昨日晴天の下で東京マラソンが開催された。夏の世界選手権男子代表選考会を兼ねての大会だが、参加者数3万6千人という国内最大のマラソン大会である。一部海岸沿いを通っていたコースを変更して比較的平坦なルートを辿り、ゴールも東京駅前に変えた。
結果としてはケニアのキプサング選手が2時間3分58秒で優勝、日本国内の大会では初めての2時間3分台を記録した。私がテレビを点けた時はレースの後半になっていたが、世界記録が期待できる展開でアナウンサーも解説の瀬古俊彦さんも興奮気味に中継していた。終盤は少しペースダウンし、あとは日本国内で初の2時間3分台の記録が見られるかで時計と睨めっこになり、その2秒前にテープを切った時は私もホッとした。
テレビに映るゴールはレンガ色の東京駅舎が背景に映えてきれいな絵になっており、選手にとっては皇居の美しい景観に向かってゴールするという、なかなか演出効果の高いコース設定になった。今日の新聞を見ると小池知事がそのことを東京五輪に向けて世界にアピールできたと自賛していた。
一方記録の方に目をやると、ケニア勢が1位から6位までを占める圧倒ぶり。日本勢最高は井上大任選手がやっとの8位だ。それでも2時間8分台の記録が”健闘”を称えられる日本マラソン界である。なお優勝のキプサング選手はコースは走りやすいと言い、東京が気に入ったので滞在を2日延ばすとコメントしていた。
そんなことはよそに3万5千人を越える市民ランナーは、好天気の下晴れの舞台でのランニングを満喫したことであろう。
最近私も遅ればせながらネット通販をよく利用するようになった。大概のものが手数料も不要で家に居ながらパソコン一つで買い物が出来る。おまけに送料無料のものが多く、思わず頭か下がってしまう。更に配達日・時間帯指定も当たり前になり、当日配達までOKという。買う方にとってはいいことづくめで、ネット通販が急成長していることは納得がいく。ところがそのしわ寄せを受けている人達がいる。
宅配業者の配送運転手たちである。荷物量が急増しただけでなく、配達が同じような時間帯に集中して走り回るようになったという。宅配業者最大手のヤマト運輸の労組は、今春闘では昇給より優先して荷物の減量を会社側に要求するということが話題になっている。顧客をトップにした流通の構造の中で商品の配達を担う運転手がそのボトムにあって、ネット時代の波をかぶっているということだろうか。