、これもご愛敬でしょう。
残念だったのはその秋空も昨日からで、私にとって貴重な完全休日だった連休最終日は、曇り空だったことです。まっ、墓参り以外は一歩も家を出なかった私には曇りでも晴れでも関係なかったっちゃなかったんですけどね。(笑)

では、その貴重な完全休日にブログの更新もせず私が何をしていたのか、
あら珍しやテレビにかじりついておりました。
えっ?何を見ていたかって?
そりゃア~タ、野球ですよ野球。
いやぁジャイアンツのV3、原君頑張ってくれましたよぉまったく。
根っからのジャイアンツファン(正確に言えばそれ以外知らない)の母は、地上波での野球中継の激減に日々悶々としておりましたが、しっかり優勝の瞬間は見られたと大喜びで、
「原はいい監督になったぁ」
と、感激しておりました。
昨今の群雄割拠、戦国時代のようなプロ野球の世界でV3とは、たいしたものだと私も思います。とにもかくにも優勝おめでとうございます。
あとは日本一を奪還していただければ、我が母も気持ちの良いオフシーズンを迎えられると思いますので、「よろしくたのんまっせ、原君」

連休最終日は、母の感激に便乗して、いつもより多めの晩酌を済ますと、次に見始めたのは、じつは野球中継の裏で延々と放送されていた二代目、桂 枝雀の落語を特集したNHK『落語 桂枝雀の世界』でありました。しっかり録画しておいたんですねぇ。
昭和52年の『軒づけ』にはじまり『天神山』『風邪うどん』『上燗屋』『鉄砲勇助』『宿替え』『こぶ弁慶』『貧乏神』『時うどん』、ざっと9席をたっぷり聴かせていただきまして、気が付けばブログの更新すら忘れてしまっていたと、そいうわけです。(笑)

そこまで釘付けになった枝雀落語ですが、じつをいいますと、私は今までそれほど聴いた落語家では無いんでありまして・・・・それは上方落語に対する一種の偏見からなのか?いやいや、おそらくは上方落語をほとんど高座で見る機会が無かったからかもしれません。
ともかく、これだけまとめて桂枝雀の落語を聴いたのは初めての経験なんです。

番組中の対談で林家正蔵が、「西の枝雀師匠には桂米朝師匠、東の立川談志師匠には柳家小さん師匠という人間国宝の師匠を持つ二人、しっかりした古典の裏打ちを持ったればこそ、ある意味、それを崩していっても、あれだけの落語ができるんだろう」てなこと言っておりましたが、談志と枝雀ではスタイルが全く違いますよね。つまりそれは師匠の対比ともいえるのでありましょうか?

落語に限らず、どんな芸でも、いや、スポーツでも芸術でも、ともかく何にしても、基礎があってこそのそれってぇことには納得します。
パッと見子供の絵のような絵画にとんでもなく高い評価なんかがついてますと、「これくらいならオレでも描けんじゃねぇ・・」なんて、大きな勘違いをする、あれです。
絵画どころじゃありませんよ、バリバリのフリー・ジャズなんか聴くってぇと
「なんだいこりゃ、ただブーカブーカ吹いてるだけじゃねぇか、こんなんならオレッチだって・・・」
できるもんならやってみろ、でありますよね。

話を戻しましょ。
二代目、桂 枝雀といえば、最期は自宅での首つり自殺というショッキングなものでありました。
うつ病発症は枝雀を襲名する前、桂小米の時代であったそうですが、何事に対しても正面からストイックなまでにそれを突き詰める、そんな方だったのでありましょう。まさに彼の芸にはそのあたりが滲み出ているようにも思えます。
「だからこその境地」う~~ん、これもまた天才たらん姿なのでありましょうか?
私などは、なんとなく、バド・パウエルやフィニアス・ニーボーンJr.を頭に浮かべてしまいます。

イチロウではありませんが、漫然と日々を過ごす天才なんてぇ者は、この世にいないのでありましょう。
つくづく凡人で良かったなぁ・・・・いや、天才になるほどの精神力を持ち合わせない自分を恥じるべきでしょうね。

と、そんなことを思いつつも、枝雀落語でおおいに笑った連休最終日でした。
あれ?「テレビはあんまり見ないんですよ」と言っていたはずなのに・・・・ひょっとして私って、テレビっ子?

さて、今日の一枚は、フィニアス・ニューボーンJr.です。
話の流れから発病後のフィニアスと限定したので、ハワード・マギーの「MAGGIE'S BACK IN TOWN」も考えたのですが、やはり、大好きな「HARLEM BLUES」と同録のこのアルバムを選びました。

そんな言い方をすると最初に「HARLEM BLUES」ありき、のように思われるかもしれませんが、この時の録音は全15曲、うち8曲がアルバム化され、後にお蔵入りとなっていた7曲が日本だけでアルバム化されたのが「HARLEM BLUES」ですから、この時の録音をもとに作られた正式アルバムは、今日のこの一枚ということになります。

それにしても、エルビン・ジョーンズ、レイ・ブラウンという両雄を向こうに回し、何故にこれだけの演奏を入退院を繰り返す男ができたのか?
じつにブルージーな表題曲「PLEASE SEND ME SOMEONE TO LOVE」なんて、私ゃもうメロメロでございます。(笑)
エリントンナンバーの「COME SUNDAY」も良いし・・・・・・ともかく、調子の良いときのファニアスはいい。(ハートマークを入れたいところですが、絵文字はどうも...笑)

一家に一台、いや、一家にこの日の録音盤二枚は、必需品でありますよ。

PLEASE SEND ME SOMEONE TO LOVE / PHINEAS NEWBORN JR.
1969年2月12,13日録音
PHINEAS NEWBORN Jr.(p) RAY BROWN(b) ELVIN JONES(ds)

1.PLEASE SEND ME SOMEONE TO LOVE
2.ROUGH RIDIN'
3.COME SUNDAY
4.BRENTWOOD BLUES
5.HERE'S REAL GONE GUY
6.BLACK COFFEE
7.LITTLE NILES
8.STAY ON IT


二度寝と三度栗

2009年09月22日 | g-i

「バブさんはいつも何時ごろ起きるんですか?」
「えっ?オレ?・・・そうだなぁ。だいたい6時半から7時くらい。」
「え~~だって、○○(Mさんのお店)に行く日は、帰りが12時過ぎるんでしょ」
「うん、だってお店があろうと無かろうと寝るのは2時くらいになっちゃうから、いっしょっちゃいっしょなのよ。」
「よくそれで身体もちますねぇ」
「うん、昼間、それほどの仕事してないから、アハハ・・・」

そう言われれば、寝不足は万年化しているようにも思えます。そこで、本業が休みなら寝坊も良かろうと、今朝は二度寝をかましました。・・・・・が
「もう起きてきなよ!」
そういう朝にかぎって、こうなんですよねぇ。二度目の睡魔を妨げられるほど気分の悪いものはありません。
「あ~~なんだよぉ、休みの日くらいゆっくり寝させてくれよぉ~~」
と、じつに不機嫌、ワガママバブ全開です。
「なぁ~~に、炊きたてが美味しいと思ったから起こしたのに、怒られたんじゃバカみたい。」

食卓には、今年初の栗ご飯と、昨日私が仕込んでおいた秋刀魚の煮付けが、まさに秋なのであります。だ・け・ど
「いやぁ、栗ご飯は嬉しいけどさ、なにも朝じゃなくても・・・・しかも無理矢理起こして・・・」
「なに言ってんの、夜炊いたって、うちには夜は米を喰わないっていう贅沢者がいるでしょうよ。」
「・・・・・・・・」
 
 栗飯の 給仕して居る 娘哉

てな正岡子規の句がありましたね。
そりゃね、二度寝を起こされても、いつからどんな仲の若い娘か知らないけど、そういう女(ひと)の給仕ならねぇ・・・・・・こらぁ~~!

栗といえば、
我が大学のまわりには栗の木が多くてねぇ、春には花の匂いが妄想を呼んだりしましたっけ、って、そうじゃなくて、静岡の掛川出身のSがその栗の木を見上げて、
「大谷には、年に三度実をつける『三度栗』ってぇのがあるんだぜぃ」(大谷は現在静岡県袋井市になるのかな?)
世に言う『家康の三度栗』ってやつであります。

浜松城主家康が、甲斐の武田信玄にやられっぱなしの頃、家来とともに大谷の山中で弁当を拡げたんだそうで、
「なんだよぉ、箸がねぇじゃねぇかよぉ、オレに手で喰えってかぁ」
まっそんなことは言わなかったでしょうが、慌てた家来が近くの栗の枝を2本折って
「殿、これをお使い下さい。」
今なら
「やだぁ、家康、そんなんじゃたべれなぁ~い」
てなところですが、もちろんそんなこたぁ言いません。
美味しくお弁当をいただいた家康は、箸に使った栗の枝をグッと地面にさし
(そこの僕、割り箸だからって公園の地面に箸をさしてきちゃダメだよ。)
「芽が出よ。そして、わしが天下を取ったら1年に3度実をつけよ」
と言ったんですな。
すると、あら不思議、その枝から芽が出て、家康が江戸幕府を開くと年に三度実をつける栗の木になっていたという。

その『家康の三度栗』が大谷にあると、Sは自慢げに語ったわけです。

ところが、この『三度栗』ってやつは、全国各地にある不思議でもなんでもない栗の木なんだそうでありまして、しかも三度実をつけるというよりは、長い期間実が採れる栗の木という事らしく、博学のIが
『三度栗』は、弘法大師、空海が、それに関していろんなところで伝説を残してるから、あんまり自慢しない方がいいと思うよ。」
今考えると、Iは嫌なヤツですねぇ・・・・ウソウソ(笑)

ともかく、そんなことを思い出していたら目も覚めてきて、美味しく栗ご飯をいただいたのでありました。
こうして、シルバーウイークの後半は、二度寝を起こされ不機嫌なバブと、秋の味覚で明けたのでした。チャンチャン。(笑)

さて、今日の一枚は、グラント・グリーンです。
久しぶりにアルバム名が話題に合っているように思いますが、グリーンの泥臭い?いやアーシーなギターは、けして朝むきとは言えないかもしれません。
でも、マッタリと二度寝をかまして、「EXODUS」を聴くなんてぇのも悪くないんじゃないっすかねぇ(笑)

そうそう「EXODUS」は、映画『栄光への脱出』のテーマ曲でしたね。ユダヤ人地下組織のリーダー、ポール・ニューマンが活躍するイスラエル建国物語でありました。そういえば、監督はオットー・プレミンジャーだったですよねぇ、どうして彼の『PORGY & BESS』はDVD化されないんでしょ?見たいんだけどなぁ・・・・

おっと思わぬ脱線で、また話が長くなってしまいます。
ともかく、このアルバムのミソは、良くも悪くもケニー・ドリューのピアノにあるかもしれません。

テクニックより気持ちで押してくるグリーンとドリューの個性が合間って、これをドリューがグリーンを喰っていると捉える方もいますが、私はじつに心地よい響きに仕上がっていると思っています。

SUNDAY MORNIN' / GRANT GREEN
1961年6月4日録音
GRANT GREEN(g) KENNY DREW(p) BEN TUCKER(b) BEN DIXON(ds)

1.FREEDOM MARCH
2.SUNDAY MORNIN'
3.EXODUS
4.GOD BLESS THE CHILD
5.COME SUNRISE
6.SO WHAT


感動したら買わなくちゃ

2009年09月21日 | p-r

「暑さ寒さも彼岸まで」朝の布団が「出るな出るな」とつぶやいて、食べ物も酒も美味しいし、まさに「バブ肥ゆる秋」であります。
そんな中、心配なのは新型インフルエンザでありましょうかねぇ、「もしそのへんでお逢いしても、私だけはすり抜けてくれれば」などという勝手な願いを持ちつつ「手洗いうがい」だけは励行しようと思っています。

今日は、昨日に引き続き『つま恋 サマーピクニック』のお話であります。
午前中、昨日録画しておいた同番組をDVDに落しながら、見逃した部分を拝聴しました。やはり中年層が心から楽しめる野外コンサートであったようですねぇ

もちろん、昔懐かしい方々も良かったのですが、私の心をつかんだのは夏川りみさんの「AMAZING GRACE 一部沖縄弁」でありました。
いやぁ、なんだか久しぶりにゾクゾク来たというか、ウルウル来たというか、エエですねぇ
もちろん「AMAZING GRACE」そのものが好きな曲だということもありますが、まさに天に届くかのごとき夏川さんの声に
「感動した!」(ちと古いか)
ホンチャン後に一部聴かせてくれたアカペラがまたエエんですわ。
「やっぱ、アメイジング・グレースは、アカペラだよぉ、もっと聴かせろ!」
なんて、テレビの前で一人で騒いでました。(笑)

ダビングを終え
「こりゃ、夏川りみのアメイジング・グレースをチェックしなくちゃイカン」
そもそも、ビギンの「涙そうそう」が入ったCDは持っていても、夏川りみのCDなど一切持っていない私ですから、「AMAZING GRACE」がCDに収録されているのかどうかも知りゃしません。
さっそくネットチェックです。

なるほど、そもそも「沖縄弁AMAZING GRACE」は、もとネーネーズの古謝美佐子さんがアルバム『廻る命』で歌われたのが先なんでしょうか?You Tube には、古謝美佐子バージョン、二人の共演バージョン、夏川りみバージョン、と様々な映像が公開されています。
「おっと、肝心の夏川りみはと・・・・・」
CD『ココロノウタ』には収録されているようですねぇ。
「それでは、すぐにでも購入・・・・・」
これがね、JAZZのレコードだったりすると速注文となるんですが、
「とりあえず、近いうちにツタヤに行ってみよう」

あはは、けっきょく今日のところは、You Tube の幾つかのバージョンを楽しむだけにしてしまいました。
そしたら、あ~た、古謝美佐子さんの「AMAZING GRACE」も、これまたエエじゃないですか。
「古謝美佐子は、ツタヤにはねぇだろうなぁ・・・・・」

「レンタルになんか頼らないで自分で買え!」ですよね。(笑)

さて、今日の一枚は、久しぶりですねぇ、バド・パウエルです。

モンクとバドの関係は、今更話すまでもありませんよね。
不思議なのは、何故にあれだけ個性的な二人が反発もせずに想い合ったのか?
バドがモンクを慕う気持ちは分からなくもないけど、ある意味、モンクのキャバレーカードが取り上げられる原因を作ったとも思われるバドを、どうしてモンクは想い続けたのか?

ともかく、いかにヨーロッパにいようともバドにとってモンクは特別の人だったのでありまして、このアルバムにはその想いがこもっています。
ひょっとしてバリバリのバドであれば、こんな演奏をモンクに贈ることも無かったかもしれませんね。枯れ葉のごときバドが、モンクに味わい深い演奏を贈る・・・・天才バド・パウエルの面影は薄れても、バドはバドです。モンクもきっとそう思っていたのではないでしょうか。

A PORTRAIT OF THELONIOUS / BUD POWELL
1961年12月17日録音
BUD POWELL(p) PIERRE MICHELOT(b) KENNY CLARKE(ds)

1.OFF MINOR
2.THERE WILL NEVER BE ANOTHER YOU
3.RUBY, MY DEAR
4.NO NAME BLUES
5.THELONIOUS
6.MONK'S MOOD
7.I AIN'T FOOLIN'
8.SQUATTY


ハイヨ~~カオウ!?

2009年09月20日 | m-o

 ♪ 古き時代と 人が言う
   今も昔と 俺は言う
   バンカラなどと 口走る
   古き言葉と 悔やみつつ
   ああ 友よ 良き酒を
   時を憂いて 飲み明かしたい
   今も昔も この酒つげば 心地よし ♪

シルバーウィーク、私的には完全休日は今日と23日の秋分の日、この二日間だけなのでありますが、何かしようにもどうにも午前中は身体が動きません。昼食を済ませてさて動こうかというときに、NHK BSの『つま恋 サマーピクニック』を見始めてしまいまして・・・・・録画予約は入れてたんですから後から見直せばいいはなしなんですが、見始めちゃうとねぇ・・・・
「やっぱ『野音』は、いいよなぁ・・・」
なんてね。

「オイオイ、せっかくのお休みなのにこのまま一日ゴロゴロかい?」
てな自問に
「録画してあるんだから・・・・・・出掛けるか」
と自答して
『我が良き友よ』の大合唱を私も一緒に歌い(笑)
「ようし」
と重い腰を上げました。

愛車????そうだ、休日唯一の友である我が自転車に名前を付けていなかったじゃありませんか。
う~~ん、『バブ号』じゃ芸がないし、何にしようか??????
『カオウ号』なんてどうでしょ?「バブの『カオウ号』、バブ・カオウ号、花王のバブなんちゃって・・・・・
「イカンイカン、そんなこと考えてると益々出掛けるのが遅くなっちゃう、もう『カオウ号』でいいや・・・いざいかん、ハイヨ~~カオウ!?
こうして、バブは颯爽と愛車カオウにまたがり出掛けたのでありました。(笑)

夕食当番に間に合うように帰ってこなければいけません。時間配分を考えながら、帰りに二コブのキツイ坂道が待っていることを承知の上で、今日は川沿いの道を選びました。
途中、半被を着た集団がペットボトルの水を飲みながらグタッとしている脇を抜け、川面より生い茂った雑草とススキばかりが目に入る風景を延々と眺めながら、『カオウ号』は今日も快調です。

「カオウよ、お前だけだ、しんそこ俺の心を癒してくれるのは・・・炭酸の効いたバブより良いよ。」
流す涙も心地よい風が飛ばしてくれます。(笑)

とほほ、またやってしまいました。ついつい調子に乗って、帰りのキツさを忘れてしまったんです。
持参した麦茶は底をつき、ふくろはぎが良い感じで張った状態、はたしてあの二コブの急坂を登れるでありましょうか・・・・・・・・・
案の定、二コブ目、頂上まで約5メーターの地点で力尽きました。(笑)
帰宅したときにはもう「ゼイゼイ」の「ハーハー」状態で、どっと出る汗を心地よい風が飛ばしてくれることはありませんでしたとさ、お終い。(笑)

まっ、『サマーピクニック』を見ながら、一日ゴロゴロしているよりは良かったでしょう?

ということで、シャワーを浴びればすぐに夕食当番です。
『料理当番、本日の一品』
今日は、揚げ物です。

蓮根の海老はさみ揚げと肉団子二種、それにはさみ揚げの衣が残ったので、茄子とブロッコリーも揚げちゃいました。
いやぁ、『カオウ号』に鞭打ったおかげで、これをつまみに飲むビールは格別でありましたよ。

さて、今日の一枚は、ハービー・マンとボビー・ジャスパーです。

昨日のレス・スパンから、思い立ったようにフルートを聴いてみようてなわけで、
「なら素直にドルフィーでも聴きゃいいのに」
とも思ったのですが、マンを選択してみました。

ジャズにおけるフルートという存在は、フルート単独というよりは、マルチリードプレイヤーの一楽器と捉えるほうが正しいようにも思えます。(レス・スパンのようにギターとフルートというのは例外としても)
それがいかに「ジャズフルートといえば」といった絶対的存在、マンであっても例外ではありません。もちろん「KELLY BLUE」で味のあるフルートを聴かせてくれるジャスパーもしかりです。このアルバムを聴けば、それは納得のいくところでしょう。

同メンバーでは同日録音のもう一枚「FLUTE FLIGHT」がありますよね。ところがどちらもさほど評価は高くなかったりします。これはフルートという楽器の宿命とも言えるのかなぁ?
ジャズフルートにあなたが違和感を持たなければ、この二枚は聴いて損の無いアルバムだと思いますよ。トミフラのピアノもなかなかですしね。
私的には、フルート対テナーより、フルート対フルートの「LET'S MARCH」あたりがお気に入りかな。

FLUT SOUFFLE / HERBIE MANN & BOBBY JASPAR
1967年3月21日録音
HERBIE MANN, BOBBY JASPAR(fl, ts) TOMMY FLANAGAN(p) JOE PUMA(g) WENDELL MARSHALL(b) BOBBY DONALDSON(ds)

1.TEL AVIV
2.SOMEWHERE ELSE
3.LET'S MARCH
4.CHASIN' THE BIRD


僕とあの女(こ)と梅干しの味

2009年09月19日 | g-i

朝晩すっかり涼しくなって?というより寒くなって、昨日なんか寒さで目が覚めてしまいました(笑)。もうすぐ彼岸、いよいよ秋本番ですね。
ところでシルバーウイーク(どうもこのネーミングが好きになれないのですが)は、みなさんどんな過ごし方をされるのでしょうか?
私はMさんのお店もありますので、自宅でゴロゴロでしょうかねぇ、一日くらいは自転車での遠出も考えてはいるのですがどうなることか。

田舎暮らしをしていると、毎日の行動はほぼ自家用車移動ばかりで、公共交通機関はもちろん他人様の車にもあまり乗る機会がありません。
そんななか、昨日久しぶりに他人様の車に乗ったのですが、あら珍し、カセットデッキがまだ現役で活躍しておりまして、
「なに?まだカセット?」
「いいんだよ、使えるうちは使い続ける、それがオレのポリシーなんだから」
「ほほ~~~」

とりあえずプレイボタンを押してみると、流れてきたのはポール・サイモン『僕のコダクローム』であります。
「あらイガイ、キャンディーズかなんかが聴こえてくるのかと思ったら・・・」
「バカ言ってんじゃないよ、オレは洋楽派だよ。」
「っても、年代物には変わりないけどねってか、ハハハハ・・・・・おい、まさか三十ウン年も前に録音したテープじゃねぇだろうなぁ?」
「違うよ、ほら、ダッシュボードにケースが入ってんだろ」
「ん?どれどれ・・・・・」
なんとビックリ『PAUL SIMON / NEGOTIATIONS AND LOVE SONGS』という、ほら、オムニバス盤の、しかもカセット・テープで販売されたものだったのです。
「えっ?!これっていつ買ったヤツ?10年前?いやいや、そんなわけないよな、20年前?」
「う~~ん、30年は経ってないと思うよ。ほら、サイモンとガーファンクルが来日したジャン、思い出したようにまた聴きだしたの」
「どひゃぁ、いやぁ、あんたは偉い!よくもまぁ伸びもせずに今まで聴き続けたよ、ほんと尊敬しちゃう」

入っている曲名を見ると・・・・・懐かしいですねぇ
「あっ!『僕とフリオと校庭で』も入ってんじゃん、オレさぁ、ファーストキスを経験した夜に聴いたんだよこれ・・・・・」
突然思い出しました。いくつとは言いませんが、ファーストキスを済ませた夜、たしかに『僕とフリオと校庭で』がラジオかなんかから流れてきたんです。
「これ聴こうこれ」
あはは、そこはCDでなくカセットテープ、地道に曲が出るのを待っていたのですが、なんと乗車時間が短くて『僕とフリオと校庭で』に行き着く前に車を降りることになってしまいました。
「残念だなぁ・・・」
「なんだよ、そんなに聴きたかったら、テープ持っていくか?」
「いい、家に帰ってレコード聴くから」
「・・・・なんじゃそりゃ」

けっきょく、今、アルバム『PAUL SIMON』を聴いています。彼にプレゼントするためにカセットテープに録音しながらね。(笑)
CDに落とすより時間がかからなくて・・・レコードを聴きながら録音するにはテープのほうが手間いらずですよね。(笑)
待望の『僕とフリオと校庭で』を聴きましたよ。
「あ~~甘酸っぱい思い出が・・・・・・あっ違ったさっき食べた梅干しの味だ」
って、ダメだこりゃ。

さて、今日の一枚は、レッド・ガーランドです。

ガーランドというと、このアルバムの二ヶ月後に録音された「GROOVY」をはじめ、トリオ+管、あるいはトリオによる、歌心溢れるバリバリハードバップってぇのが定番というか魅力なんでありますが、管ではなくギター相手ってぇのは「こりゃ珍し」だと思います。(「RED GARLAND REVISITED!」やガーランドの歌声が聴ける「SO LONG BLUES」でケニー・バレルとはやってますけどね。)

おそらくはオリンキューブの仕掛けでしょうかねぇ、リヴァーサイドに何枚かのアルバムを持つレス・スパンとジャズランドと契約をして間もないガーランドをぶつけたわけですが、どうでしょう?バレルとの共演と比べるとガーランドがいくぶん手を抜いているように感じてしまうのは私だけでしょうか?いやいや、それはスパンに対して「ウエスもどき」という偏見を植え付けさせられたがゆえのことかもしれません。私的には「WHERE ARE YOU ?」や「THE VERY THOUGHT OF YOU」で聴かせてくれるスパンのフルートに興味を持つ一枚でもあります。

そんな偏見を無視すれば(誰もそんなこと思ってないかもしれませんが。笑)スパンのギターが悪いわけでもなく、この頃のガーランドになんの文句がありましょうか。
特にB面はいいんでないでしょうかねぇ、いろいろ言ったわりには好きなアルバムです。

SOLAR / RED GARLAND
1962年1月30日録音
RED GARLAND(p) LES SPANN(g,fl) SAM JONES(b) FRANK GANT(ds)

1.SOPHISTICATED SWING
2.SOLAR
3.WHERE ARE YOU ?
4.MARIE'S DELIGHT
5.THIS CAN'T BE LOVE
6.THE VERY THOUGHT OF YOU
7.BLUES FOR 'NEWS
8.I JUST CAN'T SEE FOR LOOKING


ギブ・ミー・センス

2009年09月16日 | m-o

鳩山総理が誕生、新内閣も発足して、いよいよ政権交代本番ですね。
なんとか、今より少しでも良い国を作っていただけるよう頑張ってもらいたいものです。

昨晩もMさんのお店にヘルプに入っておりました。
「バブさん、販促掲示の素材をバブさんのメールに送っておいたから、うまいことよろしく」
Mさんのお店担当の本部の方から夜10時ごろに電話が入ってきました。
「?????何故に私のメール?????」
Mさんのお店で私の立場はたんなる一アルバイトなんですがねぇ・・・・いつの間にか販促掲示も私の仕事になってしまいました。(笑)
まっ、Mさんには公私ともに大変お世話になっておりますので、私の店内掲示がどれほどの効果があるかはいささか疑問ではあるものの、少しでも売り上げに貢献できればと、我が貧困センスをフル回転しています。

とはいっても、掲示物を作る時間がないのも現状で、昨晩はササッと作ったものをチャチャッと店内に貼り付けてきただけだったんですが・・・
ちょっと気になったので、帰宅途中、別のお店にまわってみました。
すると、そこそこどの店も頑張ってるんですよねぇ。
「う~~~ん、時間がないとは言ってられないかなぁ・・・・」
自宅について一っ風呂浴びれば、時間はすでに午前1時をまわろうとしています。
「よし、とりあえずはいつものキリンラガーを100円ビールにかえて写真でも撮っておくか」

いつもですと、ビールのあと日本酒か、ウイスキーを二杯ほど飲んで就寝なのでありますが・・・・・・
気になっちゃいましてね、眠れないんですわ。
けっきょく1時間ほどかけて掲示物を作ってしまいました。そしたらあ~た今朝の眠いこと眠いこと。(笑)

今晩はヘルプに入る予定はなかったのですが、これから店に行って、センスに問題のある掲示をしてこようと思います。
あ~あ、ナイスセンスが欲しい~~~(笑)

さて、今日の一枚は、オリバー・ネルソンです。

ネルソンとエリック・ドルフィーの共演盤といえば、なんといっても「ブルースの真実(THE BLUES AND THE ABSTRACT TRUTH)」でありますが、以前紹介した「SCREAMIN' THE BLUES」も今日の一枚もそれに肩を並べるくらいの名盤だと私は思っています。
もちろん、このアルバムを購入する際の私の目的はドルフィーでしたよ。(笑)

チコ・ハミルトン、チャールス・ミンガス、コルトレーン・・・・そしてネルソン、ブッカー・リトルは例外としても、ドルフィーという人は「郷に入っては郷に従え、と思いつつ我が道を行け」てな感じですよね。そして、彼の最も特徴的な点は、コンボのメンバーはふつうリーダーからいろんな刺激や影響を受けて大きくなっていくところを、ドルフィーの場合はそれ以上にリーダー達に影響を与えていくということではないでしょうか。そのくせ、自分では立とうという意欲に薄い・・・・不思議といえば、じつに不思議な存在でもあります。

ここでも、ネルソンのアレンジに従順に従う一方、ドルフィーらしさを多いに発揮する、そんな彼を聴くことが出来ます。
もちろんそれは、ネルソンがドルフィーをらしくするアレンジを心がけているという事でもありますけど・・・つまり、ネルソンもまた他のリーダー同様、ドルフィーに感化されたところがあったのだと私は思っています。

STRAIGHT AHEAD / OLIVER NELSON
1961年3月1日録音
OLIVER NELSON(ts,as,cl) ERIC DOLPHY(as,bcl) RICHARD WYANDS(p) GEORGE DUVIVIE(b) ROY HAYNES(ds)

1.IMAGES
2.SIX AND FOUR
3.MAMA LOU
4.RALPH'S NEW BLUES
5.STRAIGHT AHEAD
6.111-44


虫すだく夜、腰くだく

2009年09月13日 | g-i

しばらく続いた秋晴れも昨日は一休み、今日も雲が残っているのかと思ったら、なんと完璧な青空が戻ってきました。
あはは、こんな良い天気なら何処かに出掛けりゃいいのにねぇ、選挙(先日の衆議院議員選に引き続き、市長選の投票日が本日だったもので)ついでに夕食の買い物をしてきただけで、あとは予告どおり、DVD鑑賞に浸っておりました。(昨夜からちょっと腰が痛くて、自転車も今日は出動なしでした。)
まっ、そのDVDのお話はまたの機会ということで・・・・

「バブさ~~~ん、どうにかしてくださぁ~~い!!」
Mさんのお店のアルバイトSさんです。
だいたいこんな事を言ってくるときは、かのゴキちゃんか、足のちょっと多いあいつか、そんなもんが顔を出したときなんでありますが
「なになに、ゴキちゃんか??????なんだよぉコオロギじゃん」
素手でサッと捕まえて、外にに逃がしてやると
「バフさん、今素手でしたよね、素手・・・・気持ちわりぃ~~~」
「そんなぁ、ふつうコオロギや鈴虫、バッタ、トンボくらいなら、大丈夫じねぇ?」
「あたしは絶対にダメです。せいぜいカブトムシとクワガタがなんとかですもん。」
「あはは、そんなこと言って、ちっちゃいときは大丈夫だったろ、へたすりゃそのまんま食べちゃったりして」
「そんなわけないでしょ」

でも、小さい頃はナンチャなかった虫も、今はちょっと苦手ってぇのがけっこうありますよね。
ゴキブリにムカデ、毛虫、ゲジゲジ、ハエにハチ、メンタマのような模様の付いたデカイ蛾なんかも、そりゃ小さい頃だって気色の良いものではありませんでしたが、かなりなものまで素手で平気でつかんでいたように思います。

和歌や俳句の世界じゃ虫というと秋に鳴く虫だけをさすようですが、その鳴き声にいろんな想いを重ね合わせやすいということなんでしょう。
でも、「鳴き声は良くても、そのものはちょっとねぇ」っていぇのが本音なんでありましょうね。
「おかあさん、あのへんで鳴いてるよ」と捕まえに行くのが子供で、「いいからほっといて、鳴き声を楽しみなさい」てぇのが大人ってことなんでしょう。
たしかに、もし仮にゴキちゃんが綺麗な鳴き声を聴かせてくれるとしても、見たかぁありませんもんね。(笑)
なんとなく寂しげな秋の夜を、さらに演出してくれるあの虫の音。ゴソゴソ山のようなコオロギが地をはっている姿は想像したくありませんから、「虫すだく」てな季語も、虫が集まっている(「すだく」は「集く」ですから)という意よりは、そこかしこから虫の音が聞こえてくるてな感じの意味になるんでしょうね。
いずれ、虫たちの愛の囁きに哀愁を感じるのは、秋という季節が作り出す我々の独特な気分とそれが、絶妙にリンクするからなんでありましょう。

今晩も虫すだく夜、雄虫たちの必至のラブコールがあちらこちらから聞こえてきます。
いやいや、哀愁に浸ってばかりじゃいけませんよ。我々人間の男性諸氏も、秋の虫に負けずに、草食だろうがなんだろうが、この季節こそ、愛を囁く時なのかもしれません。

泣き虫、弱虫、いじけ虫、
いろんな虫はいるけれど
あのこの肩を抱き寄せて
そっと囁くラブコール


ってね、
頑張れ!日本男児!
頑張れ!オレ!
(はぁ?)

てなわけで、「腰がどんなに痛くても、できればオナゴを口説いて痛ささえも忘れたい」との私の願望など誰も聞き入れてくれるわけもなく、痛さを我慢しながらの夕食作りです。
『料理当番、本日の一品』


一本焼きにしたのに乗る皿がなくて・・・笑

え~~、近くで港に上がる秋刀魚も今が旬、脂がタップリとのっております。ここは素直に塩焼きが良いでしょ。

こちらは、里芋の煮っ転がしにセロリのきんぴらです。

セロリの柔らかいところはもちろんサラダでいただきましたよ。焼いた海老と生で食べられそうな野菜を適当に見つくろって、秋刀魚の塩焼きだけでは余ってしまった酢橘を搾り入れたサッパリ・ドレッシングで和えました。

さて、今日の一枚は、ダスコ・ゴイコヴィッチです。

我がブログに彼がご出演いただくのは、これで二回目でしょうか。私がいかに彼を聴き込んでいないかということなんですが、
おそらく私がゴイコヴィッチに初めて出会ったのが、今日のこのアルバムだと思います。

原盤はスペインのレーベルEnsayoから出た「TEN TO TEO BLUES」、これが希少盤で、ほとんどの方がこのenja盤でお聴きになっているのではないでしょうか。(もちろん私もEnsayo盤などお目にかかったこともありません。笑)

やれ、フュージョンだ、電化だ、と私が最も毛嫌いした時代に、エスニックな雰囲気と「私はハード・バッパー!」みたいな感じが混ざり合ったゴイコヴィッチのこの一枚は、悔しかなヨーロッパ・ジャズの質の高さをうかがわせるに充分であったとは思います。

「ジャズ喫茶で始めて聴いたときに、ジャケットを見て名前が読めなかったんだよなぁ」
「あれ?じつはそれが原因でゴイコヴィッチを敬遠してたとか?」
「・・・・・・」

ともかく、ヨーロッパのミュージシャンだからドウノコウノってな偏見は、今は無いつもりです。

AFTER HOURS / DUSKO GOYKOVICH
1971年11月9日
DUSKO GOYKOVICH(tp) TETE MONTOLIU(p) ROB LANGEREIS(b) JOE NAY(ds)

1.LAST MINUTE BLUES
2.A CHILD IS BORN
3.OLD FISHERMAN'S DAUGHTER
4.REMEMBER THOSE DAYS
5.I LOVE YOU
6.TEN TO TEO BLUES


秋空に高すぎる望み

2009年09月09日 | a-c

今朝起きたら眩しいほどの青空、「まさに秋晴れとはこのことだ」と言わんばかりです。残念ながら昼過ぎには雲に覆われてしまいましたが、日に日に高くなる空におもわず見とれてしまう今日この頃です。(笑)

天が高くなり大気が澄みきってまいりますてぇと、食べ物はもちろんのこと酒の味がとりわけ美味くなる季節であります。
えっ?あんたの場合、秋だろうと春だろうと、大気が澄もうが澄むまいが、いつでも酒が美味いんだろうってですか?
いやぁ、「それを言っちゃぁお終しめいよぉ」ではありますが、それでも、昼間高く澄みきった空を眺め、夜に綺麗なお月様なんぞを拝めば、虫の音を肴に飲む一杯の酒に格別の味が潜むのも道理じゃありませんか。

 白玉の歯にしみとおる秋の夜の
 酒は静かに呑むべかりけり
             (若山牧水)

秋の夜に飲む酒というもんは「バカ騒ぎの宴」じゃいけませんね。できるなら一人、いや、二人がベストでしょうか。

縁側かなんかで月を愛でながら一杯飲んでますてぇと
「あなた、ちょっと冷えてきましたから、中にお入りになれば」
「おっそうだな・・・・・・それしても、見てみろよあのお月さん、なんともいい顔をなさってるじゃねぇかぁ」
「ほんと、なんて優しいお顔なんでしょう」
「おっ、どうだい、たまにはおめえも一杯つきあわねぇかい」
てんで、中にはいるのも忘れて二人酒。
「おうおう、おめえこそ冷えるといけねぇや、これを羽織ってな」
く~~月も頬を赤くしちゃうよ、てなもんですよ。

「ないない、少なくともあんたには絶対にそんなことはない。」
「・・・・・・・」
やっぱり私には、妄想、秋の空のように高すぎる望み・・・・一人酒しかないかなぁ

ともかく、秋の味覚を肴に飲む酒は格別なんでありまして、夏が終わってなんとなく寂しくなった心を、じんわりと癒してくれるんでありますよ、ね。
あ~~ん、でもやっぱり一人酒は寂しいから・・・・飲みに行きたいよぉ~~~(笑)

さて、今日の一枚は、コーン=シムズ・クインテットです。

昨日からの流れで白人ミュージシャンを選んだわけではないのですが、「難しいことを考えるのはよそう」てな日には、ツー・テナーでも「バトルというより、アンサンブル」といった感の二人の演奏が良いような気がしまして・・・今日は難しいこと考えたくないんですボクちゃん。(笑)

「マイルドで、平均点以上で、必至に聴き入る一枚じゃないけど飽きもしない。」そんなアルバムが欲しければ、選曲も分かりやすいしこのアルバムなんぞまさにビタリかもしれません。
私にとっては「可もなく不可もなく」といった感じですが、難しい顔をして身体をくねらすように聴くのばかりがジャズじゃありませんから。(笑)
しっかりしたアレンジこそウエスト・コーストの魅力であり、「それもまた良し」との素直さは、私なんぞ気づくのが遅すぎたと思っています。(笑)

似ているようでじつは似ていない、コーンとシムズのテナーを素直に楽しみましょう。

YOU'N ME / AL COHN = ZOOT SIMS QUINTET
1960年6月1,3日録音
AL COHN, ZOOT SIMS(ts) MOSE ALLISON(p) MAJOR HOLLEY(b) OSIE JOHNSON(ds)

1.THE NOTE
2.YOU'D BE SO NICE TO COME HOME TO
3.YOU'N ME
4.ON THE ALAMO
5.THE OPENER
6.ANGEL EYES
7.AWFUL LONELY
8.LOVE FOR SALE

追伸、
学生時代の友人チャリンコが、先輩の訃報を知らせてくれました。
亡くなったM先輩は二年上の先輩で、まだまだあちらの世界に旅立たれるのには早すぎる年齢です。残されたご家族のご心痛はいかばかりかとお察しいたします。
心からのお悔やみとご冥福を、遠い地からではありますがお祈りいたします。

それともう一つ、知らせてくれたチャリンコが、10月1日日曜日に横浜市港北区公会堂で、バリ舞踏の公演を行うとのこと、900円の入場料がかかるようですが、お近くの方でお暇な方がいらっしゃいましたら、ぜひ観に行ってやって下さい。よろしくお願いします。

横浜港北区公会堂
所在地:横浜市港北区大豆戸町26-1
電話番号:045-540-2400
交通手段:東急東横線 大倉山駅 徒歩約7分