なぜか「牛車腎気丸ください」と言われる事がしばしばありました。
ネットで検索するとこれがいいと書いてあったそうな。
そこで、牛車腎気丸はどんな体質に使うのか、書いてみます。
処方のつくりは「八味地黄丸」に牛膝(ごしつ)と車前子(しゃぜんし)を加えたもの。
八味地黄丸は腎陽虚。牛膝は活血化瘀、補肝腎、利水通淋作用を持ち下行の引経薬でもある。車前子は清熱利水作用があるので、つまりは、下半身が冷えるタイプのむくみや小便がスッキリ出ないという症状のある人に用いると有効。
腎陽虚は、
下半身が冷える、足腰の力が弱い、下腹部のひきつり、腰痛などの症状があり、むくみや尿量減少または多尿、夜間尿、失禁、スッキリ排尿できないなどの症状が現れやすい体質。
ということで、お客様の体質を伺ってのち「牛車腎気丸でないほうがいいのでは?」というと、「でもここに書いてある!」とスマホを見せつけられるのには困ったものです。その記事は私が書いたものでもないのに、なぜ詳細に説明しなおさなければならないのでしょうか。
ネット記事を読むときは、前後も十分読み込んで、そのニュアンスをしっかり理解してください。
あ、これもネット記事か。
今朝の通勤道に咲いていたヤクシソウ(薬師草)。名前のわりに効能はないとか。
ちなみに、牛膝はイノコヅチの根で、車前子はオオバコの種子。案外身近な植物です。
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