褒めまくる映画伝道師のブログ

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映画 カッコーの巣の上で(1975) 人間の尊厳と自由を描く

2023年09月10日 | 映画(か行)
 日本人の中にはこの世の中は、何て不自由なんだと嘆いている人も居るかもしれない。しかし、他国には未だに生活を見張られている管理社会の国がある。そんなことを思うと日本人に生まれてラッキーだと思う今日この頃である。さて、徹底的に管理された社会において尊厳と自由を求めて戦いを挑む男を名優ジャック・ニコルソンが演じる映画が今回紹介するカッコーの巣の上で。権力を利用して、人間を抑えつける管理社会の酷さを本作から感じることができる。

 精神病棟内を舞台にしながらも、人間の尊厳と自由を謳い上げるストーリーの紹介を。
 刑務所での重労働が嫌でメンタルが壊れたふりをして、精神病棟に入院することになったマクマーフィー(ジャック・ニコルソン)。しかし、そこで見たのは婦長であるラチェッド(ルイーズ・フレッチャー)が自らの定めたルールで患者を押し付ける姿と、従順すぎるほどラチェッドに従う患者たち。そんな様子を見てマクマーフィーはラチェッドに対して反抗的な態度をとっていく。毎日行っているグループセラピーを止めて野球のベースボールシリーズを観ようと提案したり、一緒の部屋で入院している患者たちを無断で連れ出して海へ連れて行ったり等、少しでも自由を謳歌させてやろうとする。しかし、そんなマクマーフィーの行動はラチェッドの怒りに触れることになり・・・

 徹底した管理社会における息苦しさを感じさせる。弱き精神病の患者たちを圧倒的な権力でもって理不尽な態度で抑えつける。そこへ救世主としてイエス・キリスト様の如く登場するのがマクマーフィー。まあ、イエス・キリストとマクマーフィーでは動機が全然違うので同列にするな!と文句が聞こえそう。しかし、マクマーフィーの行動は非常にキリストと共通点が多いことに本作を観た人にはわかるだろう。
 マクマーフィーに訪れる運命はまさにイエス・キリストと近いものを感じさせる。そして、彼の行動は精神病患者だけでなく意外な人物にまで影響を与える。これが最後に大きな感動を呼ぶことになるのだ。本作を観ると最初に手を挙げて行動を起こすことの勇気を感じさせるし、この世の中に存在する独裁体制の国家に対するアンチテーザも見てとれる。本作の中でラチェッドが多数決を否定するシーンがあるが、なかなか本作のテーマを表しているようで印象的な場面だ。
 既に名作としての評価を高めている作品なだけに多くの人が観ているかもしれないが、まだ観ていない人は今すぐにでも観ることをお勧めしたい映画として今回はカッコーの巣の上でを挙げておこう

 監督はチェコスロバキア出身のミロス・フォアマン。モーツァルトを主人公にしたアマデウスも彼の作品で名作。名作を2本を撮りあげただけでも名監督と言えると思います。他にもポルノ雑誌のハスラーの創刊者を描いたラリー・フリント、中世ヨーロッパの恐ろしさを画家のゴヤの目を通して描いた宮廷画家ゴヤは見たもお勧めです







 

 
 
  

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1 コメント

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I love you (james)
2009-05-12 18:19:25
harada wo aishiteimasu!
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