JAZZを聴きながら ふたたび

恥も顧みないで再々開、よろしければお付き合いを

癖か病か

2012年12月13日 | j-l

方や豪雪で大変なようですが、我が地区は冬型に伴う乾燥でインフルエンザの流行が懸念されています。まあこれが日本の冬というものなのかもしれませんけど。

さても、自然に逆らうのは大変ですが、人間、時に正面からぶち当たらねばならぬ障害という物はあるもので、我が母が今立ち向かっている最大の障害は、以前も紹介しました『猫問題』であります。
「まったく、ごせやげっごと(頭にくること)、昨日なんか三匹も縁側で日向ぼっこして・・・日向ぼっこだけならいいけど、二ヶ所もウンチしてんだから・・・・いくら追い払ってもくんだからどうしようもねぇ」
毎日、愚痴っております。
まあまあ、今のところ大きなご近所トラブルにつながるまでは行っていないようですし、私としては静観の構えですが・・・・

そんなことより、もっとせっぱ詰まった問題に直面しているのが、知人Yであります。
じつはYの母親には以前から万引きを繰り返す、いわゆる『盗癖』がありまして、この夏ついに逮捕起訴までされ、執行猶予付の刑を受けました。それが一昨昨日のこと、執行猶予中の身でありながらまたも再犯を犯したというのです。
これで、もちろん収監は免れないでしょうし、さらなる追加刑がくだされるのでしょう。

はてさて、犯した罪への償いとして刑に服すのはしかたがないとして、はたしてそれが彼女の『盗癖』を直す事になるのでしょうか?

「Yよ、もうそうなってしまったものはしょうがないにしても、いずれお母さんを立ち直らせるには、治療が必要なんじゃないかい?」

アメリカでは『盗癖』を精神疾患と認め、アメリカ精神医学会の診断統計マニュアルDSM-ⅣTRに規定されているそうであります。(完全受け売り)つまり、なんらかの治療無くしては直ることが難しい病気だということです。

「でも何処にどう相談したらいいか・・・お父さんだって世間体みたいなものもあんでしょ・・・・・警察にも相談してみたんだけど、どっかそういう施設みたいなところがないかって、でもダメだった。」

どうにも日本という国は罪に対する刑はあっても再犯をさせない仕組みというものが遅れているように感じるのは私だけでしょうかねぇ?
「『無くて七癖』癖なんてぇものは病気じゃない、ボールペン一本だから『ついつい癖で』なんて逃げられるけど、これがアンタ、婦女を襲ったり、子供を襲ったり、殺人まで癖のせいにされて『病気だから』なんてなった日にゃ世の中たまんないよ。アンタの酒癖も酷いけど」
まったしかにそうなんではありますが・・・・・(私の酒癖は一言よけいですよ。)
ただね、そのたびに苦しむYを見ているとどうにもこうにも・・・大げさに言えば一生母親のに振り回されるんじゃあんまりにも可哀相でしょう?
Yも真面目で一生懸命な子だけに今後何か良い道筋が見つかればと思うのであります。

さて、今日の一枚は、先日「じつは好きよ」とカミングアウトしたダイアナ・クラールです。よく見たら私、7枚もアルバム持ってるんですねぇビックリ(笑)
てなことで、時期も時期ですからこのアルバムを選んでみました。

今年も玄関には相変わらずの物が飾ってあります。

「クリスマスソングってぇのはどうにもこうにも不幸なもんだ」と、私は思っています。というのも、たとえそれが素晴らしい演奏であっても「聴く時期が限られるから」なんでありますね。
例えば、「ダイアナ・クラールと定番ナット・キング・コールの「THE CHRISTMAS SONG」を聴き比べてみよう」てな事は、今しかできない。
えっ?別に気にしなけりゃいいだろうって?そりゃまぁそうなんですが、真夏に扇風機点けながら、大音量で「THE CHRISTMAS SONG」はやっぱないでしょ?

以前紹介した所有するクリスマス・ソング・アルバムも全てが、我が家ではそういう扱いを受けております。
いやそれどころか
子供たちが小さかったときにクリスマスを盛り上げようとわざわざクリスマスソングのテープを編集して、それを流しながら「メリー・クマスマス!」ってやった時があったんですわ、それがア~タ、あっという間に「お父さん、テレビ点けようよぉ」って・・・・・以来、我が所有する数々のクリスマスソングは、静かに私だけが聴く年に一度の機会を待ちわびている、そんな常態なのであります。(シクシク)

まっいいや、後一週間少々、私だけが君たちに癒しを求めましょう。
ちなみに、私は「WHITE CHRISTMAS」のダイアナの声、好きですそそられます。(笑)

CHRISTMAS SONGS / DIANA KRALL
2005年発売
DIANA KRALL(vo,p) ANTHONY WILSON(g) ROBERT HURST(b)
Clayton/Hamilton Jazz Orchestra

1.JINGLE BELLS
2.LET IT SNOW
3.THE CHRISTMAS SONG
4.WINTER WONDERLAND
5.I'LL BE HOME FOR CHRISTMAS
6.CHRISTMAS TIME IS HERE
7.SANTA CLAUS IS COMING TO TOWN
8.HAVE YOURSELF A MERRY LITTLE CHRISTMAS
9.WHITE CHRISTMAS
10.WHAT ARE YOU DOING NEW YEAR'S EVE
11.SLEIGH RIDE
12.COUNT YOUR BLESSINGS INSTEAD OF SHEEP


小沢昭一様に合掌

2012年12月11日 | a-c

本当にまぁめっきり寒くなって、このへんじゃ雪はありませんけど風が冷たいこと冷たいこと、朝布団から抜け出すのに一苦労です。
そんな寒さの中、私は週末から昨日にかけては親戚の葬儀なんかがあったりしてゴタゴタしておったのですが・・・・・

葬儀といえば、またまたいろんな訃報が舞い込んでまいりましたねぇ、5日にはデイブ・ブルーベックが、同じ日に中村勘三郎が、そして昨日は小沢昭一でありますよ。
まっね、デイブ・ブルーベックは享年91ですから、まぁまぁ大往生といったところでしょうけど、中村勘三郎は57歳、チト若すぎましたねぇ、私なんざぁ他人事と思えない年代でありますから
「こりぁ、オレもいつ逝くかわかんねぇなぁ」
「いやいや心配ない、勘三郎はいくぶん生き急いだんであって、アンタみたいにいいかげんで成果もない人生をおくっている人は、決まって長生きするもんだ。」
「・・・・・」
いずれにせよ、彼なんかまだまだこれから一花二花といった未来があっただけに無念でありましたでしょうねぇ。ご冥福をお祈りいたします。

私的に最もショックだったのは昨日の「小沢昭一氏の訃報」でしょうか。
以前も話題にさせていただきましたけど、TBSラジオの超長寿番組『小沢昭一の小沢昭一的こころ』には一時期ずいぶんとお世話になりました。
ともかく、あの絶妙な語り口、私しゃ好きでしたねぇ、もちろん役者としても素晴らしい方ではありましたが、私的には大衆芸能研究者として、また、その知識を惜しまず披露してくれる語りべとしての小沢昭一を心より敬愛しておりました。
享年83、言ってることが矛盾しているかもしれませんけど、もう少し、いろんな語りを聞かせていただきたかったですねぇ、「大往生には早すぎた」と私は思いたい。

そんなことで、先週放送分の『小沢昭一の小沢昭一的こころ』をネットで聞きました。2010年3月に放送になった『僕、新聞老人について・・・考える』という録音を傑作選というかたちで放送されていたようです。
いやぁやはりその語りは絶妙でありますねぇ、これはまさに一芸、聞き入ってしまいました。

けさの朝日新聞にこんな事が書いてありました。
『ストリップ好きの助平な役者と、大道芸や放浪芸のストイックな研究者と、小沢昭一さんは両極端に見える二つの顔を持っていた。だがその両極端は小沢さんの中では一つのものだった。』
じつに上手い表現でありますが、じつは人間誰しもそんなもんで、だけどほとんどの人がそれを上手いこと一つに出来ないもんだからなんやかや言われるんじゃないかって・・・・だからこその小沢昭一的魅力なのでありましょうかね。

 ♪うんとしぼりとって 泣かせておいて
  目薬ほど出すのを 慈善ともうすげな
  なるほど慈善家は 慈善もするが
  あとは見ぬふり知らぬふり
  アのんきだねぇ♪

 ♪のんきな父さんの 坊やが裸で
  母ちゃんが着物を 着よと叱っても
  坊やは嫌だと 着物を着ない
  「お父さん、坊やが裸で着物を着ませんよ」
  「なんだなんだ、坊や、風邪を引いたらどうする」
  出てきた父さん丸裸
  ハハのんきだねぇ♪

 添田唖蝉坊、石田一松、桜井敏雄と続く演歌師の流れ、そして「あのなぎら健壱が桜井敏雄の弟子だった?」みたいなことまで興味を持たしてくれたのは小沢昭一でありますし、「そういった流れがなんとなくJAZZに通じるものがある」てな勝手な解釈をさせていただけるのも全て彼のおかげであると・・・・

小沢昭一様
きっとまた天国でもラジオ番組でも始め、いずれ末廣亭での十夜をしのぐ千夜、万夜の高座を披露されるのではないかと、
そして私もそれを楽しみにそちらへまいりますので、どうぞそれまで、助平を押し通し、天女天使のストリップを楽しみつつ、あなた様の研究テーマであるまさにその本人達と語り合われる日々をお過ごしいただきたいと思います。合掌。

さて、今日の一枚は、当然紹介済みではありますが、5日に逝かれたデイブ・ブルーベックに敬意を表し、このアルバムにしました。
内容は「言わずもがな」、特に日本ではメッセンジャーズの「MOANIN'」に勝るとも劣らぬモダンジャズの代名詞的名曲「TAKE FIVE」収録アルバムとなるわけですが、四分の五拍子、八分の九拍子、四分の六拍子といった変拍子の曲が続くこのアルバム、これがデイブの挑戦であり、しかもそれでいてこれほど耳障りの良いアルバムに仕上がっているところに彼の才を見出すのであります。(私は日本人ですから、死者を貶すような事は一切申しません。笑)

TIME OUT ! / DAVE BRUBECK
1959年6月7,8日録音
DAVE BRUBECK(p) PAUL DESMOND(as) EUGENE WRIGHT(b) JOE MORELLO(ds)

1.BLUE RONDO A LA TURK
2.STRANGE MEADOW LARK
3.TAKE FIVE
4.THREE TO GET READY
5.KATHY'S WALTZ
6.EVERYBODY'S JUMPIN'
7.PICK UP STICKS


”M”の信念?

2012年12月03日 | a-c

いやはやそれにしてもやっぱり綾瀬はるかは可愛いねぇ
え?何の話かって?
いやね、いつもはレコードでも聴きながら酒を喰らっている日曜日の深夜、昨晩はテレビを見ながらの一杯でした。見ていたのはそりゃあア~タ決まってますよ、NHKBSプレミアムの『輝く女 -綾瀬はるか-』の前編であります。
総選挙間近、トンネル崩落事故等々脳天気で鼻の下伸ばしている場合じゃないんですが、いやあ、やっぱはるかちゃんは可愛いわ
「こりゃ、今晩もイイ夢見られるかも・・・」
との期待は大きく裏切られましたけどね(笑)

そんなこんなでふと気付けば今年も師走、一昨日なんざぁ雪までちらついちゃって、本当のところ脳天気オヤジを楽しんでいる場合じゃござんせんやね。
障子の張り替えは終えたものの、やれ「庭の木をどうにかせんといかん」「窓拭きはいつやるんだ」「換気扇も掃除しないと」「蛍光灯も取り替えて」「ドアを閉めるとき出る音をどうにかしろ」ets.ets
そりゃまあ、私ゃ若干の"M"であるとの自覚を最近開眼したとはいえ、そう次々と言われてもねぇ
「・・・ボクちゃんだって、疲れてるんだってばさぁ」
ところがそんな言い訳が通じるわけもなく、昨日は二日酔いの身体に鞭打ち庭木の手入れ(というより、バッサバッサと切り倒したといったほうが正解かな?)をしました。
「チカレタよぉ・・・・」

師走といえば、もう一つ厄介なのが『お歳暮』でありまして、
昔から私は「贈らない、いただかない」てな、まるで議員立候補者みたいな信念を持っておるんですけど、それでも幾人かが贈ってこられるわけで
「○○、今年も○△さんからお歳暮が届いたけど」
と、昨日届いたのは『鎌倉ハム富岡商会』のハムステーキなるもの
「なんだよ、またお返ししなくちゃいけねぇジャン」
もちろん、お気持ちはありがたいし、いただいた物に文句を付けるわけじゃないんですよ。ただ、贈っていただいた方には本当に申し訳ないんですが、
「お互い、もうそういうのやめません?」
そんな気持ちなんです。

とはいえ、「いただいた物はありがたくちょうだいする」との信念も持ち合わせる私は、さっそくこの『鎌倉ハム富岡商会』のハムステーキを賞味することにしました。
『料理当番、本日の一品』です。

ステーキですから、そのまんまソテーさせていただきました。ソースは自家製トマトソースとマスタード卵ソースの二種類。たしかに甘みもある美味しいハムでした。
「ただねぇ、ハムに大金かけるのは・・・・・」
標準以下の”M”的庶民の思いは、そんなところですかね。(笑)

さて、今日の一枚は、ティナ・ブルックスです。
いわゆるブルーノート幻盤ってヤツですか?
以前から何度もお話ししているように、ブルーノートには録音順と発売順が逆転していたり、あるいは、何故かタイトルまで決まっていながら発売が見送られたり、それ以前に録音はしたもののお蔵入りとなったりと、そんな例が多々あります。
このアルバムもまた、タィナの初リーダーでの録音だったにもかかわらずお蔵入りとなった一枚でした。
考えてみりゃティナが生きている間に発売になったブルーノートでのリダー盤は「TRUE BLUE」一枚だけですから、ティナそのものが幻みたいなところもありますけどね。

ところで、このジャケ、この時代のブルーノートっぽくありませんよねぇ、それもそのはず「世界初登場シリーズ」の一枚として日本でリリースされたもので、内藤忠行氏の写真だそうですが、どうでしょう?????やっぱブルーノートって感じじゃないですよねぇ(笑)、ティナ本人の写真を使った別ジャケ盤のほうがそれらしく感じられると思います。

肝心の内容ですが・・・・・
悪かぁないんですよ、悪か無いんですが・・・・じゃあどうしてお蔵入りになったのか?どうしてライオンは気に入らなかったのか?ちゅうことですよ。
私的に思うのは、「メンバーから考えればもっと刺激的な演奏になってしかるべき」てな感じがライオンにはあったのかなぁ?みたいな。(笑)
つまり、私自身がそうですけど、「こりゃ買いだろう」と思わせるメンバーに対して、「そこまでの演奏か?もっと出来るだろ」ってこと、このあたりのライオンの信念というのはいつも揺らぎ無いんですよねぇ
ティナの魅力はなんなのか?それを知るにはやっぱり「TRUE BLUE」かな、と私でも納得できる決断がライオンの凄さなんでしょうね。
そして、ライオンが期待したティナはついに完全にないまま世を去りました。フレディー・ハーバードとの違いはそこにあったとか?

MINOR MOVE / TINA BROOKS
1958年3月16日録音
LEE MORGAN(tp) TINA BROOKS(ts) SONNY CLARK(p) DOUG WATKINS(b) ART BLAKEY(ds)

1.NUTVILLE
2.THE WAY YOU LOOK TONIGHT
3.STAR EYES
4.MINOR MOVE
5.EVERYTHING HAPPENS TO ME