glimi

生きること:過去と未来とエスペラントと

野菜を売る老人

2009-11-15 22:32:32 | 雑感
 先週はあまりの忙しさに買い物もできず冷蔵庫は空っぽになりました。

 今日は買い出しに出かけました。スーパー近くのアパートの手前に小型トラックが1台置けるくらいの空き地が有ります。時々そこにトラックが止まっており老人が一人で野菜を売っています。
 若いころは背も高かったと思われる大柄な老人ですが腰をくの字に曲げて野菜を売っています。その空き地にはサクラの木が一本立っていて春は花の下で、夏は木陰の下で売っているのです。多分この家族がこのアパートの持ち主なのでしょう。息子さんでしょうか、夕暮れになるとかなり年配の男性がやってきて後片づけをし、車を運転して去ってゆきます。

 計算しやすいようにでしょう、ほとんどが100円単位です。今日も葉っぱの新鮮な大根を見つけました。その横にはみずみずしい白菜が1個。かごには無造作に入れてあるほうれん草。泥がまだ乾いていない里芋。
 『白菜はいくらなの。』と尋ねたら、『うん、いくらにしよう…。200円でいいかな。』『いいわよ。』と答えると『150円にしてあげる。』『ほうれん草はどういう風に売るの。』『袋に入れる暇が無かった。100円分でいいかい。』『今のほうれん草は茹でるとかさが減るでしょう。200円分頂戴。』彼はほうれん草を袋に詰めました。
 計算しようとして『やっぱり、白菜は100円にしてあげる、ほうれん草は150円でいいよ。』
 帰宅して驚いたのはほうれん草の量の多さでした。

 通りに屋台を出し、通りすがりの人に野菜を売る。一瞥するとみすぼらしい哀れなな老人に思えますが、彼の目的は野菜を売ることよりも、家族以外の人と会話する事なのではないか、外に立ち人と交わる事が彼の幸せなのだろうと感じました。

 そう言えば最近、ずいぶん長い事見かけませんでした。春頃と比べ腰もひどく曲がったように見えましたし、耳も遠くなったようでした。病気だったのでしょうか。
 これからも元気で野菜を売ってください。おまけしてもらったから言っているわけではありません。何か自分のすべきことを持っている老人は幸せです!その幸せが長く続くように願うのです。
コメント (6)
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