フォレスタの散歩道(パート4へ) 東日本大震災の20日前、2011年2月にスタートしたこのブログも1000回を超えた

概ね2~3日毎の更新、1回に3題の記事をめどとして来たが、以後間隔や記事の数などに捉われずに更新することとしたい。

”反日”を越えて

2012-11-30 14:12:50 | 日記

   購読紙の昨日の読者投書欄に『中国人留学生 温かく鍛えて』というのがあった。現在中国で日本語教師をしている65歳の男性の投書である。 年齢的にも私が中国で日本語を教えていた頃とピッタリであり、概略以下のような投書の内容にも全く同感であった。
  
   「先日、日本留学試験があり私の勤める日本語学校から80人が受験した。今回は東日本大震災の怖さや尖閣諸島問題で反日感情が高まっている中で、周囲の反対を乗り越えて留学を決意した特別の事情がある。それは日本の進んだ学術を習得し、日中友好にも役立ちたいという夢を持ち、その夢が変わらなかったのは日本の文化や習慣に深い理解があり、日本の学術に強い憧れがあったからである」というもので、日本の私たちに「留学生の意欲に応えるため、厳しくも温かく鍛えてやってください」と結んでいる。
  
   翻って私に関係するところを取り上げてみると、昨年東日本大震災と原発事故が発生した時、私の教え子である中国人研修生が日本に9人いた。そして彼ら彼女らは例外なく中国にいる家族や知人から矢のような帰国の催促を受けたようだが、誰一人途中帰国する者はいなかった。慰問やメールなど励ましていた私にはそれがとても嬉しかった。
   さらにその後、ほぼ入れ替わりに7人が日本にやって来た。ほとんどが両親などから引き止めに遭ったが、私の知る限り2人が来日を断念したものの、あとは強い信念で日本行きの夢を実現させている。先般尖閣諸島問題で中国国内で反日デモの嵐が吹き荒れた時も、親や友達からの心配の声に「日本はそんな国ではない。私たちは安全」となどと答えているようだ。

   私も投書者が訴えるように、ぜひ日本に対する好意的な理解が変わらずに帰国して欲しいものと強く願っている。

  
[下は中国で反日デモが荒れていた時にも日本で明るく過ごした中国人研修生]  

      復原した東京駅、日本のすぐれた歴史的建造物に思いを馳せる 

            寮でお得意の餃子を作って歓迎してもらう    

                      楽しそうに見て回った動物園

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美女と野獣?

2012-11-28 12:09:39 | 時事トピックス

   昨日北海道では激しい風雪となり、停電や交通マヒなどの被害が報じられている。東京地方は晴れたものの、冷たい風の一日であった。

   さて、衆議院選挙までの公示まであと6日と迫り、各政党特に新勢力の動きがめまぐるしい。今や民主党の惨敗・政権明け渡し、及び民主の自滅で自民党が拾い物の政権復帰が既成事実化しており、それよりも「第三極」とかなんとかで、乱立気味の新政党の集散離合の動きに注目が集まっている。
   初め「第三極」といえば橋下氏率いる「維新の会」が軸になっていた。その後石原氏が都知事を放り出して「太陽の党」を、河村氏が「減税・・・党」を立ち上げ、既存の小沢氏の「国民の生活・・・党」や渡辺氏の「みんなの党」などと共に乱立状態に陥った。 このままの小党分立ではいずれの党もキャスティンボートを握れないものだから、「小異を捨てて大道に就く」などと言って相手探しにやっきになっていた。

   そこへ昨日、嘉田滋賀県知事が「卒原発」を掲げて「日本未来の党」結成を表明するや、たちまち「国民の生活・・党」や「減税・・・・党」がこれに合流を決定。
   橋本「維新の会」は当初「脱原発」を掲げていたが、石原党と合流するに当ってこれをウヤムヤにしてしまった。それを受けて環境学者として強く脱原発を叫んでいた嘉田氏が業を煮やして旗揚げをした格好だが、これには小沢氏一流の策略も働いているようだ。小沢党としては清潔なイメージのある嘉田氏を前面に立てることで自分のダーティーなイメージを覆い隠し、嘉田氏にしてみれば橋下氏のような人気はないが金を持っていて選挙に強い小沢氏を強力な助っ人にできる、という双方の思惑の産物だと私は考える。

   これで「第三極」は橋下・石原軍の「日本維新の会」と小沢&嘉田&河村軍の「日本未来の党」の2軸で回転することになりそうだ。
   それにしても嘉田氏と小沢氏なんて、「美女と野獣」の妙な組み合わせではないか。

 
  話が変わり、昨日のテレビと今朝の新聞でモーグル女子のW杯開幕を控えた上村愛選手が紹介されていた。前回のバンクーバー五輪では4位に終わり、多くの国民が残念がった。32歳になった今改めて世界に挑戦するという。また今日の読者投書欄に、女子プロゴルファーの宮里藍選手が米女子ツアーの「パエウェル賞」とかいうのを受賞したことに対する賞賛の声が載せられていた。この賞はツアー選手が仲間の中での模範となるプレイヤーを選ぶもので、賞金女王よりも価値ある賞だと先日その記事を見て私も感動したのだ。
   この2人に加えてロンドン五輪で銀メダルに輝いた卓球の福原愛、もう引退してしまったけれど長い間日本のトッププレイヤーで活躍したテニスの杉山愛・・・この4人の「あいちゃん」に共通するのは、可愛いエクボの笑顔で日本中に感動と潤いを与えて来たことである。こんな共通を思いを至たすのは私だけなのであろうか、みんなも不思議な共通を感じていたのだろうか。


[今日の散歩道]


真っ赤なナンテン(南天)の実とのコラボレーション
   左:奥は白い穂が目に鮮やかなパンパスグラス
   右:手前にはまだ咲いているジュウガツザクラ(十月桜) 

        
 

今やイチョウ(銀杏)の黄葉の見頃時、黄金色に輝いて美しい。
   右のクローズアップは原画では良い色に写っているのだが、色調が再現されていないのが残念である。
 
    
             

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いじめの調査/大相撲

2012-11-26 13:00:23 | 日記

   数日前の新聞に学校でのいじめに関する調査の結果が報告されていた。
   大津市の中学生のいじめによる自殺が、事件として全国的な社会問題になり、その後当の大津市教育委員会などの調査が余りにもいい加減なものであることが露呈して糾弾を浴びた。
   そんな状況を受けて文科省が全国の小中高校などにおけるいじめの緊急調査を行い、それを発表したものである。購読紙一面のトップ見出しには『いじめ、半年で14万件』『全国の学校 積極的に兆候把握』とあった。そして教育面には全都道府県別のいじめ認知件数が一覧表で掲載された。
   総論としては、今年4月から約半年間で把握できた件数は前年度1年分の2倍を超えたが、これはいじめのわずかな兆候をも見逃さないとの意識が高まったからである、としている。確かにこれまでは学校の不名誉になるからなるべく表ざたにしないでおく意識が強かったと考えてよいと思う。
   その意識はまだ根深く残っているのではないかと疑われるのが、都道府県別の結果表である。自治体による違い余りにも大き過ぎるのだ。児童生徒1000人当たりのいじめ認識件数で比較すると分かり易いのだが、例えば鹿児島は前年2.0→159件、同じ九州の福岡や長崎は1.2→1.0件、0.6→1.3件。鹿児島は前年から80倍に跳ね上がっているのに、福岡や佐賀はほとんど変わっていないのである。古都のイメージが強い奈良や京都も1.8→43件、1.6→31件なのに対して近隣の滋賀は1.3→1.5件となっている。これって本当? 都道府県別にこれほどいじめの土壌が違うとは考えられない。 東京を囲む首都圏ではどうか? 東京4.0→6.8件、神奈川4.8→5.6件、埼玉1.8→1.7件、千葉11.4→24.2件・・・。千葉と埼玉ではこれほど学校の雰囲気がちがうのか?  
   この期に及んでまだまだ真摯に対応していないところが多くあるのではないかと思う調査結果であった。

  
  大相撲福岡場所は昨日が千秋楽であった。横綱白鵬が格の違いを見せつけて23度目の優勝を果たした。4場所ぶりというのが信じられないほどの横綱相撲であった。
    対して2場所連続優勝で横綱に昇進した日馬富士は、新横綱の場所を9勝6敗の惨めな成績で汚した。大関でも「クンロク(96)」と蔑称されるほどのふがない成績である。特に後半の5連敗は新横綱としては史上初の不名誉な記録だそうである。確かに2場所連続全勝というのは素晴らしいものだったが、横綱に昇進するのには私は不安を抱いていて、2ケ月前のブログに次のように書いている。

『相撲に臨む心構えとして「全身全霊」を口にしている日馬富士、この言葉は日馬富士にとって文字通りの信条とせねば、横綱は勤まらないと思う。もともとの運動能力は高い。だが体格的には現在幕内最軽量である。力士が重量化した近年では、残念ながら小兵横綱、軽量横綱が長続きしたためしがない。軽量であるがゆえに体調が万全でないと優勝を争える星が残せないからだ。、日本人横綱が出てこないことを嘆く相撲ファンが多い中、日本人力士に欠けている「全身全霊」の取り組みで、ぜひ横綱らしい相撲を見せてほしいと思う。』

   この時は「体調が万全でないと・・・」と書いたが、「心技体の内、心と体が万全でなければ・・・」と言い直したい。 横綱昇進直後のいろいろなハンディがあったことと思う。早くも私の懸念が現れた形だが、前のブログで送ったエールに「全身全霊」の精進で応えてくれることを望みたい。  
   

[深大寺界隈で] 

 
ひっそりと客を待つ名物のそば屋と紅葉したカエデ   ケヤキの葉がすっかり色づいた臨時駐車場 

              
          びっしり枯れ枝に止まっていた群雀(むらすずめ)

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映画ふたたび

2012-11-25 23:06:56 | 日記

   前号も映画の話題を書いたけれど、今日は市内の団体主催による映画祭があり見に行って来た。
   何と4本立ての企画で、会場は映画館ではなく常時催しものが行われる施設。朝10時からの上映で終ったのはすっかり暗くなった6時半、入場料はたったの1000円である。
   昔は二番館と呼ばれ封切から大分経った映画の3本立てというのが当たり前だったが、今どき3本立てなんていうのはお目にかかれない。勿論4本立てなど生まれて初めてのことであった。実は、これは「平成24年度 文化庁優秀映画鑑賞推進事業」によるものであるが大満足をして帰った。

   ラインアップは、市川昆監督、長谷川一夫主演の「雪之丞変化」、谷口千吉監督、池辺良・山口淑子主演の「暁の脱走」、今東光原作、勝新太郎・田宮二郎主演の「悪名」、そして黒沢明・三船敏郎コンビによる「隠し砦の三悪人」。 「暁の脱走」は戦後間もなく撮られた反戦的映画であるが、あとの3本は日本映画の最盛期と言える時代の代表的な作品である。私には勝新太郎や田宮二郎、市川雷蔵、山本富士子、若尾文子、中村玉緒らの若い時の花形スターが続々現れて、ワクワクした。また柳永二郎、山茶花究、小沢栄太郎、千秋実、藤原鎌足、志村喬などの名脇役たちも懐かしいし、浪花千栄子の登場には改めてスクリーンに見入った。現役時代の長谷川一夫の映画は余り見ていないが、雪之丞はさすがに妖艶な役者ぶりだ。
   私は映画監督では黒沢明のファンであり、特に「七人の侍」や「用心棒」「椿三十郎」などの活劇が好きで、「隠し砦の三悪人」もこれまで6,7回は見ていると思う。しかし、再々みているそのほかの映画でもそうなのだが、ストーリーの細部では「こんな場面があったっけ?」と思うことが度々である。だから見飽きないのかもしれない。

   映画に関する思い出を一つ。学生時代、大学祭の学部の責任者であった私は黒沢監督の「椿三十郎」の映画会を企画した。映画会社にも自分でフィルムを借りに行った。大して呼び込みもしなかったのだが、プログラムに載っているので500人ほど入る講堂が超満員になった。だが、その翌日、同じ講堂で開催した真面目な企画の講演会は”知る人ぞ知る”著名な論者を招いたのだが、懸命な呼び込みにも拘わらず入場者はパラパラ。大学祭の責任者である自分自身が「さくら」で会場の前の方に陣取って、質問などをした苦い思い出がある。
  
[一気に色づいて来たカエデ林]

   一週間ほど前のブログで「紅葉にはまだ早いカエデ林」と紹介したところだが、このところ気温冷え込んだり、冷たい雨が降ったりしてカエデ林も一気に色づいて来た。       

          

           

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都知事選挙/冤罪

2012-11-23 14:39:54 | 日記

   前号にも書いたが、相変わらず新聞は衆議院選挙関連記事が満載である。
   一方で街を歩くと至る所に東京都知事選の選挙ポスター掲示板が立っている。25人分の候補者のポスターが貼れるひどく大きい掲示板だ。いったい何人の立候補者が出るか分からないから余裕を持たせてのことだろうが、そもそも都知事選には毎回泡沫候補がぞろぞろ出るのでこんなでかい掲示板になるのだ。全く無駄が多い。石原知事が辞任した時に、都知事選挙には50数億かかると何かで報じられたのを記憶している。こうした掲示板を見るにつけ、石原氏は任期途中で知事を降りて選挙で50数億円の金をかけさせることに思いは至らないのだろうかと思う。唯我独尊の人だから、そんなことは小さいこと、もっと大事な国を正す使命があるとお考えだろう。まあ、任期の半分ということで選挙費用の半分26~27億円、都民に余計な金を負担させるわけである。

   話は変わり、今日の新聞に「メール冤罪事件 実相見ない家裁は猛省を」という記事があった。
   例の遠隔操作ウィルスによるなりすましメール事件で逮捕された19歳の学生の冤罪に関する投稿記事である。筆者は元家裁調査官という家裁の事情に詳しい方だが、次のように家庭裁判所を弾劾している。
   「なりすましメール事件で4人が誤認逮捕され、中には当初容疑を否認していたが勾留される中で自白までさせられた。その内で最も驚いたのは犯人として送致されて来た未成年の学生に、有罪を意味する『保護観察』処分を下し、少年の人格と人権を著しく侵害した家裁のあり様である。自白に誘導するための脅しや強要を常とする警察などの捜査機関の態様は今に始まったことではない。しかし、犯罪少年の保護・育成を標榜する家庭裁判所が、無実の少年の人権を守れなかったことは極めて残念だ。」と述べ、安易に「保護観察=有罪」処分を下す家裁の体質を論じている。

   また話が変わって、先日周防正行監督の『終の信託』という映画を見た。重症の喘息患者と女の主治医との強い信頼関係を、広告では「プラトニックラブ」として映画の売りにしているが、私は「冤罪はこう作られる」という目で見た。
   患者が心肺停止に陥った時、生前安楽死を託されて(これが「終の信託」の意味)いた主治医は延命治療を中止した。このことで殺人罪に問われて検事の厳しい取り調べを受けるシーンを見て、一方的な検事の筋書き主張と恫喝を、何の訓練も受けていない一市民が一人っきりでどう抗弁できるのか? 私は背筋の寒くなる思いでスクリーンを見ていた。
   この周防監督は5年前に『それでもボクはやっていない』という映画で冤罪について世に問うた。痴漢冤罪事件をモデルにしたもので、この年のキネマ旬報ベストワン映画に選ばれるなど評判になった映画である。
     
  最近、足利事件や東電OL殺人事件など、再審で無罪になった事件が相次いでいるが、冤罪はいつなんどき自分の身に降りかかって来ないとも限らない恐ろしいことである。

 

[今日の花]

サザンカ山茶花:ツバキ科)
   サザンカが見頃を迎えようとしている。来春初め頃までは次々と咲く息の長い花であるが、神代植物園のツバキ園ではたくさんの種類のサザンカが植えられており、現在次のような色とりどりの花が見られる。


   

    
 
     

  

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