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2010年4月10日において、ポーランドのレフ・カチンスキ大統領を乗せた大統領専用機の墜落事故によって、大統領以下政府の要人など乗っていた人たちが全員死んでしまった事故のニュースを聞いた時は驚いた
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レフ・カチンスキ大統領たちはカティンの森事件の70周年の追悼式典に向かう途中での出来事であった
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実は今年の1月に京都で今回紹介する映画カティンの森が公開されていたのである
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製作国のポーランドでは既に2007年に公開されていたが、日本では3年ぐらい遅れての公開である
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ちなみに『カティンの森』の監督はアンジェイ・ワイダ
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彼の映画では地下水道(1956)、灰とダイヤモンド(1958)の2作品を観ている
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『地下水道』では第二次世界大戦におけるポーランドの抵抗組織がナチスドイツに追われ、毒ガスの恐怖に怯えながらひたすら地下水道を逃げ回っていたのが印象的
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しかし、アンジェイ・ワイダ監督と言えば僕の中では『灰とダイヤモンド』である
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この2作品を観てもわかるように、アンジェイ・ワイダ監督はひたすら自国ポーランドの歴史的悲劇を映画で描き続けてきた
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実はこの映画はアンジェイ・ワイダ監督の両親にオマージュを捧げられている
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第二次世界大戦が終わった後も、ポーランド国民の苦しみはまだ続いていたことを全世界は知るであろう『カティンの森』を紹介します
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第二次世界大戦、ポーランドにおいて独ソ不可侵条約を結んだドイツが西から、ソ連が東からポーランドに侵攻してきた
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ポーランド国民が西からドイツの侵攻のため、東からソ連侵攻のため逃げてきた両者が橋の上で鉢合わせになるシーンは国を失ったポーランド人たちを見事に描写している
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その中に、ポーランドのクラクフから将校である夫のアンジェイを探しに妻のアンナとまだ幼いニカが、ソ連に占領されたポーランドの東部にやってくる
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傷ついた兵士が救護されている教会において、夫のアンジェイは近くの駅にアンジェイが居るかもしれないと聞いた、アンナは駅に向かいアンジェイに出会うことに成功するが、一緒に居たのも僅かの時間であり、アンジェイは直ぐにソ連の捕虜として収容所へ向かうことになった
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その頃夫のアンジェイと妻のアンナが住んでいたクラクフでは、ナチスドイツによって占領されており、アンジェイの父はクラクフ大学の教授であったが、クラクフ大学は反ナチスの宣伝の媒体となっていることにアンジェイの父がナチスドイツの収容所へ行くことになってしまい、アンジェイの父は収容所で病気のため死んでしまう
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やがてドイツ軍はソ連に攻め込むが、1943年にカティンの森で大量のポーランド人が白骨化して死んでいるのを発見し、頭部を銃で撃ち込まれているのを発見した
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クラクフではカティンの森で死亡している将校たちの名前がアナウンスで放送されていたが、アンナは夫のアンジェイの名前がアナウンスされないこと、そして新聞の記事にもアンジェイの名前が載っていないことに夫が生きている希望を持っていた
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第二次世界大戦が終り、ポーランドにおいてソ連による共産主義国家が成立しようとしていた
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現在イェジはソ連の軍人として働いている
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ソ連側はカティンの森におけるポーランド人虐殺はドイツ側がやったことだと大々的に報じる
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カティンの森での事件がソ連が行った事実であることを曲げない者には苦難の道が待っていた
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そしてまだ夫が生きていると信じているアンナのもとに、夫のアンジェイの遺品である手帳が渡された
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ポーランドの第二次世界大戦における悲劇がよく描かれている
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ドイツとソ連によるカティンの森事件において、実行したのはドイツはソ連の仕業であることを発表するが、ソ連はその事実を知っていながら、ドイツに責任転嫁してしまう
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そしてソ連の支配を受けたポーランドの国民はカティンの森事件は、自分の命を守るためカティンの森事件をドイツの仕業だということに屈服しなければならない人々にも同情する
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その一方で、ソ連がカティンの森事件の当事者であることは事実であり、ポーランドに自由を得るためには事実を折り曲げる事ができない人々もいる
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そのような人たちはソ連影響下のポーランド政府からも事実を折り曲げるように強要され、それでも自分の信念を曲げない人たちの運命は・・・
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カティンの森事件の真相に対して、第二次世界大戦後から東西冷戦終了まで、ソ連支配下のポーランド政府はカティンの森事件を調べることは全くしていないし、また共産主義国家において出来る行動でもなかった
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現在ではソ連は崩壊しロシアに変わって表向きは民主主義の国家になっているし、またポーランドも民主主義国家として自由を手に入れた
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ドイツとソ連に挟まれたポーランドという悲劇性をこの映画を観て改めて思う
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実際にポーランド映画界もアンジェイ・ワイダ等の作品によって世界中に知られることになるが、共産主義国家のポーランドにおいて映画を撮るのも大変なことだった
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ポーランド人監督であるロマン・ポランスキーが自国で映画を撮ったのは長編デビュー作の水の中のナイフの1本だけであり、その後、彼はイギリスで反撥、袋小路等を撮るようになる
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アンジェイ・ワイダ監督もポーランドで映画を何本か撮っているが、やがて自国で映画を撮れない状況に追い込まれ、一時期フランスに渡って映画を撮っている
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今回紹介したカティンの森は、絶対に東西冷戦時代には撮れない映画であり、共産主義国家の元ではこのような映画が生まれることは不可能であった
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もう年齢も84歳に達してしまったアンジェイ・ワイダ監督だが、彼の描くポーランド映画をもっと観たいと思うのは僕だけだろうか
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これは話題の映画ですね。ご覧になりましたか。私も観たいです。
カティンの森の犠牲者追悼に赴いたポーランド元首脳の、痛ましい飛行機事故が今も生々しいですね。
ディープインパクトさんが詳しく書いて居られる、東西の強国に挟まれたポーランドの第2次大戦の悲しい歴史。
当時のことを、子供心に少しは知っている私も、アンジェイ・ワイダ監督の祖国愛には何時も打たれます。
彼が、1950年代に撮った「地下水道」(56)と、「灰とダイヤモンド」(57)。共に鮮烈でしたね。
その後1970年代に撮った「約束の土地」(74)と、「大理石の男」(77)も観ています。
「カティンの森」を観ていませんので、軽々しいことは云えませんが、特に、後者の作品は、アンジェイ・ワイダが完成した金字塔ではないかと思ったりしています。
1950年代と1970年代。この二つの時代を交錯させつつ、ストーリーは展開します。ある女性が辿る、主人公の足跡は、まるで推理小説のようです。が、その根底は、やはり、祖国ポーランド愛でした。
何処かの国の総理に、沖縄の方への真の愛と勇気があれば。と思います。
アンジェイ・ワイダ監督の祖国ポーランドを愛する気持ちが、日本人にも伝わってきます。 また、日本にも戦争の苦しみがまだ続いている人たちが居ることに対して、この国の総理大臣は選挙のために利用した事に犯罪に近いものを感じます。