JAZZを聴きながら ふたたび

恥も顧みないで再々開、よろしければお付き合いを

こんな近くに

2007年08月29日 | v-x

いやまったく、この涼しさを待っていたんですよ。あ~~~このまま、あの私を苦しめた灼熱の日々は、過去のものへとなってくれるのか・・・・今度こそデブのお願いが届きますように。

「ん?バカ者・・失礼、若者はどんなんを聴いているのかなぁ?」
「止めてくださいよぉ、いろんなとこいじるの」
「けけけけけけけ」

今日はたまたま、若者(29歳ですって)の車で移動することになり、助手席で適当にカーオーディオを、車を買ってまだ三ヶ月ぐらいしかたっていない彼をからかおうと、ごちゃごちゃ触ってたわけです。(もちろん操作方法は分かってたんですけどね)

♪・・・・・・・・
「ん?出囃子?それも何処かで聴いたような出囃子・・・・」

え~~人というものは、いろんな性分が、あぁございまして・・

まぎれもなく古今亭志ん生の声じゃありませんか。
「おいおい、若いのに志ん生かい、珍しいねぇ」

・・・・・江戸時代に下谷の山崎町に西念という坊さんがおりまして・・・・

「おう、『黄金餅』だぁ」
『黄金餅』といえば、三遊亭円朝の作といわれ、不気味な内容にもかかわらず、志ん生が磨きに磨きをかけて珠玉の名編に仕上げ、志ん生が生きている間は誰も手を出せなかったという、専売噺であります。

「あれ?バブさんも落語聴くんですか?」

まったく「あれ?」はこっちの台詞ですよねぇ、二十代の若者が車の中で落語を聴いているって、そんなことあんまり無いでしょ?
彼は父親の影響で小さいときから落語を聴いていたのだそうで
「志ん生はいいですよねぇ、何回聴いても飽きませんもん。バブさん、知ってました?2,3年前から、確実に落語ブームが来てるんですよ。」
「おいおい、ほんとかよ」

彼曰く、ちょっと前にテレビドラマや映画で落語が取り上げられ、若い女の子のファンも増えてきてるんだそうで、
「最近の寄席は、年寄りの社交場や閑散とした客席なんていうイメージは全くないんですから」
「ほんと??????」
しばらく寄席にも行っていない私には確かめようもありません。

「この志ん生の『黄金餅』は・・・・・・・」
いやはや、またもビックリ、録音場所まで覚えてるんですよ。私も度々落語の話を持ち出すくらい落語好きではありますが、録音を集めるマニアではありませんから、録音場所までは分かりゃしません。
「バブさんだって、ジャズの演奏聴けば、どのアルバムで、何年ぐらいで、何処での録音かって分かるじゃないですか。それと一緒ですよ。」
「まぁ、全てってわけじゃないけどね・・・・・まさか、落語を聴くオーディオにもこってるとか?」
「あははははは、それは無いですよ。」

私としては、二十代の若者で落語に詳しい男がこんな身近に居たことに、本当に驚きました。
彼が言うように、彼以外にも若い連中で落語好きって奴がけっこう居るのかも知れません。
「よし、今度は落語の話で若い女の子とお友達になっちゃおうかなぁ~~~」
「それは、違う意味でも絶対に無理です!」
「・・・・・・」

「良かったら、これ持って帰ります?」
と、車に積んでいたCDを貸してくれました。
「てめえに比べりゃ、俺なんざぁ古典落語入門で上等かも知れねぇなぁ。」

さて、今日の一枚は、ジョン・ライトです。
プレスティッジに残る彼のアルバム5枚の内、以前、最後の録音「JOHN WRIGHT」を紹介しましたが、今日のこのアルバムも、その5枚の中で、彼らしい「黒っぽいけど臭くない」といった雰囲気が良く出た一枚だと思います。
特に今日の一枚は、取り上げられている曲がいかにも黒っぽいといった曲にもかかわらず、爽快さすら感じるライトが楽しめます。

私は、ゴスペル調の「AMEN CORNER」が好きかなぁ、このアルバムも一杯飲みたくなる一枚なんですよねぇ・・・・
ともかく、あまり知名度を上げることが出来なかったライトですが、とても良いピアニストだと思います。「もっと売れて欲しかったし、もっとアルバムも残して欲しかった。」そう思えるピアニストです。

SOUTH SIDE SOUL / JOHN WRIGHT
1950年8月30日録音
JOHN WRIGHT(p) WENDELL ROBERTS(b) WALTER McCANTS(ds)

1.SOUTH SIDE SOUL
2.47th AND CALUMET
3.LA SALLE St.AFTER HOURS
4.63rd AND COTTAGE GROVE
5.35th ST. BLUES
6.ODD NOTES SUITE
7.AMEN CORNER

おまけ、
『ホタルノヒカリ』はビデオに撮って、桂文楽の『小言幸兵衛』を聴こうと思います。
「おーーーい、日本酒!」
「飲みたいんなら、かってに飲みな!」
「は~~~~~い」



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4 コメント

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そうそうに (のるぶ)
2007-09-29 21:27:28
お邪魔しまた。バブさんの書かれていらっしゃることが、わたしのツボにはまっています。ふとしたことで訪ねたのですが、こんな楽しいサイトに出会えてラッキーでした。まだ少ししか拝見していないのでこれから過去の記事も拝見させていただくことがが楽しみです。当方は、ジャズを一生懸命聴いた時代はとうに過ぎ去り、いまでは、雑食系(?)の身となりました。

ところで、よろしかったらリンクを貼らせていただけないでしょうか?
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のるぶさん (バブ)
2007-09-30 19:34:12
「楽しいサイト」なんて、おだてても何も出ませんよ。

世辞と分かっていても、そう言っていただけるととても嬉しく思えます。ありがとうございます。

リンクですか?
もちろん、こんなんでよろしければ、貼るなり煮るなり好きにしてくんなませ。(笑)
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さっそく (のるぶ)
2007-09-30 21:55:04
このコメント欄を選んだのは、志ん生のことを書いてあったからだったのに・・・うっかりして、そのことを書くこと忘れてしまいました。わたしの就寝前のお供は、現在はマリア・ピルスの弾くピアノと志ん生のCDです。世の中落語をきくひとが増えたら物騒な事件も減るんじゃないのかな・・・なんて思ったりしています。いやほんとに。
>「楽しいサイト」なんて、おだてても何も出ませんよ。
嘘?“御餅”でも頂けるかと思っていましたが(笑)
リンクはさっそく貼らさせていただきます。ありがとうございました。
返信する
のるぶさん (バブ)
2007-10-01 19:40:15
さっそくのリンク、ありがとうございます。

就寝前の志ん生ですか、いいですねぇ。
落語に学ぶべき事は本当に多いと思います。
私も今になって「好きで良かった」なんて思っています。

こちらもリンクを張りたいのですが、少々整理も必要なので、近くそちらへコメントさせていただいてからリンクさせていただきます。
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