JAZZを聴きながら ふたたび

恥も顧みないで再々開、よろしければお付き合いを

酒に季節を映す

2006年08月31日 | a-c

いやいや、8月も終わりですね。
この夏は、とても暑い夏だったような気もしますし、短い夏だったような気もします。さぁいよいよ秋ですよ。
え?まだ暑い?

こんな空を見ちゃったら、どう見ても秋じゃあござんせんか。
この前も書きましたが、いよいよ美味しいものが出てきます。それにつれて酒だってあ~た!!!!!

年中、酒ばかり飲んでいる私ですが、これでも季節に合わせた飲み方に、いささかのこだわりがあります。
たとえば日本酒です。
以前、冷やにも燗にも、冷やし加減、燗のし加減で、幾通りかの呼び名があるという話をしたことがありました。私の好みは年中室温。
昔は飲み屋さんで「冷やね」と頼めば、室温が常識でしだったのが、今じゃ小声で「常温ある?」なんて訊いちゃったりして、一番手間のかからない室温を頼むのに、苦労する時代になってしまいました。

そうそう、季節のこだわりの話でしたね。
酒を飲むときの器が問題なんです。同じ「冷や(室温)」で飲むにしても、飲む器はさまざま。
えーと、もちろん『ぐい飲み』でしょ、『杯』もあるし、『升』もある、『湯飲み』だって酒器になるし、『コップ』酒って手だってある。
さぁ、この中で私が夏場好んで使う酒器はどれでしょう?
        ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・!?

それはね、『コップ』なんです。しかもモッキリで
あるコラムニストが
「型の良いコップに室温の酒を入れると、室温が満ちて、周りの空気を固めて指でつまむ感じ。そして、容器の重さがほとんど響かないので、酒そのものの重さを感じる。シンプルだけに、飽きのこない器」
と、酒器としての『コップ』を評しておりました。
同感ですね、私は夏場に特にそれを感じます。
涼を配した店内で、受け皿付きのコップに空気と同じ温度の酒が満たされる、口からそれを迎えに行くと、店内の涼が、空気が、コップ型に切り取られて、優しく私の体の中にしみ込んでくるんです。受け皿にしたたる酒滴は、ほら、まさに夏の涼ではありませんか。冷え切って水滴が付いていちゃダメなんです、酒滴、場と同じ温度の酒滴だからこその涼・・・・・わかるかなぁ

あらあら、夏の話を今更してもしょうがない、秋でしたね秋
秋の器は透明ではいけません。
空気を切り取るのではなく、風を感じる器がベストですね。
風に波紋を作るような、しかも波紋に月が映ったりして、揺らぐ名月をスーッと飲み干す。まさに秋を体に入れ込むようなのが良い
大きめの塗り杯なんてどうでしょう?月を飲み干す実感が湧きますよ。

家で慎ましく飲むときには、私はこのぐい飲みを使います。まずは面の月とススキを楽しんで、エキスが溶け込んだ室温の酒をグイッと一気に流し込む、杯に月を映して飲むまではいきませんが、秋をそれなりに楽しめます。

おっといかん、酒の話になるとかくも長くなってしまいます、冬と春の器については、後々にということで

さて、今日の一枚はロン・カーターが、エリック・ドルフィー、マル・ウォルドロンらと組んだ、初リーダー・アルバムであります。
バスクラとチェロの掛け合い、ツー・ベースのデュエット、アルコ奏法と聴き所はたっぷり、
ロン・カーターとドルフィーは、けっこう一緒にやってますからね、気があってたのでしょうか?
ロイ・ヘインズのほうが、ドラムは合っているかなぁ、なんてふと思ったりもしますが、パーシップもけして悪くはありません。
なかなかの一枚だと思いますよ。

WHERE ? / RON CARTER
1961年6月20日録音
RON CARTER(b,cello) ERIC DOLPHY(as,bcl,fl) MAL WALDRON(p) GEORGE DUVIVIER(b) CHARLES PERSHIP(b) CHARLES PERSHIP(ds)
1.RALLY
2.BASS DUET
3.SOFTLY, AS IN A MONING SUNRISE
4.WHERE ?
5.YES, INDEED
6.SAUCER EYES

おまけ、
酒の話をこれだけしておいて、さらにというのは、いかがなものかと思いますが、「酒話」を更新しましたので、よければご覧下さい。
自分では、けっこう面白いかなぁ・・・なんて思っちゃったりしています。

気になって・・助けてください。

2006年08月30日 | g-i

ちょっと前に、行きつけのバーで
「バブさん、I REMEMBER なんたらだか、I'LL REMEMBER なんたらだかいう題名で、女性が歌ってるアルバムってわかる?」
と訊かれました。
「I REMEMBER なんたら?????」

バーに良く来るお客さんが、その時たまたま有線で流れた曲を聴いて
「この I REMEMBER ・・・・・・・という曲が好きなんだけど、誰のなんていうアルバムだかわかんないんだよね・・・・・・」
「バブさんに訊いてみればわかるかもしれないから、訊いといてあげる」
とママが言ってしまったらしいのです。

「I REMEMBER なによ??? 女性ヴォーカルだったの?」
「たぶん、女性だと思うんだよね・・・・・・、曲名も書いておいたんだけど・・・・」
「う~ん??????????」

最初に頭に浮かんだのは「I REMEMBER YOU」、チェット・ベーカーでした。
(ママの耳には、女性に聞こえても不思議じゃない、きっとそうだ)
かってにそう決め込んだ私は「SINGS AND PLAYS」を録音して持って行きました。

「う~ん、これじゃなかったような・・・・、ともかく聴いてもらって、ちゃんと曲名を訊いておくね」

そんなこんなで、先日おじゃますると
「バブさん、やっぱりあれじゃなかった・・・・ え~とね曲名が I REMEMBER CLIFFORD だって」
なんと、ゴルゾンの曲ですか
????????、まてよ「I REMEMBER CLIFFORD」で女性ヴォーカル?
「LEE MORGAN Vol.3」、「IN PARIS」、「MEET THE JAZZTET」、「BAGS' OPUS」、「NOW'S THE TIME」、「BOUNCING WITH TIME」、そうそう、ブログ仲間あずきさんが以前に紹介していたゲッツの「PEOPLE TIME」もあった・・・けど、ヴォーカル、しかも女性ヴォーカルとなると???????

何度も、言ってきたことですが、私はヴォーカルものにとても弱いのです。
ここは、67camperさんにでも訊いてみるしかないのでしょうか?
どなたか、女性ヴォーカルの「I REMEMBER CLIFFORD」のお勧めを教えてください。

まっ、別にわからなければ許してもらえないということではないのですが、どうにも気になってしまって
「たしか、レイ・チャールズが、歌ってたなぁ」じゃあまりにもひどいでしょ
よろしくお願いします。

さて、今日の一枚は、あずきさんが紹介していたスタン・ゲッツのラスト・ライブ・アルバムにしてみました。
死を覚悟したゲッツの、なんとも美しいサックスの響き、それをそっと支えるようなケニー・バロンのピアノがまたいいんです。
名演だと思います。晩年のゲッツの魅力、それがみっちり詰まったアルバムです。

PEOPLE TIME / STAN GETZ
1991年3月録音
STAN GETZ(ts) KENNY BARRON(p)
1.EAST OF THE SUNE
2.NIGHT AND DAY
3.I'M OKAY
4.LIKE SOMEONE IN LOVE
5.STABLEMATES
6.I REMEMBER CLIFFORD
7.GONE WITH THE WIND

1.FIRST SONG
2.THERE IS NO GREATER LOVE
3.THE SURREY WITH THE FRINGE ON TOP
4.PEPLE TIME
5.SOFTLY, AS IN A MORNING SUNRISE
6.HUSH-A-BYE
7.SOUL EYES


大人が示す心

2006年08月29日 | a-c

やっぱりすんなりとは涼しくなってくれません。とりわけ気温が高かったわけでもないのですが、涼しい日が何日か続いたせいで、逆にとても暑く感じてしまいました。
午後からは雨も降ってきて、「これで少しは涼しくなるかな」なんて思ったら、なんだか蒸し暑さが増したような、残暑というのは、何処かのだれかさんみたいにしつこいものです。

「しかし、30万円で親殺しを手伝う高校生って、とっても考えつかないなぁ」と夕食時に母が言い出しました。
稚内の母親殺しの事件であります。
母親を殺すことも考えられないことだけど、それを友人に30万円で依頼し、友人がいとも簡単に引き受けてしまう、そっちがもっと怖いと母は言うのです。

たしかに、命をあまりにも軽視した事件が最近続いています。しかも少年、少女のそういった事件が頻繁にあるではないですか、母でなくても何処か狂ってきている世の中を嘆かずにはいられません。

「最近の子供は切れやすい」
「テレビゲームの影響だ」
「核家族化と少子化のせいだ」
「肉体的成長が早まり、心がついて行かない」
「化学物質の摂取量に原因がある」

何でもいいけど、どうにかしなくちゃいけませんよね。
生まれたての赤ん坊は、あんなに純で無垢なものなのですから、やっぱり育て方に何らかの問題があるのでしょう。それは親だけの問題ではなくて、我々も含めた社会全体の子育てが狂っているということなのでしょうね。
解決策などうかんでも来ませんが、ともかく、社会が命の尊さをもっともっとアピールしていくしかないのでしょうか。

簡単に子供を殺してしまう親もこんなに増えている世の中です、子供たちだけに口先だけで教え込もうとしても無理がありますよね。我々大人が命を大切にすることを、身をもって実践していく、これに尽きるのかもしれません。

いゃぁ、なんだか語ってしまいました。(笑)
まっ、たまにはいいでしょう。

さて、今日の一枚はキャノンボールの来日公演ライブ盤です。
ニューポート・ジャズ・フェスティバルに出演したために、二日遅れのライブ当日に来日したキャノンボール、パトカーの先導で、羽田から新宿厚生年金ホールまで、えらい勢いでとばしたそうです。(35分で着いたそうですよ)
この頃、キャノンボールは『ファンクの商人』などと比喩されていた時期で、そっぽを向いていたジャズ・ファンも多かったとか、それでもけっこうな盛り上りだったみたいですよ。
このアルバムを聴いて、『ファンクの商人』との異名が妥当なのか?けしてそんなことはないのか?その判断は皆さんにお任せします。

NIPPON SOUL / CANNONBALL ADDERLEY
1963年7月9,14,15日録音
CANNONBALL ADDERLEY(as) NAT ADDERLEY(cor) YUSEF LATEEF(fl,oboe,ts) JOE ZAWINUL(p) SAM JONES(b) LOUIS HAYES(ds)
1.NIPPON SOUL
2.EASY TO LOVE
3.THE WEAVER
4.TENGO TANGO
5.COME SUNDAY
6.BROTHER JOHN

今でも売ってるの?

2006年08月28日 | m-o

昨日は休日だというのに、HPを開設したいので手伝ってくれと友人に言われ、夜8時までお手伝いをしてきてしまいました。おかげでというか、お決まりというか、結局は酒を飲んで帰ってきてしまたわけですが、
これで二週連続の『夕食当番』逃れ・・・・いつ雷が落ちるかとヒヤヒヤしております。

今日はそろそろ読む本が底をつきそうなので、昼休みに本屋を覗いてまいりました。ほんとうは、太平洋戦争をもう一度勉強できるような本でも探してこようと物色していたのですが、私の触覚をビンビンに刺激してくる文庫本が・・・・・!!

大空文庫から出ている『まだある。』という本であります。
「今でも買える”懐かしの昭和”カタログ」と銘打たれた、駄菓子編、食品編、生活雑貨編、文具・学校編の四冊からなる初見健一氏の手によるこの本、懐かしいものがいっぱい載っていて、なんだかウキウキしてくるんです。

えっ?「太平洋戦争をもう一度勉強し直す」という、崇高な目的はどうしたかって?
ははははははは、『東条英機 歴史の証言』っていうのをしっかり買ってきました。でもその前に『まだある。』をじっくり楽しんじゃおうかな・・・・・・・

げげっ!携帯が鳴っています。今日は月曜日・・・・いやぁ~な予感が・・・・・
あ~あ、やっぱり呼び出しの電話でした。明日にでも心配している雷が落ちることは確実ですね。
えっ?断ればいいだろうって?
それがどこかで電話を待っている自分がいるのが怖いところなんですねぇ(笑)

さて、本の内容は後日に回して、今日の一枚はオリバー・ネルソンです。
エリック・ドルフィー参加の彼のアルバムといえば「ブルースの真実」が、ピーンと浮かんできますが、サックス奏者のネルソンとドルフィーの共演という意味では、このアルバムのほうが適切かも知れません。
聴きやすい曲調の中で、サックス奏者としてのネルソンを楽しんでください。もちろんドルフィーは、やっぱドルフィーだっていう演奏を披露しています。「MARCH ON, MARCH ON」のソロなんて、たまらないですよ。

SCREAMIN' THE BLUES / OLIVER NELSON
1960年5月27日録音
OLIVER NELSON(as,ts) ERIC DOLPHY(as,bc) RICHARD WILLIAMS(tp) RICHARD WYANDS(p) GEORGE DUVIVIER(b) ROY HAYNES(ds)
1.SCREAMIN' THE BLUES
2.MARCH ON, MARCH ON
3.THE DRIVE
4THE MEETIN'
5.THREE SECONDS
6.ALTO-ITIS

追伸、
『まだある。』のHPがありましたので、興味のある方はこちらから。
私は、出かけたくないんですけど、どうしてもと誘われたもので
いってまいりま~す!!(笑)


このまま涼しくなってくれ!

2006年08月26日 | d-f

このあたりでは、昨日ぐらいから暑さも和らぎ、過ごしやすい夜。関東以南はまだでしょうが、子供たちの夏休みも終わり、確実に次の季節が近づいています。

ススキの穂ももうすぐ「毛毛けけけっ」って笑いだし、秋茜が赤く化粧して、夕焼けに染まるうろこ雲にひつじ雲、海のものに、山のもの、虫の声だってお月様だって綺麗なものばかり。いやいや、またまたお酒の美味しい季節になってしまうではありませんか!?(って、やっぱりそこかい)

   俎(まないた)は 垣根に干しぬ あきあかね

星野紗一さんの句です。今どき、まな板を垣根に干しているお宅もないでしょうけど、そこに赤とんぼが遊んでいる光景は、いかにも秋らしい句です。

暑い日が山ほど続いたので、ちょっと涼しくなると、そんな秋を想う気持ちが一人盛り上がってしまうのでしょうか? なんとかこのまま暑さがぶり返さないように祈る私であります。
「大好きな秋ちゃん、早くおいで」

それでも、食べ過ぎと飲み過ぎには、じゅうぶん気をつけて・・・・・・・ははははは、無理無理
『天高く バブ肥ゆる秋』
こればかりは、今年も破れぬ掟みたいなものですね、きっと。

さて、今日の一枚はブッカー・アーヴィンです。
アーヴィンは、ブレスティッジに4枚の「ブック・シリーズ」を残しました。以前に紹介した「THE SONG BOOK」を筆頭に、内3枚はワン・ホーンのカルテット、この「THE BLUES BOOK」のみが、2管構成のクインテットによる演奏です。
ワン・ホーンの「THE SONG BOOK」も、彼の魅力を最大限発揮した名盤だと思いますが、今日のアルバムの1曲目「EERIE DEARIE」のソロなど、お腹をグニャングニャンさせられそうな、カーメル・ジョーンズと比較すればなおさら、強烈に響く演奏だと思います。
ブルージーで野太い彼のテナーは、いわゆるテキサス・テナー、だけどアーヴィンはそのなかでも、いやらしいほど心に響く、独特な雰囲気を持つテナー・マンだと私は感じます。
今となっては、名前すら忘れられがちなアーヴァン、この人もまた、過小評価されたビッグ・テナーではないでしょうか。

THE BLUES BOOK
1964年6月30日録音
BOOKER ERVIN(ts) CAMELL JONES(tp) GILDO MAHONES(p) RICHARD DAVIS(b) ALAN DAWSON(ds)
1.EERIE DEARIE
2.ONE FOR MORT
3.NO BOOZE BLOOZE
4.TRUE BLUE

おまけ、
今日は久しぶりに午後からゆっくりした時間が過ごせたので、『ジャズ四方山話』を更新しました。よろしければ覗いてみてください。


世の娘、オヤジを飲みに連れてって

2006年08月25日 | m-o

友人S君から
「今仕事に入ってる現場で、処分して欲しいって言われたスピーカーがあるんだけど、そこそこ良さそうなスピカーなもんだから、おまえみてくんねえ」
と連絡が入ったのは、一昨日の晩でした。

昨晩はこのスピーカーを見にS君の事務所に、かなり古いONKYOのスピーカーでした。私の頭の中には、ONKYOのスピーカーはイマイチという、へんな固定観念があったのですが、小さなアンプから実際に音を出してみてもそこそこの音が出ます。
「ビビリもないし、なかなかいい音してんジャン」
結局、処分はせずに何かに利用することに決定。
型番その他のお話は、利用法が決定して、じっくり音を聴いた後にご報告しましょう。

「スピーカーのことはこととして、せっかく二人の顔があったのだから、軽く行きますか。」
とけっきょく飲みに

「娘が飲みにつれてってって言うのよ」とS君
「いいねぇ、息子ならまだしも、娘が飲みに行こうなんて滅多ないよ。うらやましいよ。」
そこに、S君の携帯が鳴りました。どうも娘さんかららしく
「えっ?今日はそんなに飲まずに帰るから、明日か明後日行こう」
「いいよ、いいよ、今日出て来な!おじさんも待ってるよ!!!」と脇で大声を上げると、なんといい娘でしょ
「おじさんといっしょに飲んでもいい」と言ってくれたらしいのです。

てな訳で、S君とその娘さん、そしておじゃま虫の私と3人で、「魚介の美味しいお店」「バー」「カラオケ・スナック」と3軒を梯子してしまいました。
素直でとても可愛い娘さん
「良かったねぇ、お父さん似になくて」
楽しいお酒を飲ませていただきました。

我が娘は、私と飲みに出かけてくれるようになるのでしょうか?
そうなったら、なんだか恥ずかしいような、嬉しいような・・・・・・・・
なってもいないのに、一人想像を巡らす父、ねっ、オヤジって可愛いでしょ(笑)

さて、今日の一枚はハンク・モブレイです。
1956年、この年はモブレイはとても忙しい年でした。ブルーノート、サヴォイ、プレスティッジに5枚のリーダー・アルバム、そして、サイドマンとしても相当数参加しているはずです。(数えてみたことはありませんが)
このアルバムも、プレスティッジでのファースト・リーダー・アルバム「MOBLEY'S MESSAGE」が良い評価だったのでしょうね、すぐに録音されました。
まだまだ、ファンキー、ファンキーしたモブレイを聴くことはできませんが、私は、この頃のモブレイのほうが好みです。好きなアルバムです。

MOBLEY'S SECOND MESSAGE / HANK MOBLEY
1956年7月27日録音
HANK MOBLEY(ts) KENNY DORHAM(tp) WALTER BISHOP(p) DOUG WATKINS(b) ARTHUR TAYLOR(ds)
1.THESE ARE THE THINGS I LOVE
2.MESSAGE FROM THE BORDER
3.XLENTO
4.THE LATEST
5.I SHOULD CARE
6.CRAZEOLOGY

おまけ、
ところで、このジャケットの「082467935」の数字はどういう意味なのでしょう?
ご存知の方、教えてください。


なるほど彼女の曲か

2006年08月23日 | a-c

最近どうにも気になっていたのが、宮崎アニメ「ゲド戦記」の挿入歌。
 ♪ 夕闇迫る雲の上 いつも一羽で飛んでいる ・・・・・・
    ・・・・・ 心を何にたとえよう 一人ぼっちの寂しさを ♪
あの「テルーの唄」ってやつです。
どこからともなく聞こえてきて、どうにも耳に残って、だけどフルバージョンは聴いたことがない・・・・・ じつに消化不良のようでした。

さすがにおじさん一人で「ゲド戦記」を見に行くわけにもいかないでしょ、話はしてみるものですね。社の女の子に「気になって気になって」というと、CDを持ってきてくれたんですよ。
「へぇ~~、テルーの唄一曲しか入っていないCDなんてあるんだね」

「ふむふむ、作詞は宮崎吾朗氏でありますか。父にも劣らぬ才をお持ちのようだ。じつに素敵な詞を書かれるなぁ」などと感心し、作曲者名に
「谷山浩子???????はて?どこかできいたような???・・・・・・う~ん思い出せない・・・・・・・・・」
さっそくネットで調べてみました。
ピーーン!!!!
「まっくら森の歌」を作られ歌われた方ではありませんか。
今となっては、NHKの「みんなのうた」など見るときもほとんどありませんんが、何故かこの「まっくら森の歌」は、私の脳裏にへばりついて離れない曲なのであります。

     まっくら森の歌

   光の中で 見えないものが
   やみの中に うかんで見える
   まっくら森の やみの中では
   きのうはあした まっくら クライ クライ

   さかなは空に 小鳥は水に
   タマゴがはねて 鏡が歌う
   まっくら森は 不思議なところ
   朝からずっと まっくら クライ クライ

   耳をすませば 何も聞こえず
   時計を見れば さかさままわり
   まっくら森は 心の迷路
   はやいはおそい まっくら クライ クライ

   どこにあるか みんな知ってる
   どこにあるか  誰も知らない
   まっくら森は うごきつづける
   近くて遠い まっくら クライ クライ
   近くて遠い まっくら クライ クライ


ご存じない方は、こちらで「みんなのうた」の映像とともにお聴きいただけますので、ぜひともご試聴あれ、サビの部分が私には、なんとも心地よく響く旋律なのであります。
いやぁ、彼女の作曲であれば、私が気になってしようがなかったのもうなずけます。「テルーの唄」の旋律も、じつに心に響きます。
私の心に響く曲は、ジャズだけではないのですよ(笑)

なんだかとても良い気分なので、調子にのって先日公園で撮ってきた花の写真を載せちゃいます。(まったく関係はありませんが、ははははははは・・・・)
蓮の花がとても綺麗だったのですが、私はその他のちっちゃな花がお気に入りです。









さて、今日の一枚は、ジーン・アモンズ、ソニー・スティット、二人がオルガン・トリオをバックになんとも心地よいディオを聴かせる一枚です。
とか言いながら、昔、私はこのアルバムがあまり好きではありませんでした。面白味がないというか、あたりまえすぎるというか・・・・・
若かったんですね、私も(笑)
いつ頃からだったでしょう、気分良く一人酒をしている時に、けっこう聴くようになっていました。「JOHN BROWN'S BODY」あたりまで聴くと、一人で踊ってたりしますから、笑ってしまいます。(他人には、とても見せられた姿ではありません。)

疲れず、楽しく、酒を勧めてくれる、さすがに「テルーの唄」とか「まっくら森の歌」とは、かけ離れた世界ではありますが、これもまた、私お気に入りの旋律なのです。

BOSS TENORS IN ORBIT !
1962年2月18日録音
GENE AMMONS(ts) SONNY STITT(ts,as) DONPATTERSON(org) PAUL WEEDEN(g) BILLY JAMES(ds)
1.LONG AGO AND FAR AWAY
2.WALKIN'
3.WHY WAS I BORN ?
4.JOHN BROWN'S BODY
5.BYE-BYE, BLACKBIRD


女神の前髪

2006年08月22日 | g-i

「あらら、ご自宅で夕ご飯なんて、ずいぶんお久しぶりですこと」
家人のひにくを浴びながらの夕食、まぁ、2連チャンの午前様では、これもしかたのないことであります。
日曜日は、珍しく仕事をしていた私、美味しいビールを飲むために、喉の渇きを我慢して、我慢して、家に帰ると
「ビール、ビール・・・・・・・・なんだよ冷えてないジャン!!!!」
「他に誰も飲む人いないんだから、自分で入れとかなきゃ、誰も入れないよ」
プッツン!!!
「いいよ、いいよ・・・」と飲みに出かけてしまったのでありました。

昨晩はといえば、人呼んで「炎のマエストロ」小林研一郎氏のトーク会に出かけてきました。
小林研一郎氏といえば、1974年にブタベスト国際指揮者コンクールで優秀して以来、欧州はもとより、国内でも広く活躍されている、日本を代表する指揮者の一人です。

幼い日の「第九」との出会い、音楽好きであったにもかかわらず、音楽家になることを反対されたお父様のお話、そのお父様がピアノで弾いてくれた「月の砂漠」のお話、とピアノを弾きながらの興味深いトーク会でした。

彼が指揮者として大成したのは、優勝したブタペスト国際指揮者コンクールがきっかけだったわけですが、通常指揮者の世界では、30歳という歳が一つの区切りになるそうで、
「当時、僕は34歳になっていましたので、すでにかなりあきらめの気分もあったんです。それでも、いつか女神の前髪をつかもうと思っていたときに、ある雑誌でこのコンクールのことを知りました。『年齢35歳まで・・・』これだっと思ったのですが、なんと申し込み締め切り日が過ぎていて・・・・・・」

その後、あらゆるツテを使い、やっとの思いで出場がかないました。課題曲は60曲、これを短い期間に覚え、本番に望んだそうです。

当日は、クジで演奏する曲を直前に選ぶそうなのですが、2曲やる内の1曲目がとても難しい曲だったのだそうです。
「いかん、これでは通過できない・・・」と思った彼は、指揮台にあがった瞬間、もう1曲のほうの曲名を叫んだそうです。それはルール違反だとばかり、進行担当者は指揮台に駆け寄ってきたそうですが、振り上げた指揮棒はすでに振り下ろされた後、この演奏が最高の出来だったのだそうです。
「それまで、僕の前を何度も通り過ぎた女神の前髪を、僕はその時始めてつかめたのです。」

とても愉快に楽しく話しておられましたが、「目標を持って、あきらめずに努力されていた姿が頭に浮かび、努力の後には必ず女神が通り過ぎ、あとはその時に前髪をつかめるかどうかが、大切なのだろう、そして多くの人間には、それが、その努力が難しいということなのだろう。」なんてことを思わせるお話でありました。

いい話を聞いた後は、やっぱり飲むしかないでしょ、てんで、やっぱり午前様・・・・・
はははは、私にとっては良い話しも「豚に真珠」「馬耳東風」、とうてい女神は私の前を通ってくれそうもありません。

さて、今日の一枚は、ジョニー・グリフィンの初リーダーアルバム(?)です。
ニューヨークに出る前に、故郷シカゴでアーゴに吹き込まれたのがこのアルバムです。
ニューヨークに出てくるきっかけとなったのは、地元でのモンクとの共演でした。モンクは彼をニューヨークに誘い、ブルーノートのアルフレッド・ライオン、リヴァーサイドのオリン・キープニュースに紹介します。どちらも彼の演奏を気に入り、まずはライオンが彼のアルバムを制作することになります。
同時に、モンクはアート・ブレーキーにも紹介、これがジャズ・メッセンジャーズへの参加につながりました。

初リーダーにどうして「?」が付いたかというと、これ以前オーケー・レーベルに残したものがありますので「?」というわけ、でもこのアルバムが初リダーアルバムとの認識で、私は良いと思っています。

バリバリのハード・バップというよりは、いかにもシカゴらしいブルージーなグリフィンを聴けるアルバムです。

JOHNNY GRIFFIN  [通称JG]
1956年録音
JOHNNY GRIFFIN(ts) JUNIOR MANCE(p) WILBUR WARE(b) BUDDY SMITH(ds)
1.I CRIED FOR YOU
2.SATIN WRAP
3.YESTERDAYS
4.RIFF-RAFF
5.BEE-EES
6.THE BOY NEXT DOOR
7.THESE FOOLISH THINGS
8.LOLLYPOP

友と麒麟

2006年08月19日 | s-u

今日は、先日お話しした、我が生涯の友、I田君のお宅へ、またも行ってまいりました。
というのも、先日おじゃましたときに
「この前、ビデオが壊れちゃって、DVD付きビデオを買って私が取り付けたら、DVDとビデオはみられるんだけど、録画が出来なくて」と奥様、
「なんだったら、診てみようか?」というと
「診てもらえる?・・・・・・、あっダメだ、裏ほこりだらけだもの」
「じゃあ、土曜日にでも来てみるよ、それまでに掃除しといて(笑)」
ということで、今日の再訪問となったわけです。

ビデオは、なんて事はありません、アンテナのバイパスを取っていなかっただけで、すぐに録画可能となりました。ついでにチャンネルもテレビ本体に合わせて、設定してきました。
「もう普通に録画できるよ」
「よかった、取りたかったのいっぱいあったんだぁ」とI田そっくりの息子さん
「それじゃ」と帰ろうとすると、
「バブさん、これ持って行って」とビールをわたされました。丁重にお断りしたのですが、
「I田が好きだったキリン・ラガーだから」と言われ、結局はいただいてくる始末。そりゃぁこの暑い時期、ビールは何本あってもありがたい、まして私もラガー党であります。(笑)

キリンビールは、明治8年頃に、アメリカ人、ウィリアム・コープランドが横浜で醸造したのが始まりだそうで、その後、三菱社(現三菱商事)にゆかりの明治屋が販売代理店となり、キリンビールとして売り出したのだとか。
当時の三菱社幹事、荘田兵五郎が
「西洋のビールには、狼や猫など動物が使われている、ここ日本では東洋の霊獣『麒麟』を使ってはどうだろうか?」ってことから、あの商標が生まれたのだそうです。
私は、キリンラガーの味も好きなのですが、昔から変わらぬ商標も大好き、特に大正から発売になった黒ビールの黄色いラベルは、なんとも良い感じがします。

『麒麟』といえば、古代中国で聖人が世に出る前に、その姿を現すという、四霊の一つ、体は鹿で、尾は牛、馬の蹄に、一本角という、なんと獣の長と言われる霊獣であります。つまりは、百獣の王ライオンより数段偉い王ということかな????
『麒』は雄、『麟』は雌、なのだそうですが、キリンビールの『麒麟』は、『麒』なのか?『麟』なのか?
まっ、そんなことはどうでも良いのですが、ビールのラベルを眺めながら、友と『麒麟』を想う、これもまた一興であります。


戦時中は、出荷制限もあり、商標も使用できなかったそうです。
戦後、商標が復活したときは、この青ラベルが使われていたそうです。

さて、今日の一枚は、MJT+3のアルト奏者として知られる、フランク・ストロジャーの初リーダー・アルバムであります。
じつは、このアルバム、マイルス・グループのリズムセッションとブッカー・リトルが、どんな演奏をするんだろうと、ストロジャーにはまったく失礼な動機で買った一枚です。
聴いてみれば、さすがメンフィスの高校時代からの音楽仲間であったストロジャーとリトルの息はピッタリ、マイルス・グループのリズムセッションを従えた、二人のインター・プレイは聴きものであります。

FANTASTIC / FRANK STROZIER
1960年2月2日録音
FRANK STROZIER(as) BOOKER LITTLE(tp) WYNTON KELLY(p) PAUL CHAMBERS(b) JIMMY COBB(ds)
1.W.K.BLUES
2.A STARLING'S THEME
3.I DON'T KNOW
4.TIBBIT
5.WALTZ OF THE DEMONS
6.RUNNIN'
7.OFF SHORE
8.JUST IN TIME


いつ我が身に

2006年08月19日 | y-その他

平成17年10月17日の昼、何処にでもいる家族ずれが、2歳の娘さんが大好きなスパゲティーを食べに行こうと車でお店に向かっていました。
とある交差点に差し掛かったとき、家族の車は、信号無視をした軽自動車に左から衝突され横転、スパゲティーを楽しみにしていた娘さん、「りとたん」2歳10ヶ月は両親が声をかける間もなく亡くなったのでした。
信号無視をして、この家族に悲劇をもたらしたのは、日系ブラジル人。事故後、この家族に謝罪もないままにブラジルに帰国してしまいました。

皆さんは「犯罪人引渡し条約」という条約を御存じでしょうか。
日本国内で何らかの罪を犯した者が、自国に逃亡した場合、その人物を引渡させるための条約です。
日本はこの条約を、韓国、アメリカの二カ国としか結んでいないのです。
つまり、ブラジルとはこの条約がないために、この事故を引き起こした人物の引き渡しを求められないということ。

私がこのことを知ったのは、以前にテレビで特集を見たときでした。
それまではあたりまえのように、日本はこの条約をほとんどの国と結んでいるものだと思っていました。
それが、たった二カ国ですよ。ニ・カ・コ・ク

今、日本国内に何カ国の人達が住んでいるのでしょう?
もちろん、外国人だから犯罪を犯すということではなく、日本人も犯罪を犯すように彼らの中にも犯罪を犯す可能性はあるということです。

私の周りにも外国人の方はいらっしゃいます。殺そうとは考えなくとも、この事故のようなことは起こりえることです。そんなことが我が身に起きた時、その外国人が自国に逃げ、引き渡しがかなわなかったら・・・・・
知らなかったこととはいえ、ほんとうにそれでよいのでしょうか?

なんだか北海道の漁船拿捕とは関係ないかもしれませんが、外務省は本当に国民のために頑張っていてくれるのか?そんな疑問も感じてしまうのです。

ブログ仲間のけいさん「心の色を探して」から、回り回ってみきのんさんのブログにたどり着き、そこからこの事故の当事者「Hello Again りとたん」のホームページへ、ご両親は今も「犯罪人引渡し条約」締結のために署名活動をなさっています。

私も署名させていただき、この場をかりて皆さんにも協力していただければと、今晩、二度目の投稿となりました。
ホームページ上で署名が可能です。ぜひホームページの内容をよく読まれ、ご賛同される方は、ご署名をお願いしたいと思います。

さて、必ずアルバム紹介をしている我がブログですので、ここではフランスの子供たちがジャズを歌っているアルバムを紹介しておきます。

LES P'TITS LOUPS DU JAZZ
1.LES P'TITS LOUPS DU JAZZ
2.NOW'S THE TIME
3.GENTLE RAIN
4.BUT NOT FOR ME
5.A CHILD IS BORN
6.L'OTORHINOCEROS
7.IT DON'T MEAN A THING
8.DO YOU KNOW WHAT IT MEANS
9.C'EST COMME CA
10.LES DENTS QUI SWINGUENT
11.BERNIE'S TUNE
12.BLUE MONK
13.LES P'TITS LOUPS DE JAZZ

追伸、
りとたんも、生きていれば歌も歌えたでしょう、楽しいことがたくさんあったでしょう。事故とはいえ、ご両親はその時から何も進まぬまま今日を迎えていらっしゃいます。なんとか心休まれる日が、早く来ることを祈っております。