平安夢柔話

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「なんて素敵にジャパネスク」 再読

2007-02-13 15:23:14 | 読書日記
 ↑のタイトルが、このところ更新をさぼっている理由です(汗)。

 「なんて素敵にジャパネスク」 (氷室冴子著 集英社・コバルト文庫)を先週の水曜日から再読し始めたところ、これが面白いの何のって…。 現在、4冊目の「続ジャパネスク・アンコール!」の3分の1くらいまでを読んだのですが、やめられそうもありません。多分、終わりまで読んでしまうと思います。

 ところで、この小説のことをご存じない方もいらっしゃると思いますので、内容をほんのちょっと紹介しますね。

 「なんて素敵にジャパネスク」は、早く言えば瑠璃姫という平安時代の姫を主人公にした少女小説です。平安時代の姫君たちは家の奥に引っ込んで琴を弾いたり、書道をしたりしておしとやかに過ごしているのが普通なのに、瑠璃姫はその正反対でした。乱暴で口が悪く、おてんばで外歩きが好きで…。でも明るくて正義感が強くて、何となく憎めないのですが…。とにかく風変わりな姫なのです。

 その上、瑠璃姫は、幼い頃吉野の里で一緒に遊んだ初恋の人、「吉野君」のことが忘れられず、「私は一生結婚しない!」と言い出す始末。「このままでは本当に行き遅れてしまう」と心配した瑠璃姫の父、大納言は、ある夜、権少将と瑠璃姫を無理やり結婚させようとします。そこを救ってくれたのが、おさななじみの高彬でした。

 そこで、「高彬もなかなか素敵じゃないの。」と思った瑠璃姫は、彼との結婚を決意…。するのですが、なぜか初夜のたびに何かが起こり、二人の結婚はなかなか成立しません。事が起こるとその真相を確かめずにいられない瑠璃姫は、色々とかぎ回るうちに恐るべき陰謀事件に巻き込まれてしまいます。そしてその事件が解決したあとも、また新しい陰謀事件が…。その結果瑠璃姫は瀕死の重傷を負ってしまい、その上あらぬ噂を立てられ、高彬との婚約も白紙に戻りかけます。

 そんな紆余曲折を経て、ついに二人はゴールイン!!しかし、それでめでたしめでたしとは行かないのが世の常。第一、瑠璃姫がおとなしく引っ込んでいるはずがありません。そして、またまた事件が…。恋愛あり、冒険あり、ミステリーあり、とにかく読み始めたらやめられない平安ラブコメディーです。

 ところで、この「なんて素敵にジャパネスク」が初めて出版されたのはもう20年以上前のことですが、平安好きを自称していながら、私はこの小説のことを5年前まで全く知りませんでした。初めて知ったのは、インターネットの平安サイトでです。そして、4年ちょっと前から平安サイトの掲示板への出入りを始め、この小説のことを色々聞いたりするうち、「読んでみたい」と強く思ったのでした。

 しかし、静岡で一番大きい書店にもこの本を置いてありませんでした。そこで仕方なく、書店に頼んで取り寄せてもらうことにしました。30代後半で少女小説を取り寄せるというのはかなり気恥ずかしかったのですが、「店員に変な顔をされたら娘に頼まれたとでも言えばいいか…」と思い、勢いで頼んでしまいました。幸いそれほど変な顔はされなかったです。ほっとしました~。
 そして、音声ソフトを使って読んでいる関係上、読書のスピードが超遅い私が、何と20日間で全10冊(なんて素敵にジャパネスクは、正編8冊と番外編2冊、)を読んでしまいました。

 今回は再読のため、大まかなストーリーは覚えているのですが、それでも楽しく読めています。何しろ4年ぶりですから、細かいところは忘れていますしね。瑠璃姫と高彬の一度目の初夜が流れたのは、高彬のおばあさんが亡くなったためだったこと、そのおばあさんが、高彬と兵部卿宮の二の姫との結婚を望んでいたことは忘れていました。唯恵の出自もうろ覚えでしたし…。

 ところどころに、平安時代の生活風習もしっかり盛り込まれているところも嬉しいですね。「少将」「侍従」「大納言」といった官職や、「二条堀川」「宇治」のような京都の地名、それと、「宮」「女房」「承香殿」といった言葉にもいちいち反応してわくわくしてしまう私は、やっぱり平安好きなのだなと実感してもいます。

 それに、初めて読んだときは変化に富んだストーリーを追うことで精一杯でしたが、今回はその時その時の登場人物の心理状態とか、「ああ、あそこはこの場面の伏線になっていたのか」などと考える余裕もあります。

 それと、4年前は私、読む順番を間違えてしまったのですよね…。2巻のあとに3巻を読んでしまったのでした…。「少し話が飛んでいる」とは思ったものの、意味はわかるのでそのまま読んでいました。
 ちょうどその頃、当時出入りしていたある掲示板に、「ジャパネスクの2巻を読み終え、3巻を読み始めました。」と書き込みしたところ、「2巻のあとはジャパネスク・アンコール!ですよ。」と管理人さんに教えていただき、びっくりしてまだ手許になかった番外編「ジャパネスク・アンコール!」「続ジャパネスク・アンコール!」を取り寄せたのでした。そして、6巻の途中で正編を一時中断し、番外編2冊をあわてて読んだ…という経緯があります。
 なので、番外編を読んでからの3巻や4巻がどんな感じなのか、今回は楽しみだったりします。もうすぐ3巻だ~。頑張らなくては。

 …というわけですので、しばらくは読書に夢中になっていると思います。こちらの更新はそのようなわけで更にゆっくりになってしまうかもしれません。どうか気長におつき合い下さいね。

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