秋の終わりの韮の花

 夏の終わりに咲くものと思い込んでいた韮(にら)の花が、秋の終わりに咲いておりました。例えば染井吉野や彼岸花のように、種ができず接木や挿し木、分球などでしか増えない植物は、すべて同じ遺伝子のセット(ゲノム)を持ったクローンですから、日当たりや風当たり、土壌の質が同じであれば違う株であってもまったく同じ時期に芽を出し花を咲かせ、そして散っていきます。一方、他の株と交配する可能性のあるものは、それぞれに少しずつ違った遺伝子を持っていますから花の咲く時期も、花の色も少しずつ違ってきます。

 染井吉野の並木道は、その花が一斉に咲きそして散っていく様が日本人の心情に強く訴えかけてくるからこそ一層美しく見えて、そして深く愛されているわけですが、個性が乏しいと云えばまったくその通り。乏しいと云うか、ない。

 すべてが同じ、揃っている美しさもあれば、それぞれが違う個性が集まった美しさもあるわけですが、近頃の日本は前者の美しさだけが認められ強調され過ぎている気がしてなりません。それぞれが少しずつ違うからのこその素晴らしさや面白さ、その美しさを認め合う世の中であって欲しいと強く願うこの頃です。

 横浜の住宅地に残された里山の四季の移ろいを毎週撮影しているblog「恩田の森Now」。ただいまは10月21日に撮影した写真を7点掲載いたしております。秋も終盤を迎えた森の様子をご覧いただければ嬉しいです。
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#韮の花 #にらの花 #個性と多様性

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