国民に奉仕する国王

 英国のエリザベス2世の死去に伴い国王の座に就いたチャールズ3世が、国王としての最初の演説の中で語ったことが報じられていた。

 「みなさんが英国や世界のどこに住んでいようと、みなさんの経歴や信条が何であろうと、私の生涯を通じて忠誠と尊敬、愛を持って奉仕する」。

 国王になったことは彼の意思ではなく、そのように定められていたことなのだろう。あるいは、本心では国王になどなりたいとは思っていなかったのかもしれないが、それでも彼は国王として英国々民に対して「愛を持って奉仕する」ことを誓った。

 はるか昔の中学生時代に、公務員のことをイギリスでは「civil servant、市民に奉仕する人」と云うのだと習った。英国々王は公務員ではないと思うが、それでも彼は国民に奉仕するのだと語った。”noblesse oblige”が生きている英国なのだ。

 翻って我が国の国会議員、各自治体の議員さらには公務員、みなし公務員の人たちの職務に対するその姿勢は如何に。私には、とりわけ先生と呼ばれる人たちの中に、私利私欲を中心に物事を考え進め、不都合なことを問われると「記憶にない」と逃げ回り、甚だしきは事実とまったく異なる答弁をしても素知らぬ顔の人が少なくない数含まれているように思えてならない。

 公務員についてはそのような制度があるようだが、特別職公務員となる先生方についても、少なくともその職にある間については「忠誠と尊敬、愛を持って奉仕する」ことを誓ってもらう制度を作るのが良いように思えてならない。

 いや、私が知らないだけでお偉い先生方にもその手の宣誓書があるのかもしれないけれど、もしあるのだとしてもとても有効に機能しているとは思えない。ぜひともセンセイ方にも罰則規定付きのセンセイ書を!

注:「英国」および「イギリス」は日本における通称で、正式国名はUnited Kingdom of Great Britain and Northern Ireland。日本語では「グレイトブリテン及び北アイルランド連合王国」。

 と云う訳で今日の一枚は、記事本文とは何の関係もない秋の花、萩。

 横浜の住宅と地の中に残された小さな里山の四季移ろいを毎週撮影しているblog「恩田の森Now」に、ただいまは9月3日に撮影した写真を6点掲載しております。晩夏から初秋へと移りゆく森の様子をご覧いただけたら嬉しいです。
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