陽だまりの旅路イスキア

あ、slice of life…日向香を感じる日々の暮らし…

十一月の読書 深夜高速バスに100回ぐらい乗ってわかったこと

2020年11月26日 | slow culture

随分長ったらしいタイトルとその言葉に
惹かれて読んでしまった一冊。

大阪在住のフリーライター スズキナオ氏の
初の単行本とあった。

路線バスで行くというテレビ番組の
深夜高速バス編かなと思って読んだのだが
実はそのタイトルは第一章の最初だけで
内容は食を主体とした様々な試みの一書であった。
この辺はwebライターらしい巧みかもしれない。

それでも気楽に読めて結構面白かった。
例えば神戸新開地の昼スナックの話とか
神戸市東灘区のモダン焼専門店の
「えっちゃん」の大将が一人で七兵衛山の
ベンチとか整備したすごい話とか
三重県鳥羽市の離島にある「ロンク食堂」や
岡山の「四つ手網」の海小屋の話などは
一度行ってみたいと思ってしまった。

作者は色んな暇な試みをしていて
それがくだらないけど面白い。
本当の割り勘を算出する企画は得に。
四五人で居酒屋に行って、清算のとき
夫々の呑んだ分や食べた分を正確に
按分するという企画。これは思わず
ふうんとうなづいてしまった。

作者は主にネットで執筆しているライターだ。
こういう軽いタッチの文章がどんどん
消費されているのもネットならではなのだろうか?
そういう意味ではアナログの単行本になって
つくづく良かったと思うのである。
文章がジャンクフードのように
消費されるのは何だか悲しいものである。

■深夜高速バスに100回ぐらい乗ってわかったこと
スズキナオ 
スタンド・ブックス 2019年11月初版
コメント