JAZZを聴きながら ふたたび

恥も顧みないで再々開、よろしければお付き合いを

天丼喰いてぇ!

2009年07月28日 | a-c

今日もハッキリしない空模様、いったい今年はいつになったら梅雨があけるんやら、温暖化かフェルニーニョだか知りませんけど、このジメジメネットリはあまり気分の良いものじゃありません。こういった気候が続くとなんだか疲れも取れず、身体が重く感じます。
「あんたの場合は、もともと重い」
うるさい、ともかく食欲も落ちて、体調管理には気を遣わなければいけませんよね。
「ちょいと、あんたが食欲無くしたってぇはなしは、未だかつて聞いたことないけど」
もう、ほんと、うるさいねぇ。

そんな食欲もなくなる昼食時、味噌ラーメンに餃子、半ライスという、それはもう胃に優しい(笑)メニューを注文し、ガバガバ食べていると
「この前、久々に東京に行ってきましたよ。」
と、同僚のO君。先日の三連休を利用して出かけたんだそうで
「いやぁ、迫力ありましたよぉ」
「?????」
なんと、目的はお台場の『実寸大ガンダム』という、そんなヤツがやっぱ身近にもいるもんなんですねぇ、まっ、私ゃ全く興味もありませんが。

私が羨ましかったのは、彼が昼食で食べたという「天丼」でありまして、湯島の老舗『天庄』で食したというのです。


写真は「ぐるなび」より
紹介ページはこちらです。

私はけして天麩羅好きというわけではありません。まして天丼となるとどうもあのタレが甘ったるくていけねぇ、丼一杯食べるのは至難の業なんです。
では、何故に『天庄の天丼』と聞いて羨んだのか、それは

「湯島の『天庄』っていやぁ、かの古今亭志ん生のお気に入りの天麩羅屋じゃねぇかい?」

たしか、志ん生の娘さん、美濃部美津子さんが、著書の中でそんなことを紹介していたような気がしたのです。
さっそく調べてみると、ありました『志ん生の食卓』58ページ「締めにはお酒をかけて・・・」の一節

ええ、もちろん、お父さんも江戸っ子だから天ぷらは大好きでした。なかでもお気に入りの店は湯島(文京区)にある『天庄』だったわね。・・・・・

そんでもって、そこでの「天丼」の食べ方が、なんとも志ん生らしくて良いんであります。

天丼を頼むでしょ。そんで最初は日本酒飲みながら上にのってるキスやエビ、アナゴなんかをつまんでお酒飲むでしょ。で、七分目から半分くらいごはんなんかも食べるわけ。で、やっぱり締めはお酒なのよ。
 <中略>
飲んでいた日本酒を少ぅしだけ残しておいて、それを残った天丼の上にツーッとひと回しすんの。で、すぐにフタをしてちょっとだけ蒸してから食べるんですよ。

これですよ、これ。私ゃやってみたいんですよねぇ、この食べ方。しかも、それは湯島『天庄』の「天丼」じゃなきゃイカンのですよ。
尊敬する酒呑み(笑)、志ん生師匠の真似事をしてみたいじゃありませんか。

『天庄』はいつも満員で、なかなか「天丼」にもありつけないと聞いておりましたから、
「なんでガンダムごときを見に行ったヤツが、『天庄の天丼』にありつけるんじゃい!」
てなもんで
「え~~ん、だれか私を『天庄』で、もてなしてくれるてな、優しいお方はおられませんでしょうか?もちろん旅費、宿泊費、酒代込みで、しかも美しい女性ならなおさら良いんですが・・・・」

ハッキリしない空模様は私に、食欲減退ではなく、妄想脳を誘発しているようです。

さて、今日の一枚は、チェット・ベーカーです。

このアルバム、「やっぱジャズはポプュラー音楽なんだなぁ」と認識させてくれるというか、冒険心が全く感じられないというか、これを聴いて「ジャズってやっぱり難しい」てな人がいたら、頭かち割ってみてみたいというか(笑)・・・・・う~~ん、安易に使いたくないと言っておきながら使っちゃいますが「全く黒っぽくない」一枚です。

内容もタイトルどおり、ラーナー&ロウの名ミュージカル曲集ですから、安心(笑)して聴くことが出来ますし、プレーヤーだってご覧のごとく。
そうですねぇ・・・・モヤモヤして何も考えたくないとき、これをBGMにサイダーでも飲みながら雑誌でも読む? 私はダメですけどね。(笑)

ともかく、やれ、チェトがどうだ、ズートがどうだ、エバンスがどうだなんて必要無いと思います。軽~~く聴き流すアルバムもそれはそれで必要なんですよ。
私は、『天庄』に付き合ってくれるような女性と「ALMOST LIKE BEING IN LOVE」してみたい。(なんじゃそりゃ!)

CHET BAKER PLAYS THE BEST OF LERNER & LOEWE
1959年7月22日録音
CHET BAKER(tp) HERBIE MANN(fl) ZOOT SIMS(ts) PEPPER ADAMS(bs) BILL EVANS(p) BOB CORWIN(p) EARL MAY(b) CLIFFORD JARVIS(ds)

1.I'VE GROWN ACCUTOMED TO HER FACE
2.I COULD HAVE DANCED ALL NIGHT
3.THE HEATER ON THE HILL
4.ON THE STREET WHERE YOU LIVE
5.ALMOST LIKE BEING IN LOVE
6.THANK HEAVEN FOR LITTLE GIRLS
7.I TALK TO THE TREES
8.SHOW ME


呑兵衛は救いようなし!

2009年07月27日 | s-u

それにしても最近の天気ってヤツは、中途半端が嫌いなんでありましょうか?肌寒いような日が続いたかと思えば、これでもかってくらい暑い日がハバ~~ンとやって来て、集中豪雨が無いだけマシではありますが・・・・暑い。

さても、ここ二,三日、ログの更新もせずに何をしていたかといえば・・・・昨日は日曜日だというのにあの暑い中仕事でしたし、一昨日だってMさんのお店でほぼ一日中店番でしょ、その前の前の木曜日だって12時近くまで仕事してたんですから。
??????え?ほんじゃ一昨昨日の金曜日はどうしていたかって?




大きい写真を載せるとまた怒られますので
小さな写真で、さらにモザイクも

え~~、金曜日の晩はですねぇ、いつものバーのママが誕生日でしてね、それから開店5周年のお祝いもしてなかったし、常連さんが集まって・・・・・・・
へぇへぇ、前の晩12過ぎに帰宅後仕込んだ「チキンのトマト煮」と、当日慌てて作った「鯵のマリネサラダ」なんぞを手土産に、なんと午後7時から翌朝4時まで飲み明かしておりましたよ~~だ。(笑)
まぁ、これだけ飲み続けるってぇと、何の話をしてどうしたかなんてぇことは、ほとんど覚えちゃおりませんで、ひたすら楽しい時間だったなぁと思うだけなのでありますが。
常連のみなさん、そしてママ、お世話になりました。

てなことで「もう酒はいいだろう」と思う間もなく、一昨日はMさんのお店に話題の『100円ビール、ザ・ブリュー』(7&iグループの自社ブランド第3のビール)が入荷(厳密にはコンビニでは100円じゃないんですが、それでも一本123円と、ジュースより安い)、
「こりぁ、味を確かめねばイカンだろう」てんで、一本飲んだらア~タ、その日の朝まで飲んでいたとは思えないほど「ワインだぁ、バーボンだぁ」と体内に吸い込まれていくんでありますなぁ。
ちなみに『100円ビール』の味ですが、私は第3のビールなるものをほとんど口にしないので、比べる味の対象が良く分かりません。もちろん、普通のビールと比べるとそりゃ飲み慣れたビールにこしたこたぁありません。ありませんが、こんなもんかと思って飲めば(だって、ジュースより安いんですよ)「私ゃジュース飲むより数段良いなぁ」ってな感じですかね。

話を戻しましょ、
そんでもって、前の晩また飲んでしまった私は、昨晩こそ「酒を抜くぞ!」との柔らかい意思を、とりあえずは貫こうと、こちらもちょっと話題のノンアルコール・ビールテースト飲料『キリンフリー』を買って帰ったんであります。
これがねぇ・・・・・基本私はビール好きではなく、アルコール好きだということを再確認させられましたねぇ、しかも、
「あっ!煮物はあるけど、あとサーモンと蛸の刺身、自分で切って食べて」
って、仕事の日曜日でも刺身を盛らされ、自分で夕食の準備をしていれば、そりゃあア~タ、食べる頃には『キリンフリー』なんてとうの昔に無くなってますから、ビールを飲み直して、さらには日本酒と・・・・・・

「なんだい、けっきょく更新サボって何やってたかと思ったら、飲んでただけじゃん!」
「えっ??????いやぁ、仕事も忙しかったわけだし・・・・・ごめんなさい、おっしゃるとおりです。だ・け・ど、それくらいしか楽しみないんだから、許してちょ」
今週は、最低でも一日、いや二日、『休肝日』をもうけようかなんてね・・・・
「あっ、いけね、ビールとウイスキーが切れてんだっけ、買って帰んなきゃ!」
だめだこりゃ。いまさらではありますが、呑兵衛は救いようありませんな。

さて、今日の一枚は、マッコイ・タイナーです。
ブルーノートでの三作目は、トリオにバイブのハッチャーソンが加わった、前作の9人編成「TENDER MOMENTS」から比べると、かなりシンプルな編成です。
曲も半分スタンダードで固め「以前のメロディアスなマッコイが帰ってきたか」とも思わせますが、そこはそれ、この時期のマッコイはエネルギーに溢れています。それを、コルトレーンの呪縛からなんとか抜け出そうとする葛藤ととるか、それともマッコイらしい野心ととるかは聴く人によって様々でしょうけど。
いずれにせよ、「TENDER MOMENTS」でみせたコルトレーンの「AFRICA / BRASS」を意識したかのような試みはここでも健在で、以降、マッコイを新たなステージに引き上げる「アフリカ」というテーマに誘う序章のようにも私には思えます。

昨日今日みたいな暑い日に、あえてこういったアルバムを聴くのは、じつに身体に良いように思えるのですが・・・・いかがでしょ?

TIME FOR TYNER / McCOY TYNER
1968年5月17日録音
McCOY TYNER(p) BOBBY HUTCHERSON(vib) HERBIE LEWIS(b) FREDDIE WAITS(ds)

1.AFRICAN VILLAGE
2.LITTLE MADIMBA
3.MAY STREET
4.I DIDN'T KNOW WHAT TIME IT WAS
5.THE SURREY WITH THE FRINGE ON TOP
6.I'VE GROWN ACCUSTOMED TO YOUR FACE

おまけ、
『料理当番、本日の一品』ですが、煮物はごっちや煮、刺し盛りは適当盛り、



でもね、あんがいこういうのが美味しかったりするんですよ。(笑)


愛はあるのかい?

2009年07月23日 | s-u

昨日の日食、皆さんの所では確認できましたか?
残念ながらこのあたりでは、厚い雲がお天道様を隠してしまい、
「ちょっと暗くなったような気がするけど、あれが日食?」
う~~ん、これもたんなる勘違いかもしれません。
それにしても、方や日食、方や大雨、あらためて自然の大きさを感じずにはいられません。被害に遭われた皆様には心よりお見舞い申し上げます。

♪ いつだって どこにだって
  はてしない空を 風はうたってゆくさ
  今だけの歌を
  心はあるかい 愛はあるのかい
  スプーンとカップをバッグにつめて
  今が通りすぎてゆく前に
  道のむこうへ 出かけよう
  今が通りすぎてゆく前に
  愛と風のように 愛と風のように ♪

「なんだ?突然」ですが、先週の土曜版朝日新聞beの『song うたの旅人』に取り上げられていたのが、このBUZZの「ケンとメリー ~愛と風のように~」だったのであります。

いやぁ懐かしいですねぇ、いえ、じつはね、私が始めて自家用車らしく乗ったのが、友人から譲り受けた「ケンメリ」そう日産スカイラインだったんでありますねぇ。
もちろん、中古も中古、10年落ち近くの代物でしたから、すでに「ケンメリ」の時代ではなかったんですけどね。(笑)それでもこの曲を聴くとちょっと思い出してしまうんです。

記事では、記者が北海道美瑛町にある「ケンとメリーの木」を訪れています。
残念ながらこの地を使った「ケンメリ」の15本目のCM「地図のない旅」が、どのCMだったのかは覚えていません。(当時、下宿住まいで、テレビのない生活をおくっていたということもありますけど。笑)
でも、なんとなく何処の国の人か分からない若いカップルが、日本全国をお洒落に旅する姿は記憶にあるような無いような(笑)・・・・ともかく、このCMソングだけは耳に残っているんですよ!(別に怒らなくても)

「(いまだに)九州から愛車で来る人もいれば、古い車を廃車にしたくないから預かってくれという人も。みなスカイラインの思い出を長い時間、しゃべられますね。」
と、「ケンとメリーの木」近くのペンション「ケンとメリー」のオーナー大久保さんはおっしゃてます。

考えてみれば、日産スカイラインという車には、私もちょっとした憧れを持っていましたねぇ。
横須賀に住む友人が、いわゆる「ハコスカ」の初代GT-Rに乗っておりましてね、ギヤが入っているのかニュートラなのか分からない、あのギヤシフトのプラプラさがたまんなくて・・・・いやいや、それが羨ましくて(笑)
ついに「ハコスカGT-R」を所有することは出来ませんでしたが、「ケンメリでもスカイラインはスカイラインだ!」みたいな。
でもねぇ、当時の私ときたら、今からは想像も出来ないほどのスリム体型でしょ、しかもツッパッタ感じなど何処にもない『可愛い男の子』(笑)でしたから、あのゴッツイ「ケンメリ」は、黄色い帽子をかぶった幼稚園生が戦車を運転しているみたいで・・・・
だってぇ、あの重たい車体でパワステも付いてなかったんですよ。毎日が筋力トレーニングみたいな感じだったんですから(笑)。

「それにしても、一つの曲が、次から次へと思い出を呼び起こす。やっぱ、音楽って良いですよねぇ」
「って、落としどころはそこかい!」
「だぁから、♪ いつだって どこにだって はてしない空を 風はうたってゆくさ 今だけの歌を 心はあるかい 愛はあるのかい ♪ 音楽には心も愛もあるんだよ。」
「なんじゃそりゃ」

そうそう、車体の重い「ケンメリ」で思い出しましたが、先日、帰宅した私に
「米が無くなりそうだから買ってこい!」
との命令が出まして、
「ラジャー!」
せっかくだから自転車で行こうってんで、空のリュックを背負いいざ出発。
ちなみに、我が家は何処から戻ってくるにせよ、必ず登って帰るようになるんですが、その中でもスーパーからの帰り道は、それほど苦にもならない登りです。ですから
「ほんとに自転車で大丈夫?車で行ってくれば?」
「だいじょうぶ、だいじょうぶ」

ところが、プラス10㎏、これがア~タ、思う以上に応えるんでありまして
「いやぁ、プラス10キロはキツイわ。(ゼイゼイ)」
「そうでしょ、だれかさんの場合、そのキツイ10キロを他にも余分に持ってるし、なおさらなんじゃないの」
「・・・・・・」

エコの時代、重たい車体はある意味『罪』、私の身の蓄えも・・・・やっぱり『罪』なんでしょうかねぇ?
それにしても、せっかく仕事で疲れたところ買いに行ってやったんですよ。なのにその言いぐさって・・・・・
「そこに、心はあるかい? 愛はあるのかい?」

さて、今日の一枚は、ウエイン・ショーターです。
ショーターのターニング・ポイントは、ジャズ・メッセンジャーズに迎え入れられた時、同バンドを離れる時、マイルスのバンドに加わった時、そして、またそこを離れる時、とまぁ数々あるわけですが、ある評論家に言わせれば、今日のこのアルバムは「ショーターのというより、ジャズ全体の大きなターニング・ポイントである・・・かも」なんだそうで・・・・
う~~ん、正直に言いますと、私には「それほどのアルバムだろうか?」との疑問が残ります。まっ、これ以降のショーターを、というよりジャズを、聴き込んでいるかといえばそうでもない私が、言えたことではありませんけどね。

たしかに、何か捉えきれないスケールの大きさを感じるアルバムではありますし、いわゆるこの時代のジャズの閉塞感を打ち破ろうとする気合いも感じます。
ただねぇ、じつに個人的感想ですが、私の感覚には相容れない部分があるんです。それは「トマト好きなくせにトマトジュース飲めねぇのぉ?」みたいに言われても「しかたねぇじゃん」みたいな。(私はトマトもトマトジュースも大好きですけどね。笑)
それと、ソプラノ一本っていうのもちょっとね。
テナーでは表現できないと考えたのでしょうが、この頃のショーターのソプラノは、正直言ってあまり上手くない。(あっ!言っちゃった。)

何度も言いますが、ここまでは、あくまで個人的な偏見を元にしたお話です。
一般的評価としては、「熱意で火傷しそうなくらいのアルバム」であり、「ミスティシズムが、宇宙へ、そして地上へおりて、華やかな光となって飛び散る。」そんな評価のアルバムなのですよ。

SUPER NOVA / WAYNE SHORTER
1969年8月29日, 9月2日録音
WAYNE SHORTER(ss) JOHN MCLAUGHIN, SONNY SHARROCK, WALTER BOOKER(g) MIROSLA VITOUS(b) JACK DEJOHNETTE(ds) CHICK COREA(ds,vib) AIRTO MOREIRA(perc) MARIA BOOKER(vo)

1.SUPER NOVA
2.SWEE-PEA
3.DINDI
4.WATER BABIES
5.CAPRICORN
6.MORE THAN HUMAN

おまけ、

北海道美瑛町には、他にも同じくCMに使われた「セブンスターの木」とか、何かを考えているように見える「哲学の木」や、「親子の木」「パフィーの木」「クリスマスの木」なんて『名木』があるんだとか。それから、たばこの包装デザインに使われた防風林も「マイルドセブンの丘」と名づけられているそうで、一度本物を観てみたいですよねぇ。

あっ、私の通っていた大学の構内には、通称「クランチ通り」っていう通りがありまして、「昔、クランチチョコのCM撮影が行われたからだ」なんて聞いたことがあったんですが、あれって本当だったんでしょうか?

先日、大学時代のサークル仲間から、
「8月にまたみんな集まるんだけど、バブも来ない?」
とのお誘いがありました。
残念ながら私は参加できそうもありませんが(だって静岡って、せめて東京あたりにしてくれればねぇ)、
「あいつらの中に「クランチ通り」の真相を知っているヤツはいるかなぁ?」
まっいずれにせよ、また学生時代の気分に戻って楽しく飲み明かすのでしょう。うらやましいなぁ・・・・(笑)


老成人恐るべし!

2009年07月20日 | g-i

『海の日』の今日、このあたりはその日にふさわしい晴天です。ただし、吹く風が昨日までとは違いいくぶん爽やかな感じで、無理して海に行かなくとも過ごせそうです。(笑)

そんな風に誘われたわけではありませんが、朝食を済ませ一休みした後は、またしても自転車に乗って出掛けることにしました。もちろん、疲れが夜の手伝いに支障をきたしてもいけませんから、近場の徘徊ではありましたけどね。

それでも、家を出たのが午前8時頃、そうですねぇ、最後にヤナイ珈琲さんで、珈琲も買わないのにアイスコーヒーをご馳走になったのが10時前でしたから、1時間半ほど徘徊してきたでしょうか。昨日ほどでは無かったもののそこそこの汗をかいてきました。

途中、住宅街の小さな公園やら、そこそこ大きな広場がある公園、いつもの大きな公園と幾つかの公園を覗きながら行ったのですが、寂しいのは子供の姿をほとんど見なかったことです。
夏休みに入った子供たちは、いったい何をなさっておいでなのでしょうか?
もちろん、時間帯もあるのでしょうし、今日は休日、お父さんやお母さんがお休みなので・・・ということを考慮しても、少なすぎます。
これも少子化の影響なんですかねぇ?それとも、私の小学生時代のように、朝飯食べたら宿題もせずに遊びに行っちゃう、てな馬鹿ガキが少なくなったということなのでしょうか?

それとは逆に、元気なお年寄りが目につきます。
いったい何時から練習されているのか、リーダーとおぼしきおじいちゃんの元気なかけ声の下、ゲートボールを黙々と練習しているお年寄り。
これから暑くなりそうだというのに、なんていう競技ですかねぇ、あの、ゲートボール用のスティックみたいなもので、ゴルフ的なことをやるやつ・・・う~~ん、分かりませんが、ともかく準備を着々と進めメンバーを待つお年寄り。
「おにいちゃんも自転車かい」
と、この私をおにいちゃん呼ばわりする自転車に乗ったおじいちゃん。なんと、犬と駆けっこをするおじいちゃんまでいます。
「へたすりゃ、公園の歩道でナンパでもしてるジジーがいるんじゃねぇかぁ」
てな勢いですよ。
「う~~む、げに恐ろしきは老人パワー!」
まさに「老成人を侮る無かれ」でありますね。

若き二十のころなれや
三年がほどはかよいしも
酒、歌、煙草、また女
外に学びしこともなし

とは、佐藤春夫の詩でありますが、我が青春を振り返れば、これに近かったと反省しきり、それを思えば、外に学んだ老人にかなう者などいません。
私もいずれ中年オヤジを「おにいちゃん」と呼ぶ世代を迎えるわけで、その時こそ真の青春をおくれたら良いですよねぇ。
そのためにも、今、その恐ろしきまでのパワーを私も溜め込まなければいけません。
「頑張るどう!70歳にして公園ナンパを実行するために!」
って、オイオイ。

いづれにしても、お元気なのはなにより、熱中症だけには気を付けて大いに楽しんでいただきたいものですよね。

さて、今日の一枚は、珍しくも2連チャンのボーカルもの、ビル・ヘンダーソンです。
しかも男性ボーカルって・・・・今晩あたり雪が降るかもしれませんよ。

冗談はさておき、ビル・ヘンダーソンといえば、

- 音に対するあの過虐的なエネルギーが会場へ集まった小市民達を一つの桎梏から解放する。あの音のイメージのなかにぐんぐんこじあけられて拡がっていく<自由>の、なかばガソリンくさい青空のような拡がりをわたしは幻覚だとは思わない -

と、寺山修司がしたためた、かの日本国内にファンキー・ブーム、いや、一大ジャズ・ブームを巻き起こしたという、第一回ジャズ・メッセンジャーズ来日に同行したボーカリストであります。
このアルバムにも、その時、蕎麦屋の出前ですら口ずさんだという「MOANIN'」が収録されておりますよね。だからでしょうね、和名のアルバム・タイトル「モーニン」だったと思います。。

たまには、男性ボーカルも良いもんであります・・・・・
とか言って、私の場合、このアルバムも昨日の「THAT'S HIM」同様、バックの豪華さに手を出したアルバムであります。
「だって、私、ブッカー・リトル好きなんだも~~ん。」(笑)

ともかく、いわゆるファンキー・ムードたっぷりのこのアルバムは、聴いていてじつに心地よいし、酒のつまみにもピッタリ、素直に「男性ボーカルも良いよ」と認めましょう。

SINGS / BILL HENDERSON
1959年10月26,27日録音
BILL HENDERSON(vo) BOOKER LITTLE(tp) YUSEF LATEEF(ts) BERNARD McKINNEY(tb,euph)  RAMSEY LEWIS, WYNTON KELLY(p) ELDIE YOUNG, PAUL CHAMBERS(b) RED HOLT, JIMMY COBB(ds)

1.JOEY
2.YOU MAKE ME FEEL SO YOUNG
3.LOVE LOCKED OUT
4.MOANIN'
5.SWEET PUMKIN
6.FREE SPRITS
7.BYE BYE BLACKBIRD
8.IT NEVER ENTERED MY MIND, BAD LUCK
9.THE SONG IS YOU
10.MY FANNY VALENTINE
11.THIS LITTLE GIRL OF MINE


三角休?

2009年07月19日 | j-l

三連休、皆さんはどのようにお過ごしなんでしょうかねぇ?
私は土曜日も、明日月曜日もMさんのお店の手伝いが入っていますので、三連休の実感は全くありません。
「唯一完全休日の今日は有意義に過ごさねば・・・・」
とは言っても、お金もありませんし(笑)いつものごとく、午前中は大汗をかきながらの自転車乗り、シャワーを浴びて冷やしたぬきそばをつまみにビールをゴクゴクゴクと、午後は、『マイ・ジャズ喫茶』に籠もって、家人の怒鳴り声も聞こえないほどボリュームを上げ、読書に勤しみました。

「まさか、クーラーつけっぱなしじゃ・・・・やっぱり」
「なっなに?ノックぐらいすればぁ・・・・・クーラー?あっ、今、ちょっとつけただけ、ちょっとだけね。」
いかにボリュームを上げようとも消えぬ雑音もあるものです。(笑)

昨日、相倉久人著『ジャズとその時代』から一部引用させていただいたこともあり、今日は、あらためて山下洋輔編『相倉久人の 超ジャズ論集成 ジャズは死んだか!?』読み直しておりました。
そんでもって、今日のお話は、同誌第1部『ジャズとその時代』第四章『ジャズは誰のものか』の『黒人 / 劣等感 / そしてジャズ』まで読み進み、ふと思い立ったことをひとつ。

先日マイケル・ジャクソンが亡くなった直後、案の定マスコミの話題は、彼一色となりましたよね。その内容は、PVの完全放送や、彼の歩んできた人生を振り返るもの、そして過去に起きた数々のスキャンダラスな出来事と死後の親権問題、謎多き死因。もちろん追悼コンサートの一部放映などもありましたが、かなり興味本位な、いわゆるワイドショー的切り口のものが多かったようにも思います。(正確には「ようです。」ですね、私はほとんど見ていませんから)

米国の憲政史上初の黒人大統領、バラク・オバマも「最も偉大なエンターテイナーの一人として歴史に名を残すだろう」とマイケルの業績をたたえておりましたが、「少なからず人種差別に身を置きながら育ってきた者にしか分からない苦しみを、二人は共有していたのかもしれない。」なんて思ったんですねぇ。
げんに、オバマ大統領自身「何故、僕の肌は黒いんだ」と悩んだ時期があったそうですし、マイケルが肌の色を白くしたいとの願望も理解していたようです。ただ、そのやり方には反発があったようですが。

考えてみれば、幼い頃より、ある意味さらし者になり続けたマイケルが、「公然とある人種差別をどう乗り切ったらよいのか?」との思いの中で、私にはとうぜん理解できませんが、ああいった行動に出るのも究極の選択だったのかもしれません。
彼の楽曲には、キング牧師の言葉が数多く引用されているそうですけど、未だ消えぬ米国における人種差別の現状を身を持ってさらし、さらにはそれを乗り越えたがごとくスーパースターへと突き進んだ彼の生き方は、米国人達にとって、たんに「偉大なエンターテイナー」以上のものであったのだろうと想像は出来ます。(残念ながら私は米国人ではありませんから)

アメリカはニグロ文化に深く根差している・・・その話し言葉や、ユーモアや、音楽に。他のいかなる人びとにもましてアメリカの文化を自分たちのものだと主張しうるはずのそのニグロが、迫害されたり抑えつけられたりしており、われとわが身でヒューマニティーの範を示してきたそのニグロが、非道な仕打ちによって報いられているていうのは、なんという皮肉だろう。(ソニー・ロリンズ)

私が好きだとほざくジャズの世界において、黒人の存在は非常に大きく、「黒っぽくて良い」てな事を安易に使ったりしてしまいます。
しかし、これは、マイケル・ジャクソンの死をワイドショー的に捉える事と何ら変わりがないんじゃないか????????

こうなるとドツボです。
どうにも相倉久人さんの文章を読んでいると、私の思考回路では消化できない事を考え始めてしまうんですよねぇ。もう『三連休』ならぬ、頭『三角休』みたな(笑)

夕方になって、趣味部屋では、三角頭の私を「1958 MILES」の「STELLA BY STARLIGHT」が癒してくれました。
「まっ、いいやね、聴いていて良い、それが一番だて」

「晩ご飯、何時にするのう??」
三角になった頭を「STELLA BY STARLIGHT」でちょっと丸くして、あとは料理でもしながらほぐしましょう。
『料理当番、本日の一品』です。

今日は『休みなのに休肝日』を決め込み、テーマを設定して料理してみました。(えっ?「昼間ビール飲んだろう」ってですか、まぁ、ビールですから・・・・なんじゃそりゃ)
ズバリ、『喫茶店か、定食屋で出てくる普通のハンバーグ』です。
土用の丑の日なんですからねぇ、鰻でも食えばいいのに・・・・

さて、今日の一枚は、ジャズの世界で黒人運動を語るとき避けては通れぬマックス・ローチと、彼に大きく感化された妻、アビー・リンカーンの共演アルバムです。

このご夫婦の話としてすぐ思い浮かべるのは、アメリカのダウン・ビート誌上で行われた「ジャズに於ける人種的偏見」というパネル・ディスカッションです。

事の発端は、アイラ・ギトラーが同誌に寄せた、アビー・リンカーンの「STRAIGHT AHEAD」に対するレコード評で、「アビー・リンカーンは『職業的なニグロ』だ。」と書いたことに始まるわけで、
「かつて自分が『職業的なニグロ』だった時代は確かにあったわ。その頃の私は、白人が期待する通りのニグロを演じていたものよ。だけどそのころ私を『職業的なニグロ』と呼ぶ人は誰もいなかった。それがどう、一旦この私が自分の現在の地位に目覚め、『戦闘的なニグロ』になろうとしたとたん、今度は『職業的なニグロ』呼ばわりするなんて!」

おっと、この話をし出したらまた長くなりますね。

ともかく、そんな『戦闘的ニグロ』夫妻の出会いのアルバムは、なにしろメンバーが凄い。
どうして、アビーのソロ第二作目にこれだけのメンバーが集まったんでしょうか?
正直、ボーカル軽視の私にとって「アビーはいらないかな」的思いは出てきてしまいますが、ちょっと癖のある歌い方は、好きな人にはタマランのでしょうね。
ソニー・ロリンズはこの後すぐ「A NIGHT AT THE VILLAGE VANGUARD」を録音する時期ですから絶好調ですし、その他のメンバーも悪かろうはずがありません。ただ、「DON'T EXPLAIN」で、ウイントン・ケリーがベースってぇのはどうなんでしょ?

はたして、この頃アビーは『職業的なニグロ』だったのか、それともすでに『戦闘的ニグロ』だったのか?
音楽でそれを表現することは、簡単なことでは無いと、私は思っています。

THAT'S HIM / ABBEY LINCOLN
1957年10月28日録音
ABBEY LINCOLN(vo) KENNY DORHAM(tp) SONNY ROLLINS(ts) WYNTON KELLY(p,b) PAUL CHAMBERS(b) MAX ROACH(ds)

1.STRONG MAN
2.HAPPINESS IS JUST A THING CALLED JOE
3.MY MAN
4.TENDER AS A ROSE
5.THA'T HIM
6.I MUST HAVE THAT MAN
7.PORGY
8.WHEN A WOMAN LOVES A MAN
9.DON'T EXPLAIN

おまけ、

そういえば、アビー・リンカーンは女優もやってましたよねぇ。離婚後久々に顔を見たのは、スパイク・リー監督の「モ’・ベター・ブルース」でした。
スパイク・リー監督といえば「マルコムX」、
マルコムXの『ブラック・スリム』、マーティン・ルーサー・キングの『南部キリスト教指導者会議(SCLC)』・・・・・
いかん、また『三角休』になりそうだよぉ。


儀式の翌朝

2009年07月18日 | a-c

梅雨空が戻った土曜日、今週もなんだか忙しい一週間で、今朝は空模様に合わせたがごとく身体がど~~んと重い感じです。
まっ、半分は昨夜の儀式のせいという話もありますけど(笑)

儀式?
そう、毎年の7月17日、ジョン・コルトレーンの命日に繰り返す『マイ儀式』です。(失礼、毎年は嘘で、以前行っていた儀式を5年前に復活させたのですけどね。)
昨晩も、8時に帰宅、その後は趣味部屋にこもり、セロリと塩、そしてサントリー・ホワイトを一本テーブルに用意。
まずは2つのショット・グラスにホワイトを注ぎ、一杯はコルトレーンに、
「乾杯!」
クイッともう一杯を飲み干します。
それからは、11時まではスピーカーで、11時過ぎからはヘッドフォンで、ただただコルトレーンを聴きながらホワイトを飲み続けるという・・・・『マイ儀式』であります。

「ねぇ、ねぇ、なんでサントリー・ホワイトなわけ?」
「それはね、この儀式を始めた高校生時代は、ホワイトくらいしか買えなかったからだよ。」
「ねぇ、ねぇ、なしてセロリのなわけ?」
「それはね、儀式を始めた高校時代、下宿の近くの八百屋でセロリを売っていたからだよ。」
「なにそれ」
「・・・・・・」

前衛から主流へと下降をつづけるオーネットに対して、主流から前衛への道をたどった男に、ジョン・コルトレーンがいた。彼は音楽を通じて地獄の現実と対決し、その果てに幻想の神の国をみいだすことによって、自己確認を達成しようとした。その対決の激しさが、彼を無意識のうちにジャズの前衛たらしめたのだ。
  <中略>
彼もまた幻想の世界での、意識せざる革命家であった。
         (相倉久人著『ジャズとその時代』より)

私がコルトレーンに心酔するのは何故か?
それは、その時代背景、あるいは、前衛だの主流だの、あるいは、『神』や『宇宙』だのといったコルトレーンの言動にも、関係のないものなのかもしれません。
昨晩のように、周りの雑音を一切取り払って彼の演奏を聴くことによって、何処からともなく湧き上がってくる自分自身のエネルギー、その大きさときたら、始めて彼を聴いたあの日から何も変わりありません。
それが、私にとって唯一無二のジョン・コルトレーンなのです。

考えてみれば、私が始めて彼に出会ったのが『ジャズ喫茶』という特殊な環境であったことに感謝すべきかもしれませんね。
何故ならそれが、
ドライブの途中でラジオから流れてきた「SELFLESSNESS」の「MY FAVORITE THINGS」の後半部のソロだったら(まっ、ラジオから流れてくる事はなかったでしょうが)、あるいは、彼女と二人、楽しい食事をしている最中、BGMで流れ出した「ASCENSION」だったら(あはは、これは前例よりさらにあり得ませんが)、いや、もっと現実的に言えば、たまたま、友人にレコードを借りたら「AT THE VILLAGE VANGUARD AGAIN !」が紛れ込んでいて、家族とワイワイやりながらそれを聴き始めたら・・・・・私の『マイ儀式』は存在しなかったかもしれません。(笑)
それが『ジャズ喫茶』の大スピーカーで、周りの音などお構いなしの大音量で、彼に出会ってしまったが故に、その時に燃え上がる自分自身のエネルギーに気付いてしまった、という事なのかも・・・・

ともかく、年に一度、自身のエネルギーを感じ続ける夜は今年も終わりました。
翌朝残ったのは、自分でも分かるほどのアルコール臭と脱力感?でありましたとさ。お終い。(笑)

さて、今日の一枚は、とうぜんコルトレーンです。
コルトレーンも、そろそろネタ切れ間近なんではありますが、大丈夫、もう少しは保ちますよ。(笑)
いわゆる至高のカルテット最後の演奏は一度お蔵入りとなります。それは何故か?このアルバムを聴けば理由が分かる気はしますね。

この録音のちょっと前7月26,27日の二日間、カルテットはフランスのコートダジュールで行われた、アンティーブ・ジャズ・フェスティバルに出演しました。この時、すでに変化が生まれつつあったカルテットは、その後のパリで行われたコンサートの時です。エルビン・ジョーンズが、突然自分のドラムを蹴飛ばし、ステージを降りてしまいました。
「私がそのとき一番心配していたのは、ずっと一緒にやってきた仲間を失うことだった。とくにエルビンのことが一番気がかりだった。」(コルトレーン)

前にも書きましたが、コルトレーン自身は、このカルテットと新たな試みとは、まるでマイルスのレギュラー・コンボとギル・エバンスとの関係のように、両立できるはずだと思っていたようです。
だけどねぇ、コルトレーンがそんな器用なわけないんだから・・・・

そんななかで録音された今日のアルバムが、良かろうはずはありません。一週間前に録音された「SUN SHIP」どころではなく、エルビンの心はすでにここにあらずといった感じでしょうか。
それでも、至高のカルテット最後の演奏は、私にとっては貴重なものなのであります。
ファラオ・サンダース、ラシッド・アリを加え、再録した「MEDITATIONS」においての、コルトレーンの違った盛り上がりと、エルビンのあきらめの心が、なんとも私には寂しいのではありますけどね。

FIRST MEDITATIONS
1965年9月2日録音
JOHN COLTRANE(ts,ss) McCOY TYNER(p) JIMMY GARRISON(b) ELVIN JONES(ds)

1.LOVE
2.COMPASSION
3.JOY
4.CONSEQUENCES
5.SERENITY

追伸、
セロリだけをつまみに、サントリー・ホワイトをストレート・・・・・体調的にそろそろ無理がある気もします。来年からはせめてロック、いや、バーのママに忠告されているようにチェイサー付きに変えようかなぁ・・・(笑)


今の緑は?

2009年07月12日 | g-i


九州南部では梅雨明け、季節は着実に進んでいるようです。とはいっても、このあたりでは鬱陶しい日々がまだまだ続きそうです。

そんな梅雨のまっただ中の日曜日、曇り空ながらなんとか天気は持ちそうですし、風もそこそこ爽やか、ならばやはり自転車に乗らないわけにはいかないでしょう。

昼食に冷やし中華を食べて・・・・・・

さすがに遠くまで出掛ける元気はありませんでした。しかし、近くにこんな公園があることを私はとても幸せに感じるわけでして、幾つかのこんもりとした山を丸ごと公園にしたここは、自転車&ウォーキングには最適、途中何度か水分とモク(もちろん携帯灰皿持参ですよ)の補充を繰り返しながら、約2時間、ウロウロしてきました。

それにしても面白いのは、水分を補充した瞬間にどっと増える汗の量ですねぇ、「ウムウム、ウン十年も身体に溜め込んだ悪魔を追い出す気分だ。」てなもんで、これがじつに心地よいのでありますよ。

春を過ぎ、この季節になると爽やかな緑というより、迫り来る恐ろしいまでの生命力を感じずにはいられません。

 みどりのいろは いろいろある
 たとえばはるは いろがろんがいに うつくしい
 それは みどりのいのちが いちばんいろだから
 いのちのいろは いいいろ
   (東田直樹 「みんなの知らない海の音」 いいみどり より)

春の緑がいちばん色なら、今の緑は何の色なんでしょ?
あれだけ若々しかった緑も、この季節になるとそれぞれが個性を主張し合い、縄張りを拡げんとするような野望を持った色へと変わってきます。
いずれ、赤色に、黄色に変わることは分かっていても、今はギラギラした緑を拡げることに邁進する・・・・生命とはかくも貪欲なものなのであります。
すなわち、それが生命力であり、それが生きるということなのです。

なぁ~~んちゃって、ちょっとだけ汗をかくと、生きている実感が湧いてきて、目に入る緑にもそんな思いを抱いたりなんかして・・・・
うん、やっぱり身体は動かしてなんぼですね。(笑)

さぁ、いい汗をかいたら、やっぱり楽しみは一杯のビールでありまして、帰宅後はビールを飲みながらの夕食当番です。
ということで、『料理当番、本日の一品』

準備中にビールを飲んでしまいましたので、ホンチャンはポン酒ということで、まずはどんこの煮付けです。

これは、どんこの煮付けを食べてくれない母のための、お得意の肉じゃがです。
ちょっと大量に作ったので、気が向いたら、先日「肉じゃがが食べたい」と言っていた中国人留学生Yさんに、持っていってあげようかと思っています。

もちろん、ビタミンも必要ですから、シーフード・サラダも作りました。

さて、今日の一枚は、レッド・ガーランドです。
プレスティッジには「GROOVY」を筆頭に、多くのアルバムを残しているガーランドですが、そんな中でこのアルバムあたりはかなりマイナーな一枚と言えるかもしれません。
でも、この時期のガーランドにハズレはありませんねぇ。まして、リラックスした彼はたまりません。ゴム鞠みたいに弾むあの独特なタッチは、まさに彼の魅力であり、それが最大に活かされていた時期であったのでしょう。

テーマ・ナンバー「RPJO」なんて、ドラムに合わせて適当にコードを弾いていたら出来ちゃったってんですから、いかに、この時期のガーランドがノリノリだったかが、分かろうってなもんです。

「GROOVY」だけでなく、プレスティッジのガーランドは、メジャー、マイナー問わず聴いておくべきかもしれませんね。

ROJO / RED GARLAND
1958年8月22日録音
RED GARLAND(p) GEORGE JOYNER(b) CHARLIE PERSIP(ds) RAY BARRETTO(cong)

1.ROJO
2.WE KISS IN A SHADOW
3.DARLING JE VOUS AIME BEAUCOUP
4.RALPH J.GLEASON BLUES
5.YOU BETTER GO NOW
6.Mr.WONDERFUL


いでよ!ヒーロー!!

2009年07月11日 | j-l

今朝は、昨日遅くまで飲んでいたわりには思いの外早く目が覚めてしまい、7時には珈琲なんぞをたてておりました。そのくせ空アクビなんぞを繰り返して、蒸し暑い毎日は続くし、
「なんだかやる気が起きないなぁ・・・・」
「あんたのやる気がある時を一度見てみたい」
「・・・・・・」

え~~昨日7月10日は『ウルトラマンの日』だったんだそうでありまして、1966(昭和41)年の昨日、TBSテレビで『ウルトラマン』の放映が開始されたんだといいますから、なんと43年前ですかぁ・・・・・そりゃあ歳も取るはずだ。(笑)
昨夜はいつものバーでそんな話をしておりました。

『ウルトラQ』『ウルトラマン』といえば、まさに私あたりはドンピシャの世代なんでありますが、第一回放送を覚えているかといえば、全く記憶にございません。
なになに?
「『ウルトラマン』は7月17日に放送開始の予定であったが、その前に放送されていた『ウルトラQ』の最終話の内容が難解であるという理由で放送中止となり、穴埋めとして前日に杉並公会堂で開かれたウルトラマンの宣伝イベントの模様を「ウルトラマン前夜祭」として放映したのが最初。」
ほう、さようでございましたかぁ、大好きだった『ウルトラQ』の後番組ですから私が見逃すわけが無いんですがねぇ・・・・やっぱり記憶にありません。

考えてみれば、たしかに『ウルトラマン』は見ていたのに、内容はほとんど覚えていないような気がします。いや、むしろ『ウルトラQ』の印象のほうが強いような・・・・
しいて言えばバルタン星人????あっ!思い出しました。
たしか、遠足か何かの日だったと思いますけど、残ったお菓子を食べようとして、母に「いっぺんに食べちゃダメだよ!」と釘を刺され、寝床の枕元かなんかに置いて寝ようとしたときでした。
「あと10センチ・・・あと1センチ・・・・くぅ~~~もう少しダァ」
と、布団の中から腕を伸ばして、おかしギリギリの所で苦しむみたいな、そんな一人遊びをやった記憶があるんですよねぇ、じつはこれ、『ウルトラマン』のハヤタ隊員がベーターカプセル(ほら、ウルトラマンに変身するときに空にかざす万年筆みたいなやつ)を落として、取れそうで取れない、てな場面があったんですよ、それの真似をして遊んでたんですねぇ。デヘヘ、ボクちゃんかわいい(アホか)

でも、普段のごっこ遊びは『ウルトラマン』より忍者系やこうピストル(今あんまりピストルって言いませんよね)を使うような、例えばスパイとか、そんな系統が多かったような・・・・・っていうか、野球やら缶けりやらメンコやらそんなんほうが、ごっこ遊びより勝っていたんですかね。

「ウルトラマンの歳は18(ジュハッチ)。残念ながらウルトラマンは即席ラーメンを食べられない」これが私のウルトラマンに関する知識のすべてかもしれません。(笑)

ところで、
『ウルトラマン』の生みの親、故円谷英二氏は福島県須賀川市の出身。かの地の町興しに『ウルトラマン』は欠かせぬ存在であるようですが、『ウルトラマンの日』には何か催しでもあったんでしょうか?


興味のある方はこちらをどうぞ

同地に『ウルトラマン・ジュース』なる地場産リンゴを使用したジュースがございましてね。このウルトラマンを形取ったガラス瓶がなかなか愛らしいんであります。
その他にも『ウルトラマン・パン』やら『ウルトラマン・どら焼き』やら『ウルトラマン・クッキー』やらいろいろあるとは聞いてますが、現物は見たことも食したこともありません。(笑)

そうそう、以前紹介した
 ♪ ある日走ったそのあとで・・・・・
の、東京オリンピック、マラソン銅メダリスト円谷幸吉も同市の出身でありました。

って、おいおい、おまえは須賀川市の回し者か!(笑)

まっ、いずれにしても、親殺しに子殺し、逆恨みの火付け、無差別殺人・・・・・
『ウルトラマン』は無理としても「今こそ、現実的なヒーローが現れて欲しい」と、バブ君は思うのでありました。

さて、今日の一枚は、チャールス・ロイドです。
おそらくこの場にロイドが登場するのは、「FOREST FLOWER」以来2度目だと思います。
このキース・ジャレットも参加したカルテットは、活動期間が約3年半、さらに発売アルバムのほとんどが結成一年以内に集中している、というわりには一時ジャズ喫茶をにぎわしたカルテットでありました。
しかし、「FOREST FLOWER」を紹介したときにもたしか書いたと思いますが、私はそれほど熱を上げませんで、その根底にあるのは、音楽そのものの評価というより、「ポスト・コルトレーンの逸材」とのロイドへの評価に対する、そして、なにより大好きな(笑)キースへのつまらない反骨であったように思えます。

今日のアルバムは、旧ソビエト連邦エストニア共和国タリン市で開かれたインターナショナル・ジャズ・フェスティバルでのライブ盤ですが、たしか発売は同カルテット解散後だったように記憶しています。
ソビエト連邦と聞くと、どうにもジャズというイメージが湧かないかもしれませんけど、毎年ジャズフェスが開催されるほど盛んで、これはヨーロッパでのジャズの評価が大きく影響していたとも思われるわけです。そのジャズフェスに14回目にして始めてアメリカから乗り込んだのが、この時のチャールス・ロイド・カルテット。(インターナショナル・ジャズ・フェスティバルなのにね。笑)
そしてその演奏は、スタンディング・オベーションが鳴り止まなかったという、いわゆる「伝説のステージ」となったわけです。

まぁ、今になってつまらない反骨など無意味ですから、素直に聴いてみるんであります・・・・
私がこんな演奏を嫌いなわけないじゃありませんか、根本的に好みであることは、私を良く知るお方なら一発で分かります。
しかぁ~~し、ラスト・ナンバー「TRIBA DANCE」、ここでキースが「至上の愛」のフレーズを弾いている、これは「いいけど、ヤダ~~!!」
けっきょくはつまらぬ反骨を捨てられぬのでありました。(笑)

IN THE SOVIET UNION / CHARLES LLOYD
1967年5月14日録音
CHARLES LLOYD(ts,fl) KEITH JARRETT(p) RON McCLURE(b) JACK DeJOHNETTE(ds)

1.DAYS AND NIGHTS WAITING
2.SWEET GEORGIA BRIGHT
3.LOVE SONG TO A BABY
4.TRIBAL DANCE


出会いは新たな糧?

2009年07月09日 | y-その他

なんともハッキリしない空模様があいかわらず続いています。まっ梅雨なればしかたのないことではありますが、いくぶん豊満なスタイルの人といると、本人にもまわりの方にもあまり愉快なものではありませんので、もうすでに秋が恋しいバブ君であります。
えっ?「デブの汗」はもっと鬱陶しいって? だ・か・ら、秋が恋しいって言ってるでしょうが!(笑)

世の中話題は「マイケル・ジャクソンか、東国原か、橋本か」てな感じですね、私などはもうそろそろ鼻についてきていますけど。
ところでみなさんは初対面の方とどんな話題でコミュニケーションをとられますかねぇ?
ぞくに「政治、宗教、野球の話は御法度、天気の話なんぞが最も無難」てなこと申しますが、天気の話だけじゃ間が持ちません。じっさい日本人は初対面の方と話をすることがじつに苦手な人種らしいですね。
かくいう私もこれがまぁシャイで、初対面にはひじょうに弱い。
「え~~~~?!」
まぁまぁ、
ところが、ことこれに酒が絡みますってぇとじつに口が滑らかになったりするもんでありまして、「互いの職業すら、いや、へたすりゃきちんとした名前すら知らぬまま、その飲み屋さんだけでですが、じつに仲の良い関係になる」これは、酒飲みの特権、楽しみでもあります。
まして、同年代なんてぇことになりますてぇと、本や映画や音楽やら話に事欠かないんですねぇ、おのずと酒も時も進みが早かったりします。

「バブちゃん、ファラ・フォーセットが亡くなったけど、やっぱりバブちゃんもあの年代かね?」
「えっ?、まぁ年代ちゃ年代ですけど、あんまり彼女には興味はありませんでしたねぇ」
ある焼鳥屋のカウンターで、店のオヤジとそんな話をしていると
「いやぁ、素晴らしいねぇ、『ある愛の歌』」
と話に入り込んできたのは初見のお客さん。
「あ~~ライアン・オニールですか」
「そうそう、もう少し早くプロポーズしてりゃもっと良かったろうけどね。」
するとその隣のお客さんが
「でも、ライアン・オニールって『ある愛の歌』以外に何に出てました?」
ここに、初対面三人の話は始まるのであります。(笑)

じつはこれ、ちょっと前の話でして、昨晩たまたまその焼鳥屋へ行くと
「あっ、バブちゃん、これ預かってたんだ。」
と、オヤジさんが私に一枚のCDを手渡しました。
「???????あっ!『スティング』」

そうでした。その初対面三人組は、しばし映画の話題で盛り上がり、私お得意の映画『ひまり』の話から、ヘンリー・マンシーニに。やれ、『ティファニーで朝食を』の「ムーンリバー」も良かった、いやいや『シャレード』もいい、『酒とバラの日々』は捨てがたい、なんといっても『ピンク・パンサー』でしょ、てな調子で、映画音楽の話題になって、何故か『スティング』→ラグ・タイム→スコット・ジョプリンと話が進んだのでありました。

「そうだ、『スティング』で使われていた音楽の、しっかりしたレコードは持ってないって言ったら、CD貸してくれるって言ってたんだぁ」
なんと律儀な方でありましょうか、アテにもしていなかったのですが、
「ありがたやぁ」(笑)

以前もお話ししたでしょうか、映画『スティング』のおかげで、ラグ・タイムもスコット・ジョプリンも知らぬ世界ではなくなりましたが、じっさいは、ラグ・タイムもジャズ草創期に結びつく大きな要因音楽であるといった、じつに頭でっかちな知識しか無く、もっとその音楽自体に触れなければいけないと思う分野でもあります。

まぁ、その話は後々として、映画『スティング』の舞台はラグ・タイムが世を席捲した時代から20年以上後のシカゴ、時代錯誤の設定音楽ではあるわけで、脚本を書いたデイビット・S・ウォードはラグ・タイムを使うことに反対をしたそうですね。ところが監督のジョージ・ロス・ヒルは「そんなことを気にする人間は君の他に5人くらいしかいないよ。」と、音楽担当のマーブィン・ハムリッシュが提案した「からかうような雰囲気があって面白い。」(なんてったって詐欺師の話ですから)との意見を受け入れたってな事らしいんですが、これはつまり、爆発的人気をはくしたラグ・タイムは、その時代の一過性の流行であって、すでに多くの人に忘れ去られた音楽であったとの裏返しのようなエピソードであります。
ともかく私も、ジャズからではなく『スティング』から、ラグ・タイムを認識した一人ですから、ロス・ヒルには感謝すべきでしょう。

あれ?何でしたっけ?
そうそう、飲み屋で知り合う方々も、まるでラグ・タイムのように一過性のものかもしれません。でも、そこから回り回ってジャズが生まれたように、その出会いが自分自身の新たな糧となるやもしれない、私はそう思うんですよね。

さて、ということで、今日の一枚は、ちょっとばかり色気が違いますが、そのCDを紹介しようと思います。
スコット・ジョプリンについては、いつか熱く語ってみることとして、今日は単純にCD紹介だけにしておくことにしましょう。
ただ一点、昨夜、じっくりと聴いての感想を一つ、なんともノリは良くて気持ちいいんです。いいんですが、正直、飽きが早い音楽のようには感じます。
おそらくは、何ヶ月かに一回、いや、何年かに一回、思い出したように聴くとじつに心地よいCDではないかと、私は思います。

THE SCOTT JOPLIN COLLECTION

1.MAPLE LEAF RAG (1899)
2.THE EASY WINNERS (1901)
3.SUN FLOWER SLOW DRAG (1901)
4.PEACHERINE RAG (1901)
5.A BREEZE FROM ALABAMA (1902)
6.THE ENTERTAINER (1902)
7.BETHENA (1905)
8.EUGENIA (1906)
9.ORIGINAL RAGS (1907)
10.SEARCH LIGHT RAG (1907)
11.SUGAR CANE (1908)
12.SOLACE (1909)


年に一度がそりゃよかろ

2009年07月07日 | d-f

いやはや暑いです。天気予報では曇りなんですが、う~~ん、晴れと言っても良いんじゃないですかねぇ、しかもなんとなく霞がかったような・・・つまり、湿度が高いんでしょう。うっとうしいったらありゃしない。(笑)
コンビニ弁当で昼食を済まし、阿弥陀堂の池の畔を、蓮の花見ながらゆっくり歩いただけで、どぉっと汗が出てきます。

どうせ晴れて暑くなるんだったら、もうちょっとカラッとなってくれりゃあいいのに。
こんな感じで夜を迎えてもおそらくは星を愛でるような空にはならないでしょうなぁ、しかも満月だっていうし、織姫も牽牛も可愛そうなこってござんす。

「バブさん、日本では何をするんですか?」
Mさんのお店のアルバイト、中国人留学生のYさんです。
「えっ?何が?」
「だから、明日、ユウ、ユウ、ナナ・・・・」
「あ~~七夕」
「そう、七夕」
「そうだねぇ、笹に願い事を書いた短冊を下げてぇ・・・・そんでもって酒を飲む、あはは、それは嘘かな」
考えてみれば、七夕の物語も元をたどれば、中国は漢の時代の『文選』という本にぶち当たるわけで
「本場の中国じゃ、特別な何かをするのかねぇ?」と私。
「う~~~~ん、そうですねぇ・・・・・・はら?バ????う~~ん、ローズ」
「ああ、バラ?」
「そう、バラを贈ります。男の人が女の人にバラを贈りますよ。」
「へぇ、そんな習慣があるんだぁ」
まっ、中国全土の習慣であるのかどうかは別としても、それぞれに織姫と牽牛の心は生きているようであります。

君が舟今漕ぎ来らし天の川霧立ちわたるこの川の瀬に

牽牛は牛をひく彦星で農耕を意味する星、織姫(女)は水辺で機を織りながら彦星を待つ棚機女(たなばたつめ)、衣装を司る星であります。(七夕の由来はこの棚機)
父の言いつけとはいえ、年に一度しか逢瀬を味わえぬ夫婦ってぇのも寂しいもんでありましょうなぁ。
えっ?そのほうが新鮮味があって良いんじゃないかって?
う~~~ん、それはあとの364日好き勝手に出来ればという条件付きですが(オイオイ)

ともかく、平安の御代から、二人の願いが叶うこの奇跡の日に、その奇跡をほんのちょっとだけ分けていただこうてんで、秋の竹(これは春の季語でありますよ)も落ち、若々しく葉の開いた今年竹を切り出し、里芋の葉から受けた朝露のしずくで墨をすって願い事をしたためた五色の短冊を、紙縒りで一つ一つ枝にぶら下げていくんでありますねぇ。

「どれどれ、○○ちゃんの願い事はなにかな?」
   * アイドルになれますように *
「ほほう、アイドルかぁ、ほんじゃ、○△は?」
   * ××レンジャーのベルトが欲しい *
「いいねぇ、子供らしくて」
   * これ以上給料が下がりませんように *
「なんだい、え、こりゃカーカーかい。当てつけかい」
「そういうあんたは何て書いたのさぁ」
「いや、オレのはいい、見なくていい」
「いいから見せなさいよ!・・・あら、欲張って3枚も書いてるじゃないの、なになに?」
   * 妖怪が若返ろうなんて無駄なことに金を使いませんように *
   * なるたけ妖怪の顔を見ずに済みますように *
      * できれば、妖怪以外にお友達ができますように *

「あんた!」
「あれ?やっぱり妖怪が誰だか分かっちゃった?」

織姫も毎日逢えば妖怪変化年に一度がそりゃよかろ

なんちゃって、
くだらないこと言ってないで、七夕素麺でもいただきましょうかね。


When you wish upon a star
Make no difference who you are
Anything your heart desires
Will come to you

If your heart is in your dream
No request is too extreme
When you wish upon a star
As dreamers do

さて、今日の一枚は、以前紹介済みの重複アルバムです。
というのも「七夕ときたらやっぱ『星に願いを』でしょ」というのは自然な流れ、ビル・エバンスもフレディ・グリーンも考えたんですが、同じ重複ならこのケニー・ドリューにしようかなんてね。
さらに、このアルバムを紹介したときに、私の想いなんぞは一切触れなかったもので。

以前もお話ししましたが、私はこの頃のケニー・ドリューがとても好きで、あの独特の転がるような、それでいて繊細なピアノに高校時代は惚れ込んでしまったものです。
特に、今日のこのアルバムは、ポール・チェンバース、フィリー・ジョー・ジョーンズというリズム隊、そりぁニール・ペデルセン、アルバート・ヒースというバックも悪かぁないんですよ、悪かぁないんですが、この頃のドリューのほうが、なんだか夢中にピアノに向かっているというか、ともかく、力強いリズム隊に押し出されるピアノの響きは、なんとも美しい、これこそ私にとってもっともドリューらしいドリューなのであります。

美しさとは裏腹なもので、商業趣味に走ってそこだけを強調したところでタダの張りぼて、中身の詰まった演奏こそに、その美しさが際立つものなんじゃないか、なんてね。

お星さん、お星さん、願わくば、また私の心を揺さぶる多くの演奏に出会えますように。

THE KENNY DREW TRIO
1956年9月20日録音
KENNY DREW(p) PAUL CHAMBERS(b) PHILLY JOE JONES(ds)

1.CARAVAN
2.COME RAIN OR COME SHINE
3.RUBY, MY DEAR
4.WEIRD-O
5.TAKING A CHANCE ON LOVE
6.WHEN YOU WISH UPON A STAR
7.BLUES FOR NICA
8.IT'S ONLY A PAPER MOON