ついに始めました。
年末にかけて、少しづつ過去の記事をFC2 blog へ移していく
予定でいます。
まだ、全然、新ブログの体裁は整っていませんが、
お暇の方は覗いてみてください。
新ブログタイトルは「雨の日にはジャズを聴きながら」です。
アドレスは、http://jazzlab.blog67.fc2.com/ です。
今後ともどうかよろしくお願いします。
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2004年に High Five Quintet の『 Jazz Desire 』が発売されるや否や、輸入盤店を中心に火がついたイタリアン・ジャズ・ブームですが、一過性のブームと思いきや然に非ず。4年経った現在でもしっかりとファンの心を掴み、ジャズ界における新潮流を形成するに至っていると言っても過言ではありません。最近ではジャズ雑誌で特集を組まれることも珍しくなく、伊ジャズメンが来日すればライブ会場はいつも満員で熱気に溢れています。そんな状況を見ていると、ジャズ界の中心軸は少しづつ米国から欧州に移動しているのでは、と思えて仕方ありません。
さて、イタリアの技巧派ピアニスト、Paolo Di Sabatino ( パオロ・ディ・サバティーノ 、1970 ~ ) の新譜が発売されました。すでに10枚以上のリーダー作を吹きこんでいるサバティーノですが、今回は何と Atelier Sawano からのリリースです。今までサバティーノを聴いてきたファンは、サバティーノと澤野工房の組み合わせに違和感を感じるかもしれません。彼はラテン気質全開の熱いプレイで聴き手を魅了するタイプでしたから、優雅な抒情性を重んじる澤野の理念にはそぐわないのでは、と思っていました。でもそこは流石に両者ともプロ中のプロです。情熱と抒情のミクスチャー感覚が絶妙の、素晴らしい作品に仕上がっています。伊ジャズ・ファンにも、澤野ファンにもアピールできるサウンドです。
全13曲で収録時間70分。平均5分程の短めの曲ですが、どれもアレンジ、構成が非常に凝っていて、ジャケットのアートワークのように色彩感豊かな楽曲が並ぶ密度の濃い作品です。全くダレることなく最後まで一気に聴かせる魅力があります。5曲が彼のオリジナルで、その他はスタンダードやジャズメン・オリジナルなどです。ベースは Marco Siniscalco 、ドラムは Glauco Di Sabatino という方ですが、両者とも僕は初聴です。でも二人ともなかなかのツワモノです。サバティーノの右手から綺羅星のごとく繰り出される音連射は、ヴィヴィッドに聴き手の心を揺さぶるでしょう。
最近の澤野工房にマンネリ感を抱き、食傷気味な方にも、きっと満足していただける秀作です(キッパリ)。個人的には2008年Atelier Sawano のベストです。(ちなみに2位はロバート・ラカトシュの『 You and The Night and The Music 』。3位はトヌー・ナイソーの『 For Now and Forever 』。)
Paolo Di Sabatino / Atelier of Melody 2008 Atelier Sawano AS081
Paolo Di Sabatino (p)
Marco Siniscalco (b)
Glauco Di Sabatino (ds)
Paolo Di Sabatino / Paolo Di Sabatino 2001 Around Jazz
手許にあるサバティーノのコレクションは、澤野の最新作を含め以下の計7作品。『 Foto Rubate 』、『 Introducing Paolo di Sabatino 』、『 Threeo 』、『 Italian Songs 』、『 Paolo di Sabatino 』、『 ARK Trio 』。
とりあえずこの7作品の中でベストを選ぶとすると、やはり幻本にも紹介されたセルフ・タイトルの『 Paolo di Sabatino 』でしょう。本作はHigh Five Quintetの一連の作品にも負けずとも劣らないハード・バップの傑作ではないかと。ステファノ・ディ・バティスタ、ヤヴィエル・ジロット、ダニエレ・スカナピエコと、伊国の超ツワモノ達が参加しています。この三者が一堂に会するわけではなく、基本的には1管フロントのカルテット編成です。
これを聴いていると、ルカ・マンヌッツァには申し訳ないけど、High Five Quintetにサバティーノが加入していれば、より完成度の高い究極のバンドになっていただろうにと、思うのですが.....。
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最近、店頭や雑誌等でやたら目につく SHM-CD ( Super High Material CD )や HQ-CD ( High Quarity CD ) 仕様の作品ですが、これらはより高品位のポリカーボネートを基盤に使用し、読み取り時に生じるデータエラーを軽減した高音質ディスクのことです。これらのディスクは従来のCD規格内の製品であるため、SACDとは違い通常のCDプレーヤーで再生できることが売りです。
SHM-CD は、ユニバーサル・ミュージックが開発、商標登録したディスクで、最近になってワーナーやBMGなども参入し、リイシュー盤を立て続けに発売しています。
一方、HQ-CDは、EMI ミュージックがこの9月に発売開始したばかりの高音質CDで、液晶パネルに用いられている透明度の高いポリカーボネートを基盤材料に使用している点ではSHM-CDと同様ですが、さらに従来のアルミニウムにかえて特殊合金の反射膜を採用しているところでSHM-CDとは差別化を図っているディスクです。
これらの高音質CDについて、評論家たちは挙って激賞していますが、ネット上では賛否両論があるみたいです。大体、音楽データとしては従来と何ら変わっていないのですから、基盤や反射膜の素材を改良しただけで、そんなに劇的な音質改善効果があるとは到底思えないのですが。
基本的に僕は、< すでにCDで所有している作品に関しては、24bit digital remaster 化されようが、紙ジャケ再発されようが買い直さない > という主義を貫いてきましたが、先日、かつては幻の名盤と賞されてジャズ喫茶で人気のあったウォルター・ビショップ・Jr.の 『 Speak Low 』 の HQ-CD 盤を店頭で発見したのです。
実はこの作品は非常に思い出深い作品です。大学時代にLPで購入し、当時はMDもmp3プレーヤーもなかった時代ですから、当然カセットテープにダビングし、年がら年じゅう聴きまくった作品です。当時僕はベースを弾いていたのでこの作品は絶好の教材でした。なにしろベースのジミー・ギャリソンのベースラインが美しく、しかも図太くデカい音量で記録されていたので、耳コピーしやすかった。しかも収録曲が ≪On Green Dorphin Street ≫、≪ Speak Low ≫、≪ Milestone≫ と練習曲には最適なスタンダードが並んでいるのです。特に当時モード的楽曲でのベースライン作りに苦戦していた僕には ≪ Milestone≫のラインは非常に参考になったものでした。また、≪ Speak Low ≫も弾いてみると意外に難しいコード進行で、つまりはAメロでGm7-C7が8小節続くのですが、ここでケーデンスに則ったラインでは限界があり(当時はそう思った)、やはりモード的手法で音を選んでいった方がラインを作りやすいこともこの作品で知ったのでした。そんなわけで人一倍、本作には思い入れが強かったのです。
閑話休題。そんな愛聴盤ですから、反射的にこのリイシュー盤が目に飛び込んできたのです。そして僕はそのジャケットに貼られていた大きな赤いシールに目を奪われました。
“ この音! 今までの「 スピーク・ロウ 」は何だったんだ? 寺島靖国 ”
過去の LP や CD で発売された音を完全否定する寺島氏。僕はその完全否定された音を長年愛聴してきたのです。寺島氏独特の挑発的誇大表現なのは分かっていますが、でもそう言われちゃ、聴かずにはいられない。本当に音は良くなっているのか、自分の耳で確かめてみようと思い、買って聴き比べてみました。
このような場合まず重要なことは、僕のような平凡なリスナーでもその音質の違いを享受できるか、ということです。雑誌等で記事を書いている評論家諸氏は、高価な再生装置を用いて十分な音量のもとで評価を下しているのです。当然、彼らの耳は素晴らしい感度をもっているわけで、おそらく、そういう好条件下で両者を比較すれば、その差が歴然とするのは想像に難くありません。
しかし、問題は僕自身が感じるか否かであり、他人の評価など意味がありません。合計150万円程度の平均的オーディオシステムで、マンション住まい。そして元来音質に無頓着な性格の僕が、その差異を体感できなければ、いくら高音質を謳った SHM-CDであれ、HQ-CDであれ、その存在は全く意味を持たないのです。オーディオなんて、所詮、個人的世界の中で繰り広げられる妄想のようなものですから。
つづく
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11月13日 木曜日
ジャーナリストの筑紫哲也さんが7日に肺癌で亡くなられていたことを知る。
昔、テレビのインタビューで氏が、煙草の煙をはきながら沖縄問題について熱弁をふるっていたことを思い出す。
大量殺人兵器のごとき煙草を右手に持ちながら反核を訴える筑紫氏が妙におかしかった。
そういえば、以前、倉本聰さんも富良野自然塾の話をしながら煙草を吸っていた。何を話しても説得力に欠けるような気がした。
11月14日 金曜日
拙ブログ始まって以来、初の7のぞろ目、777位!
なんだか嬉しくなって、思わずSS撮ってみる。
11月15日 土曜日
仕事に忙殺される。午前中に胃内視鏡を40人こなす。もうヘロヘロ。
仕事帰りに同僚と白金台の有名フランス料理店、OZAWA で夕食を食べる。
同僚がオーナーシェフと知り合いとのこと。
オマール海老の茶わん蒸しがこの世のもので作ったとは思えないほど美味しかった。また行きたい。
11月16日 日曜日
あいにくの雨。屋内で遊べる場所ということで、10月にオープンしたばかりの埼玉県越谷市にある日本最大のショッピングモール、イオンレイクタウン( AEON Lake Town ) に行く。とんでもなくデカくて途方に暮れる。船橋ららぽーと TOKYO-BAY の比ではない。文字通り、湖まで人工的に作っちゃてるし。でも、店舗はこれといって目新しさはない。ただデカいだけ。この施設の隣に、これまた馬鹿デカいララシティー( ららぽーと新三郷+コストコ+IKEA )を建設中っていうんだから、何を考えているのやら。どう考えても作りすぎでしょ。でも暇つぶしには最高ですわ。コインゲームに子供そっちのけで夫婦で夢中になり、幸せな時を過ごした。
11月17日 月曜日
仕事を早く切り上げ、急いでBlue Note Tokyo へ。 今日は High Five Quintet のライブ。早く着きすぎたので、ビールを飲みながら南博さんの 『 白鍵と黒鍵の間に 』 を再読。やっぱり滅茶苦茶面白い。はっきり言って、氏の音楽よりもテキストの方に魅力を感じてしまう。続編出ないかな~。
ライブは最高。それ当然。スカナピエコはだいぶ疲れきっている様子。今日は朝9時に起こされたようだ。
僕はファースト・セットを観たが、帰り際にセカンドを観に来ていた Rhodia さんにご挨拶。可愛くて、そしていかにも社交的で誰からも好かれそうな女性でした。
アダム・マコビッチ、ロベルト・バルザールと、チェコスロヴァキアのアーティストが続いたので、ついでにもう一人聴いてみましょう。
チェコ共和国に生まれ、ドイツでクラシック音楽を10年以上学んだ後、現在はマドリッドを拠点に活躍中の若手ピアニスト、Igor Prochazka ( イゴール・プロハースカ ) のデビュー作です。
ブルー・スカイ、乾いたブライトサンド、そしてオレンジ・イエローのアンティーク車。輸入盤取扱い店でも、ひときわ目を引く印象的な美しいアート・ワークの作品なので、手にとった方も多いのではないでしょうか。実際にもかなりのセールスを獲得しているようです。そしてアート・ワークだけでなく内容もそれに負けないくらい秀逸です。
何と言っても、4 ビート一辺倒では決してなくて、ロックやソウルの軽快なリズムを基調とした洒脱なナンバーを大々的に配したことが本作の特徴です。ピアノトリオというシンプルな編成でも、豊かなバックグラウンドを持つアーティスト同士が、柔軟な発想で取り組めば、たとえテクニック的に凡庸であっても、素晴らしい音楽が作れる、という見本のような作品です。