JAZZを聴きながら ふたたび

恥も顧みないで再々開、よろしければお付き合いを

だってばさってばよ!

2010年10月31日 | y-その他

台風はこのあたりにはほとんど影響無しに過ぎ去りましたが、台風一過とはいかず、今日も一日雨が降ったりやんだりの日曜日でした。

「バブ、そろそろホームページをキチンとしようかと・・・・」
先日飲みに行ったときにS君がそんなことを言っておりまして
「こんどの日曜日なんてどうよ」
と、私の予定までヤツは管理しようとしていたのに、けっきょく突然の仕事が入ったと中止にしてきたのはそのキャヤツでありました。

てなことで突然暇になった日曜日、
「何をしようなかぁ・・・・・」

突然ですが、最近つくづく思うんですよぉ「最近の若い女の子ってカワイイ女(以後「おんな」ではなく「こ」と読んで下さい。)が多くなったなぁ」なんてね。
みなさんはどう思います?
私は、テレビなんかで見かける女も、みんな可愛らしく見えるんですよねぇ(綾瀬はるかは別格として。笑)、いやいや、あの目張りバリバリ(目張りって、オイオイ)の女はダメですけどね。

「バブさん、それは歳を取ったせいじゃありません?」
「歳のせい??????」
同僚のN君が言うには
「けっきょく、若い子をみんな自分の娘を見るような目で見てるんですよ、きっと。だから、自分の好みとか趣味とかいう前に『カワイイ』って感覚が先走るんですって」
「う~~~~ん」
「変なはなし、それじゃカワイイからエッチを妄想するってな事あります?無いでしょう」
「まっそりゃね、だって現実味がまったく無いだろうよ」
「そりゃそうでしょうけど、若い頃は現実味が無くてもその女とのエッチな妄想はしたと思いますよ。」
「たしかに・・・・・・って、つまりオレは年寄りだってことかい!」

何故に「暇な日曜日に何をしようか」からこんな話になったのか?

天気も芳しくなく暇が出来れば、私の場合、寝るか、レコード聴くか、本読むか、酒呑むか(笑)、DVD見るか、しか無いわけで、けっきょく今日はDVDを見たんであります。
見たのは、「疲れなくて良いだろう」てんで『アイアンマン2』

そんでねそんでね、ほら、ナタリー・ラッシュマン役でスカーレット・ヨハンソンが出てるじゃないですかぁ、『真珠の耳飾りの少女』の彼女も、私ゃそそられるもんがあったんですが、髪を黒くした彼女もこれがまたエエんだなぁ・・・(笑)

「あの、リングに上がったときの目なんかで見つめられたら・・・・・オレだっていくよ、ググイっと」(笑)

つまり何を言いたいか。
「オレだってねぇ、まだまだ妄想可能だってばさってばよ!」
なのであります。

映画の内容には一切触れず、そこに自信を少しだけ取り戻したというお話しでありました。(なんじゃいそりゃ!笑)
ただし、妄想するだけで、スカーレット・ヨハンソンが私を見たら、ハローウィンのかぼちゃ以下の印象でしょうけどね。

てなことで、「まだまだオレは若いぞ!」と声を上げつつ『料理当番、本日の一品』です。

まずは、秋刀魚寿司。あれ?先週も寿司だったっけ?(笑)

こちらは母のための煮物です。

そして、鶏団子スープです。

さて、今日の一枚は、サド・メル・オーケストラです。

このアルバム、できればLPで入手したかったのですが、私が持っているのはCD、しかもつい最近入手しました。

サド・メルの思い出は何度も話していますので、こちらを見ていただくとして、サド・メルの最大の魅力は何か、それは他のビッグバンドにはない開放感というか、自由さというか、それが爽快感を生むところでしょうか。
どうしても私なんかがビッグバンドを聴くと「もうちょっとソロ聴かせろよ」みたいなところが必ずあるんですが、サド・メルの場合、その不満が非常に少ないんであります。つまり、燃焼率が高い?(ようわからん表現ですね。笑)

CDとはいえ欲しかったアルバムを最初に聴くときは、やはりちょっとウキウキするもので、サド・メルとしては、じゃっかん繊細すぎる演奏とも言えなくもありませんが(「FINGERS」なんかはそんな事ないけど)
「サド・ジョーンズ、メル・ルイスはもとより、ペッパー・アダムスもサー・ローランド・ハナもリチャード・ディビスも・・・・・サド・メルやっぱいいわ」
となるのであります。

CONSUMMATION / THAD JONES-MEL LEWIS JAZZ ORCHESTRA
1970年1月20日, 5月25日録音
JEROME RICHARDSON, EDDIE XIQUES, JERRY DODGION, BILLY HARPER, PEPPER ADAMS, RICHIE KAMUCA(sax)
THAD JONES(flH) SNOOKY YOUNG, DANNY MOORE, AL PORCINO, MARVIN STAMM(tp)
JIMMY BUFFINGTON, EARL CHAPIN, DICK BERG(fhorn) HOWARD JOHNSON(tuba)
DAVID SPINOZZA(g) ROLAND HANA(p) RICHARD DAVIS(b) MEL LEWIS(ds)

1.DEDICATON
2.IT ONLY HAPPENS EVERY TIME
3.TIPTOE
4.A CHILD IS BORN
5.Us
6.AHUNK AHUNK
7.FINGERS
8.CONSUMMATION


若者の姿にウルル

2010年10月30日 | a-c

台風の動きが気になります。このあたりも「今晩最接近」てな状況のようですけど、何事もなければ良いですねぇ。

台風といえば、毎回どうにも不満というかなんというか、報道に関してなのでありますが、今回のように首都圏に近づいてくるような台風の場合、台風情報が首都圏を過ぎるまではトップニュースなのに過ぎたとたんに二番手三番手に変わってしまうような気がするんですけどそんな事ありませんかねぇ?
たしかに、南日本や西日本に比べ東北、北海道といった地域は台風被害の率が低いということもあるんでしょうが、ちょっち差別されているような・・・・被害妄想ですかね。(笑)

東北といえば、NHK仙台放送局の制作番組なので、おそらくは東北地方だけの放送なんだと思うんですけど、『おいしい闘技場』という番組をご存じでしょうか?(調べたら、東北では全県、それと対戦相手の地域では放送があるようです。)

昨晩、台風情報を見ようと珍しくもテレビを見ながら一杯やっていると、7時のニュースの後にこの番組が始まりました。(本当はバレーボールを見ようと思ってたんですけどね。)

この番組、たしか昨年は東北各県の高校生が地元の食材をメインに料理を競い合うという内容だったのが、今年は東北各県と東北以外の全国各地が戦うという内容に変わり、昨晩はその第二回戦「秋田チームVS京都チーム」の放送でありました。

料理対決といってもそこはNHK、各チームが選んだそれぞれの地域のテーマ食材の生産や歴史に関しても、それぞれのチームが身を持って体験しプレゼンして、これも審査基準に加わるという、いわば食育といった一面も持った番組になっています。

今回のテーマ食材は、京都チームが『京野菜』、秋田チームが『あきたこまち』、旬の食材という意味では秋田チームに利があったようですけど、まっそこは東北の番組ですから(笑)
ともかく、出来上がった料理は、もちろんどちらとも美味しそうでヨダレもの。さらにア~タ、なんてったって高校生達のその一生懸命さが可愛いったらありゃしないんです。
若者が一生懸命何かに挑戦する姿みたいなもんに、ほんとオジサンは弱いんですよねぇ


京都チーム


この「賀茂なすの錦揚げ」なんてじつに美味しそうですよねぇ

繊細な包丁さばきを見せる京都チームの子達に感心させられ、若干技量は落ちるものの、すでにお袋の雰囲気さえ漂わせる秋田チームの三人娘、こちらもイイ。
結果は秋田チームの勝利となりましたが、地の利、旬の利を思えば勝敗にそれほどの差は無かったように思います。
いや、見ている私にとってはどっちが勝っても関係ないですね、「真っ直ぐ前を見て何事真剣に取り組む」これこそがオヤジ達が無くしてしまった若さ、そこに何かを教わる思いでした。


秋田チーム

「甘酒カスタード・米粉ロール巻き」は
審査員も大絶賛でした。

次回三回戦は、「中国 VS 東北(福島)」11月26日放送だそうですから、東北の方々、そして中国地方の方々、ぜひともご覧あそばせ。

さて、今日の一枚は、お久しぶりのジャズ・メッセンジャーズです。

「この61年前半の限られた時期に演奏されたジャズは、モーダルともファンキーともつかない不思議な雰囲気を醸し出していて面白いですね。」
と、『雨の日にはジャズを聴きながら』のcrissさんは、この時期のメッセンジャーズをそう評されておりましたが、まさにその通りですよね。

このアルバムも、全曲ウエイン・ショーターの曲、ファンキーと呼ぶにはいささか無理があります。
このアルバム、じつは発売まで7年間もお蔵入りしていたんですよね。つまり、ショーターはずいぶんと先を行っちゃってた?ってことでしょうか。

ジャズ・メッセンジャーズが若いミュージシャンの登竜門であり続けた理由は何かと考えるに、ブレーキーの人柄やジャズに対する柔軟性はとうぜんあったでしょうけど、若いミュージシャンの「真っ直ぐ前を見て何事真剣に取り組む」という若さをいつも見ていることで、ブレーキーが何かを得るという快感、悪く言えば若さを吸って自分が若返る?(笑)そんなことがあったからではないでしょうか。事実、死ぬまでブレーキーは若者のような輝きを保っていましたもんね。

いずれにせよ、ジャズ・メッセンジャーズにおいて、ショーターが、音楽監督、プレーヤーとして中心的役割を担う存在になったことを印象づけるアルバムであります。

ROOTS AND HERBS / ART BLAKEY & THE JAZZ MESSENGERS
1961年2月12,18日録音
ART BLAKEY(ds) WAYNE SHORTER(ts) LEE MORGAN(tp) WALTER DAVIS Jr., BOBBY TIMMONS(p)

1.PING PONG
2.ROOTS AND HERBS
3.THE BACK SLIDERS
4.UNITED
5.LOOK AT THE BIRDIE
6.MASTE MIND


二言申します。

2010年10月28日 | s-u

いやはや寒い寒い、一昨日あたりから急に気温が下がって、どうしちゃったの?って感じですよねぇ、その一昨日も言いましたが風邪をひかないよう注意してください。

「鼻水がとまんなくてさぁ・・・・風邪かなぁ???」
昨晩、S君の事務所を訪ねると、そんなことを言っています。
「ゴリラのような体型のくせに、あんがい繊細なんだねぇアンタ・・・ならば暖かいもんでも喰って、キュッと一杯ひっかけぇの、即帰ってコテッと寝ぇの、なんてどうだい?」
そうです、私は悪い友達です。(笑)
でもね、私は一軒だけ、暖かいものを食べに行こうと誘っただけなんですよ。
「アンタはそれで帰って寝て、オレはいつものバーに行く、今日はそれで行こう」
「そだね」

向かったのは割烹『ひろし』です。
「ひろしさん、なんか暖かいもんちょうだい」

と出てきたのがこれ、アンコウのどぶ汁であります。私にとっちゃ初物ですよ初物、いやぁエエですねぇ、美味いですねぇ、酒も進みますねぇ(笑)
小一時間で身体も温まり、
「ほんじゃま、代行(運転)一台かい?」
「いや、まだ時間も早いし、もう一軒だけ・・・・・・」
「はぁ?ほんじゃアンタもO-クママの顔でも見てから帰るかい?」
「う~~~~ん、それは三件目で、その前にちょっとだけ歌なか唄いたいなぁ・・・・なんちゃって」

ここで私は一言申したい、
「おそらくは昨晩の諸行の数々、根源は私にあるとS君の奥様は思っているに違いありません。たしかに誘ったのは私めにございますが、二軒目以降は私の無理意地をとおしたわけではなく、いやむしろ、S君に引っ張られて行ったということをご承知おき下さい。」


風邪をひいているオヤジとは思えない

ってことで計3軒、ここでやっと「代行一台」となったのでありました。
えっ?私、私はあ~た、最初からバーに行くって言ってんですから、その後行きましたよ。ペロンペロンではありましたけどね。

そこで、もう一言申したい、
「Oークママ、酔っぱらっててごめ~~んね」

さて、今日の一枚は、マッコイ・タイナーです。
ブルーノート時代としては後期のアルバムということになりますが、コルトレーンの呪縛の結び目を一つ一つほどきながら、新たな結び目を作りつつある、そんな時でしょうかねぇ?
このアルバムでは「EXTENSIONS」と違って、ブルーノートを去った後、マッコイがどう進んでいくのだろうという方向性は、まだ虚ろであるように感じます。

そのせいでしょうか、マッコイがどうのこうのというより、いろんな曲の感じが混在しているように感じます。
一枚のアルバムでいろんな曲調を聴けるという意味では面白味もあるのですけど、逆に言えば、マッコイ自身がどうしようかと考えあぐねている姿ともとれるわけで・・・・・少しずつ前が見え始めているという感覚はあったんでしょうけどね。

でもこうして聴いてみると、何をしようともマッコイのピアノは変えようが無いことを実感させられるというか、マッコイ自身最後はそこに開き直ったじゃないでしょうか。つまり「コルトレーンを離れよう離れようとすることが逆に呪縛だった」みたいな、ここから進むべきテーマ「アフリカ」は、きっとそんな開き直りの中から見つけ出した一筋の光だったりして

この一枚は、そんなマッコイの心情(じっさいはそうじゃなかったかもしれないけど)を感じ取れるアルバムだと、私は思っています。

EXPANSIONS / McCOY TYNER
1968年8月23日録音
McCOY TYNER(p) WOODY SHAW(tp) GARY BARTZ(as,wooden flute) WAYNE SHORTER(ts,cl) RON CARTER(cello) HERBIE LEWIS (b) FREDDIE WAITS(ds)

1.VISION
2.SONG OF HAPPINESS
3.SMITTY'S PLACE
4.PERESINA
5.I THOUGHT I'D LET YOU KNOW


『意地』と『根性』と『反骨心』

2010年10月26日 | a-c

昨日は、雨、曇り、晴れ、曇り、時々雨・・・・・気温も上がったり下がったり、そして今日は、どんよりとした曇り空に時々雨が混じり、夜には晴れて気温が下がると。
まったくこんな天候が変わりやすい季節は体調管理が難しくて、風邪をひいたりしがちなんですよね。私と同じようにそろそろ身体にガタが来ている方はご注意いただきたいと思います。

さても、私が禁煙挑戦をはじめ、はや26日が過ぎようとしていますが、体調面で何か変化があるかといえば、ご紹介のごとくときおりオンス傾向に気分が傾く程度で、健康になったとの自覚はまったくありません。(気のせいでしょうが逆に疲れは増したようにも思うんですが????えっ?たんにそれは歳のせいだ?)それでも極端な体重変化もなく順調なのかなとも思っています。

ただねぇ、やっぱり煙草は吸いたいんですよ、今この時でも。じゃあそれでも我慢が出来るのは何故か?
禁煙に挑戦しようとしているあなたに伝授いたしましょう。それはやはり『意地』と『根性』と『反骨心』です!
舘ひろしはCMで全面否定されていたようですけど、やっぱり最後はこれですって。
だってですよ、クリーンになったときのマイルスを思いなさいよ、コルトレーンを感じなさいよ、ねぇ、けっきょく最後にそれを成し遂げるのは自分自身の強い意志以外あり得ないじゃないですか。

「バブさん、ほんとに吸ってないんっすかぁ?嘘でしょ、どっかで吸ってるって」
「バブさん、もうずいぶん頑張ったんだから、ご褒美に一本吸ったら」
「バブちゃん、我慢は身体に悪いよ。」

どうしてああも「あのバブが煙草を止められるわけがない」とみんなが思うんですかねぇ?しかもあの手この手で吸わせようとするって・・・どういうこっちゃい。
いつものバーのOークママにいたっては、飲んでいる私の目の前に煙草の現物まで置くんですよ。(「シドイ!」)

と言いながら、今私が禁煙を続けられている最大のエネルギーが、これらのちょっかいを出してくる回りのなんであります。
つまり、より多くの人が「バブに禁煙なんか出来っこない」「どうにかしてバブに煙草を吸わせよう」そう思ってくれればくれるほど、「意地でも吸わん!」「吸ってなるものか!」っていう気になるじゃないですか。そして、それらのが監視の目となるわけです。
私は、これらの「あ・た・た・か・い支援者」に支えられ、喫煙を我慢し、禁煙を達成してみせますよぉ、見てろテメェら!

最後に、唯一禁煙の成果かなと感じたことを一つ。
先日母を買い物に連れて行ったときでした。
「あら、車ん中が、前よりたばこ臭く無くなったんじゃねぇかぁ」
なんかちょっと嬉しい。(笑)

さて、今日の一枚は、マリオン・ブラウンです。

マリオンの訃報を私が知ったのは、3日前でした。
一部今月10日死亡との情報もありましたが、どうも18日に亡くなられたのが正しいようで、まっどちらにしても訃報に変わりはなく、享年79歳、心よりご冥福をお祈りいたします。

マリオンというと、その紹介文には必ず『前衛アルト・サックス奏者』との肩書きが付くんでありますけど、やっぱコルトレーンの「ASCENSION」参加がそのイメージを決定づけた理由ですかねぇ?
他との共演盤は別としても、実際に彼のリーダーアルバムを聴いてみると「アルトの詩人」と呼ばれるだけあって、じつに繊細で、ぞくに言うフリー・ジャズとは一線を画す存在であったように思います。
私的にはいかにもフリーっぽいというか、ドクロかムンクの叫びを連想させるあの風貌がちょっと怖い感じはしましたけど(笑)

私がマリオンを本当に意識して始めて聴いたアルバムというと何でしょうねぇ?もちろん嫌われ者の「ASCENSION」も聴いてはいたわけですけど・・・・・
「WHY NOT ?」だったのかなぁ?ひょっとしたら「VISTA」だったかもしれません。もちろんバイト先でかかるようなアルバムではありませんでしたから、どこか他のジャズ喫茶で聴いたんだと思いますが、
「なんだ、マリオンもフュージョンじゃん」
なんて感じた覚えがあります。
逆に「GEECHEE RECOLLECTIONS」を始めて聴いたときは、当時の私ですからググッと身を乗り出したりしてね(笑)
いずれにしても、この時代のアルト奏者の中では、私はけっこう聴いたミュージシャンだったように思います。

ということで、今日のこのアルバムですが、これを前衛と言ってしまったら、ちょっくら前衛のイメージが変わってしまうし、フュージョンと誰かが言ったら私は怒ってしまうし(笑)、スピリチュアル・ジャズ???????
まっ、なんでもいいや、日本のBAYSTATEレーベルに残る一枚です。

表題曲「NOVEMBER COTTON FLOWER」なんて、ジャケットを見なくとも風景が思い浮かぶような感じがあります。(アール・メイのゆったりとしたベースもなかなかエエんですよ。)
最後の「SWEET EARTH FLYING」は、じゃっかん力が入りますが、全体を通しては、マリオンを「アルトの詩人」と称するなら、このアルバムなんぞまさに真骨頂ってとこでしょうか、じつに穏やかな気分で聴くことの出来る一枚だと思います。

NOVEMBER COTTON FLOWER / MARION BROWN
1979年6月21,22日録音
MARION BROWN(as) HILTON RUIZ(p) EARL MAY(b) WARREN SMITH(ds) KARL RAUSCH(g)

1.NOVEMBER COTTON FLOWER
2.LA PLACITA
3.FORTUNATO
4.PLEASANT STREET
5.SWEET EARTH FLYING


もう少し学生らしくても・・・

2010年10月24日 | j-l

昨日はまさに秋晴れであったのに、今日はちょっと厚めの雲に覆われ夕刻からは雨も降ってきました。明日はどうなるかなぁ・・・・・・

そんな日曜日、今日は自転車に乗って「♪ サイクリング サイクリング ヤッホー ヤッホー ♪」いつもの公園をひたすら走った後に、近くの大学の学祭を覗いてきました。

しかしなんですねぇ、地方の大学だからなのか、それともどこの大学も今はそうなのかは分かりませんが、私のイメージする学祭とはかなり違ったものでした。

まずはなんといっても立て看板がほとんど無いことにビックリしましたし、さらにキャンパス内を歩いていても、一部模擬店で「どうですかぁ」みたいな声かけはあったものの、展示ブースへの呼び込みも、さらにはレジメはもとより、ビラらチラシといった配布物も全くないという・・・・
なんて言うかなぁ、学生らしさ?熱気?そんなものが感じ取れないんであります。


もっと派手に呼び込みゃぁエエに

学生の気質はもとより、学校側の姿勢も学生自治も昔とは大きく様変わりしているということなのでしょうか?

私が所属していた「UFO超心理学研究会」てな、じつに妖しげで軟弱そうなサークルでも、夏合宿から真剣に「文化」について討論、議論を交わし、「学祭に向けて我々は何を訴えていこうか」なんて、やっていた時代が懐かしいというか、今は昔というか・・・(笑)
あの頃は、準備にそれだけ熱を入れたせいでしょうねぇ、各企画やブースへの呼び込みも半端じゃなかったように思います。お客さんを取り合うように案内チラシを配ったり、路上パフォーマンスもどきをしたりしてね、ある意味、身体張ってましたもん。(笑)
今はそんなんが流行らないってことなのかな。

ともかく、私としてはちょっとガッカリして帰ってきました。

「今はキャンパス内での飲酒は厳禁だし、家帰って飲もう」
てんで、『料理当番、本日の一品』です。

まずは、片栗粉をはたいて揚げた手羽先を、醤油、酒、みりん、砂糖、ニンニク、胡麻で作ったタレに浸すという、居酒屋なんかでよくあるヤツです。ざく切りのキャベツと同じタレに漬けた煮卵を添えました。朝、町内清掃(今日は一斉清掃日で、参加しないと罰金を取られるんですが、参加するとビールがもらえるんです。)でいただいた缶ビールによう合いました。

こちらは、学祭でチラシももらえなかったので、「チラシもどき」なんちゃって(笑)
一匹だけ冷蔵庫の隅に追いやられていた鯵の干物を焼いてほぐして、甘辛く煮つけたお揚げ、酢漬けの生姜と茗荷とともに酢飯に混ぜ込みました。あとはキュウリと金糸卵をパラッとね。これにしじみ汁で終了。

さて、今日の一枚は、キース・ジャレットです。
えっ?またまた私らしくない?
そのとおり!昨日のウエイン・ショーターとは毛色は違うものの、これもまた「トライCD」であります。
ただ、このキースによるマイルスの追悼盤は「NATIVE DANCER」のように、過去二回くらいしか聴いたことがないということはありません。ご存じの通り、私が何故かキースを嫌っているので買うまでではないと思っていた一枚ということになります。

ここからは、ここ数日得意のイチャモンつけです。
まずは、唸りがどうかと・・・・・
いやね、ずいぶんと昔にピアニストの唸りはどうかという話題を取り上げたことがあったかと思いますが、私は唸りを完全否定する人じゃないんですよ。
バド・パウエルなんかの唸りは、私なんかボーカルのごとく感じたりしてるんですから(嘘、それは言い過ぎです。)
ところが、キースの唸りは、ほら、もともとキースを嫌ってるでしょ、だから心地よくは感じないんですよねぇ(笑)
次に・・・・・
止めましょうね、なんだか素直になろうという宣言に完全に逆行していますから。

演奏としては、キース、ゲイリー・ピーコック、ジャック・ディジョネット、もう出来上がったトリオですから、じつは文句の付けようもありません。
「FOR MILES」この18分超の演奏なんかじつにキースらしく、マイルスの「SKETCHE OF SPAIN」を思わせるような旋律も美しくしいし、哀愁に満ちています。(だから、唸りはいらんて、笑)
続く「STRAIGHT NO CHASER」も、悔しいけど悪くないし・・・・・・(だから唸りは・・・・しつこい!)

まっ、素直にこれから聴き込みましょう。

BYE BYE BLACKBIRD / KEITH JARRETT
1991年10月12日録音
KEITH JARRETT(p) GARY PEACOCK(b) JACK DEJOHNETTE(ds)

1.BYE BYE BLACKBIRD
2.YOU WON'T FORGET ME
3.BUTCH AND BUTCH
4.SUMMER NIGHT
5.FOR MILES
6.STRAIGHT NO CHASER
7.I THOUGHT ABOUT YOU
8.BLACKBIRD, BYE BYE


未練は男の美学?

2010年10月23日 | s-u

久しぶりの秋晴れ、やっぱり気持ちの良いものです。

 ♪ いつもいつも思ってた
   サルビアの花を あなたの部屋の中に
   投げ入れたくて
   そして君のベッドに
   サルビアの赤い花しきつめて
   僕は君を死ぬまで
   抱きしめていようと ・・・・♪

今日も風呂に入っているわけでもないのに朝から歌ってしまいました。(笑)

今週の朝日新聞土曜版beの『song うたの旅人』の題材は「サルビアの花」でした。
この歌、私の『文句を言われるギターソング・ベスト5』に間違いなくはいる一曲なんでありまして、ギター片手に歌い出すとついつい力が入ってきて大声になるんですよねぇ・・・(笑)

早川義夫氏はまた音楽活動を再開されていたんですねぇ、知りませんでした。
いやいや、もちろん私もこの「サルビアの花」はもとまろで知り歌っていたのでありますが、早川氏のアルバム「かっこいいことはなんてかっこ悪いんだろう」は、以前古いカセットテープを整理していたときしっかり残っていて思わず笑ってしまったことがありました。

「そっかぁ、そうだよなぁ、『サルビアの花』も作詞したのは女性だったんだよなぁ・・・・・・」
相沢靖子さん・・・・同アルバムの「もてないおとこたちのうた」彼女の作詞でしたねぇ

 ♪ もう少し何とかなると思いつつ 天を仰いで願えども
   何の因果か彼女はおらず いつも男といじけた話
   女のバカさを口には出せど とてもじゃないが満たされぬ
   こんな男に誰がしたと 互いに罪をなすりあい
   力がないかと嘆きつつ 伸ばした髪にクシを入れ
   うつろな瞳こらしつつ 誰か私を愛してと叫び続くなり
   あ~~この世の 儚さよ ♪

 ♪ 嵐の晩が好きさ 怒り狂う闇が俺の道案内
   嵐の晩が好きさ 殴りかかってくる雨の男たち
   俺は湖に船を出す 嵐は俺を滅茶苦茶に叩く
   まっくらな まっくらな ・・・・・♪

ジャックス(早川氏のバンドね)の「マリアンヌ」にいたっては、「じっくり歌詞を読まないと意味わかんねぇ」(読んでもよく分かんないんですが、笑)みたいな、当時のぶっ飛んだ(現代のそれとは全く違いますが)女性をモロ感じるようで、「時代だなぁ・・・」なんてね。

あれ?何の話でしたっけ?
そうだ「サルビアの花」でした。

記者がライブでの早川氏の「サルビアの花」を聴いて、「10代の女性3人の美しい和声が奏でる、もとまろの『サルビアの花』が、青春時代の純愛の美しさをイメージさせるとしたら、この場でうたわれていた『サルビアの花』は、一歩間違えばストーカーとして社会から断罪されかねないような、苦しい執着の叫びに聞こえた。」と記しておられます。

なるほど、そもそも相沢さんの詞を読み返せば、ふられた男がウジウジと「オレのほうが数倍良いのに」って訴えかけてる、いや、つきまとっている、そんな歌でありますもんねぇ・・・・
でも、大なり小なり男なんてぇもんは、未練タラタラのいじけ野郎ばかりなわけで、う~~~~ん、けっきょく女性にしてみりゃそんな事、鼻からお見通しだと言うことなのでしょう。

「よし、今晩はジャズを止めて、早川義夫の『かっこいいことはなんてかっこ悪いんだろう』のカセットテープを聴いてみようかな」
あはは、またオンスが復活したりして。

さて、今日の一枚は、ウエイン・ショーターです。
これもまた、前回同様、私にとっての『トライCD』でして、
それこそはなっからこんなアルバム、レコードで買おうなんてぜったいに思いませんでしたし、たぶん過去に二回くらいしか聴いていなかったと思います。

でも、「何事、トライ、トライ」
・・・・・・う~~~ん、正直に言います。やっぱりダメですねぇ私には
「ブラジリアン・フュージョンの先駆け」かなんかしりませんが、どうにも受け入れがたい。

でもね、CDとはいえ手に入れてしまったわけですから、あたしゃ聴きますよ。そんでもっていずれ、私なりの評価が出来るようになったら、また懲りずに紹介することにしましょう。
まだ、その域まで達していない私でありました。

NATIVE DANCER / WAYNE SHORTER
1974年9月12日録音
WAYNE SHORTER(ts,ss,p) MILTON NASCIMENTO(g,vo) HERBIE HANCOCK(p,e-lp) WAGNER TISO(org,el-p) JAY GRAYDON(g,b) DAVID AMARO(g) DAVE McDANIEL(b) ROBERT SILVA(ds,per) AIRTO MOREIRA(per)

1.PONTA DE AREIA
2.BEAUTY AND THE BEAST
3.TARDE
4.MIRACLE OF THE FISHES
5.DIANA
6.FROM THE LONELY AFTERNOONS
7.ANA MARIA
8.LILIA
9.JOANNA'S THEME


オンスふたたび

2010年10月21日 | y-その他

急に気温が下がって、ついこの前まで「暑い暑い」と言っていたのが嘘のようです。

私は帰宅して
「お風呂になさいます、御飯になさいます、それとも・・・・・」
と、仮に訊かれれば(絶対に我が家では有り得ませんが)
「お風呂」
間違いなくそう答えると思います。
なら、それほどに風呂好きかというとそうでもなくて、カラスもビックリの短湯、湯船に浸かって10も数えないんじゃないかってくらいなんです。そのくせ、湯船に浸からないと入った気がしないという、じつに面倒な男なんですが・・・・・

そんな私も、年に数回「私にしちゃぁ長湯だなぁ」てな日があります。
ちょうど夜の気温がいっきに下がるこの時期にもそんな日があるんですが、昨夜がその日でありました。

Mさんのお店から帰宅して夜のお昼を回った頃、ちょっと熱めの湯船に肩まで浸かると、
「フ~~~~」
この「フ~~~~」が、私にとって年数回のサインなんでありまして、こうなると、風呂に浸かりながら五、六曲歌わないと気が済まなくなってしまいます。

風呂で歌を熱唱するってありません?あの微妙なエコーが歌の下手さを隠すっていうか・・・・・・みなさんだって歌うでしょ?
「恥ずかしいから止めてよね」
アパート時代には、年数回必ず文句を言われていました。

ところでみなさん、お風呂ではどんな歌を唄います?(って、もうみんなが歌うと勝手に決めつけていますけど。笑)
私の場合、カラオケなんかで唄う歌とも、ギター片手に唄う歌とも微妙に違ったりします。

時に民謡であったり、時に昔懐かしい唱歌であったり・・・・・・あはは、得意の浅川マキだったり、そうですねぇ、テンポの速い曲はほとんど歌いませんねぇ。
目を閉じて忘れた歌詞なんかはスキャットや鼻歌でごまかしながら朗々と歌うんでありますよ。

 ♪ 静かな静かな里の秋 お背戸に木の実の落ちる夜は ・・・・♪

昨夜の歌い始めは『里の秋』でした。あんがい季節感なんかは出たりするんですが(笑)

 ♪ 秋の水 澄みきった 流れの上を 赤とんぼ 何百何千 なんたらかんたらあいうえお(エラばりのスキャットね。笑)・・・・♪

とまぁ、昨夜も気持ちよく歌っていたのであります。ところが最後に

 ♪ (チャチャチャーッチャチャーッチャチャ チャチャララー チャチャチュー ウン チュチュチュー)
   不幸せという名の 猫がいる いつも私のそばに ぴったりより添っている
   <中略>
   このつぎ春が来たなら むかえに来ると言った あの人の嘘つき もう春なんか来やしない 来やしない ♪ 

って、『不幸せという名の猫』を歌いきったら、なんだかみょうに淋しくなっちゃいまして・・・・以前お話ししたオンスが来たのかもしれません。

いたたまれなくなって風呂を出ると、淋しさのあまりにもう飲むしかありません。水がわりのビールは別としても、ウイスキーに日本酒、Mさんのお店で先日売り始めた格安ボルドーワインにまで手をつけ・・・・・
えっ?淋しくなったっていうのは飲むための口実だろうって?
「ちがうのぉ!ホントに淋しかったのぉ!嘘じゃないもん!」
過去の例からいっても、我がオンスは数日続くおそれがあります。
今晩も飲んじゃうんだろうなぁ・・・・(笑)

さて、今日の一枚は、中山千尋です。
先日、『東京JAZZ 2010』の感想でいろいろ言っておきながら、紹介しないというのもなんなので選びました。

このまえ整理した最近仕入れたCDには、『トライCD』と私は命名しているんですけど「今まではあまり聴かなかったけど、少しずつ聴いてみようかな」的アルバムがけっこうあって、今日のこのアルバムもそんな中の一枚です。

なにも外野の声を聞かずに買ったわりには、そこそこ当たりの一枚だったように思っています。
不満としては・・・・そうですねぇ、先日の『東京JAZZ 2010』なんかを見ると、もっと力強さが前面に出ても良いのかなぁなんて、勝手に思ってしまいます。まっ故オスカー・ピーターソンへのオマージュですから、それなりに自分を抑えてというところもあったのかもしれませんけど、正直言って小さくまとまりすぎているように感じてしまうんです。

そういった意味では、もう一枚所有している「ラブ・ヴォーグ」のほうが、ピアノに張りがあるようで良いかなぁという気もしますが・・・・・(「ラブ・ヴォーグ」の三曲目「タイム・フォー・ラヴ」みたいんは、わしゃ好かんけど。笑 )

おっと、文句ばかり言ってるようですけど、基本的に千尋さんのピアノは嫌いじゃありません。おそらくこれからも『トライCD』として他のアルバムも聴いていくことになるように思っています。
別に私好みになる必要は無いわけで、ただ、こぢんまりとしたピアニストだけにはなって欲しくないと、今のところ思っているバブ君でありました。

今日はCD表記どおり日本語で紹介します。

AFTER HOURS / 山中千尋
2008年録音
山中千尋(p) アヴィ・ロスバード(g) 脇義典(b)

1.オール・オブ・ミー
2.ゼア・ウィル・ネヴァー・ビー・アナザー・ユー
3.コンファメーション
4.ユード・ビー・ソー・ナイス・トゥ・カム・ホーム・トゥ
5.スー・シティ・スー・ニュー
6.オール・ザ・シングス・ユー・アー
7.虹の彼方に
8.エヴリシング・ハプンズ・トゥ・ミー


熊?あな、あそろしや~

2010年10月20日 | j-l

昨晩更新したはずが、下書き止まりになっていました。そのままボツも考えたのですけど、ちょっち長文でもありますし、アルフレッド・ライオンのように非情なまでの意志の強さも私にはございませんので、そのまま、本日10月20日に更新することにしました。
暇に任せて読まれる方がおられましたら、以降の今日は昨日で、現実の今日は明日であることをご承知下さい。(なんじゃそりゃ)


公園の木々も少しずつ紅葉し始めています。

10月19日、今日は10(遠)くへ19(行く)日で『海外旅行の日』なんだそうでありますが、この円高ですからドル圏内の地に行くにはまさに絶好の時なのかもしれません。
むろん私は、海外旅行など行く暇も無ければ金も無いわけで「遠くのくはどうしたんだい?」なんて、どうでもいいツッコミを入れるだけで、なんだか『虚しさ』という淋しい秋風が身にしみるだけであります。

そんな秋風が本格化しても山の実りは乏しいようで、各地に熊が出没、被害に遭われた方々にはじつに不謹慎ではありますが、異常気象に翻弄される熊も可哀相だとついつい同情してしまいます。

 ♪ ある日 森の中 熊さんに 出会った
     花咲く 森の道 熊さんに 出会った ・・・・♪

とは言っても、やはり熊さんに出会うのは、森の中や山の中じゃなきゃいけません、横町で出会ったり自宅に突然やって来るのは、せいぜい落語に出てくる、喧嘩早いがお人よしでおっちょこちょいの熊五郎くらいにしてもらわないと身が持ちませんもんねぇ、これも、おざなりにしてきた山や森の管理に問題があるのでしょう。

落語といえば、『熊の皮』てな噺がありましたねぇ。
たいてい落語の世界の夫婦には、旦那は何処か抜けているどうしようもねぇ野郎で、半面女房はしっかり者ってぇパターンが多いんでありますが、現実どこの家庭を見ても大なり小なりそのパターンに近い夫婦が円満なようにも思えます。
我が身近にもS君ご夫婦のように・・・・・それは言うまい。(笑)

ある日、甚平さんが仕事を終えて帰ってみると、赤飯が用意されています。
「いやいや、赤飯とは嬉しいねぇ、なんかのお祝い事かい? え?まさかオメェの初・・・」
「バカなことお言いでないよ、横町の先生(医者)からいただいたのよぉ、まぁそれはいいんだけどね。だいたいこういういただき物をしたときには、どこのお宅もご主人様がお礼にうかがうってぇのが筋なんだから、あんたも食べたら早々にお礼に行っとくれよ。」
とは言ったものの、甚平さんの挨拶下手を誰よりも知っているのが女房ですから
「いいかいあんた、・・・・・・・」
と、挨拶のひととおりを教えて、
「そうそう、最後に『女房が宜しく申しました』ってね。」

てなことで、お礼に出掛けた甚平さん、ひととおりの口上は忘れずに言えたものの、最後の『女房が宜しく申しました』がどうしても思い出せません。
「まぁまぁ、堅苦しいことは良しとして・・・・いやじつはね、私が診た御店のお嬢さんの病気が全快しましてね、そのお礼にと私が欲しがっていた物を旦那様からいただいたもので、あんまり嬉しかったもんだから、お嬢さんの病気全快と一緒に祝うつもりでみなさんにお赤飯を配ったというわけですよ。」
と先生。
「へぇ、さぞかし良い物をいただいたんでしょうねぇ・・・・で、何を?」
「ははははは、ほれ、そこにある熊の皮ですよ」
見れば、黒い熊が一頭
「ヒェ~~~~!」
「甚平さん大丈夫ですよ、食いつきゃしませんから」
「へい、でも先生、この熊の皮をどうなさるんで?」
「これですか、そりゃあ尻に敷くと暖かくて、とても良いものなんですよ」
「あっ、思い出した!  女房が宜しく申しました。」

つまり、尻に敷かれた熊→尻に敷かれた自分→女房の言葉を思い出したというオチなんであります。
じつは、この噺にはもうひとつ違うオチがありまして、
熊の皮に撃たれたときの弾の穴が二つ空いているのを甚平さんが見つけまして、思わず指を突っ込むてぇと、女房を思い出したという・・・・・・

んんんんん、ともかく、尻に敷かれるくらいの方が夫婦円満だと・・・・・
えっ、我が家だったら、尻に敷いたり穴に指を突っ込む前に嫁さんを思い出す?どうしてまた?
「うちの嫁さんは、街を徘徊する熊以上に恐ろしいんだよ、熊を見ただけで思い出すって ・・・・・・・・・・・ 穴に指突っ込んで????なるほどそれで、あな、おそろしや~~~かぁ」
お後がよろしいようで。

さて、今日の一枚は、ビル・エバンス? 失礼、リー・コニッツです。

ビル・エバンスの初代ピアノトリオというと、エバンス、スコット・ラファロ、ポール・モチアンではなく、エバンス、ジミー・ギャリソン、ケニー・デニスであったということは、エバンス・ファンにとっては常識なのかもしれませんが、じつは私、その三人の演奏を聴いたことも無かったので、ずいぶん後までエバンス、ラファロ、モチアンが最初のエバンス・ピアノ・トリオだと思い込んでいました。

考えてみればこの初代トリオの結成は、エバンスがマイルス・バンドを離れてすぐ、つまり1959年の秋頃といいますから、その数ヶ月後の年末にはエバンス、ラファロ、モチアンによる「PORTRAIT IN JAZZ」が録音されていることを思うと、とんでもなく短いトリオだったということが分かるわけで、どうでもいいっちゃどうでもいい初代トリオなのです。


そんなことすら忘れていた数ヶ月前、トニー・スコットの「AT LAST」という2枚組CDを手に入れました。
これは、LPでいうところの「GOLDEN MOMENTS」と「I'LL REMEMBER」この二枚の合体盤でありまして、もちろんフロントにスコットがいるのでピアノ・トリオではありませんが、バックにいるのは、エバンスのピアノ・トリオ?(初っぱなの「LIKE SOMEONE IN LOVE」では、トリオ演奏が聴けます。 )
ドラムは、ピート・ラロッカですから、初代ピアノ・トリオとも違う、録音日は?なるほど1959年8月1,9日・・・・ということは、このメンバーではトリオとしての活動は無く、この時一回ポッキリだったということなんでしょうねぇ・・・・

まっ、そんなことの追求はエバンス・ファンの方にお任せするとして、この時のエバンス・トリオは完全な前座扱いであることは間違いありません。
いずれにせよ、の時期のエバンスが聴けるアルバムです。
(エバンス、ラファロ、モチアンのトリオも「SUNG HEROES」でギターが入ってましたからフォーマットは違いますけど、トニー・スコットのバックを勤めてますよね。)

と、こんな事を話すんならこのCD「AT LAST」を紹介すりゃいいって言われそうですが、今日紹介するのは、これまたCDで入手したその年の一月、エバンス、ギャリソン、モチアンという組み合わせで、リー・コリンズ、ウォーン・マーシュ、二人のバックを勤めているというアルバムです。

エバンス・ファンには、何か言われるかもしれませんが、秋の夜長に、マイルスの「KIND OF BLUE」を挟む前後のエバンス、そして、伝説となったピアノ・トリオまでの変遷、そこらに想いはせながらこれらのアルバムを聴き比べるのもまた一興ではないかと、そんなんで今日の一枚を取り上げたというわけです。どんなもんでしょ?

LIVE AT THE HALF NOTE / LEE KONITZ
1959年1月24日録音
LEE KONITZ(as) WARNE MARSH(ts) BILL EVANS(p) JIMMY GARRISON(b) PAUL MOTIAN(ds)

Disc 1
1.PALO ALTO
2.HOW ABOUT YOU ?
3.MY MELANCHOLY BABY
4.SCRAPPLE FROM THE APPLE
5.YOU STEPPED OUT OF A DREAM
6.317 E 32ND
Disc 2
1.APRIL
2.IT'S YOU OR NO ONE
3.JUST FRIENDS
4.BABY, BABY ALL THE TIME
5.LENNIE-BIRD
6.SUBCONSCIOUS-LEE


やっと『東京JAZZ 2010』その三

2010年10月17日 | g-i

このログを定期的に見ていただいている国宝級の方には何の面白味もないNHK『東京JAZZ 2010』放送の感想が続きましたが、いよいよラスト「メインストリーム」、これでお終いです。

まずはスーパー・プレミアム・バンド、ケニー・バロン、ロン・カーター、レニー・ホワイトという面子のトリオ演奏です。
考えてみると今回の放送で初めてのジャズらしいジャズと言えるかもしれません。
ロン・カーターとケニー・バロン教授(大学で音楽を教えてましたよね)というと70年代半ばにいろいろ一緒にやってましたよね、いわば衆知の仲、安心して聴ける演奏でありました。
しかぁ~し、こうしてテレビで観る?聴く?ぶんには、特に前日までの放送に何処かイライラしていた私なんぞには、じつに心地よい響きなんでありますが、「あの大ホールでこのトリオ演奏を聴いてどうなんだろう?」という疑問がにわかに湧いてきました。
「やはり本来、少人数編成のジャズは、雑多とした雰囲気のある狭~~い空間で楽しむものなんじゃなかろうか?」
なんてね。
計3回ほど聴き直しましたが、この手の演奏は特にスルメのごとく良さが出るもののように思います。これが、ドラムの音がうるさいくらいの場所でバーボンでも飲みながら聴いたらさらによろしかろうと、贅沢な事を考えたバブでありました。

お次は、寺久保エレナ嬢です。
ある意味、今回これが最も聴きたかった演奏でしたから、たった一曲ですが、これも数回聴き直しをしました。
なんといっても高校生ですからねぇ、これだけの大舞台で、しかも、ウィル・ブールウェア、ロン・カーター、オマー・ハキムを従えてって、緊張するなと言う方が無理なわけで、若干走り気味であったように感じました。
初期の大走りだったジャッキー・マクリーンをちょっと思い出したりして、いやいやこれもまさに若さ、よろしいんじゃないでしょうか。

次はクリスチャン・スコットと熊谷和徳のコラボ。
悪くはないんですが、ライブよりレコードで育った私としては、タップダンスとの共演というのは今一つ分かりにくいところがありました。
できれば、別々のほうが私的には良いかなぁ・・・・・
奇を狙わずにそれぞれの最高のパフォーマンスを、というのが私の感想です。

続きまして、ジョシュア・レッドマン・トリオ
それほど期待していなかったせいか、これはけっこうはまりました。
ピアノレスのテナー・サックス・トリオというと、どうしてもソニー・ロリンズの「A NIGHT AT THE VILLAGE VANGUARD」を思い浮かべてしまう私ですが、もちろん比ではありませんよ、なんて言うかなぁレッドマンの音はどうしてもまだ堅いように感じますし、ユーモアもない。マット・ペンマン、グレゴリー・ハッチンソンも、簡単にいってしまえばまだまだ若いのかな?
でも、ググッと引き込まれる魅力を感じました。

いよいよオーラス、テリ・リン・キャリントン:モザイク・プロジェクトですか。
正直言いまして、どうして今回の放送のラストがこれなのか、今一つピンと来ないんでありますが、いや、テリ・リン・キャリントンのドラミングがどうのとか、プロデュース力がどうのとかじゃなくて、「じつにひっちゃらかせて終わっちゃった」みたいな感じがしたんですよねぇ・・・・・最後の放送のテーマ「メインストリーム」・・・・う~~~ん、どうなんだろ?

私的に一つ注目したのは、特別参加なんでしょうか?中山千尋です。
この人のピアノ、嫌いじゃありません。(アルバムも2枚持っているくらいですから、笑)
ただ、私的に中山千尋に一言言いたいことがありまして、それは、「エレピとかキーボードとかは無視して、ピアノだけをたたいて欲しい」ということ、まっ聞いちゃくれんでしょうけど。

以上、NHK『東京JAZZ 2010』放送の感想は、これにて終了です。
明日からは、またいつものくだらな話に戻りますので、またまたお付き合い下さいませ。

さて、今日の一枚は、いちおうロン・カーターに敬意を表して、このアルバムを選びました。
同じヴィレッジ・ヴァンガードでのライブ盤でも、ロリンズのピアノレスとは違い、ジム・ホールのギターとベースのディオですから地味っちゃ地味なんですが、秋の夜にじっくりと聴いていると、なかなかよろしい一枚であります。(枯葉も入ってるしね。笑)

今日はこれを聴きながら、もう一杯飲んで寝ようと思っています。

ALONE TOGETHER / JIM HALL, RON CARTER
1972年8月4日録音
JIM HALL(g) RON CARTER(b)

1.St.THOMAS
2.ALONE TOGETHER
3.RECEIPT, PLEASE
4.I'LL REMEMBER APRIL
5.SOFTLY, AS IN A MORNING SUNRISE
6.WHOSE BLUES ?
7.PRELUDE TO A KISS
8.AUTUMN LEAVES

おまけ、
先週は叔母の葬儀でお休みでしたが、今日はしっかり料理当番をこなしました。
ってことで、おまけは『料理当番、本日の一品』です。

まずは、秋刀魚の山河風焼き(笑)、薬味と味噌、それにほんのちょっとの醤油を加え、たたいた秋刀魚をフライパンで焼きました。

こちらは、秋刀魚の山河風焼きをあまり好まない母のために作った煮物です。

じつはメインはこちらでして、以前も作りましたよね、蟹入り味噌汁、私の大好物でこれをつまみに飲めるってんだから笑っちゃうでしょ。


やっと『東京JAZZ 2010』その二

2010年10月16日 | y-その他

青空に高い秋の雲が浮かんでいます。

ということで(何が?笑)『東京JAZZ 2010』をいつまでも引きずっているわけにもいきませんので、今日は一気に「グルービー・ナイト」「メインストリーム」二夜の感想を

まずはジャズ・クルセイダーズですが、
昔、「2nd CRUSADE」かなぁ?とりあえずあのへんを聴いたとき「パシフィックジャズ時代の彼らは何処へ行ってしまったんだ!」と、嘆き悲しんだものでありました。(笑)

1952年に結成された「スイング・スターズ」という学生バンドが、クルセイダーズの始まりでした。以降「モダン・ジャズ・セクステット」「ナイト・ホークス」と名を変え、「ザ・ジャズ・クルセイダーズ」として西海岸でデビューしたのが1961年、確かな技術とファンキーさがウケ、西海岸を代表する名コンボとしての地位を確立していったわけですが、グループ名からジャズが消え、ご存じフュージョンの代表みたいなブラック・ファンク・グループへと進化(?)して行った頃には、私は全く興味を無くしてしまったグループでもありました。

でもこうしてあらためて聴いてみると、ウエイン・ヘンダーソンのトロンボーンは低音の魅力と言いましょうか、やはりそそられるものがありますし、ジョー・サンプルのピアノもよろしい(偉そうに)、最近は偏見を取り払おうとしている私ですから、70年代以降の彼らの演奏も聴き直しをしてみようかと、今回思ったりしてね。
「グルービー・ナイト」では、私的に最も耳が行った演奏でありました。

次は、渡辺香津美TOCHIKA2010ですね。
う~~ん、いかに偏見を取り払おうとしている私でも、やはりエフェクトを効かせたギターには未だ違和感を感じてしまうんでありまして・・・・でも、香津美さんはカッコイイと思うんですよ、途中なんかノリノリでしたよね、こんへんも素直に聴ける耳を現在再構築中です。(笑)
マイク・マイニエリも、私なんぞは、昔バディ・リッチ・オーケストラで活躍していたくらいの事しか知らない・・・・・いや、そういえば学生時代にTOCHIKAのコンサートに誘われて断った事がありました。ステップスは知らないけど(笑)

お次はクリス・ミン・ドーキー & ザ・ノーマッズですか・・・・すいません、ほとんど興味なく聴き終えてしまいました。

きましたメイシオ・パカー、本人も「これはジャズじゃないよ」的ことを言ってましたが・・・・・・
私的には、フュージョンよりこっちの方が好きかもしれません。(笑)
西田敏行が頭に浮かんでしまったのは映画の影響でしょうけど、大きな会場ではこのノリが一番良いかもしれませんよね。
私も「ゲロッパ!」ってやってきたかったなぁ・・・・

「グルービー・ナイト」の最後は、ラリー・カールトン & 松本孝弘
さっきも言ったように、ラリー・カールトンがクルセイダーズに参加していた頃の彼らの演奏はほとんど聴いていませんので、ごめんなさい、これもほとんど興味が湧きませんでした。
そういえば知り合いに「ALONE, BUT NEVER ALONE」を聴いてみろと言われたっきり、聴いていませんのでこんどトライしてみたいと思います。

それでは三夜め「メインストリーム」へと・・・・・・
一気に行こうと思ったのですが、やはり無理がありますねぇ、すいませんもう一日この話題で語らせていただきます。それでは次回、ある意味私にとって今回のメインでもある「メインストリーム」の感想をお楽しみに。(誰も待っちゃいないでしょうけどね。笑)

さて、ということで、今日の一枚は、ザ・ジャズ・クルセイダーズです。

クルセイダーズのLIGHTHOUSEライブは、今日のこのアルバムをかわきりに'66年、'68年、'69年と全部で4アルバム残っているわけですが・・・・・
あはは、いかにも全部所有しているかのごとく言ってしまいました。私が持っているのはこの1962年と1968年の二枚です。しかもCDという・・・

とまぁ、そんなことはさておき、このライブがじつにゴキゲンなんでありまして、ウエイン・ヘンダーソンのトロンボーンはもとより、ウィルトン・フェルダーの力強い音には心躍るというか、私もこの場にいれば間違いなく「オーイエイ~~!」なんであります。

う~~~ん、やっぱこの頃のクルセイダーズが、わしゃあ好きやねぇ(笑)

THE JAZZ CRUSADERS AT THE LIGHTHOUSE
1962年8月5,6日録音
WILTON FELDER(ts) WAYNE HENDERSON(tb) JOE SAMPLE(p) VICTOR GASKIN(b) STIX HOOPER(ds)

1.CONGOLESE SERMAN
2.CATHY'S DILEMMA
3.BLUES FOR RAMONA
4.WEATHER BEAT
5.SCANDAALIZING
6.APPOINTMENT IN GHANA