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組み分け試験で錯覚させられること

カリキュラムテストは、本来絶対評価をすべきですが、多くの塾の場合、ここに相対評価が持ち込まれます。

(絶対評価とはカリキュラムについての理解が何%か、ということです。一方相対評価とはその教室で何番とか、偏差値はいくつ、とか集団の中でどの位置にいるかを判定することです。)

本来カリキュラムが分かったはクラス分けとは関係ない。ところが組み分け試験であまりクラスが変わらないと、実はウチの子はあまりわかっていないのではないか、ということにすり替えられてしまう。

その塾の相対的な位置は、わかった、わからないだけでは決まりません。

長文がどの位読めるか、難しい問題がどれほど解けるか、いろいろな要素が関わってくる。カリキュラムがわかった、わからないだけでは判定されないのです。

ここが実にもったいないといつも思います。

フリーダムは月例テストで順位を出さないし、偏差値も表示しない。相対的にどうだ、ということはカリキュラムテストには必要がない。カリキュラムテストはわかったか、わからないか、で考えればいいわけで、そこが上手くいっていれば順調だ、で良いのです。

でも模擬試験は…、と思われるかもしれません。

しかし、これも実はすり替えられているところがある。

本来、中学入試はすべて独自入試ですから、問題はその学校、学校で違います。

算数で言えば、難しい問題を4問ぐらいだして、記述式にし部分点も与える、という形式もあれば、答えだけ20個書く、という形式の学校もある。

しかし、それぞれの学校の問題形式に合わせたら、模擬試験はすべて学校別になってしまう。それだと十分なデータ数が集まらなければ合格可能性を判定できない。

だから、すべての受験生に同じ問題を解いてもらって、統計的に判断する。偏差値がいくつであれば、この学校の合格可能性は80%とか、そういう計算をするわけです。

しかし、土台、その学校の入試問題ではないので、それが妥当であるかどうかはわからない。ひとつの指標であることは間違いないが、実際の結果がその通りになっているわけではありません。

本来は、入試問題で合格点をとれば良い話であって、各校の入試ではおおよその合格点は毎年それほど大きくは変わらない。

学校が合格点を公開してくれているのを調べてみるとよく分かります。

大方この学校の問題では合格点はこのぐらいになる、という目安がついてくる。あとはそれが取れるかどうか、だけの話です。つまり本来入試は絶対評価で考えた方がわかりやすい。

しかし、模擬試験でそれを判定するのは不可能だから相対評価に持ち込まれ、~クラスでないと御三家は受からない、みたいな話になってくるわけです。

今の組み分けテスト全盛で問題なのは、相対評価の数値に惑わされて、子どもの努力やがんばりをきちんと評価していないことです。

カリキュラムテストは本来そのカリキュラムがどれだけわかったかを吟味し、それが足りなければそれを補う方法を考えれば良いだけのこと。

ちゃんとできれいれば、それでいいわけだし、また全部が全部できなくても、算数がうまくいっていれば、問題はそう大きくはなかったりするのです。

だからクラスや順位、偏差値を見るよりも、答案を見てください。どのくらい、わかっているのか。壊滅的なのか、基本はある程度できているのか、応用まで理解できているのか。

そこが確認できれば、あとは具体的に何を足すか、考えて実行した方が良いでしょう。カリキュラムが終わるまでは、少なくも基本までできていれば、クラスがどこであっても問題はありません

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