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安全校の議論

合格可能性が20%の学校を3校連続して受験するとすると、3校とも落ちる確率は

0.8×0.8×0.8=51.2%

という計算になります。ということは全部落ちるのは半分の確率しかありません、どこかには入りますから、という判断はやはり危険でしょう。

確かに数字上は50%なんだけれど、この勝負はやはり分が悪い。

ところが1校80%以上の学校が入ると、全部落ちる確率は0.8×0.2×0.8=12.8% ということになって、これはだいぶいい感じになってきます。

つまり、1校は安全校を入れる、という戦略は数字的にも悪くはない。

かつ、1校入った、ということは子どもたちや家庭にかなりの安心感をもたらすので、その後の戦いも心理的に有利に働きますから、プラスであることが多いわけです。

だから塾の先生は、「1校は必ずとりましょう。」という選択を薦めるし、それは悪い選択ではありません。

ただし・・・

それは行かせてもいい学校、という範疇でなければならない。

例えばお試し受験で合格しても、そこに行く気はさらさらない、ということになれば、これはプラスには働かない。

あくまで行かせもいい、と家庭が判断できる範囲で考えないといけないのです。

で、ここにはいろいろな議論があります。

あまり知らない学校でも、中身を調べてみたり、学校見学に行ってみたりすると、光るものがある学校は少なくありません。

逆に知っている学校でも??と思う学校はある。

ここは家庭や本人が充分納得していないといけない。

ただし、この作業は親がやるべきです。子どもは第一志望のことを考えていればよい。

合格する確率が高く、この学校なら子どもを行かせてもいい、と思える学校を見つけることができれば、あとは本人に力を発揮してもらえればいいわけです。

残りの期間で考えるべきことは、この1点だけです。

もし、それが見つからなければ結論を先送りしてもいいかもしれない。つまり高校受験に回ってもいいかもしれない、と考えてもかまいません。

確かに1校は合格させたい、と思う部分はありますが、それは行かせていい学校でないと、本人も家庭もあまりうれしくはない。

そういう学校がない、という結論であるならば、それは次のチャンスを狙っても良い、と思います。

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