フォレスタの散歩道(パート4へ) 東日本大震災の20日前、2011年2月にスタートしたこのブログも1000回を超えた

概ね2~3日毎の更新、1回に3題の記事をめどとして来たが、以後間隔や記事の数などに捉われずに更新することとしたい。

興味そそられた新聞記事の”言葉”

2013-06-30 17:04:15 | 新聞を読んで

   ブログに取り上げたかったけれど、他に書きたかったことがあったので取り上げそこなった数日前の新聞の記事の内、興味をそそられた”言葉”を幾つか。

1.国連担当記者による『「国際連合」意訳の謎』の記事が面白かった。「国際連合」は世界共通語だと頭から思っていて、何の疑問も感じなかったが、確かに原語「United Nations」をなぜ日本では「国際連合」としたのであろうか。国連取材に当っている朝日新聞NY支局員の疑問に「なるほど」と気が付いた。経緯はよく分からないが、直訳すれば「United Nations」は第二次大戦で戦っている敵である「連合国」になり、それは我慢ならないので、それまでの「国際連盟」に習い中立的な国際機関らしい語感の「国際連合」と訳したらしいという。因みに同じ第二次大戦敗戦国のドイツ、イタリアでは直訳通り「連合国」としているとのことだ。

2.読者投書欄の「戦争を語り継ぐ」というシリーズの中で、投書者の父親が日中戦争が始まった頃に「ぼんやりしている兄貴の財産を狙って、昔受けた恩も忘れた弟が仕掛けた兄弟げんかだ。何たって日本が悪い。」と言われたことを紹介していた。住職だったとのことで慧眼ではあるが、それを口に出来ない時代背景の中でのことだった。歴史的に見て日本は千数百年に亘って政治や文化などの面で中国を手本とし、あるいは影響を受けて来たことは否定しようがない。つまり、歴史的には中国は日本の兄貴分であり師匠とも言える。その兄は清朝時代の末期の衰退と混乱につけ入れられて欧米列強の餌食にされ、弟分である日本もつけ入ってケンカを売った・・・というわけだ。

3.サッカー王国ブラジルで折しもコンフェデ杯が開催されているさ中、「五輪(次回のリオデジャネイロ大会)やサッカーよりも生活」を訴えるデモが激化している。デモ参加者は低所得層よりむしろ中間層が多いと見られているそうだ。貧しい人が手厚く保護される一方、中流階級は「自分たちの税金を貧困層にばらまいている」という不満が募っているようなのだ。これを取り上げた『天声人語』では、金満と貧困についてこんな言い方を聞いたことがあると紹介していた。
   「世の中には2種類の人がいる。食欲以上に宴会をこなす者と、食欲を満たす食事ができない者だ」
   なるほど、世の中の人種はこの2つに分類されるのか。私はどちらにも当たらず、その間にあるのだけれども。

[今日の花]

    
     ソバ蕎麦:タデ科)の花  収穫期により夏ソバと秋ソバがあり、これは夏ソバの方

  
       見事なノウゼンカズラ凌霄花:ノウゼンカズラ科)

  

左:チダケサシ乳茸刺:ユキノシタ科)=食用キノコのチチタケを刺して持ち帰ったという言われがある
中:ハグロソウ葉黒草:キツネノマゴ科)=神代植物園で初めて見つけた
右:オオヤエクチナシ大八重梔子:アカネ科)=これは道路の植え込みで咲いていたもの。いい香りを漂わせていた

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泰山登山―続編

2013-06-29 15:08:00 | 日記

   昨日、練馬区の小学校で校門を出たばかりの下校児童がナイフを振りかざした男に切りつけられるという事件が起きた。さらに追いかけようとする男を、児童の登下校を見守る学童誘導員が制止したとのことで、これにより1年生の男児3人がけがをしたが、死者が出なかったことは不幸中の幸いであった。
   私も近くの小学校で児童の安全に携わっており、この事件はひと事ではない。私達の場合は校内への不審者侵入から児童を守ることが主たる任務であり、8人の仲間が当番で校庭を中心に見守りをしている。体育の授業や休み時間など校庭に児童たちがいる時が一番注意を要する時だ。登下校時には校門の内側にて児童に声掛け挨拶を行っているが、校門外までは注意が行き届かない。この事件を教訓にどうしたらよいのか頭を悩ますところだ。

   さて、前号では富士山の”弾丸登山”に絡めて、私が中国一の霊山といわれる泰山に難行苦行の末登った様を書いた。7400段もの石段が連なる登山道(参道)を徹夜で登り、ご来光を拝してそそくさと下山したことは”弾丸登山”とも呼べるものであった。
   それに対して、同じ泰山を”観光登山”したという続編を披露したい。
   
   それから4ケ月後の2010年10月、息子(三男)が私のいる中国山東省に遊びに来たいと言う。三男は大学で中国史・中国哲学を専攻したので、孔子が活躍した魯の国(今の山東省辺り)にことさら興味が深いのだ。
   そこで、孔子廟などの名所旧跡や泰山登山を計画したのだが、旅行の時間的な制約の中なのでお手軽な観光登山と相成った。前号でも触れたが、泰山には6合目ほどの中間エリアまでバスで登ることができ、さらにそこからロープウェイで山頂近くまで行くことができる。その手を使ったのである。幸い天気にも恵まれて、快適に霊山参りが出来たので息子にはよい記念になったと思うのだが、私には参道入り口から歩いて登った前回に比べ全く印象深くない。前回は下山した後、もう二度と登る気はないと思ったが、その分思い出には強く残っている。

  ←山頂近くまで登れるロープウェイ 

ロープウェイの中から望む山頂付近の威容→ 

  →山頂部は大変広く、歴史的な建造物・遺跡の宝庫にもなっている

 前回はこの辺りでご来光を拝したように思う→  

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富士山と泰山

2013-06-27 22:34:28 | 日記

   富士山の世界文化遺産登録が正式に決まり、幾つかの問題が再燃している。
   「富士山に登らないバカ、二度登るバカ」とも言われているように、日本人なら一度は登ってみたい富士山。私は前者のバカでまだ一度も登ったことがないのだが、一年に何十万人もの人が登るそうだ。そこで問題になっているのが、登山者によるゴミや排泄物などの環境汚染、そして”弾丸登山”なんだそうである。世界遺産への登録でそれに拍車がかかるのではないかと心配されているのだ。
   ”弾丸登山”とは最近になって耳にする言葉であるが、山小屋などには泊まらず、休憩もそこそこに徹夜で登ってお目当てのご来光を拝したら足早に下山するスタイルを言うらしい。高度順応が充分にできず高山病その他の事故の恐れが大きいと警鐘が鳴らされているところである。

   私はこのことで中国の泰山に登ったことを思い出した。泰山は山東省にあって中国では最も聖なる山とされ、歴代皇帝の即位の儀式が行われるなど中国人の信仰篤く、世界遺産にも登録されている。
   私が日本語教師として山東省に滞在中、6月半ばの端午節という祭日の3連休を利用して女子学生2人から登山に誘われて登ったのだ。標高は1545m、大して高い山ではない。途中6合目くらいまでバスがあって、そこから山頂近くまでのロープウェイもある。しかしそれでは何も面白くなく、登山にはならない。
   ところがオーソドックスなルートの登山道は入り口から全長9km。登山道というより信仰のための参道であり、9kmの道のりは7400段の石段と石畳の道なのである。日本では四国の金刀比羅宮がきつい石段で有名だが、1368段であるからその5.4倍、スケールがケタ違いだ。参道の至るところに歴史ある山門や楼閣などが点在している。
   列車で4時間ほど揺られ、腹ごしらえをして登り始めたのが午後8時ころ。始めはダラダラ坂を歩くがその内石段の連続になる。これがデパートやオフィスビルの階段と違って、一段一段が高くてごつい。所によっては手すりにつかまらないと登れないような急な階段がある。しかし、参道は引きも切らない人の列、夜中というのに夥しい数の人がひたすら上を目指して登っていく。何てたって6月のこと、やはり登るには暑い。我々3人は2,30分登ってはひと休みするが、若い元気な人達は我々をどんどん抜き去っていく。
   これは山頂に登り切ってから気が付いたのだが、当時65歳の私より年長者は全くと言っていいほど見かけなかった。つまり、私にはちょっと無謀だったのかも・・・。それでもひたすら階段を登り続けた。前出の6合目くらいの中間点は「中点門」というエリアで、ロープウェイの基地があり、旅館や食事所や売店などが整っている。ここで長休憩を取って、日が変わった。
   目指すはご来光であり、既にクタクタの体に鞭打ってまたも石段にひたすら挑む。やっとのことで旅館やみやげ物店が軒を連ねる山頂エリアに着くが、山頂と言ってもエリアはめちゃめちゃ広く、問題はどこがご来光の拝めるスポットなのか一向に分からない。すでにもの凄い数の登山者(参拝者)が一帯にたむろしている。まずは体を休めようと腰を下ろしていると、だんだん夜が白んで来た。初めてのことにて太陽の出て来る方向さえ分からないかったのだが、写真屋が陣取っているのが目に入った。ご来光を背景に記念写真を撮るための”一等地”に陣を取っていたわけだ。「しめた!」と思い、その近くに足場を探して待つこと約1時間、大勢のどよめきの中で少し雲のかかったご来光を拝むことができた。山頂の食事処で簡単な朝食を取り、下山を始めたがさっき登って来た石段を見て驚がくした。こんなに延々と続く急な石段だったのか・・・。登る時は夜中なので暗くて上の方までは見えなかったから、知らぬままに喘いで登って来たのだが、始めから石段の先の方が見えたら多分気持ちが萎えて、途中でギブアップしたのではなかろうかと思った。
ともあれ、二日目は孔子の古里を観光する予定につき、6合目の中間点からバスに乗って下山した。下りてから2,3日は足がパンパンに張って痛かった。でも今思うと”弾丸登山”だったのかな?
  

   
   いよいよ登山道(参道)に入る        夜中に引きも切らない登山者たち   

   
    夜明け前に山頂エリアに到着      既に大勢の人がご来光スポット近くに

    
         朝焼けの雲の下にご来光が(写真では豆粒大)         ご来光を仰ぐ人たち    

    
      往きはよいよい帰りは恐い。長く急な石段の連続

 

 

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驚いた東京都議選

2013-06-24 14:15:52 | 時事トピックス

   昨日投票の東京都議選の結果には驚いた。テレビの開票速報、そして今朝の新聞を見てあ然とするのである。
   国政における民主党政権の大失敗を受けての昨年12月の総選挙の流れは変わらず、自民圧勝民主大敗の再現であった。いやそれは予想されたことでありそれだけでは驚くに足りないが、自民党・公明党は立候補者が全員当選した一方、都議会第1党であった民主は3分の1に議席を減らし、共産党に抜かれて第4党にまでなり下がった。
   都議会選挙は政党で競う小選挙区制とは違い、言わば中選挙区制である。これが小選挙区制だったら民主党は多分当選がゼロだったろうと思う。新聞で選挙区ごとの当選者を調べると、全42選挙区でトップ当選は皆無なのである。トップ当選どころか、3人区以上の選挙区でさえ88人いる当選者の内、民主はたった5人。極端な例では杉並の6人区、世田谷の8人区でも当選者を出せなかった、こんな政党って何?と思わざるを得ない。
   民主党だけでなく維新の会も全くひどい。最近まで国政の第三極の雄ともてはやされていたのが嘘のよう。33人の候補者を立ててたった2人の当選である。橋下ブームに乗って国政の台風の目になったが、旬も過ぎ、直近では橋下共同代表の慰安婦発言などの舌禍によって苦戦は予想されていたが、これほどまでとは考えられなかった。石原氏の足元でもあり党の行く末に波乱がありそうだ。
   私の選挙区では自民・民主・共産・維新の4人の候補者が立ち、私は顔見知りでもある民主の候補者に一票を投じ、自民候補と議席を分けた。選挙期間中、維新の候補は党より「ジャーナリスト」であることを強調していたが本当に影が薄かった。
   準国政選挙とも言える首都東京の議会選挙、近づいた参院選にそのままなだれ込むのであろうか。

[今日の花]

下:カジワバアジサイ柏葉紫陽花:ユキノシタ科)=名の通りアジサイの一種で、葉がカシワにちょっと似ている。見てのように円錐状に花が咲く。別名スノークイーンと言うのだそうだ。     

    

左下:ニチニチソウ日々草:キョウチクトウ科)=家庭園芸でも人気。初夏から秋にかけて日々次々に咲くというのでその名がついた
右下:ナツツバキ夏椿:ツバキ科)=今頃花がが咲くが、れっきとしたツバキの仲間なのである

     

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世界文化遺産と世界記憶遺産

2013-06-22 21:40:23 | 日記

   今朝は陽の光が明るく、快適な目覚め。併せてNHKの朝ドラでアキちゃんの顔も見られて、気持ちよく一日がスタートした。

   富士山の世界文化遺産登録は4月に”内定”していたが、今日カンボジアの首都プノンペンで開かれたユネスコ世界遺産委員会で正式に”决定”となった。ただし、4月の内定は一体申請していた「三保松原」を除外するとの勧告であったが、一体として文化遺産に復活認定された。地元を中心に「なぜ除外なのか」と憤まんをぶちまけていた人たちは狂喜乱舞したに違いない。

   「世界(自然、文化)遺産」はそれほどに注目度が高いが、同じユネスコが認定する「世界記憶遺産」の方は知名度が低く、影が薄い。
   数日前、『世界記憶遺産に「慶長遣欧使節関係資料」と「御堂関白記」が登録されることになった』という報道があった。前者は400年前の仙台藩主・伊達政宗がスペインなどに派遣した支倉常長一行の使節に関する資料で日本・スペイン両国政府が推薦していたもの。後者は平安時代中期の権力者であり歌人・文化人として知られる藤原道長が書いた日記で、現存する国内最古の自筆日記だという。
   このニュースの折、2011年に「炭鉱絵師・山本作兵衛の作品群」が日本では初めて登録されたことが紹介され、私も「そう言えばそういうことがあったな」と思い出す程度であった。改めてネットで調べると、日本有数の炭鉱地帯であった福岡県飯塚市出身の絵師山本作兵衛が書き残した炭鉱記録画や日記、絵画が登録されたのであった。さらに調べてみると、過去には「アンネの日記」「ベートーベンの第九の直筆楽譜」「ゲーテの直筆文学作品」「フランス革命の人権宣言」「グーテンベルグが15世紀に発明した印刷の聖書」などなど日本でも知らぬ人がないくらいの貴重なものの遺産が登録されており、炭鉱記録画や今回の2件はそれらに伍しての登録なのである。世界的な貴重遺産と認められたことをメディアはもっと大きく取り上げてもよいのではないか。

 

[梅雨の合間の井之頭公園]

   鬱陶しい日が数日続いた後の井の頭公園、待ちかねたようにたくさんの人出で賑わっていた。            

          ボート遊びに興ずる人たち


   以下は前にも取り上げたことがある、公園での青空芸人。東京都公認のヘブンアーティスト達だ。

      
左上:”新顔”のアーティスト。馴染みがないせいか通行人も立ち止まる人が少ない
右上:日本の伝統曲芸を見せる ”中堅”。こちらは今や人気者になっている  

         
左上:珍しい”人間彫刻”のパフォーマンス。口上がないので、人が集まりにくく遠巻きに見ている
右上:今日初めて見た新人の外国人。巧みな日本語で圧倒的な集客力を見せていた     

        
左上:この公園のパフォーマーの草分け的存在の”大ちゃん”。最近、後進に追われて精彩がない
右上:いつも黙々とソロの”バイオリン弾き”。野外ステージ前のベンチには耳を傾けつつ休憩する人が

 

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