唐松林の中に小屋を建て、晴れた日には畑を耕し雨の日にはセロを弾いて暮したい、そんな郷秋の気ままな独り言。
郷秋<Gauche>の独り言
運転免許の定年制?
今日の親愛なる神奈川新聞投書欄に「運転免許の定年制を提案」(無職 73歳 横須賀市)と云う投書が掲載されていました。
歳をとると身体能力、認知能力が落ち事故を起こす。そんな事故で若い世代を傷つけたり犠牲にすることがないようにするためにと、定年制の導入を主張しておられる。
横須賀にだって交通不便な場所もあるかとは思いますが、例えば私の故郷である福島県の檜枝岐村辺りと比べていただきたいのです。検査や入院の出来る病院までどれほどの時間がかかるのか、いったいバスが日に(一時間にではありませんよ)何本走っているのか、日常生活に必要なものを買うために山道を何キロ先まで行かなければご存知なのでしょうか。
軽トラックがなければ畑に行くこともできません。畳屋さんだって大工さんだって水道屋さんだって軽トラックがなければ仕事になりません。八十を過ぎても現役で仕事をしている方はたくさんいるのです。家族はもちろんご本人だって運転しなくても、働かなくても生活ができるのならば仕事も運転もしたくないと思っているかもしれません。
でもね、車がないと、運転しないと病院や仕事に行くことができないだけではなく、日常生活必需品さえも買いにいけない、そんな地域もあることを知っていただきたいのです。別に檜枝岐まで出かけてご覧くださいと云っているわけではありません。ちょっと想像力を働かせれば、地図を広げてみれば車なしでは生活が成り立たない地域が沢山ある、いや、むしろ車なしで生活できる地域の方がこの日本には少ないことにすぐにお気づきになることでしょう。
車をやめたくてもやめられない、やめたら生きていけない、そんな地域の方が圧倒的に多いことに思いを巡らせていただきたいと思うのです。大都市圏の常識は地方の非常識なのです。ただ、大都市圏に住んでいる人の方が圧倒的に多いですから、地方の常識=都会の非常識とみられてしまう訳ですね。私自身もそうなのですが、大都市圏から地方を見ると知らず知らずのうちに「上から目線」になっているんです。気をつけなければならないことです。自戒の念を込めて。