酒談義

志野焼に酌む大吟醸秋の夜半


 私の父は酒が好きであった。気の合った人が来れば、一晩中でも飲んでいることもあったが、父の乱れた姿をついぞ見たことはなかった。言ってみれば「いい酒のみ」であったように記憶している。それに比べると長兄の酒飲みは余り褒められたものではなかった。私も酒が好きだが、これも父譲りということだろうか。
 私が結婚するとき、妻は家人に、私が酒好きだから苦労するかもしれないようなことを言われたらしい。かなり経ってから知ったことだが、私自身ではそれほどのことはなかったように思うがどうだろうか。
 人間社会に酒は付きもので、神代の昔から酒はあったようだし、猿さえも酒を造るという話がある。生まれても酒、死んでも酒、会っても酒、別れるも酒、喧嘩するも酒、仲直りするにも酒、喜びにつけ悲しみにつけ酒である。
(郡司吾朗句集「あれそれ」(2000年8月刊)82頁より)

 三年前の六月、既に酒を飲むこともできなくなっていた父を見舞い、私は一人飲んだ後に上の写真を撮り父の隣で横になった。翌未明、父は逝った。享年八十八。

 「恩田の森Now」 http://blog.goo.ne.jp/ondanomori に、ただいまは 9月24日に撮影した写真を5点掲載いたしております。稲刈りの時を迎えた森の様子をどうぞご覧ください。

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