うだる様な暑さが続いている。クーラー嫌いな家内とエアコンそのものが余り好きでない私もさすがにクーラーを入れざるを得なくなった。夜は網戸をしてガラス戸を開けておけば涼しい風が入るようになり、明け方には寒くなることさえある。井の頭公園の豊かな森と近所に多いサクラの大木のお蔭であろうか。8月生まれの私は、以前は梅雨が明け夏到来の太陽が好きだったのだが、近年では重く射すような暑さを感じる。こちらは歳のせいなのだろうか。
昨日昼、小型飛行機が住宅街に墜落して、搭乗者のみならず民家の住人までが死傷するという事故が大きなニュースになっている。事故発生から今日に至るもこの話題で持ちきりである。私の住む三鷹のすぐ隣の調布市での事故であり、身近かなニュースだ。調布飛行場はよく知っている場所で、墜落するのがもう少し先だったら私の所に落ちたかも・・・なんて考えてもみたが飛ぶ方向が逆であった。調布飛行場からは伊豆七島方面の定期便が運航されているが、民間の小型機の離着陸が多い。その数、年間1万8千回に及ぶと言う。30年前にも墜落死亡事故が起きているというが、これだけの回数の中だ。まだ事故原因は解明されていないが、あってはならぬ事故とは言っても何万あるいは何十万回に1回の事故も起こらないとは言い切れない。
大相撲名古屋場所は白鵬35回目の優勝で幕を閉じた。鶴竜が久しぶりに最後まで健闘したが、やっぱり白鵬である。それに勝るとも劣らない話題が旭天鵬の現役引退表明だった。前から「十両に落ちたら引退」を口にしていたが、今場所3勝12敗に終わって、来場所の十両陥落が決定的になった。いつ頃だったか、以前にも旭天鵬を称える記事を書いたことがあるが、今日本の大相撲を支え、隆盛を誇るモンゴル力士の草分け的存在で、40歳の今日まで幕内通算99場所(史上2位)を勤め、史上1位の1470回の出場を記録した。37歳8ケ月の最年長優勝も相撲史の金字塔である。土俵上での柔和な表情と穏やかな人柄で長い間相撲ファンを惹きつけて来た。最後の土俵の後は、引退を惜しむ声を背に涙を拭いながら花道を引き揚げて行った。既に日本国籍を取得しており、大相撲に骨を埋めるつもりである。圧倒的な優勝回数記録をもつ白鵬とともにモンゴル力士の歴史を作った2人が昨日の優勝パレードの車に並んで座った。いい光景であった。
[日本語教師の中国滞在記] 山東省編#77-国慶節に省都・済南へ
中国の建国記念日である国慶節の祝日は10月1日、正月にあたる春節に次いで会社や学校が大型連休となる。前年は強毒の新型インフルエンザが流行していたため、経貿学院では学生がインフルエンザに感染したり、それを拡散したりしないように休日は10月1日だけとする禁足令を出していた(その分学期末を繰り上げた)が、この年は通常の連休になった。前号のように尖閣諸島問題による反日感情が高まっていた時期ではあるが、学生2人と山東省の省都・済南に旅行することになった。連れて行ってくれたのはチョウ・テンシンとヨウ・ハイジエ。と言っても2人とも済南は初めて。濰坊から在来線特急で2時間半ちょっと、気候のよい秋の連休ということもあり列車は満席であった。済南は不案内なのでチョウさんが高校の友人を呼び出していて、一緒に昼食の後まず宿探しから始めた。外国人が泊まれるのは三ツ星以上という規定があって学生が泊まるようなところは大抵外国人はNGである。2つばかり断られた後、中国政府が発行している「外国専門家証」を見せたら「うちは日本人でもウェルカムね」と言ってOKしてくれたところがあった。最近、東京で昔のドヤ街みたいな所の旅館が外国人に人気があるらしいけど、まあそれに毛が生えた程度の旅館であった。
取りあえず宿が決まったので荷物を置いて観光に出かけた。チョウさんの友人とはここで分かれた。あとは私が持っている中国旅行のガイドブックが頼りだ。街の中心部にあって旅館からもほど近い大明湖は広さが46万㎡といい、東京ドームが丁度10個入る広さ。緑豊かな散策道があり遊覧船や釣りなども楽しめる憩いの公園である。
済南には湧水池が豊富にあるそうで、その中の趵突泉(ぼくとつせん)は池の底から湧いた水が数十㎝も盛り上がるので人気スポットになっている。済南駅から5㎞ほどしか離れていない千仏山は高さ260mほどで山頂から市内が一望できる。元々信仰の山で磨崖仏がたくさん彫られたことからその名がついたそうだ。歩いても登れるし、ロープウェイもあるのだが、今回はガイドブックの大まかな地図を見ての私のミスリードで、近道のはずがとんでもないガケ道を登る羽目になってしまった。そして市街部の北を流れる黄河。渤海の河口まであと300kmくらいあるが、教科書的に言えば全長5,464kmの大河で、済南市はもう最下流域にあたる。その名の通り上流の土を多量に含んだ黄土色の濁流である。川幅は300m前後だろうか、滔々とした流れに圧倒された。帰りの列車は途中で1時間以上停車、隣りの線路では客車や貨物車が時折通るのに一言の説明もないまま再び動き出した。日本では全く考えられない乗客対応であった。
①連休で満席の列車内 ②済南駅の駅前通り ③大明湖の光景 ④大明湖でチョウさんとヨウさん
⑤趵突泉の吹き出る湧水 ⑥趵突泉入口 ⑦千仏山に登る ⑧黄河の流れをバックに
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