ラムの大通り

愛猫フォーンを相手に映画のお話。
主に劇場公開前の新作映画についておしゃべりしています。

『4ヶ月、3週と2日』

2008-01-20 22:41:41 | 新作映画
(原題:4 mois 3 semaines 2 jours)

----この映画、カンヌ国際映画祭パルムドールを受賞したんでしょ。
変わったタイトルだよね。
「実は、このタイトルに意味があるんだけどね…。
すでにいろんなところで、ネタバレチックな紹介がされているけど、
ボクはこの映画は、あまり前情報を知らないで観た方がいいと思うな」

----じゃあ、STORYも知らない方がいいの?
「うん。今日はここだけ抑えていればいいという
ポイントを話そうかな。
舞台はチャウシェスク独裁政権末期のルーマニア。
大学生のオティリア(アナマリア・マリンカ)は
ガビツァ(ローラ・ヴァシリウ)に頼まれ、
ある“問題”の解決のため、
一日奔走する…」

----う~ん。よく分からないニャあ。
「でも、これだけ知っていればOK。
ぼくなんて、まるでミステリーを観ているみたいに、
途中まで
何がなんだか分からなかったもの」

----それでも楽しめるの?
「正直言って、楽しいというタイプの映画とは違うね。
カメラは終始、手持ちで微妙に揺れながら
主人公オティリアの行動を追う。
その緊迫ときたら、これはスゴいものがある。
ずっとオティリアを追っていたカメラは
いつしか彼女を取り囲む空気となって
重くのしかかる」

----わっ、ニャんだか映画的だね。
「そうなんだ。
それだけでも観る価値十分。
なかでも、彼女が法を破って、あることの始末に行く時なんて、
その前後で、同じ風景でもまるで違って見える。
それは彼女一人だけの行動。
誰かとの会話でそれを説明しているわけでもない。
なのに、カメラワークだけでその違いを写し出すんだね。
正直言って、ガビツァのあまりにも自己中心的な言動や、
なぜ、オティリアが彼女のためにそこまで身を呈するのかは
ぼくにはよく分からなかった。
おそらく当時のルーマニアの社会状況が
分かっていないと無理なんだろうな。
でも、この撮影、いや演出力かな。
それだけでも観る価値は十分にあるよ」


(byえいwithフォーン)

フォーンの一言「こ、これはスゴそうだニャあ」おっ、これは

※内容はヘビーだ度

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猫ニュー 

ポスター画像はフランス・オフィシャル/ダウンロードサイトより。

※ちょっとCM。意外ときれいです。
(画像のどこでもクリックしたら動画が観られます)

kissmintmebius