予断を許さない、とはこのことだろうか。このブログがアップされた後に急転直下の事態が待っているのかもしれないが、”イスラム国”による日本人人質事件が表面化してから事態は変転し続けている。2人の人質と交換に莫大な身代金の要求→1人を殺害し残る1人とヨルダンで死刑判決を受けたイスラム国人テロリストの釈放要求→ヨルダン人パイロット解放をチラつかせての死刑囚解放要求・・・その都度期限も変わって来ている。人質の命はどうなるのか、その交換条件とな何か 、イスラム国の真の狙いはどこにあるのか、ヨルダン政府はどう対応するのか等、まあテレビはどのチャンネルを回しても識者やら関係者の解説を交えて報道合戦を繰り広げている。
「地球よりも重い人1人の命」であるのだが、責任感の強い当の後藤健二さんにはこれほどの屈辱と悔悟はないであろう。本人の気持ちと全く反するイスラム国のメッセージを自分の口から世界に訴えさせられているからだ。後藤さんの人柄や活躍が伝えられるにつけ心から無事救出を願うが、当のご本人は別の感覚に陥っているのではないかと憶測する。「万死に値する」と。だから救出後は英雄視しない方がいい。紛争地で見たものについてジャーナリストおよびいち人間としての冷静な報告を受けるにとどめよう。
今日は朝からの雪である。出かける家内を駅まで車で送って行く8時前、車は既に屋根やらフロントグラスに雪が積もっていた。午後から小学校の見守り当番なのだが、暖房も何もない場所でのお役目でありしっかり身支度して出かけることにしたい。
[日本語教師の中国滞在記] 山東省編#19-お腹をこわし病院へ
この一件は昨年の6月投稿のブログに「中国での病院体験」として載せたことがあるので、その焼き直しということになるのだが、改めて「滞在記」に書き留めておくことにしたい。
経貿学院に着任して2週間ほどした頃お腹をこわして2日間下痢が続き、その後もしばらくお腹の具合がよくなかった。それまで海外に20ケ国ほど行ったことがあるし、特に前年は北京に3カ月滞在していたけれど、一度も食あたりや水あたりをしたことはなかったのだが・・・。
同僚のモリキさんとはいつも朝・昼の食事が一緒なのでその時に話をしたのだと思うが、モリキさんが中国人の先生にも伝えたようで、チョウ先生が病院に連れて行ってくれることになった。行ったのは市内にある「人民病院」。日本の大病院にも引けを取らない規模の外来病棟と入院病棟があった。大きなホテルのロビーのような外来病棟の吹き抜けのエントランスからエスカレーターで上がって受付へ。症状を伝えると受診科名を指示され、まずそこで診察料を払う。チョウ先生に導かれて診察室の前に着いたが、廊下には順番待ちのためのソファーとか椅子がない。ドアが開いている診察室を覗くと患者が5,6人入っていて、医師の机の前に陣取っている。部屋の外で名前を呼ばれるのを待っているのではなく、我先きに入って順番を争っているのである。私もその列に並び、割り込まれないように踏ん張った。続いて驚いたのは、順番待ちの患者の前で医師が診察をしているのだ。さすがに衣類を脱いでの診察はカーテンで仕切ったベッドの上で行うが、医師と患者の対話は筒抜け。そしてまた順番待ち患者の前で診断結果を聞くのである。全く患者のプライバシーなどは無い。結局私の診断結果は「旅行者胃腸炎」、つまり中国の水に慣れていないことによる腹こわしということで、院内薬局で2種類の薬をもらった。この時の診察料は日本円で150円くらいでベラボーに安く、薬代の方は400円くらいだったと記憶する。幸いお腹の調子もよくなり、その後は一度もお腹をこわすことはなかった。
【写真説明】 左:外来病棟の前に相対して立っている入院病棟。どちらも大そう大きい「人民病院」 中:外来棟の吹き抜けのエントランス 右:院内は清潔で廊下もピカピカ。こんな光景、中国では極めて珍しい