現在、原材料に対する麦芽の比率で分類され税率が異なっているビール類(本物のビール、ビール擬きその壱・発泡酒、ビール擬きその弐・第三のビール)の税率を350ml一缶当たり55円に足並みをそろえたいと、政府が云い出しているらしい。
現在の酒税は、350ml一缶当たり本物のビールが77円、ビール擬きその壱・発泡酒が47円、郷秋<Gauche>が愛飲するビール擬きその弐・第三のビールが28円とされているので、現在の案がそのまま施行されれば、本物のビールが22円安くなり、ビール擬きその壱・発泡酒が8円、ビール擬きその弐・第三のビールが27円それぞれ値上げされることになる。
外圧が大きかったワインとウィスキーの税率を大幅に下げたのはいつだったのか忘れたが、お陰で輸入物のワインとウィスキーが身近になったのは確かであった。ビール類はと云えば、価格の半分近くを税金が占めていながら、「カサ」が大きい故に輸入量が少ない事から外圧が少なかったことから高税率のまま放っておかれたのではないかと想像するのだがいかがだろうか。
しかしだ、市場のニーズに応え、酒税法の構造を研究し、ビール擬きその壱・発泡酒、ビール擬きその弐・第三のビールの開発に心血を注いて来たビール会社にとっては、特に発泡酒と・第三のビールの販売比率が高いメーカーと、郷秋<Gauche>のようにビール類を飲んで酒税納税で国の財政に貢献して来た低所得者層にとっては大きな打撃となることは必至であるな。
第弐のビールと呼ばれた発泡酒を初めて飲んだのは20年近く前の事だったと思うが、当時は「こんなまずい物」と思ったものだが、技術開発が進み、10年後には本物のビールと遜色ないまでの味となった。第三のビールもしかりで、こちらは5年程で特に夏場には好まれるのど越しの良いすっきりした味の「ビール」となった。
税率はその時々の都合に合わせて政府が「勝手に」決める。それに翻弄されるのはメーカーの技術者と消費者である。勝手気ままに税率を変える政治家と高級官僚が飲んでいる本物のビールは税率の低下と共に販売価格は下がる訳だから、何と云う事も無いのだろう。相変わらず低所得者層には思いが及ばない政治家と高級官僚のやりそうなことである。
と云う訳で今日の一枚は、今日の散歩で飲んだ「ビール擬きその弐・第三のビール」。特に夏場の暑い時に飲む時に、むしろ本物のビールよりも美味いと思うのは、決して負け惜しみではないと思う。