漢方薬剤師の日々・自然の恵みと共に

漢方家ファインエンドー薬局(千葉県)
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日本の夏、冷え性の漢方対策

2013-07-09 | 胃腸
日本の夏は困ったもので、冷え性問題が顕著になります。
冷房や冷たい物のとり過ぎによる被害です。

上着を着込むほど冷房を効かせ、
(一方で今年は、女性は生足、短パン、超ミニが流行ってしまった・・・)
どこでも冷蔵庫や冷凍庫があり、冷たいスウィーツやビールが注目され、
刺身など生ものはツマを省略して食べてしまう。

もしも暑さをある程度受け入れて、
(たとえば弱冷房程度で多少汗をかいても厭わないとか、
 せいぜい水で冷やした程度のものを食べるとか。)
かいた汗をタオルでふきふき過ごし、気分転換もできてのびのび過ごせば、
発生しない問題です。


ウワミズザクラの実はこれから色づき始める

冷え性の主な症状は「手足など末端が冷たくて温まらない」ですが、
それは体そのものが冷えきっているというよりは、
陽気が末端までいきわたらないという状況です。

『冷房、薄着』(寒邪外束):(麻黄附子細辛湯など)
  冷房の影響を受けやすく手足などが露出している部分からどんどん冷され、
  なかなか温めることができない。

『生もの、冷たいもの』(脾陽困阻):(人参湯など)
  胃腸が冷え、胃痛腹痛、下痢などを起こし体が温まらない。

『ストレス』(肝気鬱滞):(逍遥散、四逆散など)
  憂鬱や怒りによって代謝が滞り血流も悪化して末梢が温まらない。

『血流がよくない』(瘀血内阻):(冠元顆粒など)
  上記の3原因の二次的な問題として発生することも多い。

猛暑の今日も、冷たい物の摂り過ぎで下痢気味という男性が何人かいらっしゃいました。
背広やワイシャツが日本の夏にそぐわないのでしょうね。
衣類の問題があるにしても、
勢いで冷たい物を大量に飲んだり食べたりしてその結果、
下痢を繰り返して体調がよくないというのは、
自己管理の問題でもあるのですが、それを気が付いていない人も多い。

単に下痢止めで済まさず、こうして相談に見えただけでも上出来と言えるかもしれません。
(と言っても、夫の体調を心配した奥様のご来局がほとんどだけど)
カツ香正気散(勝湿顆粒)、半夏瀉心湯、人参湯、参苓白朮散、補中益気湯、真武湯など、
状況に応じて漢方対策します。

不妊対策しているとしたら、ご主人が下痢して体力が落ちているのはよくありませんね。
夫婦で元気に日本の夏をお過ごしください。


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