フォレスタの散歩道(パート4へ) 東日本大震災の20日前、2011年2月にスタートしたこのブログも1000回を超えた

概ね2~3日毎の更新、1回に3題の記事をめどとして来たが、以後間隔や記事の数などに捉われずに更新することとしたい。

五輪印象記(8) 印象に残ったベスト10

2012-08-27 08:40:37 | ロンドン五輪

   五輪印象記の締めくくりは 「印象に残ったベスト10」。今大会は感動のシーンや印象に残る選手が盛りだくさんであったが、最後に私の心に残った選手たちを記してみたい。順番は特に意味はない。

1.鈴木聡美・松本薫
     まずはシンデレラ・ガール的な2人。鈴木は100m平泳ぎで銅メダルを取った時に初めて顔を知って、美人選手だなと思っていたら200mではそれ以上の銀を獲得。松本は鬼気迫る形相で柔道陣唯一の、そして日本選手団初の金メダル。テレビインタビューなどで優しくお茶目な性格が気に入った。2人とも大会序盤で私のアイドルになった。

2.福原愛
   卓球人気を引っ張って来た福原は、北京五輪が終わったら引退したいと身内に語っていたほどの重圧を背負っていたのだが、その苦労や努力が報いられた。心底晴れやかな笑顔を見てこちらも嬉しくなった。愛ちゃん、よかったね。

3.藤井瑞希
      大会まで「フジカキ」の名前も顔も知らなかったが、中国ペアとの決勝戦をテレビの実況で見ていて、ゲーム中のとても素敵な笑顔が気に入った。

4.小原日登美と伊調馨
     妹の陰に隠れて激太りの主婦になってしまった小原は妹の引退を機に現役復帰。一念発起して五輪で優勝した苦労は称賛に値する。控え目な笑顔にも好感が持てた。伊調は吉田沙保里とともに大会3連覇という大偉業を達成、エクボの出る笑顔が可愛らしかった。    

5.北島康介
      競泳最後の種目のメドレーリレーでチームメートに「康介さんを手ぶらで帰すわけにはいかない」と言わせしめた存在。そして本人も第2泳者として2位から1位に躍り出て次泳者に繋いだ。結果は銀メダルであったが、「さすが北島」とその存在感をアピールした。やはりこの男は大したものだと思う。

6.内村航平
     北京で個人総合銀メダルを取って以降は、世界のトップに立って揺るぎない位置を築いて来た。今大会では絶対本命視される中、団体予選で想像できない失敗の連続。しかしさすがにその力は抜きん出ていて、個人総合の金メダルを勝ち取った。ピタッと決まる着地とあの爽やかな笑顔が印象的である。

7.室伏広治
     競技歴は20年にも及び、8年前のアテネ五輪で金メダルを取った室伏が、37歳になってなおオリンピックの表彰台の真ん中に挑む姿には感動を覚える。今回、投擲する時の環境に問題もあったようだが、それを口にはせず銅メダルに終わっても紳士的な態度を貫いた。立派な男だなと一層の感銘を受けた。    

8.三宅宏美
     父が重量挙げの銅メダリスト、叔父が金メダリストという三宅一族。146cmという小柄で愛らしい容貌で親しみを持たれて来たが、3回目の五輪で父を越える銀メダルを獲得した。やっと見られた晴れやかな笑顔が爽やかだった。日頃メディアに登場することのない地味な競技で本当によく頑張って来た。おめでとうと言いたい。    

9.沢穂希
     この人はやはり「なでしこジャパン」の象徴であった。昨年の女子W杯優勝の立役者で、2011年のFIFA最優秀選手賞を受賞したがその後原因不明のめまい症に悩まされ再起を危ぶまれた。しかし立ち直って五輪銀メダルに導いた。人の期待を裏切らない活躍は並大抵のものではない。頭が下がる思いがする。

10.村田諒太

      大会前にはこの選手を知らなかった。一度は引退をして母校のTY大学のボクシング部でコーチをしていたが、部員の不祥事で傷のついた母校の汚名をオリンピックで晴らすために現役復帰したのだそうだ。しかも日本人には不向きなミドル級で見事に優勝、これほどの快挙はない。超がつくほどのイケメン、そしてボクサーとは思えない優しい笑顔と柔らかい物腰、私はこの男にぞっこん魅了された。



[これ何だろう?]


 
   ヒマラヤスギの実    珍しい蝶と思うが名前は分からない       ハス(蓮)の実

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五輪印象記(7)

2012-08-25 12:08:52 | ロンドン五輪

9.レスリングとボクシング

   競技別の印象記の最後はレスリングとボクシングである。この両競技を合わせて金5、銅3の8つのメダルを量産した。
   その内レスリングの女子はメダル有望種目として複数の金メダルが期待されていたが、48kg級の小原日登美、55kg級の吉田沙保里、63kg級の伊調馨の3人が見事に金メダルに輝いた。一瞬のタックルなどで勝負の行方が決まるレスリングの生放送は、本当にハラハラしながらよそ見もできずテレビに見入った。 
   小原は本来51kg級の選手だったもののオリンピックの階級にはなく、上の55kgには吉田が立ちはだかり、下の48kgでは妹とぶつかるため、一度は引退していた。妹が引退したので代わって五輪に出るように諭され、一念発起して最初で最後というオリンピックで大輪を咲かせた苦労人である。
   吉田はご存知の通り無敵の女王と言われていたが、昨年敗れたことで相当悩み落ち込んだのだそうだ。それでも不屈の精神で五輪3連覇の偉業を達成した。伊調は前回までの2大会、仲良し姉妹の姉とアベック出場していたが、姉の引退後一人での出場で吉田と同様日本人前人未踏の5輪3連覇を成し遂げた。 2人同時の偉業には文句なしの拍手を贈りたい。

   レスリング男子ではフリーとグレコローマンでそれぞれ銅メダルを獲得した後、大会最終日にはフリー66kg級で末満達弘が決勝戦で相手を目の高さに持ち上げてマットに叩きつけるなど圧勝して金メダルを獲得。僅差のポイントで争われることが多いレスリングでは豪快な勝ちっぷりで小気味がよかった。男子レスリングの金メダルとしては24年振りの大花火を打ち上げて日本勢の盛り上がりのフィナーレを飾った。
   
   正直なところレスリングに比してボクシングにはライトが当たっていなかった。しかし、バンタム級の清水聡がボクシングとして44年振りのメダル(銅)を取ったあと、日本人としては不向きな重量クラスのミドル級で村田諒が金メダルに輝いた。ボクシングの金メダルでは東京オリンピック以来48振りの快挙であった。
   決勝戦は村田がボディー攻撃を主体に戦ったが、1ラウンドから伯仲戦となり勝負の行方は最後まで分からなかった。試合終了のゴングがなった時に村田が勝利を確信したようにちょっと手を挙げたが、相手も自信ありげにグローブを上げていた。ハラハラの判定は村田に手が上がり、私も思わず「やったあ~」と声をあげた。
   村田は一旦は現役を引退して母校の大学のボクシング部の指導をしていたが、部員が不祥事を起こして母校の名に傷がついたため、オリンピックで勝ってその汚名を晴らすために現役復帰したのだそうだ。そうしたいきさつやこの人の優しそうな笑顔を見て、何かとても熱いものを感じた。


[今日の花]

            
       カクトラノオ角虎の尾:シソ科)           ノアザミ野薊:キク科)

        
 キツネノカミソリ狐の剃刀:ヒガンバナ科)      イヌビエ(犬稗:イネ科) 

       
                

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五輪印象記(6)

2012-08-23 09:52:39 | ロンドン五輪

8.バレーボールとサッカー

   野球と並ぶ日本の人気スポーツ、バレーボールとサッカー。野球とソフトボールは今大会五輪種目から外されてしまった。バレーはロサンジェルス以来6大会続けて男女ともメダルなし、サッカー男子に至っては44年前のメキシコ大会で銅メダルを取っただけでその後メダルがない。いずれも悲願に燃えて迎えた大会であった。
   一方女子サッカーは米国アトランタ大会で初めてオリンピック種目になってから5回目の大会となるが、前回北京では3位決定戦に敗れて4位で悔し涙を流したものの、昨年の女子ワールドカップで優勝という日本中がフィーバーした記憶生々しい中で迎えた大会である。誰しも”なでしこジャパン”の金メダルを期待したことであろう。
  
   さてその結果であるが、両競技とも女子の健闘が光った。男子バレーは世界の流れから遅れたままで見せ場がなく、何の印象にも残っていない。
   サッカーの男子は準決勝まで進んだところは評価されてよいだろう。しかし、宿敵韓国との3位決定戦で不甲斐なく負けてしまった。これまでの日韓のライバル心にプラスしてこの大会中に韓国李大統領が竹島に強行上陸したことに対する日本国民の韓国への憤慨が募っていた折でもあった。この一戦で韓国を破ってうっ憤を晴らしたい気運が溢れていたのだが、韓国側から「ざまあ見ろ」と見下される結果になってしまった。
   
   歯ぎしりする日本国民の情念のようなものを背負って、その直後に同じく韓国との3位決定戦に臨んだ女子バレー。見事に韓国に圧勝して28年振りにバレーボールのメダルをもたらすとともに、韓国に対する国民の溜飲を下げる形になった。真鍋監督は12名のメンバーの最後に加えた迫田をこの試合の先発に起用、持ち前のジャンプ力でポイントゲッターとなり、マッチポイントで韓国コートにスパイクを叩き込んだシーンは鮮烈であった。

   さて主役”なでしこジャパンの”登場である。北京オリンピックの涙から一転、昨年はW杯で優勝して日本中を「なでしこフィーバー」に巻き込んだ。この時の決勝の相手は世界ランク1位のアメリカであったが、PK戦の末に勝ったものであり、実力がアメリカを上回っていたとは言えない。日本人はすぐにのぼせ上がったが、私はこの時のブログで『W杯予想として、実力的にはベスト4に進出すれば「期待に応えた」と評価でき、決勝戦のアメリカに対しては善戦することを以って賞讃すべき』と評した。
   そして『アメリカでは、今や女の子の習い事となっているくらい広く親しまれた競技人口を抱えており、国の代表チームの選手の境遇は日本と比較にならない。体力的にも格段の差がある。競技人口や選手層の厚さというのは、ピラミッドの裾が広いほど頂点は高くなることに例えられるように、特殊な選手やチームだけで頂点を維持して行くことは難しい』として、”なでしこジャパン”に対する甘い期待を憂慮した。
   今大会を迎えても私はやはり世界ランク1位のアメリカが本命であり、日本が決勝戦まで勝ち上がったことで100%の役割を果たした、と思った。そして決勝戦、立ち上がりからアメリカの縦への攻撃は鋭く守りも堅い。日本は劣勢に回り、これはワンサイドになるかもしれないと懸念した。案の定前半10分ちょっとでゴールを決められた。
   しかし日本も中盤以降は徐々にリズムを取り戻して相手ゴールを脅かすようになり、アメリカに引けを取らぬ展開になった。結果は1-2で敗れたが、私は予想以上の善戦に感激をした。個々の選手の戦力を足し合わせればアメリカが圧倒するが、W杯で見せた日本チーム独特の「諦めない気持ち」がまたしても日本人の心を揺さぶった。大変なプレッシャーの中で本当によくやったと思う。


[蔓性の作物=神代植物園の圃場から]

     
    キウィフルーツ(マタタビ科)   ヒョウタン瓢箪:ウリ科)  カボチャ南瓜:ウリ科)の花

    
         ゴーヤ(別名ツルレイシ:ウリ科)の花と実

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五輪印象記(5)

2012-08-21 18:32:20 | ロンドン五輪

   暑い暑い・・・。そんな中、昨日はロンドン五輪のメダリスト71人が揃って東京の銀座通りを凱旋パレードし、主催者発表では50万人の観衆が押しかけたという。50万人など数えようがなく水増し発表もあろうかと思うが、新聞やテレビで見ても道路という道路は観衆に埋め尽くされていて、その熱狂ぶりは伝わって来た。 


7.卓球・バドミントン

   卓球もバドミントンも現在中国が世界の頂点に立っており、やはり両競技とも中国勢に挑む形になったが、日本勢は女子の活躍が目立った。
   卓球男子は個人、団体ともメダルに食い込むことができなかったので、印象が薄かった。
   女子の個人は福原愛と石川佳純が揃って準々決勝まで進み期待が膨らんだが、残念ながら福原がそこで敗退、石川は準決勝と続く3位決定戦で負けて、あと一歩でメダルを逃した。
   しかし、この2人に平野早矢香を加えた団体戦では決勝まで勝ち上がり、中国との決戦に挑んだ。やはり中国の壁は厚く、銀メダルに終わったものの五輪史上初のメダル獲得であり、4位に終わった北京大会の無念をも晴らす快挙であった。
   「天才卓球少女」と言われてから20年間、”愛ちゃん”は今や名実ともに卓球のエースに成長したし、その後を継ぐように五輪初出場で堂々の活躍をした石川、そして若い2人から力をもらったと言うベテラン平野の3人のコンビネーションは抜群であった。そして試合後の3人三様の笑顔がとても素敵であった。

   バドミントンは女子ダブルスの藤井瑞希・垣岩令佳のフジカキ・ペアの銀メダルが光った。これも五輪史上初のメダル獲得で大いに称賛されてよい。直前に無気力試合で4ペアが失格となり、やや棚ボタ的な決勝進出の感はあったが、中国ペアとの決勝戦の第2ゲームは本当に手に汗握る白熱した展開となり、これを観たら真に銀メダルの価値はあると思った。また試合中の藤井の笑顔が印象に残った。
   男子の方は記録的には物足りない結果であったが、個人戦で日本のエース佐々木翔が世界ナンバー1の中国・林丹と準々決勝で当たり、一歩も引かぬ死闘を繰り広げた一戦は見応えがあった。

[今日の花] 

左下:クチベニフジ口紅藤:マメ科
         
これはフジの園芸種でちょっと変わった名前が付けられている。花もこの時期に咲き珍しい
右下:ナツズイセン夏水仙:ヒガンバナ科)
          スイセンの名が付いているが、ヒガンバナの仲間。シャープな感じのする花である。 

               


左下:ワルナスビ悪茄子:ナス科) 
          その辺の草むらに生えたりしているが、花は鮮やかな白と黄色でよく目立つ。
右下:サルビア(シソ科)
          家庭園芸でよく鑑賞されるお馴染みの花であるが、結構野生化もしている。   

           
       

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甲子園/五輪印象記(4)

2012-08-20 14:45:51 | ロンドン五輪

   夏の祭典、全国高校野球選手権が佳境に入っている。例年、この真夏時期に全国の家庭のクーラーの効いた室内でテレビ観戦をするため、一年の内で消費電力が最大になると言われている。今年の大会序盤はロンドン・オリンピックと重なったため、テレビ観戦はオリンピックの方に流れた感があった。
   今大会は大阪桐蔭が春夏連覇を達成するか、はたまた昨夏・今春2大会連続準優勝の青森・光星学院が悲願の初優勝なるかに注目が集まっていた。そして両校とも今日の準々決勝戦に勝って、いよいよ準決勝に駒を進めた。
   この間に最も全国の野球ファンの関心を引きつけたのは神奈川・桐光学園の松井投手であったろう。初戦で22個という大変な奪三振記録を作ったと思ったら、その後も19-12-15三振を奪い、4試合で68個という三振を奪った。1試合平均で17個というすごい記録である。武運つたなく今日光星学院に敗れ去ったが、テレビで自分が目撃して脳裏に深く焼き付いた記録であった。

さて、五輪印象記の続きである。

6.フェンシング・アーチェリー

   洋式の剣道、弓道というべきフェンシングとアーチェリーが脚光を浴びた。
   フェンシングは太田雄貴が北京オリンピックで銀メダルを取って注目されたが、一般の人にはまだ馴染みが薄く太田個人の記録と捉えていた。だが今度は太田を含めた団体(選手4人)で、世界1位のイタリアと決勝を争い銀メダルに輝いたのだ。特別な個人が活躍したというのではなく、団体戦でのこの成績は日本の競技レベルが高いことを示している。これは前に触れたナショナルトレーニングセンター設立の効果と太田が競技への支援の道を拓いた結果であろうと推察している。いずれにしても今後この競技への理解、支援が深まることだろうと思うのである。
   
   アーチェリーは山本博が先覚者としてロサンジェルスで銅、アテネで銀と2度のメダル獲得で競技の注目も得たが、これもまた山本個人の特別な存在と見られていたように思う。それが今回は男子個人で古川高晴が銀メダル、女子団体で銅メダルを獲得し、競技の底の広さを見せつけたのである。
   マイナー競技と言っては失礼だが、こういう種目では(突出した)個人がメダルを取るより団体戦で活躍する方が断然競技に対するアピール力があると思うのである。
   なおこの2つのメダル獲得のシーンは残念ながらVTRのハイライトによるものであったが、フェンシングの一瞬も目が離せない技の緊迫感、アーチェリー3位決定戦でエースの早川漣最後の射がど真ん中の10点を射抜いた瞬間が忘れられない。


[今日の花]

    
       ヤブデマリ
手毬:スイカズラ科) すでに盛りは過ぎてしまったが・・・


         
                    アベリア
(別名ハナゾノツクバネウツギ:スイカズラ科)

   
                      スイレン
睡蓮:スイレン科)

 

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