フォレスタの散歩道(パート4へ) 東日本大震災の20日前、2011年2月にスタートしたこのブログも1000回を超えた

概ね2~3日毎の更新、1回に3題の記事をめどとして来たが、以後間隔や記事の数などに捉われずに更新することとしたい。

大震災(11):放射線に対する不安

2011-06-30 21:34:54 | 大震災

  東電の原発事故による核汚染(放射性物質の拡散)の人体・健康への影響についての不安が広がり、深刻になっていることは今さら取り上げるまでもない。
   核反応による発電が止まってしまっても核燃料はコンロールが効かない状態で発熱を続け、放射性物質を発生し続けている。それが発電所外に漏出し拡散しているわけである。
   核兵器の唯一の被害国である日本、国民・住民の不安ははかり知れないものがある。
   しかし、それだからこそ科学的にまた政治的ににもきちんとしたデータを把握し、情報を整理してあまねく国民・住民に周知すべきなのに、原発に関する事実や見通しや見解が全く信頼性を欠き、それが不要な、または無用な誤解、憶測を招いているのが現状であろう。
  
  まさにそんな世情を映したものとして社会面に「何を信じたらいいのか・・・質問殺到  放医研へ電話相談1万件」という記事があった。放医研というのは放射線医学総合研究所のことで、日本では放射線の医学的利用の最高の研究機関であり、医療機関である。
   今回の原発事故では核被害が出た時の第一の診断治療機関になっており、そのため不安に駆られた電話相談が殺到しているというものである。
   しかも、相談者は福島の原発近隣地域の人たちより首都圏からが多く、幼い子供や孫を心配する相談が目立つという。相談内容としては大気や土や雨、水道水、野菜など日常生活での放射線被害が主体で、「何を信じたらよいか分らない」という疑心暗鬼が不安を増幅させていることを伺わせている。
   放医研の見解では大半の相談は心配の恐れがないもののようである。
   私も、「直ちに問題があるという数値ではない」「今さし当たって健康に問題は生じない」というような政府や専門家のコメントは嘘であり、「危ない!危ない!」「これだけある問題点」と週刊誌が煽りたてるようなことが正しい、という風潮があるように感じて来た。
   私の周りでも子供のために東京から長野へ引っ越するような例が出ているが、情緒的でなくもっと科学的に判断できるような社会にならないかと思う。

   ただ、ちょうど同じこの日、「放射線と不安  感じ方の違い認めよう」という社説を載せていた。
   「放射線への不安が被災地から離れた場所にも広がっている。・・・・福島県とは切迫感に差がある・・・自分のまわりでどうなのかかは分からない。不安を感ずるのも無理はない。まずは、わかりやすくきめ細かな情報を提供したい」とあった。
   自分の子供や孫については科学よりも、自分ができる最善のことをしてやりたい気持ちも否定はできないということであろうか。
   それにしても、原発および放射線に関する情報が信頼性に欠ける現実は否定しようがなく、実に情けないことである。

 
[今日の花] 

クリ(栗)
  
木の実としては決して小さい方ではないが、花は10~15センチほどで大きくまた密に咲くので目立つ。この地域ではちょっと人家外れにいくとクリ畑を見ることもできる。写真は井の頭公園のもの。

       
  

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大震災(10):震災と実習生

2011-06-27 13:37:48 | 大震災

   産業経済面に「実習生去り 産業危機 =大震災と経済」という見出しの記事があった。
   大震災の余波で、中国人を主体とする外国人研修・実習生が大挙帰国してしまい、産業に大きな打撃を与えているというものである。
   主に中小規模の会社や農家に与えた影響などを例として深刻な実態を紹介していた。
   外国人実習生は安い賃金でも休まず、若くて真面目で、日本人の若い人では勤まらないと評しているが、ピークの2008年には20万人近くに達するほど日本の産業の中に定着していた。それが震災後約1ケ月で出国した研修・実習生は1万1400人に上り、4月に再入国したのはわずか570人、という。

   この記事は私にとって極めて身近な話題である。私は4月17日付けのこのブログで「地震と研修生たち」というテーマで、大地震当時9人いた中国の教え子の研修生について綴った。
   その後を含めて研修生の動向を再度紹介すると、9人の内4人が研修先の事情で1年の任期を2ケ月繰り上げて帰国、2人は研修先が休業の危機に遭ったが無事任期満了で帰国した。残る3人が今年10月一杯まで研修継続中である。
   また、新たに3人が研修生として来日した。別の1人が8月には来るとの便りをもらっている。 そのほか、教え子ではないのだが縁のある中国人研修生は、160人いた仲間の内110人が帰国する中で、日本残留を決断して研修を続けている。
   いずれの研修生の場合も親や知人から強く日本行き、日本残留に反対されたことは間違いない。前のブログでも書いたが、それら研修生が日本に滞在の間出来る限りの支援をし、恙無く研修生活を終えて中国に帰国してからその経験を有意義に生かして欲しいものと心から願っているところである。

           
      新たに来日した3人の内の2人(左)と、多くの仲間が帰国した中で残留した2人(右)

 
[今日の花]    

ドクダミ
   今の時期どこにでも繁茂しているというか、はびこっている感があるドクダミ。
   草藪の中で白い星を散りばめたように咲き誇っており、花をよくみると純白できれいなものである。しかし”雑草”を代表するかのような繁茂、名前の語感そして特有の臭いなどのため私の好感度はよくない。それでもこの時期紹介せざるをえない花ではある。名前の由来は「毒を矯(た)める」から来ているというように、古来生薬に使われて来た。
    

      

  

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新聞を読んで(第二の青春)

2011-06-26 20:59:44 | 新聞を読んで

  余り目を引かない連載コラムの「夢の車で第二の青春」という投稿に目が止まった。
  投稿
者は64歳、私と2つ違いで団塊世代の先陣部隊であるが、歳がいもなく念願だった2人乗りのスポーツカーを買ったというのである。
   周囲からは「狂い咲き」とか「年寄りの冷や水」などとからかわれるのだが、きっかけは外国高級車の広告に謳った「退屈な大人になるな」というキャッチコピーだったという。
   私はこのこと(退屈な大人になるな)に大いに共感する。
   自分は約40年会社勤めをしたあとのリタイア生活であるが、会社や学生時代の同期の者などを見ると現役時代の延長の生活を続けている者が多い。
   人生それしかないのか、それを生きがいとして見出したのか、少なくとも「40年の会社人生から変わろう」と考えた私とはちょっと違うと思っていた。
  友人の孫談義にうんざりする、という投稿者の言葉もうなずける。
 そして奥さんと2人で「分をわきまえた控え目な速度で(スポーツカーを駆って)第二の青春を味わっている。退屈な大人になるのはまだ早い」と結んでいる。いいねえ、ブラボーである。拍手を送りたい。

  読者投書欄には管首相の進退に関し、「首相の顔、国民は見たくない」「首相退陣論、よくわからない」という正反対の意見を並べる形で載せていた。
  両意見ともさんざん叫ばれてきたもので、新味はそうないのだがまだまだ論議としては続きそうである。
   私は両論にそれぞれ一理あると思う。しかし、菅首相は政治信念や手腕において既に野党は固よりお膝元の民主党内においても信を失い、大義がないと言われた内閣不信任案を突きつけられて、自身の退任表明と引き換えに党内の矛先だけは収めた。
   だが、不信任案が否決されるや今度は居座りを決め込み、また
また政治の混迷を深めてしまった。
   確かに一国の総理として震災後の重要施策を自分の手でやりたい気持ちは分かるが、国会という特殊な種族の世界とは言え、この居座りはやはり明らかな信義則違反であろう。
   私は菅直人の総理としての器量に疑問を持っていたが、この一件で人間性という根源のところでもう愛相が尽きてしまった。 

[今日の花]  

ザクロ(石榴)
  小さい時にザクロの実をどこか近所の木からもいで、何度か食べた記憶がある。実の裂け目を開いて赤い種のようなものを頬張ると甘酸っぱかった。最近はスーパーや青果店で売っていても買うことはほとんどない。ザクロの花を鑑賞する人は少ないと思うがとても美しいものだ。

       

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水泳

2011-06-26 11:07:36 | 日記

     
  
   シニアばかりの水泳クラブに入って丸2ケ月が経った。
   近くの市民プールで週1回の練習日がある。

   もともと健康のための運動として、ここ15年くらいは泳いでいる。
  泳ぎを覚えたのは中学生の頃である。今ではどこの小学校、中学校でもプールがあって、体育の一環として水泳の授業があるが、私の時代には高校に入って初めて水泳の授業があった。まあ同級生の中では泳げる方であったが、その後は特に趣味で泳ぐこともなく過ごした。
   
  健康を意識して水泳をするようになったのは、ジョギングなどの中高年者の運動が盛んになったことが動機だが、私は走ることはからっきしダメなので水泳を選んでみたのである。
  その前から家内の方が水泳に熱中して、プール通いをしていたことも一つの背景である。
 家内は好んで競技会などに出て、タイムを競うタイプだが、私の方はジョギング代わりなので、できるだけゆっくり長く泳ぐことを目的としていた。
  初めの内はすぐ息が上がって長く泳げなかったが、とにかく立ち止まらないでゆっくり泳ぐことに専念したところ、1時間は泳ぎ続けることができるようになった。
   しかし、その速さ(遅さ)といったら、まず隣のコースで泳いでいる人を私が追い抜くことは皆無に近く、三段腹のおばちゃん(失礼!)にも軽く抜かれてしまうような体たらくなのであった。
  それでもそんなスタイルの泳ぎを続けて来たのだが、水泳指導員にもなっている家内に教えを乞うこともなく、明らかに進歩がないと感じていた。
   そこで家内の勧めもあってクラブに入ったというわけである。
  市内には幾つも水泳同好クラブはあるが、入会したクラブは会員が50人ほど。60代、70代がほとんどで、入会した日に私より若い人は1人しかないと言われた。
  もう少しいるのでは思われるのだが、86歳のご婦人から「あら、私より20も若いのね」と言われた。そんな年齢層のメンバーなのだが、泳ぎは別。私はやはり”新入り”なのであった。
  それから2ケ月、泳ぎの進歩の面では他の人より早そうで、泳力はメンバーの平均近くにはなったと思える。


 [今日の花]

シモツケ(下野)
   
バラ科の低木で、5ミリ前後の小さな5弁花が密集して咲く。バラ科の木とは意外である。本家のバラ(薔薇)のみならず、桜や梅や桃のなどはバラ科としてよく知られているが、図鑑をみると木イチゴ、ボケ(木瓜)、ヤマブキ(山吹)の仲間など実に幅広い。それらバラ科の中ではユキヤナギ(雪柳)とコデマリ(小手毬)が見た目このシモツケに近いと思う。 

        

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新聞を読んで(若人に拍手)

2011-06-25 16:29:15 | 新聞を読んで

  私は新聞が大好きである。
  特に休みの日の朝など、床の中でじっくり新聞を読むのは至福の時間と言ってよい。
  現在は特に仕事も持たないシニアライフを送っているので、ほぼ毎日のようにこの楽しみが味わえる。
   ただし朝食の時間があるので、床の中の楽しみはそれまでである。続きは朝食後のこともあれば、何かの用事があって午後や夕方になることもある。

  経費も安いものだ。家まで配達してもらって、一日分100円ちょっとである。
  これを趣味・道楽と考えれば、これほど安上がりの趣味もなかろう。
   人によって新聞社の好き嫌いがあるが、私は子供の頃から読んでいたA紙を、自分が家庭を持ってからもずっと購読し続けている。

   前置きが長くなったが、新聞を読んでなるほどと思うような記事や我が意を得たりと思う記事、逆に反論したくなるもの、感動を覚えるものなど、心にとまった記事を今後このブログに書き留めて行きたいと考える。

   今日の記事は2人の若い人の投書である。
   一つ目は、終電間際の電車内で携帯電話を落した人の投書。拾ってくれた人の親切でその日に内に手元に戻ったのだが、さらに帰宅してみたらその人から家の留守電に伝言が残されていた。相手の人に改めてお礼をしたいと申し出ると、「もし携帯を拾うようなことがあったら、同じようにしてあげてください」とだけ言ったそうだ。相手も若者だったようで、投書者に与えた強い感動が次の親切を生んでいくという、そこに建設的なスパイラルの芽の誕生が読めた。

   すぐ下にあった二つ目の投書は、自分は何のために生きているか分からない、存在意義を見失っていた高校生。教室での授業中に今回の大地震に遭い、死の恐怖を体験した。このことにより必死に生きようとしている被災地の人たちのことを考えるようになり、自分も懸命に生きていくことが役目なのだと悟ったという内容であった。
  「自分の存在意義ってなんだろう」と考えることも多い多感な時期、一つの信念が生まれたことに拍手を送りたい。


[今日の花]

タイサンボク(泰山木)
  
モクレン科の常緑樹で純白で大型の花が目を引く。周囲に強い芳香を漂わせている。  

       


キンシバイ(金糸梅)
  オトギリソウ科の小低木で花は5弁で実に鮮やかな黄色をしている

               

 

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