漢方薬剤師の日々・自然の恵みと共に

漢方家ファインエンドー薬局(千葉県)
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シャッターアイランド(映画)悲しすぎるー

2010-04-24 | 映画
なるほどねー。そういうことねー。

すっかり騙されたけど、それはつまり、もっぱら「そっち側」に立って見てみれば
なにも異常なことはない、ということになる。
この映画のからくりを知ってもう一度「こっち側」から見てみれば、
あの行動は変だとか異常だとかに見えてしまうかもしれない。

      
あまりにも心の痛手が大きな事件、それもただただ悔むしかないような
事件に遭遇してしまうと、その現実を受け入れることができなくなる。

もしも受け入れ、世間からお涙を頂戴するような『善人』に
なったとしても、事実に耐えて生き続けることなんてできない。
『モンスター』だと言われようとも、「そっち側」の精神世界にいるほうが
せめて生きていられる。

ってなふうに最後の言葉を理解してみたのだけど、どうかなあ。

「そっち側」(そこでチャックが絶対捕まえてやると追い求めているのは、
なんと「自分」ですよ、悲しすぎるー)にしかいられない彼に、
どうにも切ない気持ちになり、
個々によって「正常」と「異常」のものさしはすごく異なるので、
人どうし生きてゆくのは難しいことだなあと思う。

      
叩きつけるような大きな効果音は激しい頭痛に苛まされる彼の頭の中の音でしょうか。

レオナルド・ディカプリオの演技は磨きがかかって、
複雑な役どころを自然に演じてましたねえ。
もっと明るい役も今後観たいかなあ。

「シャッターアイランド」:★★★★
  レオ様の映画でちょこっとおまけ気分かも。
  それでもあとあといろんなことを考えさせられる映画でした。

監督 マーティン・スコセッシ
原作 デニス・ルヘイン
出演 レオナルド・ディカプリオ  マーク・ラファロ   ベン・キンズレー