少し旧聞になるが、大手仮想通貨取扱業者「コインチェック社」の2018年3月期の決算発表があり、それに驚いた。
仮想通貨そのものに馴染みがなく、全く感覚が分からないのだが、顧客から預かっていた580億円相当の仮想通貨ネムが何者かに不正に送金され、流出するという事件に驚いたばかり。さらにまだ学生かと思うばかりの若い経営者がこれほどの被害額を全額補償する、と言い切ったことにも驚かされた。そして決算では営業利益が前期比74.7倍となる537億円で、不正流失の補償分(473億)を特別損失に計上して、税引き前で63億円の利益となる由。これにまた驚いたのである。実体のない”仮想”通貨の世界ってどうなっているのだろうか。
昨日の朝日新聞土曜版のアンケート企画で「方言は好きですか?」というのがあった。
回答者1631人の集計では「はい」が87%、「いいえ」が13%だったという。好きな人の方が圧倒的に多かった。好きな理由で多いのが「温かさ・やさしさを感じる」「素朴な感じがする」「親しみやすい」など。逆に好きではない理由は「意味がわからない時がある」「聞き取りにくい」が上位に挙げられたが、好きな理由の4~5分の1くらいでしかない。
私は実は東京の生まれ育ちだから方言は身に着いていないし、同郷の良さというのが分からないが、方言には出身地が分かったり、標準語で表せないような微妙なニュアンスがあることに興味がある。面白いのは地方を走る各駅停車の列車の中は方言に溢れていて和やかな気分になるが、特急列車だとそういう楽しみがなくなることだ。
学生時代に在来線を乗り継いで東北地方を一人旅をした時、ひとくくりで「東北弁」と言われるものが地方によって違うことがよく分かった。福島ー宮城ー岩手ー秋田ー岩手ー青森の行程だったが列車内で聞こえるその地方の人たちの会話のイントネーションを聞き分けるのに興があった。一番の思い出は花輪線で岩手側から秋田側へのわずかな距離で列車内の訛りがはっきり変わったことだ。岩手と秋田の訛りの違いである。距離的には同じような地域に思えるが県が違うと言葉も違うのだ。50年前の当時とは移動の頻度やスピードがまるで異なるが方言の方はどうなのだろうか。