JAZZを聴きながら ふたたび

恥も顧みないで再々開、よろしければお付き合いを

「栄枯盛衰」vs「能力衰衰」

2008年03月30日 | v-x

なんだか気温が思うように上がってきません。明日など最高気温が10度を割る予想が出ておりまして、ほころびかけた桜のつぼみもいつ開いたらよいのか迷っているようです。

せっかくの休みにゆっくりと新聞など読んでいても、政治混乱やら、腑に落ちない殺人事件やら、ぼろぼろぼろぼろ出てくる税金の無駄遣い等々、目に入るニュースは、開幕三連敗の巨人にため息する母のめいった心のように、どうにもやるせない想いばかり引き起こします。
「三位一体の改革」と声高に唱え踊らされても、結局のところ傷みを伴ったのは庶民だけではないか、そんなこと思ったところで、誰に何を言えるわけでもなく、この虚しさが社会を少しずつ壊し始めていることに、はやくお偉いお方が手当を施すことばかり祈る他力本願の自分自身にも腹立たしさがつのります。
そのくせ、新聞を読みながらブツブツ独り言のように文句をほざいている、ほんとアホな中年男の何者でもありません。

「まったく、何でこうも毎日腹立たしい記事ばっかなんだろ」

そんななか、面白かったといえば、今日の朝日新聞の「辞書のことば 栄枯盛衰」との記事でした。
我が家にもある三省堂国語辞典の第6版が昨年12月に出版されて(現在我が家にあるのは第2版です。)、1960年に発刊された初版と比べると、収録語は約2万語増えたものの、計2万近くの語も削られているのだそうです。

消えていった語には「溜め桶」「愛児」「マニュファクチャー」「ライカ判」「白葡萄酒」「瀬戸引き」「ビデカセ・ラテカセ」キスを意味する「A」「ワリチョー」「セーリングポイント」「女ドラ」「レクる」等々、すでに存在しないものも「死語」となったものもありこれは消えて当然なのですが、そうでなくとも、版を重ねるごとにページ数が増し、これ以上増やすと現行サイズと値段の維持が難しくなり、今後の編纂には苦労をしそうだというのです。
つまり、それだけ新語なるものがどんどん世に出続けているということで、考えてみれば私が学生だった頃は「パソコン用語」だって「経済用語」だって「科学用語」だって、こんなに新語は無かったですもんね。まして「流行ことば」はあったにせよ「KY式日本語」みたに多種には及んでいなかったし。

外来語を巧みに取り入れたり、新語をどんどん生み出したりと常に流動性と柔軟性を持っていることが日本語の特徴であり良さでもあるのでしょうが、
「かぁちゃん、○○ってどういう意味?」
「そんなの自分で調べな、何のために国語辞典かってやったとおもってんの」
と、自分の知識の無さを露呈せずに子供に言い聞かせる術の崩壊は避けていただきたいものです。(笑)

元筑波大学長の北原保雄氏は「究極の省略語といえるが、消えていくのも早いだろう」と「KY式日本語」の行方を予測しておられますが、「ことばの栄枯盛衰」はしかたのないこととしても、国語辞典で何事も分かるようにしていただけるにこしたことはないわけで、「能力衰衰」のオヤジにはあまりに早い「ことばの栄枯盛衰」は歓迎できませんよね。

「でも、覚えることが多いということは、脳の活性化には良いんじゃないの。歳を取っても日々勉強よ!」
まぁ、そうではあるんですけどね。

さて、今日の一枚は、タイロン・ワシントンです。
ホレス・シルバーに見出されたワシントンは、同グループの「THE JODY GRIND」でデビュー、そしてこのアルバムで初リーダーを務めわけです。

彼のテナーは、なんだかとてもウネウネしていますよね。おそらくは好き嫌いがハッキリとするタイプのジャズメンではないでしょうか。そのウネウネを色っぽいと取るか、嫌らしいと取るかだとも思いますけど。
いずれにしてもワシントンだけでなく、シルバー・ファミリー同時参加のウディ・ショウも、ちょっと先輩ですがジェームス・スポルディングにしても、若い感性溢れるアルバムにしたかったという意気込みは充分に感じ取れる一枚だと思います。
ただしそれは、当時の他の若いジャズメンが示した感性とは、また違ったものだったように私には思えます。

NATURAL ESSENCE / TYRONE WASHINGTON
1967年12月29日録音
TYRONE WASHINGTON(ts) WOODY SHAW(tp) JAMES SPAULDING(as,fl) KENNY BARRON(p) REGINALD WORKMAN(b) JOE CHAMBERS(ds)

1.NATURAL ESSENCE
2.YEARNING FOR LOVE
3.POSITIVE PATH
4.SOUL DANCE
5.ETHOS
6.SONG OF PIECE

おまけ、
今日は日曜日ですので恒例の『料理当番、今日の一品』です。

メインは「鶏の手羽元の醤油煮」
焼き目を付けた鶏の手羽元を、醤油、酒、砂糖、酢を加えたダシで圧力鍋を使って煮込みます。圧力を落とした後、ゆで卵、下ゆでした大根も放り込んでさらに煮込みました。
付け合わせは「タコ・サラダ」「筋子の酒粕漬け」です。

じつは、日本酒をいただこうかと作ったのですが、何と出来上がってから日本酒が無いことに気付きまして・・・・・ワインでも美味しくいただけました。


腹に入れてからにしよう

2008年03月29日 | j-l

昨晩もまた飲み過ぎてしまいました。(笑)
コースはお決まりのもの、S君をさそって寿司屋でビール、日本酒、後は「ラガブー(ラガヴーリン)飲みてぇだろ?」と甘い言葉でいつものバーに引っ張り込んでシングル・モルトにバーボンとそんなとこです。
本人はそれほど飲んでいないような気がしていたのですが、酔っぱらってましたねぇ、1時半頃自宅に着いたのですけど、いつもは必ずはいる風呂をパスしてバタンキュー、今朝になってシャワーを浴びていると、「やだやだ、酔っぱらいは・・・・・」と皮肉混じり言葉もいっしょに浴びてしまいました。


本体より後ろに酒にピントが合っているという・・・・・

バーに新参者が居たものですから写真を撮ろうとしたのですが、まさに酔っぱらっていた証のようにブレブレであります。

これって「起き上がり小法師」ですよねぇ。だけど私の知っている「起き上がり小法師」からするとほっそりとして、お顔もおカメさんのようでじつに女性っぽい。いったい何処の民芸品なのでしょうか?


我が家に現物がなかったので、ネットショップの写真を拝借しました。

やっぱり私が最も馴染みがあるお姿は、福島県会津地方のそれです。
今から約400年前、当時の藩主だった蒲生公が無役の藩士にこれを作らせ正月に売り出したのが始まりだそうでして、今でも毎年1月10日に行われる十日市という初市で売られているのだとか。その十日市で家族の数+1個の「起き上がり小法師」を買って、一年間神棚などに飾るんだそうで、「転んでも転んでも起き上がる」七転び八起きの精神で一年頑張りますから見守っていてくださいってな事なんでしょうかね。
ちなみに最近は青色のもあるそうで、青が水難から、赤が火事などから家族を守るという意味合いがあるとのことですよ。

まぁ、ママのところの新参者は「私みたいな大酒飲みが飲み過ぎて倒れないように」ってな、お守りみたいなものかな。

それにしても、誕生日を過ぎてからというもの、酒のまわりが早くなったように思うのは気のせいでしょうか?
「バブちゃん、今日は何か食べてきたの?」
ママはいつも心配してくれますが、昨晩も
「うん、寿司屋でタコの握り一個食べてきた。」
「あら珍しい、今日は食べたんだね」
握り一個食べたからと驚かれるような飲み方は、そろそろ卒業した方が良いかもしれません。
「ようし、これからは少し食べて飲むようにするぞ!」
「それより先に、飲む量を減らせば」
「う~~~ん、それは無理」

さて、今日の一枚は、チャールス・ロイドです。
このアルバムも一時ジャズ喫茶で大流行だったように思います。ロイドといえば「ポスト・コルトレーンの逸材」といわれた男(私はけしてそうは思っていませんでしたが...笑)。たしかに朗々と吹き上げる組曲「FOREST FLOWER」は秀逸ではありますし、キース・ジャレットのピアノも悪くない。
ただし、人気のあったアルバムだけに誰かから文句を言われそうですが、私はそれほど好んで聴く一枚ではないのです。
何故なんでしょうか?
おそらくは、脳みそを絞り上げるような興奮を覚えないから・・・じつに分かりにくい表現ですね。う~~~~ん、そうだなぁ・・・聴き終わった後に私自身の達成感がない、これもひどい表現だ・・・・・え~~~い、ともかくもう少しズドーンとお茶目な方が、私は好きなんだと思います。(笑)

それでも、ロイド・ファンだけでなく、キース・ファンも必聴の一枚であることはたしかでしょう。

FOREST FLOWER / CHARLES LLOYD
1966年9月18日録音
CHARLES LLOYD(ts,fl) KEITH JARRETT(p) CECIL McBEE(b) JACK DeJOHNETTE(ds)

1.FOREST FLOWER - SUNRISE
2.FOREST FLOWER - SUNSET
3.SURCERY
4.SONG OF HER
5.EAST OF THE SUN


春の三気に犯されて

2008年03月27日 | m-o

♪ 降りしきる雨の吐息に
 濡れて傾く沈丁花
 ゆるされぬあの人と二人
 忍び歩く坂道
     ・・・・・・・・ ♪

なんだなんだ、石川さゆりの演歌とはジャズブログを自称するログの出だしとはとうてい思えない。
いやね、近年まれに見る花粉症のひどさに、おもてで春の香りを楽しむなんて事が無かったわけですよ。ところが、今朝トイレに入りますと(食事中の方には失礼いたします。・・・・PC見ながら食事ってぇのも無いか)まぎれもなく沈丁花の香りが・・・・母が庭から摘んでさして置いたんです。
そうでした、沈丁花の花ならもうとっくに咲いている季節、花粉症はそんな香りで季節を楽しむことさえ奪ってしまう憎っくき野郎なんであります。

そんなわけで、事を済ませた私はそんな石川さゆりの『沈丁花』を歌いながら出てきたのでありました。
(できればこの春の香りをトイレ以外で感じたかったですけどね。.....笑)

「なに朝から大声出して、しかもトイレで歌ってんの!おもてから良く聞こえるんだからねぇ恥ずかしい。」
「へへんだ、朝から我が美声に酔う小鳥ちゃんだっているやもしれんじゃないの、なんたって春は恋の季節だよ。「あら、朝から何て爽やかな歌声、チュンチュン」なんてね。「ねぇ、こちらのお宅からよ。どんな素敵な殿方がお歌いになってるのかしら」てなもんさ・・・・」
「はいはい、花粉症が脳髄まで犯さないうちに薬でも飲んどけば」

沈丁の香りが紡ぐ恋妄想  バブ

いかんいかん、春の陽気は「眠気、怠気、妄想気」三つの気を一気に運んで来てしまいます。シャキッとせにゃシャキッと。

さて、今日の一枚は、マリアン・マクパートランドです。
女性ピアニストの草分け的存在ですが、日本での知名度は今ひとつのように思います。
同時期に他国からアメリカへ渡った女性ピアニストというと、マリアンが1946年、秋吉敏子1956年、ユタ・ヒップ1955年ですから、彼女が最も先輩ということになります。
余談ですが、マリアンはコルネット奏者のジミー・マクパートランドと結婚後に渡米、敏子は渡米後すぐに結婚、ユタは結婚せずに帰国、このあたりにその後の彼女たちの行方が係わっていたのか?ちょっとそれぞれに訊いてみたいような気もします。

マリアンというと幅広い音楽性をカバーする器用なピアニストというイメージが私にはありますし、後進を支え育てる良き指導者であり、的確な批評を行う評論家といったイメージもあります。
だからでしょうけど1978年から彼女の司会で始まったラジオ番組「Piano Jazz radio shows」には、彼女を信頼して多くのミュージシャンがゲスト出演し、長寿番組となったわけですよね。
ビル・エバンスがゲスト出演したときの様子は音源が残されており(最初レコードでの発売だったのかなぁ?私はCDでの所有ですが)、英語が理解できない私でもなんとなく番組の雰囲気を汲み取ることができます。

今日のアルバムは、ユタよりも以前に、ピアノ・トリオとして出演していたヒッコリー・ハウスでの録音です。
マリアンの時に語り掛けるように、時にダイナミックに聴かせてくれるピアノはもちろん、ビル・クロウの乾いたベースの音も、ジョー・モレロのドラムもじつに軽快で、とても質の高い演奏だと思います。

それにしても、イギリスにマリアン、ドイツにユタ、日本に敏子と、当時の世界には凄い女性ピアニストがいたもんでありまして、おそらくは名も知られずに消えていった名女性ピアニストも数多くいたのだろうと想像できます。

AT THE HICKORY HOUSE / MARIAN McPARTLAND
1954年9, 12月録音
MARIAN McPARTLAND(p) BILL CROW(b) JOE MORELLO(ds)

1.I HEAR MUSIC
2.TICKLE TOE
3.STREET OF DREAMS
4.HOW LONG HAS THIS BEEN GOING ON ?
5.LET'S CALL THE WHOLE THING OFF
6.LUSH LIFE
7.MAD ABOUT THE BOY
8.LOVE YOU MADLY
9.SKYLARK
10.JA DA
11.I'VE TOLD EVERY LITTLE STAR
12.MOON SONG


あっぱれ商魂!

2008年03月26日 | a-c

天気の変化がめまぐるしいですね。これも春なればこそというところでしょう。

今日は久しぶりに喫茶店ランチ、昨日から続く眠気と怠け癖が合間って少々長居のランチとなりました。

「あらま、バブさん珍しいんじゃない」とは常連のNさん。
「そうそう、今日こんなの買って来たんだけどどうかねぇ?」と見せられたのは、デアゴスティーニの『クール・ジャズ・コレクション』であります。
今回の発売は第3弾ジョン・コルトレーンとのことで
「結局三回とも買っちゃったから、今日定期購読申し込んで来ちゃったよ」

CMが流れたり、ネット上でもいろいろ話題も出ているようですし、私も本屋で立ち読みさせてもいただきましたましたので発売されたのは存じておりましたが、今更私がこれを買いそろえる必要性は全く感じず気にも止めていませんでした。

「定期購読ですか。全部でいくらくらいかかるんですかねぇ」と私。
「全部で何巻だっけかなぁ」
するとマスターが
「たぶん70巻じゃないかなぁ、一冊いくらだっけ?」
「1,190円」
「するってぇと単純計算で・・・・・・・83,300円、高ぇ~~~~」
わざわざ電卓を叩いてくれたマスター、ご苦労様です。
すかさずNさんが
「いやいや、初回は490円だから」

8万円、これを高いと見るか安いと見るかは人それぞれの価値観でしょうが、1,500円以下のCDが乱売されている現在、単純にこの金額で50枚以上のアルバムを手に入れることも可能だということで・・・・・・・

「いやいやいやいや、Nさん、俺はこれを否定するわけじゃありませんよ。わけの分からない50枚より、いいとこ取りの70枚のほうが良いかもしれないし・・・」
それに「何から聴こうか」のヒントとしては、充分すぎるほどの教材でしょうから、と続けるつもりでしたけど、それは言いませんでした。だって教材としての8万は高いでしょ。しかも興味が湧いちゃったらレコードやCDが欲しくなるから、もっとお金がかりますもん。とはいっても、私のジャズやブルースへのとっかかりが、父が買いそろえたポプュラー全集でしたから、完全否定はできませんけど。(笑)

それにしても、デアゴスティーニさんのやり方というのは、賢いというか、あざといというか、初回の490円で釣っといて、何巻か買ううちに・・そう昔義務のようにS.Jを買い続けた私のごとく、内容よりも揃えることに魅力を感じさせる(もちろん、内容を楽しみにしている方も多いと思いますが)「やるなぁ、デアゴスティーニ」てな感じですよね。かく言う私も過去に何種類かこの戦略にはまりそうになりましたから。
もともとはイタリアの地理学者ジョバンニ・デアゴスティーニが起こした地理学研究所が母体といいますから、「なんだぁ、国土交通省の外郭団体みたいに、何とか研究所とかいって、じつは儲け話ばっか考えてたってか」まぁそんなことは無いでしょうが、商魂たくましいのはたしかです。「あっぱれ商魂!」てなところですかね。

ともかく、どんな形であれジャズに興味を持ってくれる方が増えることは悪い事じゃありません。Nさんのような方がどんどん増えて、「ならばあれも聴きたいこれも聴きたい」となって、再販されていなかったLPの再販を生む・・・良いじゃないですかぁ。って、これは甘い考えですね。

はたして、Nさんは最後まで定期購読を続けるか? Nさんが帰った後、マスターとランチ一食分の賭をしたことは内緒の話です。

さて、ということで今日の一枚は、ジョン・コルトレーンです。
「しかしよくもまぁよりによってこのアルバムを」と言われるでしょうか?
たしかに『クール・ジャズ・コレクション』に付いていたCDで始めてコルトレーンを意識して聴いたという方にこのアルバムを聴かせるとしたら、いっぺんでジャズを、いやコルトレーンを聴かなくなる恐れはあると思います。(笑)
いちおう「FIRST MEDITATIONS」にするかこれにするか迷ったんですよ。(どっちもどっちだって?うるさい!)
でもね、やっぱりカルテットで演奏した「FIRST MEDITATIONS」にはコルトレーンは満足しなかったわけで、それが一度ボツった理由ですから、やはり二枚を比べたら今日のこのアルバムを紹介するのが筋ってもんでしょ。

ジャズ喫茶でアルバイトをしていた頃、このアルバムのB面をリクエストする方がいると、「LOVE」がギャリソンのベース・ソロで始まって、コルトレーンが被さってきたその時、その時の顔を観察するのが楽しみでした。(なんじゃそりゃ)

体でリズムを取りながら、グラスを傾けながら・・・・そんなふうにこのアルバムを聴ける方がいたらぜひとも一度お逢いしたい(笑)、このアルバムはそうして聴くものではないと私は思っています。
一度深呼吸をして「さぁB面聴くぞ!」と力を入れ目を閉じる、ベース・ソロが始まったら次に来るあの高揚に備え静かに心を落ち着かせ・・・「きたぁ~~~~」(べつに織田裕二の真似ではありませんよ。)ここからはもうメロディーがどうとか、アドリブがどうとか考えるのは止めて、ただ、耳に入ってくる音に顔をゆがめ、体をくねらす。途中で珈琲を口にしようなんて甘い考えは最初から捨ててください。聴き終えたとき、さてあなたはどうなっているでしょう?

けして、AB面連続で聴けとは言いません。片面を聴き終えたときに訪れるあの心地よい疲れ、それを楽しむ音楽だと私は思っています。

MEDITATIONS / JOHN COLTRANE
November 23, 1965年11月23日録音
JOHN COLTRANE(ts,ss) PHAROAH SANDERS(ts) McOY TYNER(p) JIMMY GARRISON(b) ELVIN JONES, RASID ALI(ds)

1.THE FATHER AND THE SON AND HOLY GHOST
2.COMPASSION
3.LOVE
4.CONSEQUENCES
5.SERENITY

おまけ、

『クール・ジャズ・コレクション』はともかく、今『THE JOHN COLTRANE Reference 』という洋書を、買うべきか買わざるべきか多いに悩んでおります。
だってぇ、英語が苦手で、しかも値段が1万5,6千円するんですよ。
でもねぇ「「クロノロジィ」(年代記)とデータ中心の「ディスコグラフィ」(音盤記録)の合体した 究極のコルトレーン研究本」なんて聞くと私の触覚はピヨピヨ動くし、翻訳本が出る保証もないし・・・・・
どうしたらよいでしょう?(笑)


正真正銘のオジサンです。

2008年03月25日 | y-その他

「春眠暁を覚えず」でありましょうか、なんだか眠くてしかたがありません。ここ数日寝不足ということも無いと思うんですけどねぇ・・・・・「よし、目覚まし薬に一杯」ってまたそれかい。

ブログ仲間ウフフマンさんのところへ遊びにいったら、『「これだからオジサン・オバサンは・・」と言いたくなる瞬間ランキング』というgooランキングを記事にされておりました。
私は何言われても気にしない立派なオジサンではありますが、ちょっとほんのちょっとだけ見てみようかと覗いてみると

1.すぐに「最近の若い人は…」と言う これはそんなに言わないと思うけどなぁ
2.人目を気にせず大きな声で話す 声がデカイのは生まれつきだい
3.人の話を聞かない てめえらだって聞かねぇじぇねぇか
4.説教が好き ・・・・・
5.席を譲らない/席取りが激しい これはオバサンでしょ..失礼
6.すぐに過去を語りたがる 7.自分のことを話したがる 8.話が長い
                    え~~ん、これは返す言葉がないかもしんない
9.ギャグが古い うるさい!
10.携帯電話の着信音がやたらうるさい これはちょっと言いたいよ、着信音云々言う前に、マナーが悪いのは、だ・れ・か・な?
11.会社や家庭の愚痴が多い これはそんな無いでしょ
12.噂話が大好き またしてもオバサンだなこれは、若い女の子だって大好きでしょうよ。
13.セクハラ的な発言が多い ・・・・・
14.IT関係のスキルレベルが低い ITリテラシーが低い スキルだのリテラシーだの文句があるんだったら日本語で言え!
15.優先席でも構わずに携帯電話を使用する これは10に同じですね
16.健康についての話が多い 歳を取るとどうしてもねぇ・・・・
17.バブルの頃の話をしたがる 思い出は大切だよ
18.気が利かない 気が利かないのはそっちだろ
19.最近のドラマや音楽を知らない 唄は世につれ世は唄につれ
20.精神論が大好き 根性論、我慢することをしつこく言う 足りない者には言いたくなるものジャン・・・ね

こうして、一つ一つにブツブツ言う、これこそがオジサンの証ですね。
「そうです、私は正真正銘のオジサンです。」

さて、そんなオジサンが選んだ今日の一枚は、先日買った秋吉敏子のCDにしました。
ビッグ・バンド解散を決めた後の敏子を聴きたい聴きたいと思っていたのですが、結局は買うのが遅くなってしまいました。

以前、TVのインタビュー番組でビック・バンドの解散について「たしかにビック・バンドの維持が難しくなったこともあるが、ピアニストとして年齢の衰えを補う練習時間をとれないことに不安を感じることがある、そんなこともあって一ピアニストとしての今やるべき事を選択した。」といった内容のことを話しておられたように思います。

それじゃ解散を決めた後、彼女はどのようなピアニストとしての演奏を聴かせてくれるのか?
きっちり聴かせてくれますねぇ
アメリカに渡った頃の張り詰めたような迫力は感じないものの、つまりは年齢と経験が積み上げた・・・そう「オジサン、オバサンでなければ出せない味」が充分にじみ出ています。
それだけじゃありません。「FIVE SPOT AFTER DARK」のソロが始まった瞬間、シワシワのオバサンじゃなくて、ピチピチのオバサンもいるということに気づくと思いますよ。
それを分かって欲しくてオジサンが選んだ一枚でした。(笑)

NEW YORK SKETCH BOOK / 秋吉敏子
2003年8月14~16日録音
秋吉敏子(p) PETER WASHINGTON(b) KENNY WASHINGTON(ds)

1.FIVE SPOT AFTER DARK
2.52ND St. THEME
3.SKATING IN CENTRAL PARK
4.UPTOWN STROLL
5.DROP ME OFF IN HARLEM
6.NEW YORK STATE OF MIND
7.CENTRAL PARK WEST
8.LADY LIBERTY
9.TAKE ME OUT TO THE BALL GAME


人害に学ぶ

2008年03月24日 | a-c

まだまだお日様の微笑みがないとこんなに肌寒いんだなぁと感じた一日でした。

今日帰りに図書館にまわるとこんな新刊書を見つけてしまいました。『僕が写した愛しい水俣 塩田武史』であります。早速借りて見始めたらレコードも掛けずに没頭してしまいました。

私と「水俣病」というと、以前、宇井純先生の訃報を受けて書いた「追悼」でお話ししたごとく、先生が開講されていた『自主講座』に集約されます。そしてその頃、塩田武史氏の存在も知ったのだと思います。

土本典昭監督の「水俣―患者さんとその世界」というドキュメンタリー映画をご存じでしょうか?

第1回世界環境映画祭グランプリ、マンハイム映画票デュキヤット賞、ロカルノ映画祭第3位、ベルン映画祭銀賞等々、数々の賞も得た作品で、当時「水俣病」の実態を映像で知るにはこれしかないといった映画でした。この映画のスクリプターをなさったのも塩田氏でした。
それは、多くの「水俣病」を記録するカメラマンの中で、実際に水俣に住まい、彼らと生活を共にしながら長期記録を続けた塩田氏であったればのことだったのでしょう。
その5万枚にも及ぶネガを再度見直して、今回編纂されたのがこの『僕が写した愛しい水俣 塩田武史』であります。

彼が水俣に住まい記録することを決定づけた「胎児性患者」(簡単に言ってしまえば生まれつきの重度水俣病患者です。)田中敏昌君の写真等々患者さんの写真は、もちろんその悲惨さを伝えるものでもありますが、それ以上に彼らが人間としていかに生きていたか、生きるという意味はどれほど大きなものなのか、生きようとする力の強さ、真の人間らしさを語り掛けているように思えてなりません。

宝子
「下の子は抱いたことがない」と母親の上村良子さんは言った。
良子さんは、膝の上に抱きかかえた智子ちゃんに向かって話し続ける。「・・・・ね、智子」と最後はいつも、少し抑揚をつける。智子ちゃんの顔にいっぱいの笑みが浮かび、「あー」と声があがる。言葉は伝わらなくとも、心はわかるのだろう。

やはり「胎児性患者」上村良子さんを抱いたお母さん、傍らには微笑みながら母に手を差し出す小さな妹さんが写っている写真に添えられた文章です。
わずかな表情の中に喜怒哀楽があると母は言い、医者は思い込みだという・・・・

「あんた、俺より年もうんと上じゃ、シャバの経験もうんとある。何万人て、人も使っとる。なあ、とうに見抜いとるじゃろ。人間がどげん生きないかんか、どげん暮らさないかんかいうことぐらい。あんた、ひとかどのものを持っとるじゃろう、家訓か教訓みたいなものを。あんたの座右の銘は何ですか。」

障害被告として不当な訴えを受けた川本輝夫さん(もちろん最高裁棄却、無罪となりましたが)が、チッソの島田社長に言い寄った言葉です。

「こん娘が水俣病です。こん娘の将来に何があるんでしょうか。」

と村上良子さんの母は時の環境庁長官大石武一に訴えます。

2008年2月現在、「水俣病」の未処理申請者数は、まだ一万五千人もいるそうであります。
「水俣病」を始めとする公害病問題も、「薬害エイズ」や「C型肝炎」といった薬害問題同様、根本は行政の企業第一主義がもたらした人災(人害)であるわけで、何度同じ過ちを繰り返せば気が済むのか・・・・そう思わずにはいられません。
彼らが身を持って示してくれた教訓を生かさずして「何が行政か!何が政治か!」と怒ってしまうのは私だけでしょうか?

ともかく「人を殺してみたかった」からと包丁を振り回し、通り魔的犯行が横行し、「あっ、もう一件は盗み目的だったんだ」と何故か安心する(?????)
たとえ人害で思考や喜怒哀楽の表現を無くしても、必至に生きようとする彼らの姿をこの写真集で見るなら、そんな考えや行動がいかに愚かであるか少しは感じ取れるのではないか、そんなことをふと思ったバブ君でありました。

今回は図書館から借りてきましたが、我が蔵書に加えようと早々にネット注文をしてしまいました。みなさんもぜひ機会があればご覧になって下さい。

さて、今日の一枚は、キャノンボール・アダレイです。
じつにメジャーな、そして私の大好きな一枚なのにどうして今まで紹介しなかったのか?自分でも不思議です。(あえて紹介するまでもないかと思っていたのかもしれませんね。)

1959年2月、マイルス・ディビス・グループはコンサート・ツアーでシカゴを訪れました。この機にマイルス抜きのクィンテットを録音しちゃったのがマーキュリー、このアルバムというわけで、そのへんの話はみなさんご存じですよね。

マイルスが抜けたグループはハジケました。普通、親分が抜ければまとまり無くバラバラとなってもおかしくないのですが、このメンバーのはバラバラは普通のバラバラとはわけが違う(なんじゃそりゃ)それぞれの持ち味を充分に出す、つまりそれぞれの実力がそれをバラバラな演奏にはさせなかったということでしょう。

いろんな説明は不要なアルバムだと思います。私がもっとも楽しいのはキャノンボールとコルトレーンの対比ですが、そんなのもどうでもいい。
これが名目通りキャノンボールのリーダー作とするなら、私は彼名義で最も好きなアルバムだと思います。(「SUMETHIN' ELSE」より好きですもん...笑)

ど~れそれでは、大好きなこのアルバムを聴きながら、もう一度、塩田武史氏の写真を見直しましょうかねぇ、もちろんお酒付きで

IN CHICAGO / CANNONBALL ADDERLEY
1959年2月3日録音
CANNONBALL ADDERLEY(as) JOHN COLTRANE(ts) WYNTON KELLY(p) PAUL CHAMBERS(b) JIMMY COBB(ds)

1.LIMEHOUSE BLUES
2.STARS FELL ON ALABAMA
3.WABASH
4.GRAND CENTRAL
5.YOU'RE A WEAVER OF DREAMS
6.THE SLEEPER

追伸、
「水俣病」にもし関心があれば、このな本もあります。

なお、塩田武史氏の略歴です。
1945年香川県生まれ。1968年、胎児性水俣病患者を初めて撮影。『写真報告 水俣-'68~'72深き淵より』で国連環境計画主宰の第1回「世界写真コンテスト」特別賞受賞。


「バブの薄着」はあわてずに

2008年03月23日 | d-f

春の日差しが戻っては来たものの、風はなんだか冷たいような、明日はまた天気が崩れるようですので少し寒くなるのかな?
この時期困るのは「休日に何を着て出かけたらよいのか?」でありまして、厚着ずぎてもなんだし、かといって若者ぶれば「花粉症+風邪」なんていう事になっても・・・・

かしこげに着て出て寒き袷哉(あわせかな)

江戸時代、多少寒い日が続いても綿入れなど脱ぎ捨て袷に着替えるのが粋とされたわけで、いわゆる「伊達の薄着」ってやつですか。
女子高生が短いスカートに生足で真冬を通すに「よく似たり」ですね(笑)
私とて未だにズボンの下はパンツ一丁で年中通しておりますよ。えっ?その下にタップリの皮下なんとかがあるからだろうって、悪かったですねぇ、そのとおりですよぉ~~だ。

まぁ、「バブの薄着」はもう少し経ってからということで、歳と体調を考えながらにしましょう。それでも食で春をちょっと楽しもうと、こんなワンプレートを作ってみました。
『料理当番、本日の一品』です。

苺を2パックもいただいたので、前々からやってみたかった「ポーク・ソティの苺ソース添え」です。苺ソースは、裏ごしした苺に塩・レモン汁・オリーブオイルで味付け、苺の香りとさわやかな酸味がなかなか豚にも良く合いました。
それに、ふきのとう、ウド、ブロッコリーをフリッターに、マッシュポテト、トマト、レタスを添えました。
ちょっとだけ春っぽいでしょ。(笑)

さて、今日の一枚は、出ましたエリック・ドルフィーです。
このアルバムの音源は、幾つかのレーベルを渡り歩いたことや、二分割され別々のレーベルに譲渡されたりと、何種類ものジャケット・デザインがはびこるアルバムでもあります。(さらにCDまで入れるとわけ分かんない状態です。)



アラン・ダグラスのプロデュースのもと録音された、いわゆる「ダグラス・セッション」でありまして、今日のアルバムもしくは「CONVERSATIONS」というアルバム名で4曲、「IRON MAN」に5曲というかたちで発売になりました。


これはCDです。

どの曲も「実験的試み」というか「挑戦的」というか、私的にはじつに面白い演奏が揃っているアルバムです。(もちろん「IRON MAN」も同様)
特にディオで聴かせる「ALONE TOGETHER」ソロの「LOVE ME」この二曲は、ドルフィー・ファンであれば必ずチェックすべき2曲であると思います。

THE MEMORIAL ALBUM / ERIC DOLPHY
1963年7月1, 3日録音
ERIC DOLPHY(as,bcl,fl) WOODY SHAW(tp) CLIFFORD JORDAN(ss) PRINCE LASHA(fl) HUEY SIMMONS(as) BOBBY HUTCHERSON(vib) RICHARD DAVIS(b) EDDIE KHAN(b) J.C MOSES(ds)

1.JITERBUG WALTZ
2.MUSIC MATADOR
3.ALONE TOGETHER
4.LOVE ME

追伸、
昨日の記事で、ミルト・ジャクソンの「BAGS' OPUS」の曲名を間違えておりました。
pororompaさんにご指摘いただき気づくとは、お恥ずかしい話ですが、本日訂正させていただきました。
pororompaさん、ありがとうございました。


マリンバはスポーツだ!

2008年03月22日 | j-l

久しぶりの青空、マスクは外せないもののMさんのお店まで散歩がてら気持ちよく歩いて行けました。
えっ?何故に歩いてかって?

昨晩は以前紹介した平子久江さんのコンサートを、Mさん、S君といっしょに聴きに出かけまして、終了後は食事会(・・・すいません飲み会でした。)Mさんの店に車を置いてきたというわけです。
途中、桜の様子を見ながら行ったのですが、開花まではまだまだ日にちが必要なようです。それでもほんの少しつぼみが膨らんできたようには思えるんですけどね。

まずは昨晩のコンサートの感想から、
マリンバを中心とした打楽器のみの演奏だったのですが、意外にも迫力がありました。
そもそも、マリンバという楽器を真剣に聴いたことがあっただろうか?と思い起こすと、小学校の時に体育館か何処かで一度だけ聴いただけで「シロフォンとマリンバって何処が違うんだ?」てなありさま。(もちろんヴィブラフォンは何度も聴いたことがあるんですよ、当然ジャズ演奏ですけど)

話を戻しましょう。一部はマリンバの独奏を中心とした構成、二十分ほどの休憩を挟んで二部は多種の打楽器とマリンバといった構成でした。
それにしても、平子さん本人が「ダイエットにはマリンバ演奏をお勧めします。」とおっしゃていたごとく、なんなんざんしょあの反復横飛びを延々と続けるような激しい演奏は。しかも開演中はほぼ休みなしですよ。卓球の福原愛だって、バトミントンのオグシオだって真似できないようなフットワーク・・・・「マリンバはスポーツだ!」おもわずそう叫んでしまいそうでした。(笑)

あれだけのフットワークから生み出されるメロディーは、時に優しく、時に激しく、心に響くものでありました。
特に、低音部のあのヴァイブとは明らかに違う響き、なかなかええもんですねぇ。
私がクラシックの曲名など知るわけもないので曲名は分かりませんが、アフリカの太鼓ジャンベとの掛け合いでやられた曲、あれえがったぁ・・・

ともかく、楽しい時間を過ごすことができました。平子さんも他のメンバーの方も本当にありがとうございました。そしてお疲れ様でした。
ただ、コンサートを企画した我が友人にあえて言わせていただくと、高校生が多く聴きに来ていたことは彼らにとって良い体験であったでしょうが、なにせ一般の客が少なすぎる。3000円を切る金額であれだけの演奏を聴ければ充分満足いくのだから、もっと泥臭くチケットを売っても良かったのではないか?もっとみんなに知らせる方法があったのではないか?次回への反省は多々あるように思います。
まぁ、それはそれとしてご苦労様でしたね。

さて、昨晩はマリンバに酔いしれましたので、今日の一枚は、ヴァイブ、ミルト・ジャクソンです。
私はM.J.Q.を離れた普段着のミルト・ジャクソンが好きです。(M.J.Q.が悪いという事じゃありませんよ)「OPUS DE JAZZ」にしても「MILT JACKSON QUARTET」「BAGS MEETS WES」「CHERRY」「THAT'S THE WAY IT IS 」などなど、ミルト・ジャクソンの本当の魅力が見えるように思います。

聴き所は「I REMEMBER CLIFFORD」ということになるのでしょうが、私はゴルゾンの音が少し邪魔に感じてしまったりして・・・でも良い演奏ですけど
だからというわけじゃありませんが、ホーンがお休みしている「ILL WIND」なんかわりと好きだったりします。

ともかくマリンバを使ったジャズ演奏というアルバムは持っておりませんので(あるのかなぁ?)今晩はヴァイブの音で一杯いただこうと思います。

BAGS' OPUS / MILT JACKSON
1959年12月12日録音
ART FARMER(tp) BENNY GOLSON(ts) MILT JACKSON(vib) TOMMY FRANAGAN(p) TOMMY POTER(b) CONNIE KAYY(ds)

1.ILL WIND
2.BLUES FOR DICHAAN
3.AFTERNOON IN PARIS
4.I REMEMBER CLIFFORD
5.THINKING OF YOU
6.WISPER NOT

おまけ、

桜のつぼみだけというのもなんですので、母が茶飲み友達にいただいてきた桜の写真をどうぞ(この桜は何桜だろ?)


彼岸到達は無理

2008年03月20日 | p-r

今日は春分の日、彼岸の中日であります。
「暑さ寒さも彼岸まで???????」
彼岸の入りから昨日あたりまでは、まさにこの言葉のごとくでしたが、なんざんしょ今日のこの寒さは、「毎年よ彼岸の入に寒いのは」と読んだのは正岡子規、今年は「毎年か?彼岸の中日寒いのは」てなところでしょうかね。
今なんか暴風雨ですよまったく。

雨でもやることはやらなきゃいけないと父の墓と、同じ墓地内にある親友I君の墓を参ってきました。いつもは人影まばらな園内もさすがにお彼岸ともなれば多くの人出で、立ちこめるお線香の香りにしばし父と親友を想い偲ぶと、それはそれで心が落ち着くものです。

「○○(私)、○○はお昼何食べる?」
普段は訊きもしないで「出たもの食べろ」といった感じなのに
「えっ?何で」
「だってぼた餅は食べないでしょ、適当に自分で何か作って食べてね。」
なるほど、そういうことでありましたか。
「分かりましたよ~~だ」
私は一人味噌ラーメンを作って食べたのでありました。(笑)

サンスクリット語の「パーラミター」梵語で「波羅蜜多」これを漢略したのが「到彼岸」、つまり煩悩(ぼんのう)にまみれた現世から解脱(げだつ)し、生死を超越した阿弥陀如来が住まう理想的な世界、涅槃(ねはん)「彼岸」に至る、ようは「此岸」(現世)の私たちが「彼岸」へ到るための仏道修行という意味から「彼岸」の語源はきているそうであります。(これは以前にもお話ししましたよね)

もともと「お彼岸」というものは、平城天皇の霊を鎮めるために行った「彼岸会」が始まりだそうで、浄土教に於ける極楽浄土は「西」にあるとされているため、真西に太陽が沈む春分の日と秋分の日の夕日が極楽浄土への道しるべとなるという、じつにややこしい経緯で本日の「お彼岸」という日ができたようです。他の仏教国(日本がこれかというと問題がありますけど)には無い、日本独自の仏教行事だそうでありますよ。

まぁ、そんな意味を考えながら墓参りやぼた餅を食べる人もまずいないと思います。もちろん煩悩の塊のような私が意味を分かって墓参りをしても、「彼岸」への道が開けるとも思いませんが(笑)
ちなみにそもそも「彼岸」のそういった意味から、この日には肉や魚などなまぐさは避けて、豆腐や油揚げやおから等々、いわゆる「精進料理」をいただかなければならぬ日・・・・・あははははは、私はしっかり鶏の唐揚げで一杯いただいてしまいました。
いちいちそんなこと考えてたら現代は生き抜けませんよねぇ・・って、やっぱり私に「彼岸」到達は許されないのかもしれません。

さて、今日の一枚は、デューク・ピアソンです。
私もブルーノートのアルフレッド・ライオン同様、誰に何と言われようと「ピアソンのピアノは良い」と言い張るかもしれません。
彼のピアノは趣味がよいというか、派手さはないものの知的だというか、上手さはないけど器用だというか、それ故に特徴がないようにも取られるかもしれませんが・・・・

今日のアルバムの「FAREWELL MACHELLE」を聴いてみて下さい。哀愁漂うその演奏には、たしかに「これぞハード・バップ」みたいな熱気は感じられないものの、いかにも黒っぽいというか・・・う~~ん何ていうの・・・分かんないけどグルーブ感っていうの? そんなものを感じ取れてません?つまりそれがピアソンの魅力なのであります。(ぜんぜん何を言いたいのか分かりませんよね...笑)

ブルー・ノートには無くてはならぬピアニストであったにもかかわらず、日本ではソニー・クラークのように人気があったわけでもなく、かといってアメリカでもさほどパットしない。(それでもアメリカではソニー・クラークよりはメジャーだったかも)
あれ?気づきました?そんな人を私はそこそこアルバム紹介していることを。
「告白します。私はピアソンさん、あなたが好きです。」
「キャフー!恥ずかしい」いやいや「ワフー!」でした。(笑)

WAHOO ! / DUKE PEARSON
1964年11月21日録音
DUKE PEARSON(p) DONALD BYRD(tp) JAMES SPAULDING(as, fl) JOE HENDERSON(ts) BOB CRANSHAW(b) MICKEY POKER(d)

1.AMANDA
2.BEDOUIN
3.FAREWELL MACHELLE
4.WAHOO
5.ESP (Extrasensory Perception)
6.FLY LITTLE BIRD FLY

おまけ、
いよいよ球春、パリーグは本日開幕ですが、我が居住地は東北にもかかわらず何故に「東北楽天×福岡ソフトバンク」のテレビ中継が無いのでしょうか。(しかたなくYAHOOの動画サイトで中継を観ておりました。)
私はこの場を借りて強く抗議したい「「生放送テレビショッピング」なんていう、くだらない番組を休日に放送しているのなら、せめて開幕戦だけでも観たいというファンの心に答えてくれ!!!!」
以上!


私がおっ死んだら???

2008年03月19日 | d-f

もっと早く天候が崩れるのかと思ったら、このあたりでは意外と保ちました。その代わりに花粉は雨霰、「花粉の雨と本当の雨、どっちが好き?」なんていうあたりまえの質問をするそこの人「花粉症になって苦しめばいいのに」(笑)

今朝、仲間内で犯罪者と呼ばれる東京在住のHs君(だって、この歳で20以上年下の嫁さんをもらったんですよ。何か悪いことをやったに違いない..笑)から電話がはいりました。平日の午前中に電話をよこすとはよほど仕事が暇なのか、あは、その電話で長話をする私も同族ですがね。
ともかく、このログを見て私に誕生祝いを言おうと電話をしてくれたのです。(ありがたや、ありがたや)

アル中になったオヤジが仕事先にいたからおまえも気を付けろの話から、最近会社のパソコンが調子悪いの話まで内容はたわいもないものでしたが、彼と話しているとしまいには彼の幼い息子の話になるのは、まるで孫のごとき年齢差の息子に彼がメロメロである証拠でもあります。

「そういえば、バブにCD送ってもらわなくちゃなぁ」
「はぁ??????(あたしゃあんたにCDを借りていた覚えはないぞ)」
なんちゃありません。ようは自分でCDやらレコードを買うのがもったいないから、コピーして送ってよこせというはなしで・・・・
(チミは著作権の問題をどのように考えているのかね)

思えば彼も高校から地元を離れ、帰省するたびに私がバイトをしていたジャズ喫茶に入り浸りになるという、自宅に帰省してんだかジャズ喫茶に帰省してんだか分からない状況だったわけで、きっと彼なりに思い出の曲でもあるのでしょう。(何が好みだったかは覚えておりませんが)そんな数枚なら送ってやっても法律も許してくれるでしょう。

「何を聴きたいんだか、教えてくんなくちゃ」
「そうだなぁじゃぁリストでも見ながら(おいおい)ところでバブはレコードとCD合わせて何枚ぐらい持ってんのよ。」

そんな話でふと思ったのが
以前「ジャズ喫茶『ちぐさ』の貴重な所有アルバムが今後どうなるのか」といったことをここでも書いたことがありましたよね。もちろんそれとは比較にもなりませんよ、なりませんが、今私がおっ死んだら、私の数少ないコレクションはどうなってしまうのか?
ということでありまして・・・・サックスをやっている娘に全てやってもなんだか迷惑がられそうだし・・・・・
ブログ仲間のみなさんにも私以上に貴重なコレクションをお持ちの方も多いわけですけど、みなさんはどうなさるご予定ですかねぇ???????
ってなんだか寂しい話になってしまいました。

「いいよいいよ、俺がみんな預かって処分してやるから」とHs君
「処分するにもたいした金にはならないものばっかだよ」
「それでももらってやってもいいけど」

自分が死んだ後のレコードやCDの行方まで心配するようじゃ、まさに年寄りそのものでありますよね。あ~あ、いやだいやだ(笑)
まして、どうせ死んだ後のこと考えるなら家族とか家とかの心配をすりぁ良いものを、レコードやCDってんですからどうしようもありません。

「でもなぁ、どう考えても俺よりバブのほうが長生きしそうだから」
「おいおい」

まぁせいぜい生きている間はレコードやCDを嫌というほど楽しみましょう。

さて、今日の一枚は、久しぶりですねぇマイルスです。しかも私が彼のもとを離れて以降のアルバム、おっともとい、コルトレーンが彼のもとを離れて以降のアルバムということは、マイルスのアルバムとしては私が聴く頻度の少ない部類の一枚です。
とは言っても、電化マイルスよりはターンテーブルに乗る機会は多いですよ。

この時期は、コルトレーンが去り、幾分停滞気味であったマイルスが、ハービー・ハンコック、ロン・カーター、トニー・ウイリアムスというリズム隊に巡り会い、後はウエイン・ショーターの参加を待つばかりといった時期であり、スタジオでの録音は全くせずにライブでのそれもスタンダード、以前からやっていた曲を何度もアルバムにしていたという時期でした。

それにしても何故ライブ録音しか残っていないのでしょう?
新たにやる曲がなかったからでしょうか?それともメンバーの熟成度が低かったからでしょうか?それともやっぱりサックスに不満を持っていたからでしょうか?ひょっとしてテオ・マセロがスタジオ録音を許さなかったとか(ないない...笑)
ともかく、この時期のライブ盤を「どれも同じようだ」と言われる方もいます。

私はどう思っているか・・・・あまり聴き込んでもいない私に言えた事じゃありませんけど、ジョージ・コールマンが一番頑張っているのが今日のアルバムじゃないかなんてね。
たとえば「JOSHUA」でのソロなんて、けっこう私は好きですよ。(もちろんコルトレーンの比ではありませんが....おいおい)
それにウエイン・ショーターが加わって、いわゆる「新黄金のクインテット」が進んでいく「E.S.P.」以降のスタジオ録音より「この頃のマイルスのほうがまだ好きだ」ということも多いにあると思います。

今日久しぶりに聴いてみて悪い気はしていません。続けざまに「IN ST.LOUIS」「MY FUNNY VALENTINE」「FOUR & MORE」「IN TOKYO」と聴いてみようかな。

ちなみに、オリジナルを含めテオ・マセロが編集したものと、完全版として「THOUGHT ABOUT YOU」がボーナス・トラックとして入ったCDがあるようですけど、テオ・マセロの編集の妙を味わいたいなら両方をお聴きになってみると良いと思います。
「完全版が全て良い」そんなことは決してないことに気付くと思いますよ。

IN EUROPE / MILES DAVIS
1963年7月27日録音
MILES DAVIS(tp) GEORGE COLEMAN(ts) HERBIE HANCOCK(p) RON CARTER(b) TONY WILLIAMS(ds)

(1.INTRODUCTION)
2.AUTUMIN LEAVES
3.MILESTONES
4.JOSHUA
5.ALL OF YOU
6.WALKIN'