年末によいニュースが届けられた。日韓関係の大きな障害になっていた慰安婦問題の解決に向けて両国の首脳が合意したことだ。形は外相会議での合意であるが、両国の関係者が水面下で折衝を重ね根回しをして来た成果であろう。直近の韓国司法の2件の判決で、韓国政府の”雪解け”気配がしていた。しかし、傲慢さが目立つ安倍首相と狭量な女性政治家と映る朴大統領が歩み寄ったことは大きい。東アジアの隣国同士、いがみ合っていてもよいことは一つもない。両国とも国民の間に割り切れない感情が残ったり、評論家の斜に構えた論評もあろうが、これから得られる双方の利害を考えれば利益の方が遥かに大きいはずである。 今日の新聞で知ったのだが、安倍首相の祖父・岸信介元首相と朴大統領の父・朴正煕元大統領は共に日韓国交正常化に大きな役割を果たした・・・というのはあまりの偶然なのだろうか。
過日の朝日新聞に『中国人の日本語作文コンクール』についての記事が載っていた。作文の方は約4750本もの応募があったそうなのだが、「約100万人が学んでいるという中国での日本語教育。複雑さを増す日中関係の中、学生たちと日本語教師はどんな思いでいるのだろうか。今年で11回を迎えた『中国人の日本語コンクール』の受賞者と指導教官に話を聞いた」とある。その中で「中国にいる日本語教師はただ教えるだけでなく、朝から晩まで学生と一緒に過ごすことが多い」、「学生にとっては先生イコール日本だ」、「歴史問題などで日中関係が緊張すれば大変な立場に立たされる。多くの教師が地道に仕事をしているが、その苦労は大きい」と報じている。
私も2008年から10年にかけて中国に滞在して日本語教師を勤めたが、上記の記事に思い当たることが多い。しかし、幸いなるかな苦労を遥かに超える喜びや楽しさを味わせていただいた。そしてさらに帰国後までその余韻に浸ることもできた。それは前号までの『日本語教師』シリーズで綴って来た通りである。日本語指導の経験はない、中国語は分からない、中国に一人の知り合いもいないという「ないないづくし」でスタートした日本語教師生活だが、結果としてこれほどエキサイティングでかつ手応えがあり、充実した月日を送らせてもらって、そのめぐり合わせに感謝をしている。
なお『日本語教師』シリーズは[中国滞在記-北京編]37回、[同-山東省編]85回、[帰国後編]26回、延べ148回の投稿に及んだ。それと別に当時の教え子や中国人教師との再会を求めて中国を訪問した旅行記も15回を数える。それほど思い出が多く、得たものも大きかったと言えるのである。
季節折々の花を紹介して来た[今日の花]の連載は四季を3巡してしまい、新機軸として始めた[日本語教師]シリーズだが前号を以て終わりと致したい。また先日書いたように前のパソコンが故障した後、WindowsのOSあるいはOfficeのバージョンが変わったためなのか現在ブログ作成が今まで通りには行かずに困惑している。この問題を解決しない限り新年からのブログ投稿を再考せざるを得ない状況であるが、 取りあえず年内最後の挨拶をさせていただく。「よいお年を」