glimi

生きること:過去と未来とエスペラントと

クサギの運命

2005-10-31 09:06:07 | Weblog
 19日から28日まで、紫に色づき、枝から消えてゆくクサギの実を気にしながら毎日出歩いていました。

 昨日ようやく時間が取れたので実を取ろうとしたら、手の届く範囲の枝についていた実は全て無くなり、黄色く枯れかけた葉だけが残っているだけです。こうもり傘の柄の先の曲がりを利用して高い枝を手繰り寄せ、実のなっている小枝を折り取り実を収穫しました。
 315gの収穫です。10年程前に染めた糸をどうしても濃い色に染め上げたかったのです。染め重ねるには充分でしょう。

 クサギ染めをしてからいろんな事がありました。夫に枝を払われクサギは実をつけなくなりました。木の再成長を待っている内に、古い知人の本の整理を依頼され、それが原因で皮膚病になりました。その知人も昨年暮れ長寿を全うしました。ようやく染めに漕ぎついた思いです。

 クサギの独特な色を出すのに触媒は使いません。実を水から煮て色を煮出すのです。布の袋に入れて潰してやるとよく色が出ます。その液に浸すだけでいいのです。薄いシーフォンのようなスカーフならもっと少量の実でもきれいな色になります。

 よく水を含ませた糸と以前から使っていたストールをこの液に入れました。
不思議な色です。緑を含んだ空の色です。新島にいた時、台風が来ました。その時数メートルも高く上がる波の色も薄緑を含んでいました。

 体力的にもう、クサギ染めをすることはありません。夫に木の処分の許可を与えました。
 本当に切って良いの?と喜んだ夫は午後出て行きました。

 夕方、クサギは中心の幹だけを残して裸で立っていました。この木を切ろうとする度に私に叱られた長年の鬱憤を夫は晴らしたようです。

 この色は貴重です。人に譲る気にはなりません。今年は無理ですが、来年の暮れまでに幅広のストールを織って姉にプレゼントしようと密かに考えています。来年の話ですから、鬼が笑っているかrもしれません。

 


 

 
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4 コメント

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寒くなりましたね。 (りこ)
2005-10-31 12:19:01
glimiさん今日は。

来年になったらクサギ染めの素敵なショールを作ってお姉さまへプレゼントされますように~。

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切ってしまいましたかぁ (あまもり)
2005-10-31 12:46:22
幹だけになったクサギにglimiさんの思いと旦那様の思いが重なって・・・

写真だけでしか知りませんが、真っ赤なモミジ形の萼に真っ青な実。それが緑を含んだ空の色に染まる。コバルトブルーに近い色?

染め上げたらお姉様にプレゼントされる前にぜひ画像で見せてください。
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Unknown (hanafumi)
2005-10-31 23:31:03
自然の色は



誰にも真似のできない



たった一つだけの色



世界に一つの色



二つとない個の色



人も同じ人はいない



いいところがあって



わるいところがあって



それぞれに、それぞれに



糸も活きて、布も活きて



暖かさも伝わる
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Unknown (glimi)
2005-11-01 07:27:19
ながらくご無沙汰しておりましたが、細々と復帰です。みなさん見捨てもせずに、お訪ねくださってさってありがとうございます。



実はならなくとも葉だけは青々と茂り、風が吹くたびに道路に散るのでご近所にも迷惑をかけました。少々淋しい気がします。



また家人お助けを借りて色をお見せします。



昨日はいつも訪問する方の半分しか訪問できませんでした。まだ報告書とか、レポートか書かなければなりませんが、お邪魔したいと思っております。
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