JAZZを聴きながら ふたたび

恥も顧みないで再々開、よろしければお付き合いを

「あっ、そ」はないよねぇ

2008年08月31日 | s-u

ちょっと前の週間予報どおり、とても良い天気でした。とはいっても、未だ大気の不安定さから日本列島が逃れることも出来ず、全国が集中豪雨におびえている事態に変わりはないようです。

今日はちょっとした野暮用が重なって、夕飯が遅くなってしまいました。それでも料理当番から逃げられもせず、とりあえずは『料理当番、本日の一品』であります。

あはははは、一つの反抗ですね、今日は完全につまみ系に徹してしまいました。
プレートの中身は、サーモン団子(笑)、マッシュポテトのトロ豚添え、ホタテと海老とトマトのグラタンもどき、インゲンとベーコンのスパゲッチョです。

こんなんをつまみながら、趣味部屋ではなくダイニング(????)で飲んでおりますと、テレビでは『篤姫』が放送されています。
「ほう、ついに島津久光上洛ですかぁ」
何て言いながら見ていると、小松帯刀に妻お近役のともさかりえが
「戦ならば、必ず勝って、生きてお戻り下さい!」
といつになく強い調子で話してるではありませんか。なるほど、命がけの夫を送り出す妻のこれが心境なのでありましょう。
「いいよなぁ、俺もともさかりえにこんなこと言われてみたい・・・・」

昨日の朝日新聞土曜版beに『歌の旅人 泣かずにはいられなかった 古今亭志ん生「冬の夜に」』という記事が載っていました。

 冬の夜に風が吹く
 知らせの半鐘がジャンと鳴りゃ
 これさ女房わらじ出せ
 刺子襦袢(さしこじゅばん)に火事頭巾(かじずきん)
 四十八組おいおいと
 お掛り衆の下知(げち)をうけ
 出て行きゃ女房その後で
 うがい手洗(ちょうず)にその身をきよめ
 今宵ウチの人になァ
 怪我のないよう
 南無妙法蓮華経(なむみょうほうれんげきょう)
 清正公菩薩(せいしょうこうぼさつ)
 ありゃりゃんリュウの掛け声で
 勇みゆく
 ほんにお前はままならぬ
 もしも生まれたこの子が男の子なら
 お前の商売させやせぬぞえ
 罪じゃもの

これは、武士ではなく火消しの旦那を送り出す妻の歌ですが、落語でもないのに志ん生の歌が有名なのでありまして
これを聴いて涙したという、今上天皇の家庭教師でもあり、慶應義塾大学の塾長でもあった小泉信三氏と志ん生の関係、そしてこの歌にまつわる話などが書かれた記事でした。
小泉氏は空襲で、ご自身も顔や手に火傷を負われ、また最愛のご子息も亡くされ、さらには多くの弟子や学生を戦争で失っていたわけで、けして上手くもないけど味のある歌が心に染みたのでしょうねぇ・・・・
志ん生のCDにもしっかり録音が残っていますので、一度お聴きになってみて下さい。たしかに心に染みるものがあるはずです。

 海の機嫌をとってきた都万のおかみさんたち
 ひと荒れすりゃひと年も老けてきた
 明日の朝は去ってしまおう
 だって ぼくは怠け者の渡り鳥だから

これは拓郎の『都万の秋』
先日、Mさんから録音を依頼された『よしだたくろうLIVE'73』にも入っていました。

そうか確かに漁場に夫を送り出す漁師の妻も、心境は同じかもしれませんねぇ。

武士を戦場におくる妻、火消しを火事場におくる妻、漁師を漁場へおくる妻、ああなんと強き絆でありましょうか・・・・

「お~~い、出掛けるよぉ」
「あっ、行ってらっしゃい、気を付けてね」
新婚の頃は、玄関まで必ず見送ってくれたもんですよねぇ
それがあ~た、見送るどころか「帰ってこなくていいよ」みたいな空気さえ感じながら、仕事へ向かう・・・・・・
そう!そこのあなたも同じでしょ、一度言ってみたらどうです、
「今日は命がけの仕事が待ってるんだ、もしもの時には、後を頼む」
なんて
・・・・・・でも、
「あっ、そ」
で、終わりでしょうねぇ・・・・・・寂し~~!厳し~~!

さて、今日の一枚は、ソニー・ステットとブッカー・アービンです。
ステットが当時のアービン・グループと共演したといったような形のアルバムなんですが、二人のテナー(ステットは一部アルトも吹いていますけど)の違いは一目瞭然、誰が聴いてもハッキリと分かります。

そんな二人をひとまとめにしているのは、間違いなくドン・パターソンですね。ヘタをすると彼がリーダーでも良いんじゃないかというくらいに私には感じられます。
つまり、このアルバムの魅力は、ステットとアービンのテナー・バトルではなく「パターソンに誘われて心地よい音色を醸し出す二人」そんなところにあるのだと思います。

SOUL PEOPLE / SONNY STITT & BOOKER ERVIN
1974年8月25日録音
SONNY STITT(ts,as) BOOKER ERVIN(ts) DON PATTERSON(org) BILLY JAMES(ds)

1.SOUL PEOPLE
2.SONNY'S BOOK
3.C JAM BLUES
4.MEDLEY - I Can't Get Started / The Masquerade Is Over


大人の酒を飲もうよ

2008年08月30日 | a-c

2,3日前の長期予報では、明日の日曜日はまぁまぁの天候であったはずが、昨日あたりの予報では天気の回復が月曜日以降にずれ込み、なんと今日の予報では金曜日あたりまで延びて、異常気象は予報士泣かせでもあるのでしょうね。

先日、先輩と飲みに行ったときに、
「最近はウイスキー党にとっちゃ肩身が狭いよね」
なんて、女性の先輩がおっしゃっておられましたが、確かにウイスキーや日本酒の立場は、ワインや焼酎の台頭でかなり劣勢に立たされています。
特にあの酒だかなんだかわからないチューハイなる飲み物がいけませんねぇ。昔チューハイといえば、たんに焼酎を炭酸で割って生レモンなんかを搾り入れた(いや、絞り入れたは間違いですね、輪切りのレモンを中でグシャグシャにするみたいな)まったく甘みなど無い飲み物、つまり『酎ハイ』であったわけで、安くて早く酔える代名詞のようなお酒だったのが、今やなんだかアルコールをちょっと加えたジュースみたいになっちゃって・・・・・嘆かわしい(なんで?)
つまり「甘くて飲み口が良くてそこそこ酔える」が良いんでしょうかねぇ・・・そのくせ不思議に思うのは、生き残っている日本酒党は『端麗辛口』がいいなんて、私にはどうも腑に落ちないのであります。

とか言いながら、私の日本酒の好みもけして甘い系ではないんですけどね、う~~ん一番良いのは「辛くて日本酒臭い」やつですかね。
え?私の好みを訊いているわけじゃないって?はいはい(笑)

統計で見ても辛口の日本酒が増えているのは間違いがないようです。
そうそう、国税局で甘辛度なる指数を各都道府県別に調べ発表しているのをご存じでしょうか?
甘辛度とは、佐藤信ら(醸協、第69巻、774-777)による日本酒度と酸度から計算される指数で
193593/(1443+日本酒度)-1.16×酸度-132.57
という計算式で求められる指数なんだそうで(高いほど甘口)・・・・・
わけ分かりませんが(笑)

この指数で見ると、たとえば我が在住県などは、約10年ほど前までは0.0~0.2あった指数が、今では0.03以下と確実に下がっています。全国的に見てもその傾向は変わらず「甘口は売れない」との気運が続いているようです。

そういえば、我が父の実家近くで一時全国的にも銘酒としてもて囃された酒がありますが、先日久しぶりに飲んでみて、その味の変化にビックリしたことがありました。
昔はまるで砂糖でも入っているんじゃないか(実際には入ってないんですよ)ってくらいの甘口の酒だったのが、今じゃちょっとした辛口まで出てるってんですから・・・・

日本酒もウイスキーも、いやワインだって焼酎だって、酒の命は個性にあるように私は思うのです。
「その個性が無くなったら、益々日本酒は衰退するんじゃないか」
なんてね。
でも、あきらめたもんでもありません。そこにこだわって酒造りを続けていらっしゃる蔵元も数多くおられますし(個性を売りにする気運も徐々に高まってきました)、それを楽しみにする、そう大人の酒飲みだって生き続けているんですから。
あとは、そんな大人の酒飲みをいかに増やしていくかでありますねぇ・・・・
「みなさん!カッコ良く大人の酒を楽しみましょうよ!」
って、私には言われたくないですかね。(笑)

さて、今日の一枚は、デイブ・ブルーベックを選んでみました。

じつをいいますと、私はブルーベックの所有アルバムがひじょうに少ないのです。それは何故か?
昔、電化やクロスオーバー、フュージョンといったものについて行けなかったと同時に、「ブルーベックなんか聴いてられるか」みたいなわけの分からない思いがありまして・・・・・
始めて聴いたであろうジャズが「TAKE FIVE」だったはずなのに、何故なんでしょう?
・・・・たんに素直さに欠けていたのでしょうね。

ということで、今日のこのアルバムもLPでの所有ではありません。しかも「二枚合体(ファンタジーの「BRUBECK / DESMOND」と「DAVE BRUBECK QUARTET」)CDで、お徳用ジャン!」と買った一枚です。
でもね、今は私も大人になりましたから、このポール・デスモンドのなんとも言えないビブラートとブルーベックとの滑らかで落ち着いた演奏がとても好きです。
ウイスキーやワインにはもちろん、日本酒、焼酎にだって、大人の酒には良く合う二人の演奏だと思います。

BRUBECK / DESMOND  STARDUST
1951年1, 8月, 1952年9月, 1954年3月録音
DEVE BRUBECK(p) PAUL DESMOND(as) WYATT REUTHER, FRED DUTTON,BOB BATES(b) HERB BERMAN, LLOYD DAVIS, JOE DODGE(ds)

1.CRAZY CHRIS
2.FOGGY DAY
3.LYON'S BUSY
4.SOMEBODY LOVES ME
5.AT A PERFUME COUNTER
6.MAM'SELLE
7.ME AND MY SHADOW
8.FRENESI
9.THIS CAN'T BE LOVE
10.LOOK FOR THE SILVER LINING
11.MY ROMANCE
12.I MAY BE WRONG
13.JUST ONE OF THOSE THINGS
14.LULU'S BACK IN TOWN
15.STREET IN SINGAPORE
16.ALL THE THINGS YOU ARE
17.ALICE IN WONDERLAND
18.STARDUST


行動に敬意を

2008年08月29日 | g-i

昼間は晴れていたこのあたりも、今になって雷が鳴り出し、雨も落ちてきました。不安定な天候はまだ続くようです。
それにしても、記録的な集中豪雨、ビクとも動かない前線、やっぱり地球が人間の傲慢に怒りをぶつけ始めている・・・・間違いなく異常気象でありますよね。

集中豪雨の多大な被害もそうですが、ここ数日間のニュースで私がショックを受けたのは、やはりアフガニスタンで起きた『伊藤和也さん拉致殺害事件』でしょうか。
国や組織の思惑で一生懸命人道支援を行っている人間が犠牲になる、なんと悲しい現実でありましょう。
世界中で起きている紛争にはそれなりの原因や理由があることは理解できます。でも、なぜそれを乗り越えて助け合う心を犠牲にしなければいけないのか?
ただただ、彼の素敵な笑顔の写真を眺め、その不合理に怒るばかりです。

昨晩ロバート・レッドフォードが監督した『大いなる陰謀』という映画を見ました。
あははは、映画館で見たらきっとつまらない映画だったかもしれません。この映画は自宅で見る方が私は正解だと思いましたねぇ。
そんなことはともかく、

党利党略とそれを進めることで我が身の立場を上げようとする政治家、それが正義と胸を張り、そのためには手段は選ばぬと無謀な軍事作戦を実行する(させる、かな)彼にとって、戦場の一兵卒の命など単なる一道具でしかない・・・・さらに、その作戦を党の復権へ向かわせたい彼は、マスコミを利用しようと、テレビ局の記者を呼び・・・

その政治家が策略した作戦に従事する兵士二人は、無謀な作戦故に敵のまっただ中に取り残されることになる・・・・・その兵士は大学で政治学を学び、大学院さえも狙える二人だったが、貧困と人種という壁はそれを許さず、ならば自分が立つしかないと戦場に身を置いた二人だった。

二人の兵士を本意では無いものの結果的に戦場へ送ってしまった大学教授は、才能はあるものの二人とは全く違った裕福な環境にある学生に、何を成すべきか考えさせようとして・・・・・

三つの場面が交互に展開する映画でしたが、最後は教授が学生に投げかけた「おまえはそれでいいのか?何を成すべきなのか考えてみても良いのではないか?」との問いが、我々にも向けられているように終わるのであります。

「ただ机上で私利私欲のために策略を巡らす無能な政治家、それを暴くべきマスコミも理を成さない、それに疑問を感じながらも、兵士達はお構いなく目の前の作戦を命がけでこなさなければいけない。それは何処か間違っている。
でも、最も情けなく責められるべきは、それらを批判するばかりで、行動どころか何を成すべきかも考えないあなたたち自身だろう」
自分が恥ずかしくなるような内容の映画だったように思います。

ある意味プロパガンダに近いテレビでながれている臨時ニュースのテロップを見ながら、教授に問いかけられた学生は、はたして行動を起こすのでありましょうか?

ともかく立場や中身は違っても、伊藤和也さんはそれを行動に移した方でした。そんな彼に、私は心から敬意を抱き、ご冥福をお祈りするのであります。

さて、今日の一枚は、デクスター・ゴードンです。
ゴードンとっさぁんを、表舞台に再び呼び戻したのは、キャノンボール・アダレイの功績であり、リヴァーサイドのオリン・キープニューズであった話は以前もしたことがありました。

リヴァーサイドとアダレイの関係は、ここでとやかく言うことではないかもしれませんが、アダレイ自身がこのレーベルを「私たちの会社」と言っていたことからも、そして、数々のアルバムからもその関係の深さがうかがえるというものです。そのアダレイがゴードンとっさぁんの復帰をキープニューズに促したのですから、これをむげにするわけもありません。
ゴードンとっさぁん復帰第一弾アルバムはこうして世に出たのでありました。

あれ?でも実際は完全復活を考えるなら、ブルーノートの「DOIN' ALLRIGHT」じゃないの?とお思いのあなた、正解です。(笑)
ここでのとっさぁんの演奏を聴くかぎり「DOIN' ALLRIGHT」までの復調にはいたっていないようにも思いますし、共演者がいかにも寄せ集め的感が拭えないからです。

でもね、考えてみればドラッグと警務所暮らしでわけの分からない生活をしているミュージシャンを、いかに過去の華々しい活躍があったからといって、大々的に売り出そうとの賭を打つまでの覚悟は、リヴァーサイドにも無かったんじゃないか、私はそう考えるのですがいかがでしょうか?
そういった意味では、やはり復活の功績者は、ニューヨークに返り咲かせたブルーノートのアルフレッド・ライオンということになるのかもしれません。

え~~大変失礼なことを言ってしまいました。寄せ集めはあんまりですね。
聴いていただくとよく分かるのですが、ここでのとっさぁんは、復調がどうのこうのいう前にとても嬉しそうな演奏を聴かせてくれていると思うのです。
何て言うかなぁ「また出来たぁ、やっぱジャズは楽しいわ」みたいな
ですから、このアルバムを聴いた後、私はけして悪い気がしないのであります。

これはまったく私の勝手な思い込みですが、ライオンもこの演奏を聴いて「ゴードンとっさぁんは死んじゃいない!」と確信したんじゃないか、そして微妙に残る不安は、フレディ・ハバードとホレス・パーラン・トリオという確かなバックで消し去ったのだろう、なんてね。

ともかく、歴史に残る名盤ではけしてありませんが、とっさぁんの復調を彼自身が楽しんでいるかのような、そんな感じが全体から溢れているアルバムだと思います。

THE RESURGENCE OF DEXTER GORDON
1960年10月13日録音
DEXTER GORDON(ts) MARTIN BANKS(tp) RICHARD BOONE(tb) DOLO COKER(p) CHARLES GREEN(b) LAWRENCE MARABLE(ds)

1.HOME RUN
2.DOLO
3.LOVELY LISA
4.AFFAIR IN HAVANA
5.JODI
6.FIELD DAY


いつまでも先輩は先輩

2008年08月28日 | g-i

雨が降ったかと思えば、太陽が顔を出し、何処かで雷が鳴って、また雨がザーっと、なんだかわけの分からない天気で、しかもムシムシムレムレ、あまり気持ちの良い一日じゃありませんでした。まっ、昨晩の飲み過ぎも一つの原因ではありましたけど(笑)

その昨晩ですが、亡くなった親友のお姉さんでもあり、大学のサークルの先輩でもあるKさんと久しぶりに飲んでおりました。思い出話はもちろん、何を話したか忘れるくらいいろんな事をはなしながらの楽しいお酒で、2時過ぎまでやっつけてしまいました。
「バブ、あんた工学部だったんだっけ?」
「そんないまさら」
思えば、未だに私のことを「バブ」と呼んでくれるのは、Kさんくらいなものですし、先輩はいくつになっても先輩、後輩として何処か甘えている自分がそこにはいたように思います。
そういえば私に「バブ」という名前を与えてくれたのも大学時代の先輩、Sちゃんでありました。そのSちゃんも惜しいかな若くして亡くなられ、何故か最後まで私のことを心配して下さっていたそうでして、ありがたいお話です。

高校時代の先輩、大学時代の先輩、仕事先の先輩・・・・・・
私はそこそこあまえ上手だったのかもしれませんねぇ、いつの時代もよく可愛がってもらいました。
そうそう、高校時代に下宿生活をおくっていた私は、修学旅行の初日の昼食(当時は弁当を持っていったんです。)を用意できないんじゃないかと先輩が心配してくれて、朝早いのにわざわざ手作り弁当を持ってきてくださったなんてこともありました。
結局、3つも弁当が集まっちゃって、誰よりも豪華だったりしましたけど(ちなみにモテタからだと胸を張りたいところですが、同情を誘う、いわゆる可哀相キャラだったんでしょうね私は。笑)

反面、多くの先輩に迷惑もかけ、裏切ったような事も間々あったように思います。いまさら反省しても後の祭りですけど、多くの先輩に感謝とお詫びを申さねばいけませんね。
友人もさることながら、多くの先輩があったればこそのバブなのでありますから。

そんなこんなで、昨晩の疲れもあり今日は早めに帰宅しました。
すると、家の中はもぬけの殻、もちろん夕食の準備もされていません。
「え~~~なんでぇ、せっかく早く帰ってきたのに~~」(じつに自分勝手でありますね)

仕方がないので、先日、野菜とともに送られてきた冬瓜を料理しようと思い立ちました。そこで、平日にもかかわらず『料理当番、本日の一品』であります。

冬瓜と鶏の味噌煮でして、えっ?時間がかかるだろうって?いえいえ、ほんの10分ほどで出来上がりました。(圧力鍋を使ったんですよ)
これをあてにビールを飲んでおりますと、
「あら、何でこんなに早いの?」
ビニール袋を持って帰ってきたので買い物にでも行っていたのかと思いきや、近所でお茶を飲んでいたんだそうで、
「あら、何か作っちゃった?せっかくお肉とホタテもらってきたのに・・・・まぁいいわ、チャチャっと料理しちゃって!」
「えっ?俺が???????」
なんだか知りませんが、片付けを半端にしてお茶飲みに出掛けたから、そっちをやんなくちゃいけないとかなんとか・・・・・
作りましたよ、単なるソテーですけどね。



ひょっとして、早く帰ってこなかった方が疲れを癒せたりして(笑)

さて、今日の一枚は、フレディ・ハバードです。
ジャズ・メッセンジャーズに在籍中、同胞のカーティス・フラー、ジョン・ギルモアとの三管で吹き込んだアルバムで、迫力はあるし、アンサンブルもすばらしいと思います。彼の初期の傑作と言ってもよいかもしれませんよね。

速いテンポでソロが展開される「CARAVAN」、ファンファーレ風アンサンブルが盛り上げる「THE 7th DAY」、スタンダードもオリジナルもハバードらしさが充分に味わえる一枚ではないでしょうか。
「この頃のハバードはこんなにも良いのに、なんで70年代に入ってからはあんなになっちゃったんだろうなぁ」なんて思うのは、お得意の身勝手な私感です。

それにしても、この頃ハバードは、ブルーノートと契約してたんじゃ・・・・・・

THE ARTISTRY OF FREDDIE HUBBARD
1962年7月2日録音
FREDDIE HUBBARD(tp) CURTIS FULLER(tb) JONE GILMORE (ts) TOMMY FLANAGAN(p) ART DAVIS(b) LOUIS HAYES(ds)

1.CARAVAN
2.BOB'S PLACE
3.HAPPY TIMES
4.SUMMERTIME
5.THE 7th DAY


これぞ最高の恐怖体験

2008年08月27日 | g-i

毎日毎日、天気予報士泣かせが続きますねぇ、今日も「曇りのち雨」との予報は、当たったとは言い難いお天気でありました。
ふと青空を仰ぎ見れば、夏のそれとはあきらかに違う高い澄んだ空、秋は確実に一歩一歩近づいているようです。

ずいぶん前に「古いカセットテープをまた発掘してしまった」という話をしたかと思います。どうにも整理がつかなくて、まだほったらかしのものが何本も残っているんです。
そこで思い出したように昨晩何本か聴いてみました。
そんな中、ずっと聴くのをためらっていた「高校卒業時に後輩が贈ってくれたテープ」を、「どうしたものか」と思いつつもとりあえずは一度聴いてみて処分をすることに

なにしろ30年以上前のテープ、しかもおそらくもらった直後に一度聞いたきりだと思いますから、そもそも音が出るかも分かりません。
「ジーーーーー  この度ご卒業なさった・・・・・」
モノラルの音が鮮明に聞こえます。
後輩達が一人一人我々に言葉を贈ってくれるといった内容なのですが、まぁメチャクチャ、ただ、声を聞くと一人一人の顔が浮かんでくる懐かしさはあります。
「次は、先輩方にお話ししていただきます。」
(「あれ?俺たちも録音したんだっけ?」)
ショーック!です。私の声が入っているじゃありませんか。

ほら、今の若者はどうか分かりませんけど、我々世代は自分の声などあまり聞く機会が無くて、録音した声を始めて聞いた時「とてつもない嫌悪感に襲われた。」なんてことありませんでした?
あの嫌悪感が再び襲ってきたのです。もう聞くに堪えません。すぐに止めて、早送り。

すると今度は我々が作って「NHK放送コンテスト」に出品した録音番組が
「録音構成 生きる生きてる生きていく・・・・・・・・」
課題テーマは「生きがい」だったんですねぇ・・・・って、そうじゃなくて、こちらもちょっと聞いただけで背中がゾクゾクってしてくるんです。
「ダメだ、こんなの聞けないよ」とすぐに停止
ところが『怖いもの見たさ』いや違った『怖いもの聞きたさ』で、また回したりして、
でもやっぱり
「ダメだ、こんなの聞けないよ」とすぐに停止
この繰り返しって・・・・・・・・

暑くもないのに、これ以上ないってくらい怖い心霊現象を体験したような恐ろしさとゾクゾク感を味わった夜でした。
あはははは、このテープどうしましょ?

さて、今日の一枚は、レッド・ガーランドです。
「WHEN THERE ARE GREY SKIES」(1962年)以来、隠居生活を決め込んだガーランド、変革の60年代は水が合わなかったんでしょうね。
70年代に入り、変革の嵐も落ち着きをある程度取り戻し、ジャズ全体にリバイバル気運も見え隠れしてくると、9年ぶりに突然カンバックをはたします。
そうしてニューヨーク録音のドイツMPS盤として発売されたのが「AUF WIEDERSEHEN」と今日のアルバムの2枚でした。

なにしろ、選曲が良いですよね。
「老体に鞭打って」というよりは「やっぱりガーランドだぁ」という安心感が先に立って、じつに心地いい感じがします。
「なんだかんだ言いながら、やっぱりここなんだなぁ、好きなジャズは」
みたいなね。「FOR CARL」なんて安心しきっちゃって聴いちゃいますもの(笑)

このガーランドを聴いて、「何年経ってもガーランドはガーランドだ」と喜ぶか、「まったく進歩ねぇージャン」と思うかは、あなたしだいです。

THE QUOTA / RED GARLAND
1971年5月3日録音
RED GARLAND(p) JIMMY HEATH(ts,ss) PECK MORRISON(b) LENNY McBROWNE(ds)

1.THE QUOTA
2.DAYS OF WINE AND ROSES
3.FOR CARL The Quota
4.THE SQUIRREL
5.ON A CLEA DAY
6.LOVE FOR SALE


勉強するぞぅ!!ほんとかいな?

2008年08月26日 | a-c

今日も一日梅雨空のような天気なのかと思ったら、午後からは日も差してきて、車の中の気温はどんどん上がってきました。晴れたことを「得した」と思うか、「せっかく涼しかったのに」と思うかは微妙なところです。

今朝新聞を読んでいると「蒋介石 素顔の日記」という「蒋介石の日記公開」の記事に目がとまりました。
というのは、私にとってじつにタイムリーだったからです。

いやね、今こんな本を読んどりまして、

私のまわりにいる男達を見ての感想ですが、歳を取るにつれて『歴史』に興味を持つ輩がどんどん増えてくる感じがしませんか?
私の勘違いかなぁ・・・少なくとも私のまわりはそんなふうに思います。
もちろん私も、若い頃に比べ俄然『歴史』に対して「知りたい」という意欲が増してきて、本を購入すれば必ず一冊は歴史本が入っているという状態です。

最初の頃はご多分に漏れず、戦国武将や幕末の志士といったあたりに興味が集中していたのが、今は古代と近代(極端ですが)に興味が移りつつあります。
特に明治以降の歴史に関しては、まったくと言っていいほどの無知さでありまして、今あらためて勉強し直している最中なのです。
古代史は謎だらけで難しく、逆に近代史は日本だけでなく、世界的な動きが重要になってきて、面倒くさくて難しいんですよねぇ
そして、客観的に史実を見つめるといったものではなく、かなり思考が加味された文章が多くて・・・・・・そこがまた面白かったりするんですが(笑)

誰にテストされるわけでもなく、知ったから多いに役立つといったものでもなく、そういった気軽さが面倒くささを楽しみに変えさせてくれるのでしょう。

記事によれば、蒋家によってアメリカはスタンフォード大学に保管と公開を依頼された日記の内、1946年から1955年までのものが今回公開されたのだそうで、日本の歴史にも多いに係わるものですし、一日欠かさずつけたという内容にはじつに興味が湧きます。
かといって、アメリカまで見に行く事も出来ませんし、見たからといって意味を理解することは不可能でしょうから、いずれ書かれるであろうこれに関する書物の発行を待つしかありませんけどね。
「早く出ないかなぁ・・・」
とちょっと楽しみにしています。

いずれにせよ、この時期の日本、中国、朝鮮の関係には、現代の状況に通じる多くの要因が含まれているわけで、
「ようし、勉強するぞぉ」
と、鼻息だけは荒い私なのでありました。

さて、今日の一枚は、ナット・アダレーです。

二つのワンホーン・カルテットの組み合わせアルバムですが、ナットのワンホーンには、私は若干物足りなさを感じるわけで、「サックスが一本欲しいなぁ」みたいなね。
いやいや、悪いアルバムじゃないんですよ。
「IMAGES」のウイントン・ケリーとポール・チェンバースなんか、じつに良い。
えっ?ナットの話が出てこないって?
う~~~ん、ナット・アダレーは、もっとファンキーであって欲しい?中途半端じゃない方が良いような気がするんですよねぇ
まっ、これもあくまで好みですから

ただ、アルバムとしては最初に言ったとおり、全体にまとまった良盤だと思います。

残念ながら私はLPでは所有しておりません。本日はCDでの紹介です。

NATURALLY ! / NAT ADDERLEY
1961年6月20日, 7月19日録音
NAT ADDERLEY(cor)
JOE ZAWINUL(p) SAM JONES(b) LOUIS HAYES(ds)[1~4]
WYNTON KELLY(p) PAUL CHAMBERS(b) PHILLY JOE JONES(ds)[5~8]

1.NATURALLY
2.SEVENTH SON
3.LOVE LETTERS
4.THIS MAN'S DREAM
5.CHLOE
6.IMAGES
7.OLEO
8.SCOTCH AND WATER

おまけ、
「SCOTCH AND WATER」・・・そうだ、ウイスキーが切れてるんだった、どっかで仕入れてこなくっちゃ(笑)


希望が活きる国

2008年08月24日 | p-r

北京オリンピックも今日で終わり、なんだかへんにバタバタとした感じも終息するのでありましょうか?
もちろん私もオリンピックの各競技に一喜一憂した一人ではありますが、ニュースなどあまりにもそれ一色で「オイオイ、これを隠れ蓑にとんでもないことが何処かで進行しつつあるなんてこたぁねぇんだろうな」などといらぬ心配をしてしまったりして(・・・・・ほんとに無いんだろうねぇ。)
それとそれと、来月5日から始まる北京パラリンピックも、同様とまでは行かなくとも多くの時間を割いた報道をしてくれればとも願うのであります。

「バブさん、バブさん、わたしとSEさん、明日、バブさんのところへ行きます。いいですか?」
昨日、Mさんのお店でアルバイトをしている中国からの留学生Yさんが、そんなことを言ってきました。
「バブさん、明日も料理作るんですか?わたしとSEさん二人で、バブさんの料理食べに行きます。」(SEさんは日本人のアルバイトです。)
実際は今日も彼女はアルバイトをしていますから、私の家へ来ることは不可能なのですが、どうも、ブログの写真を見てから私の料理を食べてみたいと思っているようなのです。

今、Mさんのお店では、二人の留学生がアルバイトをしています。
中国人のYさんとミャンマー人のK君、二人とも流ちょうな日本語で何ら問題なく接客をこなしていますし、頑張り屋さんで覚えも早い、何事真面目に取り組む姿には、見習う点も多々あります。
考えてみれば、まったく環境の違う日本で言葉を覚え、勉強を続けているのですから、頭脳明晰であることはあたりまえなのではありますけどね。

興味深いのは(興味というと失礼かもしれませんが)、時々、それぞれのお国について話をしたりすると、それぞれのお国の現状を強く感じることがあります。
「学校が終わったら、将来はどうしたいの?」
二人とも日本企業への就職を希望しているようです。
ただし、中国人のYさんは、地元に進出している日本企業に就職をして、いずれ地元に戻りたいとの考えなのに対し、ミャンマー人のK君は「地元に戻りたい希望はあるものの、国の現状を考えると、日本に親兄弟を呼んで生活をする方がベターかもしれない」と話します。
「バブさん、サイクロンのニュース聞くとき(聞いたとき)、おかあさんに逢いたくなるよ、寂しくなるよ」
なんだか、こっちまで涙が出そうなお話であります。

子供を海外へ留学させているくらいですから、二人の実家はそれなりに裕福なお宅なのでしょう。それでも、国の現状によって大きく変わる二人の希望。
これは、けして『対岸の火事』ではありませんよね。
日本だって、徐々に若者が夢を持てない社会になりつつあります。
オリンピックを見て「希望さえ捨てなければ、努力さえすれば、夢は叶うんだ」と思う子供たちに対して、現実には希望を捨てなくてはいけないような国だなんてなっちゃったら、そりゃあイカンでしょ。
『希望が活きる国』であり続けて欲しい、そう思いますよね。

こんど作り置き出来そうなものを料理したときには、二人へ持っていってあげようか、などと思っている私でありました。

ということで『料理当番、本日の一品』

ジャガイモがまだまだ山のようにあるので、「ジャガイモ・スープだけどシチューみたい」(私のネーミングです。笑)を作りました。

ジャガイモは煮崩したのではなく、一度蒸したものをマッシュして使いました。
具は、人参、ベーコン、とんもろこし(笑)、キャベツ、トマト、それになんだか串の付いた「ミニ・フランク」なるものが冷蔵庫に入っていたので、それも突っ込みました。

これに「烏賊焼き」「茄子とキュウリの塩もみ」が、私以外のメニュー。
えっ?私?私は飲みましたから

「イカ刺し」と「鯵のナメロウ」です。

さて、今日の一枚は、アート・ペッパーです。
「あらら、またアルトかい」との声も聞こえてきそうですが、けして娘を意識したものではありませんよ。(笑)

サンクエンティンの刑務所に服役中、ペッパーは何を考えて毎日を過ごしていたのか?
このアルバムのライナーノーツに記された本人の談によれば、閉塞された男だけの世界の中で、個々の体験談を話し合うことが唯一の気分転換。そんなうちにペッパーも他の服役者も話し上手になって、そのリアルな体験談に自分や過去の女なんかを重ね合わせ楽しむ術を覚えたんですって、つまり「妄想でもしないとやってらんねぇ世界なんだよ」って話であります。
そんな時、言葉のトリップ、物語のトリップって、ジャズをプレイするのと似ていると感じて(薬によるトリップと似ていると感じなくて良かったちゃ良かったんですが)出来上がったのがこの「THE TRIP」という曲なんだそうであります。

まっ、これがペッパーの本心だったのかどうかは分かりませんけど、この服役でペッパーの音楽が大幅に変化したことは確かです。
そして、最も象徴的にそれを示している一曲が、この「THE TRIP」であることも間違いのないと思います。

以前のペッパーが良いとか、服役後が良いとかは、まさに私感。
他人の意見など聞かずに、ご自分の耳で確かめられるのがよいでしょう。

私的には、ベースのデイビィッド・ウィリアムスには少々不満があるものの、ジョージ・ケーブルスのピアノ、そしてエルビン・ジョーンズのドラム、もちろんペッパーも好みの一枚であります。

THE TRIP / ART PEPPER
1976年9月15,16日録音
ART PEPPER(as) GEORGE CABLES(p) DAVID WILLIAMS(b) ELVIN JONES(ds)

1.THE TRIP
2.A SONG OR RICHARD
3.SWEET LOVE OF MINE
4.JUNIOR CAT
5.THE SUMMER KNOWS
6.RED CAR


大きく大きく大きくなぁれ

2008年08月23日 | v-x

東京で暑い思いをして帰ってくれば、涼しいを通り越したような気温の低さ、まぁ皮下脂肪蓄積型の我が身体にはじつに助かるのではありますけどね。

一昨日の疲れもあって昨晩は早く就寝しようと床に入ったものの、これがなかなか寝付かれない。いつもは2時頃まで起きている人間が11時前に寝ようとするところに無理があるわけでして、結局は起き上がってロックグラス片手にオリンピックの400mリレーなんぞ見て、
「よかったなぁ朝原・・・・・」
なんてやっておりました。

一度グラスを手にすれば一杯で済むわけもなく、チビチビやりながらテレビのチャンネルをあっちこち、
「そっか、今日は金曜日、タモクラでも久しぶりに見てみんか」
てなわけで、一人寂しく飲みながら『タモリ倶楽部』を見ておりました。

 ♪ 大きく大きく大きくなあれ 大きくなって天まで昇れ
   ランプランプ不思議なランプ 恋の炎に火をつけて ヘイ
   大きく大きく大きくなあれ 大きくなって天まで昇れ
   ランプランプ不思議なランプ 私の体に火をつけて ヘイ

   くらいくらい穴の中 前行くモグラが穴掘った 後ろのモグラも穴掘った

   イヤよダメよイヤイヤダメよ イヤイヤそれはムリなのよ
   いついつまでもお友達 許して許してそんなこと ヘイ
   イヤよダメよイヤイヤダメよ イヤイヤそれはムリなのよ
   いついつまでもお友達 許して許してそんなこと ヘイ

   くらいくらい穴の中 前行くモグラが穴掘った 後ろのモグラも穴掘った
                          ・・・・・・・・ ♪

「んんんんんん!?これは・・・・」
アラジンスペシャルの「がんばれジャイアンツ」ではござんせんか、というか、こんな歌とうの昔に忘れていたのが、聴いた瞬間に鮮明に歌詞までも頭の中に蘇ってきて・・・・・

以前このブログでも何曲か深夜放送世代の思い出の曲を紹介したことはありましたが、さすがに「がんばれジャイアンツ」までは思いつきませんでした。(もちろん、音源も持っておりませんし)
それが、まさに『三つ子の魂百まで』ですか?当時何度も何度も耳に入ってきた曲というのは、自転車の乗り方のように忘れないものなのでありますねぇ
特に、以前紹介した「つボイノリオ」なんかもそうですけど、ちょっとエッチなナンセンス歌っていうのは、忘れがたいものだったりします。(そういう年頃だったんですよね)
辞書で『ころもへんの文字』を見つけただけでもちょっとニンマリしてしまう、あの頃の想像力や記憶力、あのすばらしかった能力は何処へ行ってしまったんでしょうねぇ・・・・(笑)

ほんと、あの頃の能力を、身障者への強盗を思いつくようなくだらないことに使っちゃいけません。もっと大きな可能性を持った力であることに気付いて欲しいなぁ・・・・
「有り余るエネルギーは時に暴走する」これは今も昔も変わらぬ若者の特性でありますけど、それは、強者に勇敢にも立ち向かう強い力にもなるわけで・・・・
「後悔先に立たず」若者よ、バカもけっこう、エッチなのもあたりまえ、ただ、今燃えさかるエネルギーは永遠のものじゃないんだよ。そのエネルギーを何に使うべきか多いに悩んで、悩んで、自分にとっても有意義なものに消費してくださいよ。

あら?話が飛んじゃった?
ともかく、おじさんには可能性を多いに秘めた全若者がうらやましいと、そういうことですよ、ね。「がんばれジャイアンツ」ならぬ「がんばれ若者」、♪ 大きく大きく大きくなぁれ ♪ だよ。

さて、今日の一枚は、レオ・ライトです。

ライトは、じつに過小評価されているリード奏者ですよね。それは何故か?
それは活躍期間があまりに短かったからかもしれません。
ミンガス・バンド、ガレスピー・コンボと移ってその後ライトはどうしてしまったのでしょう?
とかいいながら、ヨーロッパに渡りベルリンに定住したことは知ってはいるんですけどね、私にとってのライトは、1959年から1963年ここまでの彼が全てみたいなところがあるんです。

個性的なアルトとしなやかなフルート、彼のアトランティック、ヴォルテックスに残るアルバムはどれも捨てがたいものがあります。
今日のアルバムは、そんなライトの記念すべき初リーダーアルバムです。「SUDDENLY THE BLUES」や「SOUL TALK」と比べると若干個性には欠けるようにも思えますが、A面のフルート、B面のアルトともに、ライトというリード奏者を知るには充分のアルバムであると思います。
彼をよく知らない方にも、一度耳にしてみると良いアルバムだと推奨します。

BLUES SHOUT / LEO WRIGHT
1960年5月25日録音
LEO WRIGHT(fl,as)
HARRY LOOKOFSKY(vln) JUNIOR MANCE(p) ART DAVIS(b) CHARLIE PERSHIP(ds)[1~4]
RICHARD WILLIAMS(tp) JUNIOR MANCE(p) ART DAVIS(b) CHARLIE PERSHIP(ds)[5~8]

1.SIGI
2.ANGEL EYES
3.AUTUMN LEAVES
4.INDIAN SUMMER
5.BLUES SHOUT
6.NIGHT IN TUNISIA
7.THE WIND
8.TWO MOODS


聞いて下さいよぉ

2008年08月22日 | s-u

え~今日は昨日の報告であります。
都内に着いたのは午前10時半、娘の演奏会までは少し間があります。
ならば久々のお上りさん、
「もんじゃでも喰いながら一杯ひっかけようか」
さすがに一杯は無かったものの浅草へ寄り道、もんじゃで昼食です。

ついでに浅草寺でお参りをして、



「あ~あ、浅草演芸場もいいなぁ・・・・・・」
もちろん、そんなことしていたら娘の演奏会に間に合いません。
急ぎ電車に乗って会場へ

感謝です。感激です。
娘は3年間を無駄には過ごさなかったようです。想像以上に素晴らしい演奏でした。
私の評などは彼女にとってどうでもよい話でしょうけど、低音部の音の抜けが以前聴いたときとは比べものになりません。中学の頃は「アルトなのにソプラノ吹いてんじゃねぇかぁ?」くらいの音だったのにねぇ・・・・・・なんだかとても嬉しいんです。(まさに親バカですね)
しかも、相当数の観客の前で堂々と、あの度胸はいったい誰に似たんでありましょうか(笑)
彼女が今後どういう人生を歩むかは分かりません。でも、高校3年間が無駄ではなかったことを形にしてやってみせたことに、親ながら感心しました。

それでねそれでね、こんな親バカ話、ばからしくて聞いてらんないかもしれませんけど聞いて下さい
帰りがけに同じ高校のやはり音楽科の生徒とおぼしき女の子が
「なかなか凄かったよねぇ・・・・・バブさん(娘のことです)やっぱうまいわ」
って話しているのが聞こえちゃったんですよ。
思わず
「君らいい子達だねぇ、アイスクリームでもおごろうか?」
って、声をかけそうになってしまいました。(笑)

肝心の娘とは、その後もいろいろあるということでゆっくり話もできませんでしたが、
指導して下さった先生方に心から感謝しつつ会場をあとに、
「このまま帰るのは、なんだかおしいなぁ」(誰かに娘のことを話したくってしょうがないわけでして)
「俺ちょっと寄り道して帰えるわ」

東京の友人に電話を入れると、「(仕事を)抜けられるから、会えるよ」とのお答え、さっそく待ち合わせをして、生ビールを飲みながら娘自慢をしてきてしまいました。(笑)
仕事を早く切り上げて付き合わされた友人には、いい迷惑だったでしょうね。

さらに昨日は、これじゃ終わらないんですねぇ
帰りの電車の中で携帯に電話が入りました。S君であります。デッキに出てかけ直すと
「いやぁ、紹興酒でも飲みに行こうかなぁなんて思ってね」
「行く行く」
田舎に帰っても引き続き、中華なんぞを喰らいながら、娘の自慢話をM君に聞かせ倒したバブ君ありましたとさ、おしまい。(笑)

さて、今日の一枚は、ソニー・テットです。

昨日のはしゃぎすぎで、さすがにちょっと疲れ気味ですから「こんな時はこのアルバムがいいかなぁ」なんて選びました。
ちょっと強めのエドガー・ウィルスのベースに乗っかったステットとボビー・ティモンズがなかなかよろしいんであります。スタンダード中心ということもあって、ゆったりと聴くにはうってつけの一枚だと思います。

こうして、目を閉じながら聴いていると、昨日の感激がまた蘇ってきます。もちろん、娘のアルトと比べるなどという気は毛頭ありませんよ。ありませんが「サックスっていう楽器は、やっぱいいよなぁ・・・俺はサックスが好きだ~~~!!」ってね。(笑)

PERSONAL APPEARANCE / SONNY STITT
1957年5月12日録音
SONNY STITT(as,ts) BOBBY TIMMONS(p) EDGAR WILLIS(b) KENNY DENNIS(ds)

1.EASY TO LOVE
2.EASY LIVING
3.AUTUMN IN NEW YORK
4.YOU'D BE SO NICE TO COME HOME TO
5.FOR SOME FRIENDS
6.I NEVER KNEW
7.BETWEEN THE DEVIL AND THE DEEP BLUE SEA
8.EAST OF THE SUN
9.ORIGINAL ?
10.AVALON
11.BLUES GREASY


興奮で眠れまシェーン

2008年08月20日 | a-c

今日は水曜日、最近は飲みに出かける率の最も高い曜日なのでありますが、真っ直ぐ帰ってきました。というのは、明日休みを取ってお出掛けするからなのでありまして・・・

じつはですね、明日は音楽系の高校に通う我が娘の高校最後の演奏会なんです。
今までは、本人の「あまり来て欲しくない」(娘も年頃なんですかねぇ、悲しい想いをしてきました。)との意志を尊重して演奏会に行ったことが無かったのですけど、今回ばかりは嫌だといわれても聴きに行くつもりでいましたし、本人も来ないで欲しいと言わなかったものですからね。行くんです。

娘のまともな演奏を聴くのは、何年ぶりでありましょうか、
バカみたいだと笑ってもらってけっこうなんですが、今からドキドキしてるんです。楽しみなんです。嬉しいんです。ひょっとしたら泣いちゃうかもしれません。(笑)

「あ~あ、早く明日になんないかなぁ・・・・今日俺は早く風呂入るよ」

なんて、なんだか遠足前日の小学生のような感じ。
思えば、私の影響でサックスを始めた娘、最初の頃は「お父さん、今度○○やることになったんだけど、何か参考になるような演奏ある?」なんて言ってくれていたのが、「お父さん、もうCDいらないよ、あたしジャズやるつもりもないし」なんて言われて・・・・(シクシク)

クラシックだって何だって良いんです。オヤジは娘のサックスが、他の誰のものより素敵な音だと思っているんですから・・・
えっ?コルトレーン?
何言ってるんですかぁ、あんなの目じゃありませんよ(笑)

ともかく、今日は早く寝なくちゃね、でも、寝られなかったらどうしよう、すこし酒の量を増やしてコテッと寝ようか、でも、明日「お酒臭い」って言われるのも嫌だし、あっ、午後からだから大丈夫かな? いやいや、万全の体調で聴きたいしなぁ・・・・・

もう、何でもいいや、ともかく明日は娘の演奏をじっくりと聴いてまいります。
今日は、興奮状態で支離滅裂でありますが、そのへんはお察し下さいませね。

さて、今日の一枚は、マリオン・ブラウンです。
誰もがコルトレーンを追いかけた時代、それは、テナー、ソプラノだけではなく、サックスプレーヤー全ての傾向でありました。
そんな中、演奏方法やテクニックということではなく、精神世界においてコルトレーンに最も近い存在だったのがマリオンかもしれません。
その精神世界は、内へ内へと問いかけていく、ある意味自虐的で、自分自身をとことんイジメつくすようなところがあるようにも思えます。

コルトレーンとの共演アルバム「ASCENSION」からここでのマリオンを単純にイメージしちゃいけませんよ。
この弘前市民会館でのライブを聴くと彼が最も大切にしようとしていたこと、それは『純心』『素朴』といった事だったのではないか、そんなことを私は感じます。
聴く側も先入観は完全に捨てて、純な心で聴いてみてください。そんなアルバムだと思います。

LIVE IN JAPAN / MARION BROWN
1979年11月8日録音
MARION BROWN(as) DAVE BURRELL(p) GON MIZUHASHI(b) WARREN SMITH(ds)

1.NOVEMBER COTTON FLOWER
2.LA PLACITA
3.ANGEL EYES - HURRY SUNDOWN
4.SUNSHINE ROAD
5.AFRICA