JAZZを聴きながら ふたたび

恥も顧みないで再々開、よろしければお付き合いを

君はジャズなんか聴かない

2019年05月12日 | d-f

昨晩、家に帰ってビールを飲みながらなにげにテレビのスイッチをいれますてぇと、あいみょんさんが歌っておられまして
バブとあいみょん、何とも不釣り合いな組み合わせのようですが、もちろんファンとまではいかないんですよ、ただ、彼女の『君はロックなんか聴かない』てな曲がございますですよね。たぶん一昨年だったと思いますが聴きましてね。

 ♪・・・・
  君はロックなんか聴かないと思いながら   
  少しでも僕に近づいて欲しくて
  ロックなんか聴かないと思うけれども
  僕はこんな歌であんな歌で
  恋を乗り越えてきた・・・・♪
 

 

「なるほど、ロックをジャズに入れ替えれば、我が遠い昔のあの青春に・・・」 なんてね。(笑)

おっと、最初から脱線しました。 今日はお約束の「ジャズ話」であります。

1819年8月、新大陸に初めてアフリカから黒人奴隷が陸揚げされました。(あえて荷物のような表現ですが、事実同じ扱いであったでしょう。)
当然ながら彼らにアフリカの地で培った文化や習慣をそこで続けることは白人が許すわけもなく厳禁とされました。 しかし、身についたものを全て排除することはどう考えても不可能です。
ドラムをたたいたり踊ったりと言った具体的なことは出来なくとも、何気に発するかけ声や叫び、そこに彼らの文化が垣間見えるのも当然であります。

「HOLLER(ハラー)」を辞書で引くと「叫ぶ,どなる,大声で言う」。
「SHOUT(シャウト)」と何処が違うのかは英検100級の私には理解不能でありますが、ここでのハラーとは単に大声を上げるとか、狼の遠吠えのごとく叫び声を上げるとかとはちょっと違います。
キツイ仕事の途中でなんとなく出てしまう『叫び』『かけ声』そんな感じ?つまり自分を鼓舞するようなものだったのではないでしょうか。

仕事の合間の鼓舞となればもう一つの要素「WORK SONG(労働歌)」と同等のように感じますけど、「ハラーは自分自身に」「労働歌は集団全体で」という違いがあると私は思っています。
ともあれ、「ハラー」はやがてリズムと音階を得、自身だけでなく労働集団を鼓舞する音楽へと変化します。

それこそ朝から晩まで休みも無しに仕事を強いられ、生活は家畜のごとく生かさず殺さずてな毎日、「こんなブラック企業止めてやる!」当然そんなことも言えやしないんでありますから辛かったでありましょうなぁ そんな中であるからなおさらアフリカのリズムが蘇る、これは至極当然なように思えます。
ほら強いられた仕事をこなす時、思わず力を入れながら「○○のバカ野郎!××のクソ野郎!」と口にはしなくて心で叫ぶてなことあるでしょ、そして上司の目が届かない場では大きく声に出したり、あれがある意味「ハラー」ですかね。 そして『竹田の子守唄』のごとくいつしかメロディーを得る。

さらに労働の場に歌が欠かせなくなるのも世界共通でありまして、
♪お父ちゃんためならエンヤコラ・・・♪
「労働歌」は自然と彼らの仕事の中から生まれてきたのであります。

さて次は「ゴスペル」であります。 そういった人間として最低の扱い、いや人間以下家畜のごとくでありましょうか、そんな状態になるとこれもまた世界共通の人間心理が生まれてまいります。信仰ですな。 「神に救いを求め安らぎを得る」 キリスト教の福音(ゴスペル)にすがり改宗した彼らは神に彼ら独自の賛美をささげ自らに救いを求めたのでありました。

「ゴスペル・ミュージック」(ここではブラック・ゴスペルを意味しますが、ホワイト・ゴスペル、いわゆる「コンテンポラリー・クリスチャン・ミュージック」は省くこととします)根源は「メソジスト賛美歌」でありますですね。 無信仰者の私としては「賛美歌」に関してこれ以上ツッコむ気力もございませんが、ともかく白人と黒人が分離された環境下で、この「メソジスト賛美歌」もそれぞれの発展を見るのであります。

はてさて次は「マーチ」ですか? まっこれについては説明も不要でありましょうけど「行進曲」ですわな。起源はむろん西洋音楽に属すわけで、これが何故黒人社会に浸透していったのか?これに関してはお次の「ラグタイム」の関わりを説明せねばイカンのでしょうかね。

「ラグタイム」の基本は、「おもにピアノ演奏を中心に右手で黒人ルーツ音楽に基づいたメロディーを、左手で「マーチ」のリズムを刻む」これであります。 ただピアノが弾けてある程度音楽知識があってこその「ラグタイム」でありまして、創始者とされるスコット・ジョプリンにしても8才から音楽教育を受けてますしね。ジャズの基本でもある即興とは一線を画す音楽ではあります。しかるにジャズに対しては西洋音楽と黒人スピリッツの融合という点での影響音楽であったといったところだと思います。

と、今日はここまで、次回「ジャズ話」は、私が最も重要な根っ子だと考えている「ブルース」のお話しを

さて、今日の一枚は、ジョー・ファレルです。
お恥ずかしながらLPは何処かに消えてしまったアルバムです。ですから我が手にある音源はLPからMD、そしてCDからHDへというじつにまどろっこしいものとなっております。(笑)

たぶんですが、当時の私には変なこだわりがあったのでしょうね。
チック・コリア、ハービー・ハンコックに異常なまでの拒否感情をもっとりました。(そのくせ田園調布でV.S.O.P.のライブを心から楽しんでいたくせにね。笑) このアルバムもそんな拒否感情が私を遠ざけたんだと思います。
今こうして聴くと何の違和感も無く、メロディアスなその内容に快さすら感じたりして・・・・
「You Go to My Head」なんざぁ、バーで女の子クドク時のBGMなんかにピッタリじゃござんせんかねぇ。
ほんと若者はもっと素直じゃなきゃいけませんな。
「それはアンタが若者だった時だけかも」
「♪君はジャズなんか聴かないと思いながら・・・♪」
「ごまかすな!」
はい、そのとおり。
でもね、事実、ファレル、コリアと言えば「RETURN TO FOREVER」のイメージが強すぎるのか、いわゆるそのあたりのリスナーは「サナドゥ」というレーベルに顔を背けたのか?逆に「サナドゥ」にハード・バップを期待するリスナーはファレル、コリアという組み合わせに拒否権を発動したのか?それほど売れたアルバムではなかったと思いますよ、確か?

改めて言います。今聴くとじつによろしいアルバムだと・・・・反省。

SKATE BOARD PARK / JOE FARRELL
1979年録音
JOE FARRELL(ts) CHICK COREA(p,elp) BOB MAGNUSSON(b) LAWRENCE MARABLE(ds)

1.Skate Board Park
2.Cliche Romance
3.High Wier-"The Aerialist"
4.Speak Low
5.You Go to My Head
6.Bara-Bara



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