
昨年、女の子の孫が生まれたので、今年の初節句に雛人形を買いました。
去年たまたま梅田のデパートで見かけた、アトリエシムラ×中川政七商店がコラボした
草木染の衣裳着雛飾りに一目ぼれ。
それが頭から離れなかったのですが、さすがにそれには手が出ず・・・
かわりに手織り麻の木目込み雛飾りを奮発しました。
その木目込み人形は、長女が生まれたとき実家の両親が買ってくれたのと同じ真多呂人形。
お顔が上品でとてもかわいらしいのです。
娘もいろいろ見て、やはりこれが一番気に入った様子。
予算オーバーでしたが、なんとか主人を丸め込み購入に至ったわけです

先月届いて娘が写真を送ってくれました。
我が家では娘ふたりが家を出てからというもの、あまり熱心に雛人形を飾ることもなかったのですが、
さすがに今年は35年前の初節句に雛人形を買ってくれた実家の両親のことを思い、
押入れの奥から出してみることに。
お人形がカビていたらどうしよう・・・と心配したものの、きれいな状態だったのでひと安心。

私は三人姉妹ですが、年の離れた姉ふたりは子どもの頃お雛様でよく遊んだというのに、
私自身は雛人形を飾ってもらった記憶もありません。
なので、娘たちが生まれ毎年雛人形を飾ることができるようになって、
一番喜んだのは娘たちより私の方だったかも・・・
先月、介護施設にお世話になっていた実家の母が天国へと旅立っていきました。
昨年12月の中頃から体調を崩し、今年に入って少し持ち直したかに見えたのに
酸素濃度が急に下がりとうとう帰らぬ人となりました。
95歳の大往生でした。
今年久しぶりに雛人形を全部出して飾ってあげようと思ったのは、
自分では意識していなかったけれど供養する気持ちがあったのかもしれません。
母が認知症になってから大変な日々が続き、ついお互いきつい言葉でやりあって
最近はそのときの不機嫌な母のイメージしか残っていなかったのですが、
かつてはおしゃべり好きでちょっと見栄っ張りの華やかな母でした。
小さい子どもが大好きで、孫たちをよく可愛がってくれ、長女の雛人形も
両親がおもちゃ問屋まで一緒に行って私が気に入ったのを買ってくれたものです。
自分が“おばあちゃん”という立場になって、嫁いだ娘を想う気持ち、
生まれてきた孫を想う気持ちがよ~くわかるようになりました。
子育てで大変だったとき、やはり頼りにしたのは実家の母だったなあ・・・
お母ちゃん、今年は雛人形を飾ったよ。
これからも天国で孫やひ孫たちを見守っていてね。