学生時代に4年間お世話になり、その後も折に触れてご指導いただいて来た恩師に、「私たちが歌う為のミサ曲を作曲してください」とお願いしたのが5年前。4年にKyrie、3年前にSanctusとBenedictus、2年前にGloria、そして昨年Credoが出来て、いよいよ今年、終曲のAgnus Daiが出来上がり、全曲完成となりました。
なぜ5年がかりの作曲となったかと云えば、歌うのが年に一回、毎年河口湖畔の「堀幸」で11月に行われる一泊二日の合宿だけだから。その合宿に合わせて毎年少しずつ作曲していただいて、そして歌ってきたのです。
これまでも全て”Finale”で綺麗に清書された楽譜を頂いておりましたが、今回はこれまで頂いたBenedictusまでの楽譜にも多少手が入ったとの事でした。勿論曲は完璧に出来ているのですが、歌って初めて気が付くのが、言葉(歌詞)の付き方なのです。歌詞とは云ってもミサ曲の場合には決まった典礼文がありますから、音符と典礼文の一つ一つの文言(単語)をどう結び付けていくかと云う事になる訳ですが、これがなかなか難しい訳です。
さて、これまでは合宿の度に歌う分の楽譜を人数分コピーして配布していたのですが、全曲出来上がったのを機に全曲分を印刷・製本することにしました。巻末に「ミサ」についてと、この曲についての解説を加えて本文全71ページ。どうしても背表紙に曲名を入れたかったことから本文にも厚手の紙を使い無線綴じ。表紙は数ある見本から手触りの良い厚手の紙を選んで使う事として出来上がったのが、これ。
Yoshifumi Takamori
MESSE für Tamagawa Universität Chor Grauduirte
「作ってください」と気軽にお願いしてしまう、常識では考えられない図々しさ。その図々しいお願いを形にしてくださり、仕上がるまで丁寧にご指導くださる高森先生。これこそまったく「有り難い」ことと、厚く厚く厚く、お礼を申し上げます。11月に全曲通しで歌いますが、先生への一番のお礼は、作曲の意図の通りに「上手に」演奏すること。難しいけれど、頑張らねば。