楽器が最強?

 楽器が最強の武器であると云う訳ではない。いや、郷秋<Gauche>が弾くチェロの音は凶器になるかも知れないが。と云う話しは取りあえず置くとして「楽器を演奏することで頭がよくなり、認知症やうつ病の防止になるとの調査結果」と云う記事を見つけたところからは今日の駄文は始まる(Thank you for F.Y.さん)。

 ボケ防止にはあれが良いとかこれが効くとか云われているけれど、特に効果的なのが楽器を演奏することだとの調査結果が発表された(see here)。例えハイレベルでなくても楽器を演奏できる人は、そうでない人と比べて全体的に頭脳明晰で、間違いを発見して修正する速度が速く、またその正確度も高いことがわかったと云うのだが、本当だろうか。

 だいたいがだ、記事タイトルには「楽器を演奏することで頭がよくなり」と書かれているのに、本文では「楽器を演奏できる人は、そうでない人と比べて全体的に頭脳明晰で」と書かれている。頭が良いのと頭脳明晰とは少し違うのではないかと郷秋<Gauche>は思うのであるぞ。

 かの広辞苑(第五版)には「【明晰】明らかではっきりしていること」とあり、あの新明解(第七版)には「【明晰』】筋道が通っていて、言うことがだれにでも良く分かる様子」と書かれている。要するに、云う事、物事が明快であると云う事だと思うのだが、問題は「頭が良い」の定義である。これは難しい。常識的に考えれば頭脳の能力が優れていると云う事だろうけれど、人によって「能力」の分野と云うのか方向性と云うのか、その力点が違ってくるだろ。

 一般的に云われる「頭が良い」の中の多くの部分を記憶力の良さが占めているのは間違いないだろう。記憶力が良い人は試験でも高得点を取る可能性が高いから学校での成績が良い。試験の多くは記憶している知識の量によって点数が決められる仕組みだからである。論述式の問題の場合も、記憶している知識が多ければ、その知識を組み立てて正解もしくは正解に近い高得点を得る可能性が高い。組み立てる能力が著しく劣る場合には正解を得ることが難しいかも知れないが、郷秋<Gauche>が知る限り、記憶力の良い人は「組み立て能力」にも優れてる人が多いようだ。

 より多くの知識と優れた組み立て能力を併せ持っていれば、答のある問題の多くを解くことが出来きるだろうが、「問題」は、答えのない問題、問題がどこにあるのかを考える問題、あるいは無から有を作り出す創造的問題だろうな。

 模擬試験やセンター試験で高得点を取って大学に入って来ても、答えのない問題にはまったく歯が立たない学生がいる。級友との良好な人間関係を作れない学生がいる。些細なことでも叱られると立ち直れない学生がいる。自分の事を語れない学生がいる。そもそも自分が何のために大学に入学したのか「知らない」学生がいる。一体全体頭が良いのか悪いのか、判断に困ることも少なくない。

 閑話休題。郷秋<Gauche>思うに、頭脳が明晰であるのは、頭が良い事の一部分であり、全てではない。まぁ、ボケていないと云う程の意味だろう。しかしまぁ、今日の駄文の何と明晰ではないことか。やけに長い回り道でいつもにも増して意味不明。そう思うと、「楽器を演奏することで頭がよくなり」はおろか、「楽器を演奏できる人は、そうでない人と比べて全体的に頭脳明晰」さえも俄かには信じられない郷秋<Gauche>であるぞ。


 例によって記事本文とは何の関係もない今日の一枚は、秋明菊(しゅうめいぎく)。菊と云う名前がついてはいるが、茎からの葉の出方や形を見ればすぐに判る通り(写真には写っていない)二輪草などと同じキンポウゲ科の植物である。

 Website「恩田の森Now」に28日に撮影した写真を掲載いたしております。散歩日和となった森の様子をどうぞご覧ください。
http://blog.goo.ne.jp/ondanomori/

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