このところ、NHKのBS放送で懐かしい西部劇を楽しんでいる。最近では「勇気ある追跡」「捜索者」など、一昨日(26日)は「リオ・ブラボー」で、いずれもジョン・ウェインの主演作。
西部劇はアメリカ大陸の西部開拓時代の殺伐とした砂漠や岩山、そしてその中のちっぽけな町が舞台となっており、主役はいつも腕っこきのガンマンである。そのガンマンを演じる主役がジョン・ウェインであり、ゲーリー・クーパー、カーク・ダグラス、バートラン・カスターたちであった。こんな名前を挙げるだけでも懐かしくてたまらない。
日本では東映のチャンバラ映画全盛の時期ともオーバーラップしている。チャンバラ映画での主役は市川歌右衛門、片岡千恵蔵、中村錦之助、東千代ノ介などの立ち回りに胸躍らせた。上記の西部劇スターたちの銃の早撃ちと重なるところがあった。
テレビの方ではその西部劇に「荒野の用心棒」「荒野の七人」などのマカロニウェスタン(イタリア製西部劇)も加わる。本場アメリカ製より活劇性が強く、これも面白い。いずれも荒涼・殺伐とした大自然が背景となっていることが惹きつけるのであろうか。
日本のチャンバラの方はその後黒澤明監督などの時代活劇へ、俳優は三船敏郎、仲代達矢、市川雷蔵、勝新太郎などに移って行った・・。そんなことを思い起こすというのは私も結構「映画小僧」だったんだなと思うのである。
私がお世話役をしている三鷹市内の中高齢の小グループ。一昨年開催された市民講師養成講座というものの受講者の有志の集いで月1度例会を開いている。3月は市内の文化施設巡り、ということで私が企画しているのが三鷹市民に馴染みの深い太宰治関連の施設巡り。太宰はご存じの通り青森の裕福な家で生まれたが東京帝国大学に入学して上京、特に小説家としては主に三鷹に住んで執筆活動をしていた。最後は市内を流れる玉川上水で身投げ自殺をしているが、太宰ゆかりの多くの場所が市民に親しまれている。
そのスタートは、いつも集まる市民センターの近くの禅林寺という地元の名刹。ここに太宰の墓があり、今でも毎年6月の桜桃忌には市内外から多くのファンが集まって太宰を偲んでいる所である。
実はその墓のすぐ斜め前に森鴎外(墓名:森林太郎)の墓が立っている。この二人の文豪のお墓参りがわずか10秒の距離で出来るという文学愛好家にはたまらない禅林寺ではあるのだ。
(写真左が太宰治の墓、右が森鴎外(林太郎)の墓)